2013/05/03 - 2013/05/03
5位(同エリア46件中)
エンリケさん
南イタリア・ナポリ旅行2日目(実質観光1日目)後半。
前半をスパッカ・ナポリ、国立考古学博物館、サンテルモ城とまわった後は、国立サン・マルティーノ博物館、ウンベルト1世のガレリアと巡ります。
そしてナポリ湾に浮かぶ小さな島、プロチダ島へと渡り、短い滞在時間ながらもそのパステルカラーの街並みを堪能。
日が暮れてナポリへの帰りの船上では、きらきらと光り輝くナポリの夜景に心を奪われます。
・・・観光初日から南イタリアの美しい景色を満喫でき、久々に心躍る旅のスタートとなりました。
<旅程表>
2013年
5月2日(木) 成田→ミュンヘン→ナポリ
○5月3日(金) ナポリ→プロチダ島→ナポリ
5月4日(土) ナポリ→カプリ島→ナポリ
5月5日(日) ナポリ→ポンペイ→カゼルタ→ナポリ
5月6日(月) ナポリ→ソレント→ポジターノ→アマルフィ→サレルノ
→ナポリ
5月7日(火) ナポリ→ミュンヘン→
5月8日(水) →成田
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 3.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 船 徒歩
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空 ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
5月3日(金)
サンテルモ城からのナポリ湾の眺望を楽しんだ後の13時30分、城を降りてすぐ隣にある国立サン・マルティーノ博物館へ。
通りではサンテルモ城の堅牢な城壁が迫ってくるようです。 -
国立サン・マルティーノ博物館の入口前の広場もまた展望台になっていて、ヴェスヴィオ火山の下に広がる赤い屋根のナポリの街並みを見下ろすことができます。
サンテルモ城と国立サン・マルティーノ博物館の建つヴォメロの丘は、ナポリ観光に絶対はずせないスポットですね。 -
国立サン・マルティーノ博物館に入場。
ここもアルテカードの提示で無料(本来なら6ユーロ=780円)。
これで3日分のアルテカードの元はとれました(笑)。
この建物、もともとはアンジュー・シチリア家(フランス王カペー家の分家)時代の14世紀に修道院として創建されたもので、スペイン・ハプスブルク家統治時代の16世紀から17世紀半ばにかけてほぼ全面的に改築がなされました。
現在は修道院としての役割を終え、博物館として一般に公開されており、16世紀から今に伝わるナポリ王国の美術品や、民族衣装などの風俗に関する資料が展示されています。 -
上の写真にある中庭の左側に位置する教会に入ってみました。
さすがカトリックの国だけあって、上から下まで豪華な内装です。 -
天井のフレスコ画もヴァティカンのシスティーナ礼拝堂を思わせるようで鮮やか。
-
大理石製のアーチや柱もまた繊細かつ力強い構造で見事ですね。
こんな宗教性を感じる建物なのに、現在はただの博物館になってしまっているなんて、ああもったいない。
・・・逆に言えば、ナポリはスパッカ・ナポリ地区のドゥオモをはじめ、こんな立派な教会があちこちにたくさんあって、カトリック側としてはこの建物を博物館として使われても困るものではないのでしょう。
しかし、ナポリは北イタリアに比べて貧しい街というイメージがあったのに、城や教会はどれも豪華。
かつては都市国家が乱立していた北部を凌ぐ実力をもっていたナポリ王国の繁栄ぶりが偲ばれます・・・。 -
博物館内には、ナポリ名物のプレゼピオも展示されています。
“プレゼピオ”とは、17世紀から18世紀にかけて主にナポリで発展してきた、キリスト生誕の場面をミニチュアの人形で物語風に表現したジオラマのこと。
現在もナポリのクリスマスでは欠かせない飾りとなっています。
こちらはその白眉、“クチニエルロのプレゼピオ”。
人形の精巧さとリアルな表現には思わず目を見張るものがあります。 -
プレゼピオの展示室の脇を進んでいくと、こんな緑の中庭に出てきました。
5月の明るい陽光が降りそそぎ、小鳥のさえずりのほかは何も聞こえない、静かで平和な空間。
しばしその声に耳を傾けます・・・。 -
中庭の一角にはこんな髑髏の装飾を配した空間も。
陽光降り注ぐ静謐な中にあって、まさに“死を想え”(memento mori)ということでしょうか。 -
14時30分、1時間ほどでサン・マルティーノ博物館の見学を終え、ヴォメロの丘を下ろうと、フニコラーレ(ケーブルカー)乗り場を探します。
行きに使ったモンテサント線ではなく、ウンベルト1世のガレリアなどがある港に近いエリアに出ようとチェントラーレ線を探しますが、あたりは細い道が多く、なかなか駅が見当たらず・・・。
坂や階段も多いので、短い距離を歩くのも一苦労です。 -
どうやら道に迷ったようだったので、近くを歩いているおじさんに声をかけ、駅までの道を教えてもらいます。
サングラスをかけ、あごひげをたくわえた一見コワそうなおじさんでしたが、途中まで一緒に歩いてくれるなど、非常に親切に道を教えてくれました。
・・・ナポリはガイドブックなどでは治安の悪さばかりが強調されますが、こんな人懐こい親切な方がたくさんいることも、ちゃんと伝えなければなりませんね。 -
おじさんに道を教えてもらった後も少し迷い、今度はタバッキ(たばこ屋)のおじさんに道を聞いてようやくチェントラーレ線の駅に到達。
下りのフニコラーレに乗って、今度はあっという間にウンベルト1世のガレリアまでやってきました。
起伏の激しいナポリの街ではフニコラーレはやはり便利。
時計を見ると15時30分。
サン・マルティーノ博物館を出てから、1時間近くもヴォメロの丘の坂道でさまよっていたのですね・・・。 -
さて、ウンベルト1世のガレリア(Galleria Umberto ?)は、統一イタリア第二代国王のウンベルト1世(在位:1878-1900年)の時代、ナポリでコレラが大流行した後の19世紀末に、ナポリ近代化の象徴として貧民街の跡地に建てられたショッピング・アーケード。
その特徴的なガラスのドームからは、ナポリの青い空が透けて見えます。
ミラノにある父王の名を冠したヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガレリアと同様、格調高い壮麗なアーケード街ですが、シャッターが下りている店が多く、人通りもそれほど多くない感じ。
お昼休みで閉まっているだけなのか、それとも日本の商店街と同じく、古いアーケード街の衰退という問題を抱えているのか・・・。 -
ウンベルト1世のガレリアを抜けると目の前には王宮の巨大な外壁があり、その前の道をサンタ・ルチア地区の方へと歩いていくと、なにやらイベントが開催されている大きな広場が見えてきました。
プレビシート広場(Piazza del Plebiscito)です。
“プレビシート”とは“市民投票”という意味で、1860年10月に実施された市民投票により、ナポリを含む両シチリア王国のイタリア王国への併合が決められたことに由来しています。
向こうに見える建物は、サン・フランチェスコ・ディ・パオラ教会(Basilica di San Francesco di Paola)。
ローマのパンテオンをモデルとして1846年に完成した新古典主義様式の建物で、正面からの姿はパンテオンに本当によく似ていますね。 -
広場ではどんなイベントが開催されているのかと近づいてみると、“ジロ・ディタリア”(Giro d'Italia)と書かれたロゴがあちこちに見えてきました。
このジロ・ディタリア、日本ではあまり知られていませんが、1909年から毎年5月に開催されている、イタリア全土を舞台とした自転車のロードレース大会で、ツール・ド・フランスなどと並び世界三大自転車レースのひとつに数えられています。
2013年大会はここナポリが出発地点で、どうやら開会式が開催されている模様。
テレビカメラの前にはカラフルでタイトなサイクルウェアを着た美人が勢ぞろい。
さすがイタリア、全員顔もスタイルも日本人から見ても申し分ありません(笑)。
ちなみに我が日本でも、今年(2013年)10月にツール・ド・フランスの名を冠したクリテリウム(市街地の短いコースを何度も周回するレース)がさいたま市で開催されるそうで、これを機会にヨーロッパではメジャーなスポーツである自転車競技が、我が国でもたくさんの人々に広まっていけばいいですね。
【ツール・ド・フランスが埼玉に?10月26日に号砲(2013年3月28日朝日新聞)】
http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY201303260008.html -
ジロディタリアのイベント会場を後にして、ここらでひとつ気分を変え、ナポリからいちばん近い島、プロチダ島へ渡ってみようと思い、港の方へと歩いていきます(すぐ隣にある王宮は別の日に訪れる予定)。
途中、港をはさんで向こうには、ヴェスヴィオ火山とその下に広がる市街の雄大な眺めが。
先ほどのヴォメロの丘で見た時よりも周辺の雲が澄み渡っていて、より美しく見えますね。 -
16時、ベヴェレッロ埠頭(Molo Beverello)の水中翼船発着場に到着。
窓口でSNAV社の16時20分発プロチダ島行き水中翼船の片道チケットを買い(14.9ユーロ=約2,000円、アルテカードは使えません)、すでにたくさんの人で行列ができている船の近くへ。
これから乗り込もうとする観光客を見ていると、手には大きなスーツケースを持っている人ばかり。
こんな時間にリゾートの島に日帰りで渡ろうとするのは日本人くらいなのでしょうね(笑)。 -
港からも二つのこぶを持っているようなヴェスヴィオ火山がくっきりと見えます。
まさにヴェスヴィオ火山は我が国の富士山にも相当するナポリの象徴ですね。
いつまた噴火するとも知れない活火山ですが、そんな悲観的なことは頭の隅に置いて、みんな今を楽しんでいるのでしょうね。 -
間もなく乗船が始まり(席は自由)、16時20分、たくさんの乗客を乗せたプロチダ島行きSNAV社の水中翼船は、定刻どおりベヴェレッロ埠頭を出発。
1階はほぼ満席だったので、わたしは2階にある座席に座りました。
*ナポリ〜プロチダ島間のフェリーや水中翼船の時刻表については、以下のAMO ITALIAのHPを参照。
【AMO ITALIA〜プロチダ島への行き方】
http://www.amoitalia.com/naples_island/procida_access.html -
出発してしばらくすると、右側の窓に、崖にへばりつくように建ち並んでいるナポリの街が見えてきました。
海に面した崖に密集するカラフルな家々。日本ではなかなか見られない景色です。
もっといい写真を撮ろうと、船室の外に出ようと試みますが、この水中翼船は運転中は外には出られない模様・・・。
仕方がないのでこのまま船室から外の景色を目に焼き付けることにします。 -
17時、水中翼船は定刻どおりプロチダ島(Isola di Procida)のグランデ港に到着。
40分の短い船旅で、崖に広がるナポリの街の素晴らしい景色を見ていたらあっという間です。 -
船を降りて、港の向こうに見える海に突き出たナポリ本土をパチリ。
青い空と青い海、そして白い船。なんとも気持ちのいい景色です。 -
海沿いのローマ通りに広がる建物はこんな感じ。
港町らしい、パステル調の淡い、明るい色が特徴の建物が並んでいますが、潮風にやられてだいぶ傷んでいるものもあります。
・・・この先(海に向かって左側)にあるCaremar社の窓口で帰りのフェリーのチケット(20時発の最終便、9.7ユーロ=約1,300円)を確保してから街歩きに出かけます。 -
水中翼船の発着場を背に左へ進み、丘の上のサン・ミケーレ修道院近くにあるという絶景ポイントを求めて、“San Michele”という矢印のついた看板を頼りに足を進めていきます。
・・・人々で賑わうレストランや土産物屋街を抜け、坂を登っていくと、こんな味のある路地が姿を現しました。 -
坂道の路地を登っていき、17時30分、島の西側の海の見えるポイントに到達。
淡い黄色の教会のような建物の先、さらに坂を登ったところには、崖に沿って城壁のようなものも見えます。
おそらくあの城壁の上が眺望ポイントのはず。 -
絶景ポイントを求め、さらに細い坂道を登っていきます。
・・・もう夕方の時間帯ですが、西日に照らされて体がかなり暑くなってきました。 -
そして坂を登りきって振り返ると・・・何度も写真で見た、海に沿って色とりどりのパステル調の建物が建ち並ぶ、プロチダ島の美しい景色が目に飛び込んできました。
これだ、これが見たかった景色だ・・・。
この、海に沿ってかわいらしい建物が密集している地区は“コッリチェッラ地区”(Corricella)と呼ばれ、1994年に製作されたイタリア映画“イル・ポスティーノ”(郵便配達人)の舞台としても使われるなど、プロチダ島一の撮影ポイントとなっています。 -
コッリチェッラ地区の向かって左側には湾曲して突き出た陸地がありますが、その先はもう一面の海。
上の写真を見ると、街の背後にも海が迫っているようで、こうしてみると、プロチダ島が本当に小さな島だというのがよく分かります。 -
もう一度、パステル調の街並みと、その前後に広がる青い海をタテにしてパチリ。
湾に浮かぶ小船も、この景色の美しさをより引き立ててくれていますね。
この絶景を見られただけでも、この島に来た甲斐があったというものです。
・・・周りに誰もいない中、しばらく独りでこの景色を眺めていましたが、ドイツ人のご高齢の団体客がやってきたので退散。
そういえばこの日は日本人は国立考古学博物館で数組に出くわしただけで、それ以降はこの島でもまったく会わなかったですね。
GW中なのに、やはりナポリは危険と思われているから日本人の旅行者が少ないのか。 -
展望ポイントのさらに先には16世紀に造られた城跡があり、現在は城壁の上にポツンと教会のようなものが建っているだけ。
それだけに見晴らしが良く、先ほど見たコッリチェッラ地区とは逆の方向(東側)を眺めることができます。
そちらを眺めてみると・・・自然の崖の上に城壁が造られていることが一目で分かるようなすごい景色。
今でこそプロチダ島は平和な島ですが、当時の地中海世界はキリスト教の西欧諸国とイスラム教のオスマン帝国との争いもあってずっと治安が悪く、外敵や海賊から身を守るため、堅牢な城壁を築く必要があったのでしょう。 -
遥か東の方向にはうっすらとヴェスヴィオ火山が。
プロチダ島からも見渡せるのですね。 -
城跡の手前にある道を抜け、さらに奥にあるサン・ミケーレ修道院(Abbazia S. Michele Arcangelo)へも足を伸ばしてみます。
こちらの地区は島の人々が暮らす住宅街になっており、ほどよく寂れた感じの、味のある家々が建ち並んでいます。
そしてその奥にサン・ミケーレ修道院を見つけますが、今日はもうクローズとのこと。
すぐそばでおしゃべりをしていたおばさんから、“明日またいらっしゃい”と声をかけられましたが・・・せわしない日本人は日帰りで去ってしまうんだよなあ(笑)。 -
この地区にもこんな味のある路地・・・この島は撮影ポイントばかりですね。
-
坂の上の地区で眺望を楽しんでいたらもう18時30分。
20時が帰りの船の時間なので、その前に、遠くからの景色を眺めたコッリチェッラ地区に足を運んでみることにします。
先ほど見た、淡い黄色の教会のような建物の前にある緩い坂道を降りて行くと・・・。 -
すぐ前が漁港になっているコッリチェッラ地区に到達。
先ほど登った城跡が船の向こうに見えます。
夕方のこの時間帯は船は動いておらず、周囲はとても落ち着いた様子・・・。 -
反対側を見ると、こんなに間近に、まるでブロックを積み上げたかのようなパステルカラーの家々が。
夕食前でまだ人のいないレストランの脇には十字架と聖母子の像があり、この地区の人々の生活の一部としてのカトリック信仰をうかがい知ることができます。 -
日が落ちつつある海岸沿いの通りでは、近所の人々が散歩したり、子どもたちが駆けまわったりしていました。
この島ではアジア人が珍しいのか、子どもたちは人懐こそうに、“Where are you from?”と話しかけてきてくれます。
大人たちも家の2階から“Japanese?”と、一人旅の日本人に興味津津です(笑)。 -
とても静かな海岸沿いの小さな街の夕暮れ・・・。
結局今回も、短時間でプロチダ島を後にするという、いつもどおりの忙しい旅になってしまいましたが、こうして写真を見返してみると、たまにはこんなところでのんびりするのもいいかなと思ってしまいますね。 -
さて、もう19時近くなったので、帰りの船に間に合うよう、島の北側のグランデ港に向かってもと来た道を戻ります。
帰りの道でも、立ち止まってはパチリ。
こんな裏道のような細い小路でも、壁の色が目を引くものだったり、何気なく花が飾ってあったりと、生活感があってオシャレな雰囲気。
本当にイタリアは何度もカメラを向けたくなるような魅力的な路地がいっぱいですね。 -
19時、それでも意外に早くグランデ港に戻ってきました。
帰りは下り坂だからすいすいと歩けたのか・・・。
グランデ港もコッリチェッラ地区同様、静かな雰囲気。
夕暮れの港の雰囲気はいいものですね。 -
西日を浴びたパステルカラーの街並みもいい感じ。
-
対岸には、まるでテーブルに載っているかのような、ナポリ本土から突き出た半島の街が見えます。
・・・複雑な地形に富んだ南イタリアの海岸は、どこを撮っても絵になりますね。 -
海沿いのベンチに腰を下ろし、ぼーっと景色を眺めながら船が来るのを待ちます。
・・・しばらく経った19時30分、日はさらに傾き、港に面した街並みはオレンジの光に染まっていきます。
マジックアワーです。 -
19時50分、ついに日は沈み、辺りはだんだんと暗くなってきました。
-
黄昏時のグランデ港。
最終の船の時間が近くなり、発着場に人や車が集まってきました。
見渡してみてもアジア人はわたし一人のようです・・・。
なんとなく注目されている感じ(笑)。 -
19時55分、待ちに待った船がようやく到着。
行きに乗った小型の水中翼船と違い、今度は車も載せられる大型のフェリーです。
ナポリ周辺の島々の船便はパンクチュアルで、けっこうギリギリに到着して時間通りに出発するというパターンのようです。 -
そして岸に接舷。
到着時に買っておいたチケットを提示して乗船し、眺めのいい上部のデッキ席へ。 -
20時、フェリーは定刻通りグランデ港を出発。
薄闇の中浮かび上がるパステルカラーの街並みをバックに、フェリーは黒い煙を上げ、岸を離れていきます。
さらばプロチダ! -
ほんの3時間しか滞在できなかった島ですが、こうして船上から闇に包まれながら遠ざかっていく姿を見ていると、なんだか寂しくなってきますね。
-
フェリーはどんどん遠ざかっていき、小さな島全体が見渡せるまでになりました。
左側には、パステルカラーの美しいコッリチェッラ地区の街並みを見降ろした崖の上の城跡も見えます。
短い時間でしたが、充実して過ごせた島でした。 -
遠ざかるプロチダ島の写真を撮っている間に、強い海風に吹きつけられて、デッキの上は寒くなってきました。
乗客たちは次々に船室の中へ入っていきます。
なかなかできない海外での船旅、景色の見えない船室に入ってしまうのももったいないので、わたしは上着を着てデッキ上に留まり、ナポリ湾の雄大な景色の観賞を続けます・・・。 -
闇が次第に深くなる中、フェリーは水しぶきを上げ、ヴェスヴィオ火山の見える西の方へと進んでいきます。
-
20時30分、左側に、すっかり暗くなった丘の上に点灯をはじめたナポリの街が見えてきました。
-
海岸線に沿って長々と横に伸びるナポリの街の夜景。
ナポリの夜景というと、丘の上から見下ろす景色が有名ですが、こうして船の上から眺める景色もまた素晴らしいものです。 -
きらきらと輝く街の光。
見ているだけでうっとりしますね。 -
街の光はまだまだ続きます。
船の速度が速いので、カメラも高感度モードでないとぶれぶれになってしまいます。 -
20時45分、すっかり暗くなった丘の上に、昼に登ったサンテルモ城が見えてきました。
その巨大な城壁も明るくライトアップされています。
この点灯する街の光・・・海と山とでそれぞれ場所は異なりますが、どことなくクスコの夜景を思い出しました。
どちらも大観光都市でありながら犯罪の匂いもする危険な街、という雰囲気的に似ているところから連想したのでしょう。
(ペルー紀行(3) クスコのアルマス広場の夜景)
http://4travel.jp/traveler/kissydney/pict/22828735/ -
21時、フェリーは定刻どおり、そのサンテルモ城の下に見える、マッサ港(Calata Porta di Massa)に到着。
船に乗っている間中、薄暮のプロチダ島やナポリの街の美しい夜景を眺めることができて、本当に大満足の移動でした。
乗船時間の1時間があっという間に感じます。
ナポリ近郊の島に行くなら、水中翼船よりも、少しスピードは遅いですがこうして外の景色が眺められるフェリーがおすすめです!
また、できることなら、夜景が見られる時間にあわせて乗るのもいい思い出になると思います。
ナポリでの夜の帰り道には気をつけなければなりませんが・・・。 -
21時15分、船を降り、そのまま他の乗客の後について移動し、ウンベルト1世大通りへ。
ホテルのあるナポリ中央駅前までは港からトラムも走っているようなのですが、停留所が見当たらなかったので徒歩で移動です。
金曜の夜ですが港周辺もこの大通りも人通りは少なく、同時に怪しそうな人も見当たらないので、周囲に気を配っていればそれほど危険でもない感じ。
こんなふうに写真を撮る余裕もあります。 -
港から20分ほどでホテルに到着し、荷物を整理した後、21時30分、すぐ隣にある“地球の歩き方”にも載っているレストラン、エットーレ(Ettore)で夕食。
店の名前にもなっている“Ettore Pasta”(6.5ユーロ)というのを注文すると、ムール貝とエビとトマトのパスタが出てきました。
日本人からすればちょっと生臭いにおいもしましたが、まあ美味。パスタも太くてイタリアっぽい感じ。
このほか、ビール(ツボーが出てきて4ユーロ)と食後にカプチーノ(2ユーロ)を注文。
コペルト(座席料)0.5ユーロとサービス料の15%(チップに相当)をあわせて15ユーロ(1,950円)。
南イタリアというと昔は物価が低いというイメージでしたが、今はレストランに限れば日本と同じくらい。
単品のペットボトルを比べると、場所によって1.5〜3ユーロ(200〜400円)くらいで、逆に高いですね。
さて、ナポリの観光1日目は次から次へと素晴らしいものばかりで大満足の滑り出しでした。
翌日は南イタリア観光のド定番、ヨーロッパ中の観光客が集うカプリ島へ渡ってみます!
(ナポリの休日3日目へ続く。)
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この旅行記へのコメント (8)
-
- カスピ海さん 2013/08/25 10:37:23
- プロチダ島への出航、そして帰還
- エンリケさま
ほんとうに、すばらしい旅をなさっていますね。
訪問されたところは、どこもとても素敵で、お食事もおいしそうで感嘆の連続。その中でも、
ナポリの海と一体になったような島からの帰還場面はドラマチックで特別いいなあと思いました。
>ナポリ近郊の島に行くなら、水中翼船よりも、少しスピードは遅いですがこうして外の景色が眺められるフェリーがおすすめです!
はい。ほんとうですね。両方を試されているので、一目瞭然。しかも20分しか違わない?
夕暮れに海上にいる船で、島をあとにするのですね。ありがとうございます。
未だ行ってないのに私も名残惜しくて仕方がないです。^ ^
カスピ海
- エンリケさん からの返信 2013/09/01 23:00:42
- ご訪問ありがとうございます。
- カスピ海さん
こんばんは。ナポリの休日にご訪問ありがとうございます。
プロチダ島はパッケージツアーではなかなか行けないところなので、日本人で訪れる方は少ないのですが、パステルの街並みがかわいらしい、本当に素敵な島でした。
さらに、その島からの帰路、フェリーから眺めた、夕闇の中点灯を始めたナポリの街並みはこれまた美しかったですね。
ナポリは多くの日本人にとって危険だとか怖いとか思われていますが、わたしにとっては美しい景色、美味しい料理ばかりが頭に残っていて、本当に名残り惜しい街でしたね。
-
- cacahさん 2013/07/11 00:29:41
- ありがとうございました。
- エンリケさん〜はじめまして?
先日は札幌の旅行記見ていただき、投票していただきましてありがとうございました〜♪
ナポリの街の旅行記拝見させていただきました〜〜とても美しい街並みですね〜うっとりしながら、拝見させていただきました〜
私も昨年の8月にイタリアに初めて訪れててすっかり魅力に取りつかれてしまいました・・・ナポリはカプリ島に行く途中、少しだけの観光でしたが・・・ので次回行く機会があったらエンリケさんのように2日位かけてゆっくり街歩きをしてみたいなあ〜っと思っています。
ではまた〜お邪魔させていただきますね
MIN
- エンリケさん からの返信 2013/07/13 12:52:27
- ご訪問ありがとうございます。
- charminさん
こんにちは。ご訪問ありがとうございます。
charminさんも昨年ナポリに行かれたんですね。
ナポリは言われているほど危険な街ではなく、?ぜいたくそうな格好をしない、?街歩きの際は周囲に気を配り(自分は注意しているんだぞというメッセージを周囲に送る)他人との距離を保つ、?人がいない場所には行かない、?異常に親切にしてくる人や日本語・英語で話しかけてくる人は無視、?夜はできるだけ出歩かない、出歩くなら大通りなどに限る、など、最低限の注意をしていれば安全に過ごせる街だと思います。
それでも、女性一人旅とか子ども連れだと、どうしても注意が行き届かずリスクが伴うかと思いますが、いつか機会がありましたら、ぜひナポリを再訪して“ナポリを見て・・・”と言われるほどの絶景を味わってみてください。
もちろん、景色だけでなく、ピッツァ・マルゲリータやエスプレッソなど、イタリア一と言われる食事もたくさんありますので!
-
- ぴぴまるさん 2013/06/24 21:25:21
- プロチダ島!!絶景ですね。
- エンリケさん
こんばんは。
ナポリの休日、満喫されていますね。
そして、このプロチダ島、とってもステキですね。
パステル調の家々が一つの作品のようで、こんな島があるんですね。
恥ずかしながら知りませんでした。
イタリアにはいつか絶対行ってみたいです。
そして、GWなのにANAがこのお値段ってあるんですね。
来年は私もチケット探してみたいと思いました。
続きも楽しみにしています。
ぴぴまる。
- エンリケさん からの返信 2013/06/29 20:26:34
- ご訪問ありがとうございます。
- ぴぴまるさん
こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます。
プロチダ島は日本人に人気の青の洞窟があるカプリ島と違って、団体旅行ではなかなか訪れることが難しい島です。
それでも、この個性的なパステル調の街並みは、一度は実の目で見てみたいところですよね。
ナポリは一般的にはイタリア一危険な都市と言われていますが、必要な注意さえしていれば安全に過ごせる街だと思いますので、ぴぴまるさんもイタリア旅行をご検討の際は、ぜひ個人旅行を選択してプロチダ島に行ってみてください!
-
- liberty-libertyさん 2013/06/16 18:16:02
- ここ行きた〜い(*^▽^*)♪
- エンリケさんこんにちは!
今回も楽しく拝見させて頂きました。
で、今回のプロチダ島!
メチャメチャ可愛い!大好きな風景です(*^o^*)
雑誌の写真で見かけたことはありましたが
南イタリアだったんだぁ〜♪
パステルカラーの建物と細い路地
そして海と空の吸い込まれそうな青さ
すっごく好みです(^o^)
私もここ、いつか絶対訪れたいです!
次回はカプリ島なんですね♪
次回も楽しみにしていま〜す(*^o^*)
- エンリケさん からの返信 2013/06/16 21:18:03
- ご訪問ありがとうございます。
- liberty-libertyさん
こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます。
プロチダ島のかわいらしい街並みはよく雑誌などでも掲載されていますよね。
4travelのfacebookでもこの6月10日に掲載いただき、たくさんの方々からコメントをいただきました。
南イタリアはこのfacebookでも取り上げられる件数が多いみたいで、やっぱり景色もよくて注目の観光スポットなんですね。
また次回もがんばって旅行記を作成したいと思いますので、ぜひまたご訪問ください!
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