冬晴れの北条鉄道　法華口駅など国登録有形文化財に指定＆法華口三重塔お披露目式

1997/12/21 - 1997/12/21

先日、神戸新聞で兵庫県加西市にある北条鉄道の法華口駅、播磨下里駅、長駅の３つの駅が、国登録有形文化財に指定されるという記事を目にしました。

神戸新聞HP
http://www.kobe-np.co.jp/news/hokuban/alacarte/201311/0006500166.shtml

これら３つの駅は、いずれも大正年間に建てられた木造駅舎が現存しており、これらの駅舎と石造りのプラットホーム、そして法華口駅の木造トイレが登録有形文化財として国に指定されることになったようです。
そして、１２月２２日　日曜日、この法華口駅近くにある西国二十六番札所、法華山一乗寺にある国宝三重塔、これを模した「法華口三重塔」が設置され、これを記念した式典が開催されるということを聞き、冬の北条鉄道を訪ねてみることにしました。

北条鉄道は、兵庫県小野市にあるJR加古川線粟生駅から加西市の北条町駅間、13.6kmをディーデルカーが走るローカル線、兵庫県と加西市が旧国鉄から運営を引き継いだいわゆる第３セクターの鉄道です。始発の粟生駅と終点の北条駅以外の中間にある、網引、田原、法華口、播磨下里、長、播磨横田の各駅はいずれも無人駅、乗車の際、整理券を取り、降車時に運転手さんに料金を支払う、いわゆるレールバスとでも言うのでしょうか、ワンマンバスのようないう形式が取られています。

さて、この日は朝10時から式典として三重塔落慶法要が始まり、カレーや豚汁、たこ焼きなどが無料で振舞われ、また、地元の団体による「播州あばれ太鼓」などが披露されるなど、結構な賑わいでした。

エリア 加西(兵庫)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0

• 交通手段: 私鉄 自家用車

北条鉄道　フラワ2000形車両

網引駅 駅

先ずはこの列車に乗って法華口に到着、この日は天気にも恵まれ、絶好のイベント日和でした。

駅舎の横に建てられた三重塔、昨日１日で組み立てられたそうです。
この三重塔の組立の様子が、法華口駅のボランティア駅長さんのFacebookページで紹介されていました。

ボランティア駅長さんのFacebookページです。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=218458415003126&set=a.208337296015238.1073741836.124260531089582&type=1&theater

法華口駅 駅

北条鉄道を走る気動車、フラワ2000形、この次の列車はサンタ列車を繋いだ２両編成で来るということを聞きました。

北条鉄道HPです。
http://www.hojorailway.jp/news/2013/2489/

ボランティア駅長さんがお客さんを出迎えてくれます。

それでは出発進行！

車掌さんとご挨拶、

列車の中の子供たちも手を振って答えていました。

列車が小さくなるまで手を振られる姿、とても清々しいですね。

それでは法華口駅の周りを見てまりましょう。

ほっけぐち　駅の表示板ですが、昭和前半、戦前に作られたものの上に戦後書き換えられたらしく、薄らと逆方向から書かれた跡が見えます。なお、昔はひとつ無効の駅は田原駅でなく、網引駅だったようです。

国指定の登録有形文化財となる駅舎です。
この駅舎は米粉パン工房モン･ファボリになっています。

文化財の中で現在的なパン工房とカフェ、とてもユニークな取り組みですね。

法華口駅の駅舎の中は、米粉パン工房、待合室はカフェになっています。

ここでパンとコーヒーを買って一休み、、、

法華口三重塔、法華山一乗寺の国宝三重塔を模して作られたそうです。
この三重塔は、何と加西市内の大工の棟梁が北条鉄道活性化に役立てて欲しいということで寄贈されたとか、素晴らしいですね。

加西市HP
http://www.city.kasai.hyogo.jp/04sise/01sich/09topi20131028a.htm

法華山一乗寺の大僧正さまによる法要が始まりました。

駅前広場では北条鉄道グッツの他にもこの駅の近くにあった、旧海軍姫路航空隊の鶉野飛行場跡にちなんで飛行機200円も売られてました。なんとこの飛行機は名機、紫電改、同飛行場に戦時中配備されていたそうです。
また、近くのテントでカレーや豚汁、たこ焼きなどが無料で配られ、多くの人が行列を作られていました。

法要の後も色々とイベントがありました。

播州あばれ太鼓

兵庫県のゆるキャラ、ハバタン登場！
あいかわらず子供たちには大人気のようです！

サンタ列車を増結して列車が戻ってきました。

中を見ると、とても若いサンタさんが乗ってました。
隣の加東市にある兵庫教育大学の生徒さんがサンタに扮し、子供たちを楽しませているようです。

前の車両がサンタ列車、後ろのピンクの車両が一般車両となっていました、

ここでサンタ列車の後ろの一般車両に乗り、法華口駅を後にし、北条町方面へ向かうことにしました。

隣のサンタ列車は、子供達で満員ですが、一般車両は空いており、ゆったり座ることができました。

沿線は美しい田園風景が広がります。

法華口の隣の播磨下里駅です。
ここは駅が庵、お坊さんがボランティア駅長さんというユニークな駅です。

播磨下里駅 駅

向こうに石切山が見えてきました。
加西市には古来より多くの石仏が作られ、この山の裏側にある古法華には、白鳳期に作られた我が国最古の石仏があるそうです。

終点、北条町駅に到着しました。

北条町駅 駅

播磨横田駅の近くにある干支のかかし、ここでは毎年、新年の干支にちなんだかかしを地元の方が造られているようです。
このかかしも毎年レベルアップしており、今年はとてもリアルな馬が展示されていました。

播磨横田駅 駅

長駅、ここの駅ではボランティア駅長さんやネイティブの先生による英会話教室が開かれているそうです。
この駅も今回、登録有形文化財に指定されるそうです。

長駅 駅

長駅ホームの駅長さんのような羅漢像、この長駅の近くに石切山があります。

室町時代、播磨を収めた赤松の城があった善防山、嘉吉の乱で落城したそうです。
最近はこの山の尾根伝いから古法華へのトレッキングを楽しまれる方が増えていると聞きました。

播磨下里駅、ここも登録有形文化財にしてさた木造駅舎があります。
下里庵、和尚さんがボランティア駅長さんです。

駅のホームが石庭となっています。和尚さんの趣味でしょうか。

播磨下里駅近くの田園の中に佇む石塔、

播磨下里駅 駅

お昼は播磨下里駅から南に約1キロ、下里小学校の近くにあるお寿司屋さん、「あずまや」に行ってきました。

あづま屋 グルメ・レストラン

堀こたつの席に通され、お昼のあずまや定食2000円を注文、

先ずは温かい茶碗蒸し、

続いて和牛の朴の葉焼きです。

そしてメイン、お寿司、天ぷら、牛のたたき、お刺身に赤だし、どれも新鮮で美味しく、地元の地酒、富久錦と共に味わう、、、とても優雅なお昼となりました。

あづまやさんの口コミです。
http://4travel.jp/domestic/area/kinki/hyogo/akashi/kanishi/tips/10944362/

夕方、再び法華口駅を訪ねてみました。
三重塔に照明が灯り、とても幻想的な光景でした。

この三重塔の設置については、せっかく周囲の田園風景とマッチしていた木造駅舎なのになぜこんなものを横に立てるのか、きっと行政とかが関与してきたんじゃないのなど、この日一日ここにいて様々な声を聞くことができました。確かにこの塔は隣の駅舎と並べてみると違和感は拒めません。また、夜のイルミネーションも今ひとつどういうコンセプトで飾られたのか、など様々な見方があるのも確かでしょう。
何はともあれ、法華口の駅、ここで列車は見送っておられるボランティア駅長さんたちの姿は、見ていてとても気持ちがいいです。

駅舎の周りにも電飾がされていました。

駅の中は、もうカフェは閉店していましたが、ストーブが焚かれとても暖かでした。

ホームに出るとクリスマスの電飾が、

続いて播磨下里駅、この駅ので電飾が一番豪華なんじゃないでしょうか！

北条鉄道各駅でクリスマス電飾が行われています。

美しい田園風景の中を走る北条鉄道の旅、
　とてもほっこりした気持ちにさせてくれます。