2015/07/31 - 2015/07/31
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kanai jic tokyoさん
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停泊したクルーズ船の中。キャビンの相棒は船内をうろうろしているのだろうか。あるいはまだ川岸にいて石柱を間近に見ているだろうか。レナ川クルーズのキャビンで石柱群を見ながらペンを動かさなければいけないのは、1か月ほど前に訪れたブリヤート、ウラン・ウデのレポートのため。キャビン内に入り込んだ蚊を粗方やっつけ、やっと仕事に取り掛かれる。
船内ラジオ放送から流れるロシアンポップス。この空間と雰囲気はシベリア鉄道のコンパートメントと同じだ。机にノートを置いてペンを動かす。
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イルクーツクからひと晩乗った列車は定刻より少し早くウラン・ウデの駅に着いた。「ウラン・ウデ」。言葉の響きは耳に心地好い。「ウラン」はモンゴルの「ウラン・バートル」で遣われているのと同じで「赤い(美しい)」という意味。「ウデ」は街を流れる「ウデ川」。
このブリヤート語はロシア語の場合だと「ウダ川」となるので、いつか「宇多川さん」「宇田川さん」などを集めた「ウダガワさんウダ川ツアー」を企画したいと思う。ロシアのチタと愛知県知多市は姉妹都市。名前が同じ、は楽しい。 -
早朝に列車が到着したのですぐに観光というわけにはいかず、少しホテルでひと休みする事にしたのだが気持ちははやり、荷解きもほどほどに街へ出た。とにかくレーニンの頭、レーニンの巨大な頭を見たいのだ。ウラン・ウデのシンボルとも言えるレーニン頭部像は圧倒的なインパクトを持っている。ギネスブックに載る世界最大の頭の像だ。
こういった「巨大な像」「変わった像」を見るのはロシアを旅する楽しみのひとつである。この像を見るためだけにウラン・ウデに来てもよかったほどなので、嬉しすぎていろいろな角度から何枚も何枚も同じような写真を撮りまくってしまった。 -
夜行列車で起きてから何も食べないまま「頭」に引き寄せられてしまったので流石にお腹が空いてきた。朝食を摂ることにし、ソヴィエト広場近くに小洒落たカフェがあったのでカプチーノとロシア風パンケーキを注文。味も、適度な量にも満足して市内観光を続ける。
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みなさんもご存知、ウラン・ウデのオペラ・バレエ劇場の芸術監督は岩田守弘さんという日本人。ウラン・ウデで最も有名な日本人だろう。日本人抑留者が建てたこの劇場の前には噴水があって、ちょっとした市民憩いの広場になっている。そこでは夏の時期、毎週土曜の夜に無料の野外コンサートが行われているそうだ。噴水は周辺に設置されたスピーカーから流れるメロディと調和して、気持ちを軽やかにさせる。
そのままレーニン通りを進むと歩行者天国になり『ブリヤートのアルバート通り』と呼ばれる目抜き通りへ。そこにも噴水があり音楽が流れ、花が咲いている。ハチミツ売りが並んだりクワス売りがいたりカフェがあったり。そこには「レーニン頭部像のウラン・ウデ」というイメージからはほど遠い、美しい夏のロシアの軽やかな街の姿があったのだ。ウラン・ウデはそんな一面も見せてくれた。 -
そして、街は小さいながらも「ブリヤート自然博物館」「ブリヤート歴史博物館」「町の博物館」、少し離れた所に「ザバイカル民俗学博物館」と、いくつかの面白い博物館を持っている。特にロシア語がわからなくても楽しめると思ったのはブリヤートのアルバート通り、町の博物館。ひと昔前のロシアの家庭におじゃまするような感じで、カレンダーや雑誌、絵本が置いてあったり、ブリヤート衣装などのコスプレで写真を撮影したりできる。楽しい。
メインストリートの終わり、南の端にはウラン・ウデ最大の教会、青い色と白い色が美しいアヂギートリエフスキー聖堂。近くには政治弾圧の犠牲者たちの碑が建ち、その周辺からスモーリナ通りへ足を延ばすと、独特な窓のある古い木造の家を見ることができる。木造家屋と木造家屋の間に火災に備えた石の壁があったりして、自動車やジーパンTシャツ姿の若者を見かけなければ、いったい今はいつの時代に来てしまったのだろうと思う。通りは静かだ。 -
レーニン頭の次に気になるのはイヴォルギンスキー・ダツァンというロシアでのチベット仏教の中心地である。街から車で40分。寺院のあるイヴォルガ村を目指す道の途中、遠くの山に、サンスクリット語やチベット語ではなくロシア語の文字で「オムマニペメフム」と書かれているのが見える。寺院に到着するとレーニンや劇場、教会の景色の記憶は吹き飛ぶ。マニ車、タルチョ、ストゥーパ。全く違う世界。
ここはロシアだ。ここはロシアか?と思いながら景色を見ている。目に入る度にマニ車を手で回す。大きいのやら小さいのやらをぐるぐる回す。敷地内にあるゲルに入って昼食。テーブルに並ぶのは「シューレン(麺)」「ブーズィ(小さい肉まん)」「バター茶」。料理からの強烈なヒツジ臭。モンゴルで食べた物とほぼ同じだ。ゲル内でこのブリヤート料理。ここはロシアだということはもう忘れている。 -
いろいろな色を持つウラン・ウデにはどんな人がいるのか。通りを歩く人々の中には日本人と似た顔も見かける。案内してくれたガイドのトゥヤーナさん。英語を話すロシア人女性なのだが容姿は日本人にとても似ている。
今回の旅で訪れた3都市、ウラジオストク、イルクーツク、ウランバートルはいずれも再訪、ウラジオストクへは何度目かだが、ウラン・ウデには初めて来た。けれども旅行記タイトル「再び訪れる。」に含めてしまった理由はここにあって、そんな日本人に似た人たちに会った時の気持ちから。
トゥヤーナさんと並んで街を歩いて話をしていると、昔からよく知っている人と一緒に日本から旅をしているんだという気になってくる。 -
一泊でウラン・ウデを離れる。この街へ、今度は本当の「再訪」をすることがあるだろうか、などと感傷に浸っている間もなく、鉄道駅から列車に乗り込む。ロシア~モンゴルの国境を越えてウランバートルを目指すのだ。
コンパートメントの同居人はアイルランドMR、オランダMS、イギリスMR、それぞれ単身のバックパッカーたち。あぁ、そうだ。この空間にもまた来てしまった。再訪どころか、いったい何度目になるのか「夜行列車」という空間。列車は動き出し、楽しい旅話の時間が始まる。
(了)
http://www.jic-web.co.jp/study/jclub/info.html
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