2012/07/22 - 2012/07/22
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ゆうこママさん
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今回のアイラブ仏像めぐりは、愛知県岡崎市の滝山寺。
きっかけは、パン。
夫が愛知県豊川市の「穂の香」のパンを食べたいという。
昨年の暮れ、Pちゃんに連れていてもらったパン屋さん。そこの絶品パンをもう一度食べたいという夫のリクエストに応えてパン購入のためにドライブ。
わざわざ1時間以上もかけて豊川市まで行くのなら、途中で岡崎の滝山寺にも寄りたいという私のリクエストを急遽加えて、本日のショートトリップ。
まさかの展開があったが、全体としてはよしとしよう。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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-
カーナビに滝山寺(たきさんじ)とセットし、スタート。伊勢湾岸道路豊田東ICで降りて市街地を走り、ナビゲーションされてきたのは、岡崎市の北部。
唐突に朱色の山門が現れる。
釣人の姿も見える川に沿ってさかのぼること数分、 -
立派な山門だったねと感嘆していると、ほどなく滝山寺に到着。
寺は、滝山東照宮に隣接しているため、鳥居をくぐり長い石段を上っていくことになるが、この日は駐車場側から参詣。 -
東照宮の神域ではあるが、歴史は、滝山寺のほうが古く、
-
滝山寺は、飛鳥〜奈良の頃、役小角(えんのおずの)の創建と伝わる古刹。役小角云々は、伝承に過ぎないと思うが、いかにも清らかな水の流れ出そうな山は、
-
一帯が神域として信仰の対象となりそうな雰囲気。
この山に抱かれた滝山寺に、運慶作の美仏がおわすのだ。 -
駐車場に車を停め、まずは、宝物館を見せていただくことに。
ブザーを押すと、すぐにご住職が来てくださり、にこやかに宝物館の鍵を開けてくださる。 -
入口に奈良国立博物館の「頼朝と重源展」のポスターが貼ってあったため、思わず「あっ、これ昨日から始まりましたね!」と言ったところ、滝山寺のご住職から衝撃の事実を告げられる。
なんと、お目当ての仏像が、この展示にお出かけ中とのこと。
住職によると、大変分かりやすく充実した内容であったのとのこと。
少し残念ではあるが、もともと奈博展には行くつもりでいたので、期待が大きくなった。楽しみ!
のーとくんさんの旅行記によると、石山寺の大日如来もお出ましらしいので、さらに期待アップ↑。 -
宝物館の内部は、狭い室内にお宝満載。
もちろん、国の重要文化財の三尊立像(観音、梵天、帝釈天)にも、驚くほど間近で対面できる。 -
三尊の中像は、聖観音菩薩(174.4cm)。
金沢文庫(神奈川県)の運慶展以来、2度目の対面。
そのときも思ったことだが、写真の印象に惑わされてはいけない。白塗り顔で腰をくねらせたオネエではなく、実物は、りりしくカッコいい。 -
観音の向かって右側に梵天(106.5cm)。
こちらもむっちり肌が白い。が、観音よりさらに男っぽい顔立ち。四面四臂(顔が4つ、手も4本)で、頭上面と両サイドの面は、少し妖しげ。
江戸末期から明治にかけて彩色しなおされたという赤を基調にした極彩色の衣装は、腰のあたりの深い青のおかげで下品に見えない。ただ、本音は、彩色がなかったらもっといいのにと思う。 -
向かって左の帝釈天(104.9cm)は、奈良国立博物館の「頼朝と重源展」に出陳中でお留守。
ご住職によると、帝釈天は、滝山寺いちの人気者で、全国各地の仏像展から引っ張りだこらしい。
確かに男前度は三尊のなかでピカイチ。 -
三尊とも、桧の寄木造で、江戸末から明治頃の補彩のせいで落ち着いた古仏という雰囲気は失われている。
彩色の塗り直しがなかったらと惜しむ声が多いと、ご住職は申し訳なさげ。私もそう思うが、しょうがないよね。江戸時代には現代のような文化財保存の意識はなかったのだし、信仰の対象への最上の荘厳としての補彩だったのだろうから。 -
【滝山寺本堂】
三尊の本来のお住まいは、この本堂。
寄棟造、檜皮葺の堂々とした建物で、広く開いた境内に南面して建つ。
この境内で、鬼祭りという鎌倉期から続く祭りが行われるらしい。
本尊は、薬師如来で、内陣の大きな厨子に安置されている。本尊は秘仏なので厨子の扉は閉ざされ、お前立ちをおまいりさせていただく。
本尊薬師如来の厨子の左右には、日光月光菩薩と十二神将がずらり居並び、うれしくなってくる。
宝物館の三尊は、本堂の客仏という扱いの仏像だそうで、本堂西側のもともとの安置場所を教えていただいた。そっか、こんな隅っこに祀られていたのかと思うような一画。
文化財としてのグレードは、客仏の三尊のほうが上だが、信仰の対象としては、本尊薬師のほうが上なのだ。 -
【滝山寺本堂】
滝山寺縁起によれば、三尊は源頼朝の三回忌の供養のために、運慶とその子、湛慶によって製作されたそうで、宝物館では、縁起の該当部分のコピーが紹介されている。(縁起では、運慶の名が「雲慶」となっていた)
由来がはっきりし、運慶作となれば、価値は国家的となるから、火災の心配の少ない宝物館に安置というのは当然のこと。 -
三尊の中尊の聖観音菩薩像は、頼朝と等身で、像内には彼の鬢(びん)の毛と歯を納めたという記録もあるそうだ。
なんでも、鎌倉時代の滝山寺住職が、頼朝の母方の従兄弟にあたり、頼朝に大層可愛いがられていたのだとか。
近年のX線撮影によって頭内に両耳から吊り下げた納入品が確認されたそうで、もし頼朝のものなら、すごい! -
【日吉神社】
さらに本堂には、周辺の塔頭から集まってきたという小ぶりの仏像がいっぱい。
気になったのは、珍しいスタイルの兜跋毘沙門天。
30センチほどの像で、五面四臂(?暗くてよく分からなかった)で獅子に乗っているのだ。でも、確かに甲冑をつけた毘沙門天。戦闘機に乗って、武器をいっぱい持ち、戦う気満々の姿に見えた。
ほかには、サルの面。天台宗のお寺で本堂の奥には日吉神社があるからか。
鬼祭りの面は、レプリカで宝物館にあるのが本物。 -
【観音堂】
宝物館では、三尊以外にも美しい十一面観音がいらっしゃった。
藤原期のものらしいという十一面観音は、いかにも古い佇まいで、川沿いの観音堂(写真)のご本尊。
そのお前立ちの十一面観音は、もう少し時代が新しいのかな?よく分からないが、宋風の気品あふれる美観音。 -
岡崎市は、徳川家康のお膝元。なので、滝山寺は、徳川将軍家の崇敬篤く、徳川五代将軍綱吉寄進の鐘なんてものもある。
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さらに、滝山寺境内の瀧山東照宮は、徳川三代将軍家光の命により建立された、日光、久能山と並ぶ東照宮三宮のひとつ。
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現存の東照宮社殿は、1646年の建築で重要文化財。
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徳川家の家紋の入った灯篭があちこちに建つ。
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そんな滝山寺は、最盛期には139の頭塔が並ぶ大寺院であったらしいが、すべて失われ、今や石垣が残るのみ。というか、ご住職によると、その石垣も多くは竹やぶに飲まれ崩れてしまって、分からなくなっているものが多いとか。
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運慶仏を堪能し、東名高速に入って今度は豊川へ。豊川稲荷近くのパン屋「穂の香」へ。
ところがここで、この日2回目の「まさか」の展開。
「店主急病につき、臨時休業します」の張り紙!
エエ〜、そっ、そんなあ〜・・・
気落ちする夫を慰め、近所のフレンチのお店(写真)へ。 -
ビストロ・バンケ
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ランチをいただくことに。
選んだのは、バンケランチお肉のコースと、デラックスランチお魚のコース -
店内の様子は、ゆったりとして温かな雰囲気。
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桃の冷製スープ
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サラダ
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メインの魚介は、海老、ホタテ、スズキをサフランソースで
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メインの肉は、牛をオーソドックスにステーキで
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デザート
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せっかく豊川へきたので、お土産にいなり寿司を購入して帰りましょう。
車をそのままビストロバンケに駐車させていただき、豊川稲荷の参道へ。 -
ふたつのお店のいなり寿司を買ってと・・・
この日は夏祭りのようで、なにやらにぎやかな声が聞こえてきます。 -
声の方へ行ってみると、
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お化粧をして着飾った少女たちが乗った山車が、ちょうど動き出すところ。
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山車の下段には、太鼓や三味線の御姉さんが並び、うわ〜生演奏だ!
豊川ではお目当てのパンは買えなかったけれど、美味しいランチいただき、お祭りを見ることができました。
なんだか得した気分。 -
帰路の東名高速の車中で、Pちゃんに「穂の香」の顛末をメール。
そうしたらすかさず、別の美味しいパン屋情報を返信メール。
で、寄り道したのは、岡崎市の石釜パン工房POUSSE(プース)。 -
美味しいパンを山ほど買って家路についた。
さあ、次は奈良が私を待ってます。
暑い奈良ですが、奈良国立博物館でアイラブ仏像めぐりだ〜!
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この旅行記へのコメント (8)
-
- Rさん 2012/09/18 23:31:19
- 滝山寺でドキドキ…
- ゆうこママさん、こんばんは♪
愛知にもいい仏像様がいらっしゃいますね〜。
でもね、私、色鮮やかな仏像ってちょっとなまめかしくて
ドキドキしちゃうのです。
昔は色がついていたんだから当たり前なんだけど
どうも色なしのほうが落ち着くというか…。
滝山寺に行ったらきっとお顔が真っ直ぐ見られないわ(照)
お目当てのパンは残念でしたが
代わりのフレンチも美味しそうでしたね〜
Rita
- ゆうこママさん からの返信 2012/09/19 20:30:17
- RE: 滝山寺でドキドキ…
- こんばんは、ようこそお越しくださいました。
>
> 愛知にもいい仏像様がいらっしゃいますね〜。
⇒そ〜なんです。地元愛知県にもいるのです。なのに、初めての訪問。
いつでも行けると思うと、駄目ですね。
> でもね、私、色鮮やかな仏像ってちょっとなまめかしくて
> ドキドキしちゃうのです。
⇒同感です。激しい色遣いがエッチ(?)過ぎて・・・。
> 昔は色がついていたんだから当たり前なんだけど
> どうも色なしのほうが落ち着くというか…。
> 滝山寺に行ったらきっとお顔が真っ直ぐ見られないわ(照)
⇒ホント、全く同じですよ、私も。
モノトーンに沈む仏像のほうが、しっくりきます。
色数が少ないほど美しさが際立ってくるように思います。
>
> お目当てのパンは残念でしたが
> 代わりのフレンチも美味しそうでしたね〜
⇒はい、美味しいランチでした。
仏像めぐりとフレンチの組み合わせ、結構好きです。
-
- hokkaさん 2012/08/04 23:55:10
- 滝山寺
- こんばんは、ゆうこママさん。
滝山寺に来られたのですね。実は、ゆうこママさんの「アイラブ仏像めぐり・滝山寺編」をひそかに期待してたのですよ。地元なのでいつでも行けるという気で、最近はずっとご無沙汰していて・・・。ゆうこママさん目線、とても楽しいです。お寺の雰囲気も好きで、また近いうちに訪れたいです。
「穂の香」さん残念でしたね。私も食べられなかったのですが、いつか美味しいパン食べてみたいです。
hokka
- ゆうこママさん からの返信 2012/08/05 00:21:03
- RE: 滝山寺
- こんばんは、ようこそお越しくださいました。
⇒愛知県内なので、いつでも行ける思い、なかなか出かける機会を作れなかったのですが、やっと行けました。
仏像もすばらしいものでしたが、お堂もまた美しく感嘆しました。
こういうお寺に出会うと、日本じゅうにまだまだ知らない美しい寺院があるのだと思え、うれしくなります。
この日は、情けないことにカメラの電池を充電器に付けたまま忘れてしまい、ケータイで撮影。
本当はもっといろいろ写真に収めたかったのですが、今度はケータイの電池容量が心配で、撮影を最小限に。
なので、もう一度、訪れたいお寺です、滝山寺。
-
- はなかみno王子さん 2012/08/03 23:11:17
- 本命外しても。。。
- ゆうママーーー。
いい旅しましたね。。
本命、ことごとく外してもそれ以上のものに出逢えるなんて。。
旅のハプニングもまた感動を呼ぶものです。。
パンがフレンチになったのも。。。
良かったですね。
夏の奈良、行かれるなら是非誘ってくださいね。。
11日から19日まで休みでブラブラしてますので。。
頼朝と重源には行きたいと思ってます。。
王子
- ゆうこママさん からの返信 2012/08/04 13:18:42
- RE: 本命外しても。。。
- こんにちは、いつもありがとうございます。
>
> いい旅しましたね。。
> 本命、ことごとく外してもそれ以上のものに出逢えるなんて。。
⇒いつものことですが、計画性がないので困ったものです。
> 旅のハプニングもまた感動を呼ぶものです。。
> パンがフレンチになったのも。。。
> 良かったですね。
⇒本堂の中にまで入れて頂けたのもハプニング。
そのうえ、美味しい昼食にありつけましたので、結果的には最高によかったです。
>
> 夏の奈良、行かれるなら是非誘ってくださいね。。
> 11日から19日まで休みでブラブラしてますので。。
> 頼朝と重源には行きたいと思ってます。。
⇒思い立ったら・・・の私は、先週、奈博へ行ってきてしまいました。
博物館オンリーで、それ以外はいっさい無し。
スイーツもランチも無しの殺風景なとんぼ返り旅。
旅行記を作り始めましたが、絵的にもネタも地味すぎて、困っています。
-
- のーとくんさん 2012/07/31 20:45:00
- 奈良国立博物館の特別展「頼朝と重源−東大寺再興を支えた鎌倉と奈良の絆−」に期待
- ゆうこママさん
こんばんは。
おめあての運慶仏そして美味しいパン、ダブルショックなのですね。
> のーとくんさんの旅行記によると、石山寺の大日如来もお出ましらしいので> 、さらに期待アップ↑。
石山寺の大日如来さまの公開は8月5日までのようで、早く行かなければと思っています。
> 向かって左の帝釈天(104.9cm)は、奈良国立博物館の「頼朝と重源 展」 に出陳中でお留守。
> ご住職によると、帝釈天は、滝山寺いちの人気者で、全国各地の仏像展から引っ張りだこらしい。
> 確かに男前度は三尊のなかでピカイチ。
見るところ本当に、すばらしい帝釈天さまですね。
やっぱり、はやいとこ奈良国立博物館いかねば。
うーーん、すごい。
> 本尊薬師如来の厨子の左右には、日光月光菩薩と十二神将がずらり居並び、うれしくなってくる。
薬師如来さまの脇侍の日光月光さま、十二神将、定番ですよね。
これも良さそう。
ああ、岡崎岡崎、これも行きたい。
> 宝物館では、三尊以外にも美しい十一面観音がいらっしゃった。
十一面観音さま、これも見てみたいです。
滝山寺、滝山東照宮をふくめていい雰囲気ですね。
機会を見つけたいと思います。
のーとくん
- ゆうこママさん からの返信 2012/08/01 19:27:33
- RE: 奈良国立博物館の特別展「頼朝と重源−東大寺再興を支えた鎌倉と奈良の絆−」に期待
- こんばんは、いつもありがとうございます。
> 石山寺の大日如来さまの公開は8月5日までのようで、早く行かなければと思っています。
⇒暗いお堂のなかではっきりと分からなかったお姿がばっちりでしたよ。
>
> > 向かって左の帝釈天(104.9cm)は、奈良国立博物館の「頼朝と重源 展」 に出陳中でお留守。
> > ご住職によると、帝釈天は、滝山寺いちの人気者で、全国各地の仏像展から引っ張りだこらしい。
> > 確かに男前度は三尊のなかでピカイチ。
> 見るところ本当に、すばらしい帝釈天さまですね。
> やっぱり、はやいとこ奈良国立博物館いかねば。
> うーーん、すごい。
⇒美しいです。
オリンピックに登場する一級のアスリートの美しさに似ていました。
早く奈良博物館の旅行記を作らなくちゃ、私。
>
> > 本尊薬師如来の厨子の左右には、日光月光菩薩と十二神将がずらり居並び、うれしくなってくる。
> 薬師如来さまの脇侍の日光月光さま、十二神将、定番ですよね。
> これも良さそう。
> ああ、岡崎岡崎、これも行きたい。
⇒新名神、伊勢湾岸経由で行けば、関西からでも日帰り圏内。のーとくんでビューンと一走りですよ。
>
> > 宝物館では、三尊以外にも美しい十一面観音がいらっしゃった。
> 十一面観音さま、これも見てみたいです。
>
> 滝山寺、滝山東照宮をふくめていい雰囲気ですね。
> 機会を見つけたいと思います。
>
⇒是非お出かけを。
ただし、本堂の内部拝観については、お出かけの前に確認してからのほうがよいと思います。
大型バスで見学に訪れた団体さんの拝観のついでに、私たちも内陣に入って見せていただけたみたいなので。
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