2014/09/16 - 2014/09/25
46位(同エリア223件中)
hayaojisanさん
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公務員の娘の休暇に合わせ、妻と3人でスペイン旅行を計画した。私は第4外国語として、ここ10年ほど毎日スペイン語を勉強しているので、実地研修のためでもある。自分にとっては4度目のスペイン旅行であり、今まであまり行ったことのない北部へ向かうことにした。広大なカスティリヤ・レオン地方を北上し随所にある中世的な町をめぐり、北部海岸に出て、バスクの美味しい料理を味わおうというわけである。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- JTB
PR
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飛行機はアエロフロート、モスクワ経由、機体はエアバスA330。ビジネスクラスはほぼフルフラットになる。諸税こみで250520円と安いがマイルは積算できない。成田発12:00、モスクワまで10時間10分、2時間5分の乗り継ぎでマドリッドまで5時間15分、22時30分到着である。
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食事はかなりいい。メニュー外のアミューズに始まり、前菜は盛りだくさんの押し寿司など、サラダ、緑茶のスープを経てメインはアクアパッツァと称する海の幸盛り合わせ(ホタテ、アサリ、マトウダイ)付け合せのイモ多く、またパンも食べたので満腹。ワインはシャンパンはともかく白2種とも上質ではない。しかしソ連の時代に比べると隔世の感がある。
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マドリッドに1泊後、朝レンタカーですぐに出発。わたしの愛車はゴルフだが、同じゴルフでも借りたのはディーゼルで、エンジンの吹け上がりがかなり劣り、またハンドルに遊び多く多少不安を感じる。
ともあれ初めてのスペインでのドライブ、安全運転を心がける。道路は整備されており、車も少なく快適なドライブだ。 -
高原状の景色が続く。走っている車は、少ない。
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マドリッドより100キロ、グアダレマ山脈を越える。今回の旅行中、たずさえたアンドレ・マルローの「希望」はスペイン内戦を共和国側から描いた小説だが、このあたりがマドリッドの防衛拠点で「シエラ」(山)と呼ばれていた。切り立った尾根は恐竜の背骨のようで日本の山とは違い木はあまりない。
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休憩と昼食のためにセプルベーダへ寄ることにする。ドゥラトン川の渓谷の上にある町だ。マドリッドの人たちの休日のドライブ先になっていて焼肉が名物だそうな。
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中世的なトーンが心地よい。
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感じのよさそうなレストランを見つけ入る。
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ランチは10ユーロ。豆の煮込みを食す。
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こんな町に来れるのも、自分の足があってこそだ。マドリッドから毎日バスが2本あるとロンリープラネットには書いてあるが。
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セプルベーダ焼き?
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この豚さんの用途は何なのだろう。
出発、計234キロ走り、夕方ブルゴス到着。 -
ブルゴスといえば武勲詩で知られ、ハリウッドの映画にもなった、エル・シドとのゆかりで知られる。
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ブルゴスは人口16万人ほどで、マドリッド遷都前にはカスティリア王国の首都であった。本日はブルゴスに宿泊。ホテルはACホテル ブルゴス、詳しくはクチコミを参照して下さい。マリオット系のとても気持ちのよいホテルで、観光にも便利。ただ、この町は一方通行が多く、歩行者専用の道路もあり、目の前に見えていてもなかなかたどり着かなかった。 翌日朝7時に起きたが、まだ真夜中のように暗い。時計を見直したほど。日の出は8時ごろだ。中世そのままのような町だが第一の見ものは大聖堂である。
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塔の林立する外観は巨艦を思わせる。フランス・ゴシック様式のこの教会は古いロマネスクの協会を改築して、1221年から40年ほどで大半の完成をみたという。
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玄関上部(タンパン)の彫刻
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入場料は7ユーロ。私たちシニアは6ユーロ。
星型のアーチが特徴的。 -
グレゴリオ聖歌の楽譜(ネウマ)
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合唱隊席とオルガン
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丸天井は星型になっている。
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教会の中にはたくさんのチャペルがあり、その多様さはめを見張らせる。なかでもコンデスターブレ・チャペルは城代を勤めた貴族の代々の墓がある。写真は貴族夫妻の墓。
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これはコンデスタブレ・チャペルの丸天井で建築の構造上必要な梁がこのように美的に仕上げられている。
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主祭壇
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チャペルの入口に向かって立つ彫刻群は驚くほど精妙な15,16世紀の石彫であり、キリストの受難,死、復活、昇天を表している。写真は十字架を背負うキリスト。時間をかけて見る価値がある。
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壁面上部を飾る小彫刻群。
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内部
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モール人を倒す騎士
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外部
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翌日、マドリッド方向へ38キロ戻って、レルマへ向かう。古いアーチ造りの石の門を通って石畳の道を上がって行くと、てっぺんに広い広場と宮殿があった。
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フェリペ2世の宰相を勤めたレルマ公爵の宮殿だったが、今はパラドール(国営ホテル)になっている。ここに2泊して周辺を探訪します。プロモーションで、2泊すると1泊65ユーロで泊まれるので2部屋予約してある。(食事別)
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4階は窓が小さく暗い。窓の前に階段が付いていて景色を見たければ、登ってみる。
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ベッドも狭く、実は昨日のビジネス的なACホテルのほうが快適。
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1階には広いパティオがあり、アトリウムになっていて、ゆったりとしたソファーと相まってリラックスできる雰囲気。ここでコーヒーをいただくことにしよう。
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レルマの城壁
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レルマの城壁
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レルマの城壁
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レルマの城壁
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レルマの風景 サン・ペドロ教会
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レルマの風景 サン・ペドロ教会の遠景
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レルマの風景 狭い町でパラドール、広場と城壁以外は特に見るべきものはないが、家々のたたずまいは歴史を感じさせる。
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レルマの風景
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パラドールのレストラン 雰囲気はあるが・・・
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翌日、東方へ23キロ走り、中世都市として有名なコバルビアスを訪れる。
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コバルビアスの風景
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コバルビアスの風景 石畳の通りを散策する。小さな町なので一周に時間はかからない。
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コバルビアスの風景 ドーニャ・ウラカの塔
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コバルビアスの風景
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次いで南へ19キロ、サント・ドミンゴ・デ・シロスへ向かう。ここは同名の修道院で有名で、聖歌隊の歌うグレゴリオ聖歌がある時、英国のヒットチャートにランクインしたほど人気づいたという。私は5年ほど前の旅行の時、ロンリープラネットでそのことを知り、是非訪れたいと思っていた。しかしバスで来れないこともないが、時間を取られすぎてしまうことが分かり、いつかレンタカーできた時にと先延ばししていたのであった。
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この辺はマドリッド周辺の砂漠のようなところとは違い、緑深い山の中を走ることになる。動物注意の標識がひんぱんにある。やがて到着。この町はコバルビアスに比べ、大きい。石造りの家が多く調和している。写真は修道院の入口である。
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中央部スペインで一番有名な修道院の一つだそうな。ただ残念なことにガイド付きツアーでしか入れず、あまりゆっくり見ることはできなかった。
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ロマネスク芸術の精華として名高い回廊、ねじり飴のような柱が珍しい。
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だが、最も注目すべきはここでも柱頭の彫刻である。大きな教会と違ってここでは柱が低くまた外光のもとなので非常に見やすい。ここではライオンが描かれているようだ。
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翼を持つ想像上の怪物でしょうか。
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キリストの生涯より。
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シロスの広場。ところで聖歌隊だが、隣接する教会で1日6回行われるミサに登場する。私たちは薄暗い教会の中で休憩しながら30分ほど待った。他の観光客も徐々に集まってくる。やがて始まったミサで聖歌は歌われたが、オルガンの伴奏付きでア・カペラではなかった。楽器が入ると合唱は素人っぽく聞こえ面白くなかった。何時でもこういうスタイルなのだろうか。
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翌日ビルバオへ向かう。実は本日はサンセバスティアン泊りなのだが、出発前のゴタゴタで予定表を誤って作ってしまい、ビルバオのホテルのフロントで「宿泊は明日だ」と指摘されて初めて気がついた。幸いなことに重なっているわけではなく単純な思い違いであった。
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だがすでに来てしまっているので、グッゲンハイム美術館を本日見ることにした。途中世にも醜い犬がいたので、写真に取る。
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今日はお祭り騒ぎで、人出が多い。何をやっているのかと思ったら、何と橋の上から川に飛び込むコンテストであった。JEEPの主催で、どうりでジープが目立つと思った。
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大歓声の中、ダイバーはネルビオン川に飛び込みしぶきがあがる。
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腹が減っては戦はできぬで、美術館に入る前に腹ごしらえをしようと手近のバルに飛び込んだ。
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ピンチョスはけっこうボリュームあり、少食な私たちはとりあえず1個でよしとする。
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バルの天井近くにズラリとヘルメットが並ぶ。造船業に使われたものだろうか。
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美術館前の広場ではアメリカ人ジェフ・クーンのパピー(子犬)と名付けられた作品が観客を迎える。
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これは何千ものベゴニアの花でできているそうだが、冬はどうなるのだろうと気になった。
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グッゲンハイム美術館。金属を多用し建物自体が一つの作品になっている。
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美術館ではブラックの回顧展が行われていた。ブラックといえばピカソと並んでキュビズムの創始者であり、また2人は友人でもあった。ある時期のブラックの作品はピカソと区別がつかないほど傾向が似ている。ピカソの影に隠れがちなブラックの作品をまとめて見ることができてとてもよかった。
ピカソに比べ、堅実、地味で派手さはない。 -
美術館内部
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ビルバオ駅
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サンセバスティアンのホテル、”ドノスティ”。ホテルとはいってもペンションのようなもので、小さいだけに捜すのに苦労した。しかし値段は高く狭い部屋に3人分のベッドを詰め込み室料2万円。ただ係のひとは親切でコイン・ランドリーの場所をたずねると、ネットから日本語入りの地図を入手して印刷してくれた。
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この辺は住宅地で落ち着いた雰囲気。旧市街まではバスで行くことになる。
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旧市街を歩く。日本人はほとんどいないが、観光客は多い。
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今日はレストラン ボデゴン・アレハンドロに入る。ここはミシュラン1つ星で、美食の都サン・セバスティアンで1度は良い食事をしたかったので思い切って入った。壁には昔のサンセバスティアンの様子の壁画がありぜんたいにゆったりした雰囲気。
メニューはやはりかなり高価で、ユーロ高(150円近い)もあり、取るものに苦労する。伝統的料理というまとまりからHake's neck を頼む。これは2人分で38ユーロ、あとで調べるとメルルーサであった。
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大きな魚なので大味かと思ったら、さにあらず。なかなかの美味。
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翌日、サンセバスティアンの海岸へ。
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この時期(9月20日)でも泳げるとは思わなかった。雨と寒さを覚悟してきたのに、天候はよく、暖かい日が続いている。
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水はきれい。
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美しい犬3びき。
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見下ろすと大きな魚が泳いでいるではないか。
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丘の上にキリストの像が見えたのでそれを目指して登ることにする。
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海鮮レストランが並ぶ
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こういう時はあわてずに、1軒ずつよく見たほうがよい。食べ終わった後、娘がカメノテを食べさせているところを見つけたが後の祭り。
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われわれは定番のいわしの塩焼きをいただく。
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そのあとエビ、どこにでもありますね。
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グラマーな女性がいたので、ついシャッターを押してしまう。
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ウルグルグル山まで食後の散歩。
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モタ城の最高所にはキリスト像。中は博物館になっており、ナポレオン戦争時代イギリス軍に破壊された時の町の悲惨な運命を映画にして上映していた。この美しい町の過去を知らされ、つい見入ってしまった。
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どの方向を見ても美しい。
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できれば、数日滞在したいところだが、いつかそんな日が来ることを望んで町を去る。
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バスクは緑濃く、また山も深くて変化があり、ドライブはとても楽しい。道もとてもよい。海岸を離れ内陸へ向かう。次の目的地はワインで有名なリオハの中心都市ログローニョである。ここもバスクの一部で、折しもサン・マテオ祭(収穫祭)が行われている。宿泊先のACホテルは高速道路からずっと案内板が出ていて、苦労せず見つかる。
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祭りは1週間続く。今日は平日だがお祭りムード、観光客も多そうだ。
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エスポロン公園ではさまざまな模様し催し物が行われる。
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こどもたちもお祭りは大好きだ。
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地元芸術家、職人の直売所が設けられている。
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白い陶器類、意匠が面白い。
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色とりどりの陶器
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ドラえもんはスペインでも人気でそのままの名前で放送されている。スペイン人の名前でシモンとかラモンなどはよくあり、似た感じがするのだろう。一方のび太の方は、「ノビータ」と後ろから2番目の音節がのびていた。
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土産物屋。お祭りの衣装49ユーロより199ユーロまでの赤札が入口に貼られている。
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旧市街は入っていくのをためらうほどの人ごみで東京のラッシュアワーのようにごったがえす。、バッグをしっかり抱え直す。
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バルはどこを見ても面白い。
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Angela(あんへら)という店は鉄板焼きマッシュルームに特化しており、メニューはそれだけ。なのにすごい人気で客が引きも切らない。
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ようやく3人分ゲットし楽しむ。マッシュルーム3個重ねの上に小海老が乗る。私はリオハの白を飲みながら、食すと極めて美味。1人前1.3ユーロ、飲み物1.6ユーロ。つまり写真に写っているだけで1260円、ちょっと高いですね。
立って飲むと酒の回りが早いということが分かった。 -
お祭りに闘牛はつきものらしい。私は30年前にバルセロナで1度見たことがあり、あまり気は進まなかったが、娘が見たがったので行くことにする。
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登場する闘牛士たち
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アレーナに出てきた牛は最初きょとんとして、自分に何が起こっているのか理解できない様子であった。だが人間たちは様々な手段で牛を怒らせ痛めつけていく。
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マタドールは赤い布に牛を突きかからせ、疲れた牛が荒い息をしているところに背中を向けて自らの豪胆さを示す。
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白銀の服を着たマタドールは、最後にとどめ用の剣をかざすと、掛け声とともに急所深く突きたてる。牛はしばし不動だったが、急に巨体を地面に崩れ落とす。観客は白いハンカチを振って大興奮。
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マタドールは疲れきって、あえいでいる牛を殺しただけなのに、凱旋将軍さながらの得意満面でアレーナを巡り歩く。私は少々気分が悪くなる。ヒューマニストとして知られるヘミングウェイやピカソも闘牛が大好きだったそうで、日本人とは心性が違うのかなと思わざるを得ない。
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夜の街を徘徊する怪人
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祭りの夜のフィナーレは花火。
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泊まったホテルの美人フロント係。会いたい人はACホテル ラ・リオハまでどうぞ。
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翌日、マドリッドへ戻る。317キロの道のりは一般道を経由したため、山深いところを通り変化あるドライブとなった。時間はかかったが楽しめた。スペインでは一般道でも時速100キロで走れる区間も多く、日本人には恐怖を感じさせることもある。総走行距離1313キロ、バラハス空港で車を返却、地下鉄でマドリッドへ向かう。
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