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高気圧に覆われて好天気の秋の一日、岐阜県中津川市と長野県木曽郡南木曽町・大桑村の境にある奥三界山(おくさんがいさん。1810.9m)に登ってきました。近くの御嶽山の噴煙が見られるからです。<br /> <br />早朝に家を出て中央道を中津川まで走り、国道19号線を北上して登山口まで行きます。絶好の行楽シーズンのため、中央道はかなりの交通量です。歩行時間だけでも7時間以上かかるハードな山ですから、早い時刻に登り始めないと明るいうちに下山できません。登山口にはすでに2台の車が停まっていました。わたしは8時に登山開始。<br /> <br />紅葉が始まって風もひんやりしており快適な登山日和です。空は天気予報とは違ってどんよりと雲って今にも降りそうな気配でした。しかし徐々に晴れてくるはずですから、気持ちは弾んでいます。最初の30分ぐらいは林道を歩きます。路傍にはたくさんのアケボノソウが咲き始めています。つり橋を渡っていよいよ登りの登山道に入ります。つり橋は「定員1名」と昔は表示してありましたが、今は文字が消えてしまって見えません。踏み板もところどころ腐ってきており、穴が開いている部分もあり危険です。急な登山道を40分ぐらい登ると、また別の林道に出ます。この林道歩きは周りの山々の紅葉が見られて快適です(夏はかんかん照りで暑いのですが)。かなた下には谷川がごうごうと音を立てて流れています。林道から足を踏み外せば数10mも下の谷に垂直に転落です。<br /> <br />工事現場に出会いました。下の谷に堰堤(えんてい)を建設していました。が、その工事現場のすぐ下流に既に別の堰堤があります。それは土砂が埋まって堰堤の役目を果たしていません。だから新しい堰堤をすぐ近くに建設しているようです。堰堤は急な流れを緩めるためのものですが、土砂で埋まっていては何の役にも立ちません。全国にはこんな役に立たない堰堤が無数にあります。本来の役目を果たさせるには溜まった土砂を浚渫する必要がありますが、それをしないで別の新しいものを建設するのは税金の無駄遣いだと思います。新しいものを建設すれば、コンクリートや鉄材などの建築資材や大掛かりな機械が多種必要です。既設のものを浚渫すれば少ないコストで済みます。今の政府は金がかかる余計な公共工事に力を入れており、「財政再建、財政再建」とお題目を唱えているのとは反対のことをしています。これも利権がらみかと悲しくなります。<br /> <br />そんなことを考えながら歩いていると目の前をキツツキの1種であるアオゲラがキョッと鳴いて横切りました。その数秒後に木の上にいたアオバト4羽がわたしに驚いて飛び立ちました。両者とも同じような色で、偶然にもほぼ同時に青い鳥を2種観察できました。しばらく行くと冬鳥であるシロハラが5〜6羽驚いて地面から飛び立ちました。普段は単独でいることが多いシロハラは、シベリアから渡ってきたばかりのときは集団でいるのですね。初めて知りました。頭上には早くもエナガ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、メジロなどの小鳥の混群が鳴き交わしています。もう冬に備えた混群になっているのですね。谷川近くにはミソサザイがたくさん見かけられました。<br /> <br />1時間ぐらい林道を歩くとまた登山道に入ります。映画のセットのような木製の橋を渡りますが、かなり芸術的な橋です。この山には過去に数回登っていますが、今回は2年ぶりぐらいです。その間に橋がかなり老朽化しており、橋げたが壊れ始めています。あと5年もつかどうか心配です。かなり費用を掛けたような造りです。ここからが本格的な登りで、2時間弱かかります。ガラ場(岩でごろごろした道)が多く、歩くのに難渋します。湿地になっている登山道はうまく歩かないと足がぬかるみにズボッと沈みます。でも周囲の山の斜面は紅葉(黄葉)が錦絵のようにきれいです。雲はだいぶ晴れてきて、頂上からの御嶽山が楽しみです。<br /> <br />4時間かかって頂上に到着。ホシガラスが遠くで鳴いているのが聞こえました。わたしが頂上に着く前に下山途中の広島の人、先に着いていた愛知県三好市からの父と娘2人の3人、後から登って来た山梨県甲府市の人などと話すと、全員御嶽山の噴煙を間近から見るために登って来たとのことでした。かなり老朽化して朽ち始めた展望台に上っても、あいにく御嶽山は雲に隠れて頂上が見えませんでした。遠方から来た人は、せっかく険しいルートを登って来たのに・・・と残念がっていました。登りで4時間から4時間半かかり、下山には3時間から3時間半かかるため、のんびりしていては日が暮れて危険になります。ランチもそこそこに全員下り始めました。そのとき、1羽のオオタカが現れ、しばらく頭上を旋回していましたが、急にある方向に向かって急降下していきました。獲物を見つけたようですが、樹木の陰で見えなくなりました。<br /> <br />山では午後3時台には山に日が隠れてしまい薄暗くなります。時間との競争で午後4時にはなんとか下山できました。気温も急に下がり始め、寒くなりました。でも無事に下山できてラッキーでした。<br /> <br />今日のルートは休憩時間も入れて8時間で健脚向けです。累積標高差が1,598m、歩行数は38,000歩、歩行距離は17.7kmとかなりハードで、足が痛くなりました。<br />

御嶽山近く 奥三界山登山記

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2014/10/18 - 2014/10/18

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8

地酒大好きさん

高気圧に覆われて好天気の秋の一日、岐阜県中津川市と長野県木曽郡南木曽町・大桑村の境にある奥三界山(おくさんがいさん。1810.9m)に登ってきました。近くの御嶽山の噴煙が見られるからです。

早朝に家を出て中央道を中津川まで走り、国道19号線を北上して登山口まで行きます。絶好の行楽シーズンのため、中央道はかなりの交通量です。歩行時間だけでも7時間以上かかるハードな山ですから、早い時刻に登り始めないと明るいうちに下山できません。登山口にはすでに2台の車が停まっていました。わたしは8時に登山開始。

紅葉が始まって風もひんやりしており快適な登山日和です。空は天気予報とは違ってどんよりと雲って今にも降りそうな気配でした。しかし徐々に晴れてくるはずですから、気持ちは弾んでいます。最初の30分ぐらいは林道を歩きます。路傍にはたくさんのアケボノソウが咲き始めています。つり橋を渡っていよいよ登りの登山道に入ります。つり橋は「定員1名」と昔は表示してありましたが、今は文字が消えてしまって見えません。踏み板もところどころ腐ってきており、穴が開いている部分もあり危険です。急な登山道を40分ぐらい登ると、また別の林道に出ます。この林道歩きは周りの山々の紅葉が見られて快適です(夏はかんかん照りで暑いのですが)。かなた下には谷川がごうごうと音を立てて流れています。林道から足を踏み外せば数10mも下の谷に垂直に転落です。

工事現場に出会いました。下の谷に堰堤(えんてい)を建設していました。が、その工事現場のすぐ下流に既に別の堰堤があります。それは土砂が埋まって堰堤の役目を果たしていません。だから新しい堰堤をすぐ近くに建設しているようです。堰堤は急な流れを緩めるためのものですが、土砂で埋まっていては何の役にも立ちません。全国にはこんな役に立たない堰堤が無数にあります。本来の役目を果たさせるには溜まった土砂を浚渫する必要がありますが、それをしないで別の新しいものを建設するのは税金の無駄遣いだと思います。新しいものを建設すれば、コンクリートや鉄材などの建築資材や大掛かりな機械が多種必要です。既設のものを浚渫すれば少ないコストで済みます。今の政府は金がかかる余計な公共工事に力を入れており、「財政再建、財政再建」とお題目を唱えているのとは反対のことをしています。これも利権がらみかと悲しくなります。

そんなことを考えながら歩いていると目の前をキツツキの1種であるアオゲラがキョッと鳴いて横切りました。その数秒後に木の上にいたアオバト4羽がわたしに驚いて飛び立ちました。両者とも同じような色で、偶然にもほぼ同時に青い鳥を2種観察できました。しばらく行くと冬鳥であるシロハラが5〜6羽驚いて地面から飛び立ちました。普段は単独でいることが多いシロハラは、シベリアから渡ってきたばかりのときは集団でいるのですね。初めて知りました。頭上には早くもエナガ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、メジロなどの小鳥の混群が鳴き交わしています。もう冬に備えた混群になっているのですね。谷川近くにはミソサザイがたくさん見かけられました。

1時間ぐらい林道を歩くとまた登山道に入ります。映画のセットのような木製の橋を渡りますが、かなり芸術的な橋です。この山には過去に数回登っていますが、今回は2年ぶりぐらいです。その間に橋がかなり老朽化しており、橋げたが壊れ始めています。あと5年もつかどうか心配です。かなり費用を掛けたような造りです。ここからが本格的な登りで、2時間弱かかります。ガラ場(岩でごろごろした道)が多く、歩くのに難渋します。湿地になっている登山道はうまく歩かないと足がぬかるみにズボッと沈みます。でも周囲の山の斜面は紅葉(黄葉)が錦絵のようにきれいです。雲はだいぶ晴れてきて、頂上からの御嶽山が楽しみです。

4時間かかって頂上に到着。ホシガラスが遠くで鳴いているのが聞こえました。わたしが頂上に着く前に下山途中の広島の人、先に着いていた愛知県三好市からの父と娘2人の3人、後から登って来た山梨県甲府市の人などと話すと、全員御嶽山の噴煙を間近から見るために登って来たとのことでした。かなり老朽化して朽ち始めた展望台に上っても、あいにく御嶽山は雲に隠れて頂上が見えませんでした。遠方から来た人は、せっかく険しいルートを登って来たのに・・・と残念がっていました。登りで4時間から4時間半かかり、下山には3時間から3時間半かかるため、のんびりしていては日が暮れて危険になります。ランチもそこそこに全員下り始めました。そのとき、1羽のオオタカが現れ、しばらく頭上を旋回していましたが、急にある方向に向かって急降下していきました。獲物を見つけたようですが、樹木の陰で見えなくなりました。

山では午後3時台には山に日が隠れてしまい薄暗くなります。時間との競争で午後4時にはなんとか下山できました。気温も急に下がり始め、寒くなりました。でも無事に下山できてラッキーでした。

今日のルートは休憩時間も入れて8時間で健脚向けです。累積標高差が1,598m、歩行数は38,000歩、歩行距離は17.7kmとかなりハードで、足が痛くなりました。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
自家用車 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • 登山道の路傍でたくさん見かけたアケボノソウ。<br />花をよく見ると、花びらの先端には黒い斑紋が、その内側に2個ずつ緑色の蜜腺がありここから蜜が出るという変わったつくりです。よく蜜を吸う虫がこの緑色の点に集まっているのを観察できます。<br />

    登山道の路傍でたくさん見かけたアケボノソウ。
    花をよく見ると、花びらの先端には黒い斑紋が、その内側に2個ずつ緑色の蜜腺がありここから蜜が出るという変わったつくりです。よく蜜を吸う虫がこの緑色の点に集まっているのを観察できます。

  • 登山道に入るとすぐ谷を越えますが、その谷にかかるつり橋です。築後年数がたっており、かなり老朽化しています。<br />左に見える板には以前「定員1名」と書いてありましたが、今では文字も消えてしまっています。知らない人たちが何人も歩くと危険です。<br />踏板は腐ったり穴があいたりしています。<br />

    登山道に入るとすぐ谷を越えますが、その谷にかかるつり橋です。築後年数がたっており、かなり老朽化しています。
    左に見える板には以前「定員1名」と書いてありましたが、今では文字も消えてしまっています。知らない人たちが何人も歩くと危険です。
    踏板は腐ったり穴があいたりしています。

  • すでにカエデの仲間は紅葉していました。この山の紅葉(黄葉)前線は標高1500mぐらいまで下がってきています。

    すでにカエデの仲間は紅葉していました。この山の紅葉(黄葉)前線は標高1500mぐらいまで下がってきています。

  • 登山道にかかる木製の橋。かなり芸術的な構造で、こんな場所にあるのは不思議です。<br />昔工事車両を通すために造ったのでしょうか。コンクリート橋よりは簡単に建設ができたのでしょうね。<br />建築遺産として保存しておきたいような橋です。でもかなり傷んできています。あと何年もつでしょうか。

    登山道にかかる木製の橋。かなり芸術的な構造で、こんな場所にあるのは不思議です。
    昔工事車両を通すために造ったのでしょうか。コンクリート橋よりは簡単に建設ができたのでしょうね。
    建築遺産として保存しておきたいような橋です。でもかなり傷んできています。あと何年もつでしょうか。

  • 登山道で出会ったかわいいツルリンドウの実です。背丈が低いので、登山者に踏まれそうです。

    登山道で出会ったかわいいツルリンドウの実です。背丈が低いので、登山者に踏まれそうです。

  • 高山植物保護を訴える木製の看板。昔はこういう木製のがっしりした看板をどこの山でもよく見かけたものですが、今では珍しくなりました。<br />この看板も文字が消えかかり、朽ちかけています。

    高山植物保護を訴える木製の看板。昔はこういう木製のがっしりした看板をどこの山でもよく見かけたものですが、今では珍しくなりました。
    この看板も文字が消えかかり、朽ちかけています。

  • 奥三界山頂上の展望台です。1997年に建設されたようですので、今ではかなり老朽化しており、一部壊れていました。手すりが古くなっており、もたれたりすると危険です。<br />ここからは周囲の山々がよく見えます。

    奥三界山頂上の展望台です。1997年に建設されたようですので、今ではかなり老朽化しており、一部壊れていました。手すりが古くなっており、もたれたりすると危険です。
    ここからは周囲の山々がよく見えます。

  • 展望台から見た御嶽山。あいにく上部が雲にかかり、噴煙を見ることができませんでした。それを見るために登った人たちからは落胆の声が出ました。<br />

    展望台から見た御嶽山。あいにく上部が雲にかかり、噴煙を見ることができませんでした。それを見るために登った人たちからは落胆の声が出ました。

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