2015/07/30 - 2015/07/30
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kanai jic tokyoさん
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また同じような時間に同じような出発時刻のロシア国内線に乗ろうとウラジオストクの空港カフェで待っている。今はヤクーツク行きのフライトを待っているが、ひと月ほど前にはここでイルクーツク行きのフライトを待っていた。イルクーツクに深夜1時頃に着くから結構しんどかったが、今日も同じような時間にヤクーツクに到着予定、、、さて。イルクーツクの話。
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文字通り「再」訪で、一度目はウラジオストクからシベリア鉄道で3泊4日過ごしてイルクーツクを訪れた。初めて行ったロシアだった。季節は2月で、寒過ぎて気温を感じているのかどうかもよくわからないくらいだったが、買ったアイスクリームを外に放置していても溶けないような気温ではあった。イルクーツクから向かったバイカル湖の表面はどこまでも凍っていて広く、白く美しかった。凍った湖面に立って、足元の氷の下にある湖水のゆれる不思議な音を聞いていると、自分が居る場所がどこかわからなくなるような、自分という存在が消えてしまっているような気持ちになった。「今度は夏に来たいな。凍ってない青いバイカル湖を見たいな」そう思い続けて10年経った。
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幸運にも夏にイルクーツクを訪れてバイカル湖を見るチャンスがやってきた。空港に着いたのは深夜だったが、ホテルでいつまでも朝寝坊している時間は無い。今夜の列車でイルクーツクを発つため、間に合うようにイルクーツクとバイカル湖の往復をしなければならない。ホテルで早めに朝食を済ませ、バイカル湖畔の村リストヴャンカ行きマルシュルートカのたまり場へ。車は6割方座席が埋まっている。しばらく待っていれば人数が集まって出発するだろうと思っていたが、空席のあるままでマルシュルートカは出発した。45分ほどでバイカル湖博物館前に到着。
リストヴャンカの終点まで行かずにそこで降り、リフトで展望台を目指す作戦。マルシュルートカの窓から見えていたバイカル湖は凍っていない。見たかったバイカル湖の姿に嬉しくなって湖周辺をうろうろして写真を撮っていたらトイレに行きたくなってしまった。博物館は8割の中国人観光客と1割の日本人客、他1割でごった返しており、そのグループに紛れて博物館のトイレを使わせてもらった。緊急トイレ事態だったので中国人混雑に感謝した。行けて良かった。 -
その後リフトを目指して地図を見ながら歩いたが、持ち前の方向音痴感が発揮され自分の居場所がわからない。数人に尋ね、リフト乗り場にたどり着けた。いわゆるスキー場のリフトがぐるぐる回っており、それにタイミングを合わせて乗る。高所が苦手な人は避けた方が良いかもしれない。人はほとんどいなく、頂上でひと家族がいただけ。リフトを降りた後に展望台まで5分ほど山を下って歩く。見えた。青い、凍っていないバイカル湖が。大げさな言い方かもしれないが、夢が叶ったんだなと思った。
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下りリフトに乗る時は係員がお茶しておしゃべり中。リフトに乗るのを手伝ってくれない、というか「リフト券をチェックしなくていいのか?」という状況で、自分でタイミングを合わせて勝手にリフトに乗る。下りはすれ違う人がたくさんいた。皆笑顔で挨拶をしたり手を振ったりして楽しい。一応「ズドラーストビチェ」と言っていたのだが、ほとんどドイツ人のようなので「グーテンターク」と「チュース」をくり返していた。僕へは「ニーハオ」と言われた。
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さて歩いてお腹が空いた。やっぱりバイカル湖に来たので名物の魚、オームリを食べよう。歩いてレストランに入ると「予約客がいっぱいで時間がかかるけどいいか?」と確認してくれた。なるほど。「予約席」のテーブルがたくさんある。時間がかかるのはマズいので確認してくれたことに感謝し次のレストランを目指す。そこはちょっとさびれた雰囲気だったが、ロシア人のお客さんが数人入っていたので地元雰囲気と思い、席に着く。バイカル湖を見ながらおいしいキノコスープとオームリのムニエルを食べ、大満足の昼食だった。店内に流れているテレビ、MTVの音楽がガンガン流れているのもロシアっぽいではないか。
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夏のバイカル湖は冷たいのを我慢して泳ぐ感じで、水着で日焼けしている人がちらほら。日射しは夏のものなので歩いていると汗をかく。リストヴャンカ、ホテル『マヤーク』前のバス停まで歩いて疲れたので、キオスクでモヒートを買って飲む。
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帰りは待機しているマルシュルートカに乗り込もうとしたら「チケットはあるか?」と聞かれ、乗せてもらえなかった。先ほどチケット売り場で「次のバスは売り切れだよ」と言われていたのだ。すると隣で待機していたマルシュルートカのドライバーが声を掛けてくれたのでそちらに乗り込む。まぁ、次の次くらいで30分は待つ覚悟をしていたが「次のバス」より先に出発した。マルシュルートカの出発時間は往復ともラッキーだった。
市内に入り、窓からチャイナタウンのようなエリアが見える。行ってみると、漢字のある世界、人の多いごちゃごちゃした世界の一部があった。ふらふら歩いていると心惹かれる店が。ウイグル料理の食堂。せっかくロシアにいるからロシア料理を食べるべきだ、、、と思っていたが、ラグマンが大好きなのでやっぱり入店してしまう。ラグマンはいつどこで食べても本当においしい麺料理。食べ終わってチャイを飲んでいると、そばにいた男が話し掛けてきた。ずいぶんフレンドリーだな、と思っていると彼はウズベキスタン、サマルカンドの人だった。なんだかいろいろ話して、こんな店に入るのも悪くなかったなと思った。 -
イルクーツクに戻ってきて、とても気になる場所があった。『130地区』。10年前には無かった場所だ。列車の出発まであまり時間が無いが急いで行ってみる。突然の西ヨーロッパ雰囲気の街並み、いや、敢えてパリ雰囲気と言おう。「シベリアのパリ」と呼ばれているイルクーツクは、現代に本当にヨーロッパの街の通りを作ってしまっていた。レストラン、カフェ、巨大なショッピングモールが建っている。ウラジオストクのモールなどは比較にならない。大きく、広く、テナントの多いモールがあった。その地区の西ヨーロッパ雰囲気に呆然としているとイルクーツクを去る時間になってしまった。
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再び訪れたイルクーツクとバイカル湖は、「久しぶり」と夏の顔を見せてくれたが、最後に見送ってくれたのは全くの別人だった。そして、イルクーツク発シベリア鉄道4人寝台コンパートメントの同居人はロシア人家族。おばあちゃん、お母さん、娘7歳の3名。おばあちゃんと娘は興味もあってかガイジンの僕を構ってくれるが、お母さんは気味悪がっているようだ。ひと晩お邪魔してすみません。おやすみなさい。
(つづく)
http://www.jic-web.co.jp/study/jclub/info.html
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