2012/06/10 - 2012/06/10
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mistralさん
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お堀端となる日比谷通りには数多くの建築物があります。その中でもひと際目を惹く明治生命館は、昭和の激動の時代をくぐりぬけてきた建築物です。
設計は明治末から昭和初期にかけて活躍した建築家で、東京美術学校・教授の岡田信一郎氏。
戦時中の金属回収、東京大空襲、そして終戦後はGHQに接収され米・英・中・ソの4カ国代表による対日理事会の会場として使用されるなど、昭和の時代の記憶が刻まれている建築物です。
昭和31年、アメリカ軍からの返還が正式決定され、同館の屋上で返還式が執り行われました。
昭和31年、返還後の復旧工事が完了。
往時の姿を今に伝える明治生命館は平成9年に重要文化財に指定されました。
そんな建築物が公開されているということを最近になって知り、公開されている曜日を調べて出かけてきました。
- 交通手段
- 徒歩
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東京は梅雨入りになったとのこと。
それでも真夏を思わせるお天気です。
改修工事中だった東京駅も養生シートが少しずつ取り外され、赤レンガの姿を現し始めています。 -
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5月にリニューアルオープンしたばかりのパレスホテルに向かいました。
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まだ仮の通路のような近道を通ってホテルに入ることができるようです。
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以前のただずまいとは一新したパレスホテルの正面入り口です。
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一階グランド・キッチンでランチをいただきました。
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広い空間の中、アイランド型のキッチンがあったり、お酒類をおくカウンターがあったりして、スペースがうまく分けられています。
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おいしいランチをいただき、今日の目的地の明治生命館に向かいます。
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餌を撒く人がいるせいか、集まってきた白鳥、鯉、さらには亀たちも見えます。
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和田倉噴水公園の一角。噴水のゾーンです。
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東京駅が正面に見えます。
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若葉と水のコントラストが涼しげです。
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日比谷通りをはさんで明治生命館を見ています。
主要なデザインは古代ギリシャ・ローマを源流とする古典主義様式でまとめられています。
お堀端がわの外観は巨大なコリント様式の列柱が立ち並び、周囲のビル群の中にあっても存在感があります。 -
ランタン型の照明器具も優雅です。
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竣工は昭和9年(1934年)。
平成9年(1997年)昭和の建造物としては初めて、国の重要文化財に指定されています。 -
一階窓グリルのデザイン。
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ドア枠の上部にある、ラーメンの器に見られるような形は、雷紋(フレット)と言われ、古典主義にみられる建築物を構成するデザインとなっているようです。
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日比谷通り沿いの西玄関から入っていきました。
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コリント様式の柱頭を飾るアカンサス(ハアザミ科の植物)のデザイン。
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2階に上がるエレベーター内部(これはもしかしたら新しいものかもしれませんが)にも雷紋のデザインが!
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エレベーターを降りると、吹き抜けとなっている中央部には、ガラス屋根のトップライトから柔らかい光が差し込み、周辺を回廊がめぐっています。
リノリウムの床はピカピカに輝き、照明がきれいに写りこんでいます。 -
デザインの美しい手すりの手前に、更に安全性を高めるためかアクリルの壁が設置されています。
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今でも平日は使用されている店頭営業室(お客様相談センター)に驚かされます。それで土日のみ無料で見学することができるんですね。
巨大な柱はイタリア産、ボティチーノクラシコをはじめとする各種の大理石が使われているそうです。 -
柱の彫刻。
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天井飾り。特にそれぞれの中央部にある花形の飾り(ロゼット)は一個一個が存在感のあるものです。
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資料展示室から見学のコースが始まります。
この建築物はギリシャ・ローマを源流とする古典主義様式でまとめられています。
お堀端に面した外観はひときわ目を惹くものです。列柱はエンタシスと呼ばれる、視覚矯正のためのふくらみがつけられ、上部に行くほど細くなっています。
全体は3層に分かれています。下層は重厚な基壇層(グランドフロア)、その上に列柱からなる主階(ピアノノービレ)、更にその上に屋階(アティクストーリー)が載せられています。これも古典主義建築の伝統的な壁面分割(三層構成)が踏襲されているそうです。 -
柱頭飾りの詳細図です。
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会議室。
内部は外国産のチーク材やウォルナット材が多用されていて落ち着いた雰囲気です。 -
時計は電気式の時計で一か所で管理され、全館で同時刻を刻んでいるそうです。
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回廊部にある照明。ブラケット。
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同じくペンダント。
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非常口の照明も素敵ですね。
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食堂手前の控室。
ダム・ウェーター(昇降機)という地下にある厨房から料理を運ぶための機械があります。 -
食堂です。
両脇の2つのカーブと、中央の緩やかなカーブとの3つの曲線からなるアーチ(三心アーチ)で、食堂という空間にふさわしい柔らかい印象を醸し出す効果があるとされています。 -
アーチ下部にはブドウの唐草をモチーフにした石膏のレリーフが施されています。
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応接室です。
家具のデザインは、日本初のインテリアデザイナーとされる、梶田恵氏。大きなテーブル、ネストテーブル、円形花台はオリジナルのものだそうです。 -
オリジナルのもの。
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右奥にあるものがネストテーブル(入れ子式のテーブル)。
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暖炉上部が三角形に狭まっているのはスパニッシュ様式の特徴です。
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木の梁とスタッコ仕上げの凹凸のある塗り壁はやはりスパニッシュ様式です。
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照明、カーテンともに、応接室にふさわしいデザインです。
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金属製のカーテンレール。
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ライティングデスクでしょうか?
蓋状の板を手前に倒すとそれが天板となり、下にある板を引っ張り出すと、支えるための腕になるようです。 -
健康相談室。
社会貢献の一環として設置されたそうです。当時としては最新のドイツ製の心電図計が導入されていたとのこと。 -
一階へ降りる階段。
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窓を通してお堀端が見渡せます。
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当時の正面入り口でしょうか?
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床の大理石には、中生代ジュラ期、2〜1.3億年前とされるアンモナイトの化石が見られます。その場所には立て看板が立っています。
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一階ラウンジです。エレベーターで2階にあがり降りたところで、最初にみおろした一階の空間です。
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ここにも中央部分にはトップライトがあります。
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模型を見て、この建築物の形が理解できました。
中央部分に2か所のトップライトが設けられています。 -
明治安田生命ビルに続く側から出てきました。
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外側をもう一度ぐるっと回ってみます。
屋上にはぐるりと、アンテミオン(スイカズラをかたどった装飾)とパルメット(ヤシをかたどった装飾)がつけられています。これも古典様式のデザイン。 -
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ライオンの頭部像も同じ様式の特徴です。
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これは?
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一階で正面出口と思われる出入り口の外部側。
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丸の内仲通りがわへと向かいます。
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丸の内仲通り。
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再び東京駅にもどってきました。
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ところで、アカンサスという植物は、コリント様式の柱頭を飾るデザインに使われたり、ウィリアム・モリスがよく描いていますが、そのせいか気になる植物でした。そのあこがれもあって、我が家の狭い庭にも一株植わっています。
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我が家のアカンサスはまだ開花していませんので、別のところの花をアップしました。
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