2011/03/13 - 2011/03/13
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世界攻略者さん
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姐告と畹町でとりあえず国境越えを成功させた後、次に向かったのはタイ族の集落、銀井村。ひとつの村が中国・ミャンマーに跨っており、一寨両国と呼ばれている場所です。この村の一部はテーマパーク化されていますが、観光客に国境越えをさせてくれるわけではありません。やはり、国境は自力で越えるものなのです。
**情報は2011年3月のもの。1人民元=12.3円で計算。
== 瑞麗の向こう側 シリーズ一覧 ==
① 瑞麗 - 中国の中のミャンマー
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10537955/
② 姐告 - スルッとミャンマー裏カジノ
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10537957/
③ 畹町 - ミャンマー気ままにフリープラン
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10538910/
④ 一寨両国 - ミャンマー人大量輸送ルートをゆく <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10538955/
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[目次]
一寨両国
大等喊
ミャンマーの村々
対岸に渡れ
もうひとつの一寨両国
地図
まとめ -
[一寨両国]
瑞麗から西の国境線は、必ずしも瑞麗江沿いというわけではありません。川の位置が変化したのかどうか知りませんが、そうなっています。国境線が川より北側にあるため、ミャンマーの一部と中国は地続きです。おそらくフェンスも警備もないので、簡単に越境できるはずです。
ただ、幹線道路から少々離れているため、気がついたらミャンマーだった、ということはまずありません。一寨両国と呼ばれる銀井村があるのは、ちょうと国境線と道路が接するあたり。これが、この村が観光地化されている所以でしょう。
地図:
黄色い点:姐告ゲート、赤い点:銀井村の国境ゲート。
水色: 瑞麗江、黒い線: 国境線
緑色の線:上-中国の幹線道路。下-ミャンマーの幹線道路。 -
瑞麗から銀井村へは、弄島行きのバス(4元=50円)に乗り途中下車。このバスはなぜか、途中の喊沙村で車掌が乗り込み、運賃を徴収します。ですので、そこで、どこから乗ってどこに向かうのか自己申告して、運賃を払うことになります。
写真:弄島行き路線バス。バスターミナル外の駐車場から頻発。 -
瑞麗から20分ほどで銀井村に到着。国境ゲート(写真)手前で降ります。村の集落は道路の両側にあり、北側が中国、南側が半分中国、半分ミャンマーになっています。
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門をくぐった先には、検問所と国境線71番を示す石標。石碑(写真左下)から左に行くと、一寨両国のミニ・テーマパーク(20元=250円)の入り口があります。
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このテーマパークの入り口は2箇所。正門(写真)は、道路を100メートルほど戻った先にあります。正門から道なりに歩くと、すぐにミャンマーとの国境線に到着します。国境といっても、溝のような場所。その気になればいつでも渡れます。
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この国境線沿いの場所での見所は2つ。ひとつは、「一寨両国水井」という井戸(写真)。2つの国に跨った村民が仲良く使用する井戸、といった感じでしょうか。1980年に建てられたもので、歴史的な価値はありません。
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もうひとつが「2国を跨ぐ」ブランコ。説明には、「このブランコを漕げば空中で国境を越えられますよ」と書かれています。
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このブランコは少々中国側にあるため、かなり高くまでこがないと、国境を越えられません。基本的には無理なレベル。そこまで勇気のある人は、とっくに歩いて国境の溝を越えているでしょう。
写真: 赤い線 - 国境線。写真左 - ブランコ -
このブランコの隣に、銀井村の住民が国境の溝を自由に行き来する場所があります。その道の横には、「越境厳禁、罰金500元(6150円)」というお約束の標識が..。
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正直、この内容で20元は高すぎます。運営側もそれを意識しているようで、敷地内の池の周りに次々と新しいオブジェを建設中です。「二国を跨ぐ橋」「一樹両国」「一家両国」など一寨両国をテーマにしたものと、仏教に関するものの二種類。着々とタイガーバーム・ガーデン化が進行中です。
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奥に建設中のパゴダ(写真)の近くに、ミャンマー側の銀井村に繋がるジープ道があります。ここにも警告看板があり、やはり「罰金500元」。人目がないので、ブランコの近くの道と比べ気軽に渡れそうです。とはいえ、具体的な金額を書かれると、ちょっとしり込みしてしまいます。何より、この国境線を越えたことろで、何の見所もメリットもありません。国境線があいまいなこの地域で越境するのはそれほど価値があることでもありません。
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[大等喊]
一寨両国はこの辺にして、さらに弄島方面にある大等喊に行ってみることにしました。これと言った理由はなく、ただガイドブックに載っていたからです。一寨両国から10分ほどで村の入り口(写真)を通過。途中下車して村の中に入っていきます。 -
基本的には喊沙と同じで、奘房(写真)があるだけの普通のタイ族の村。村の雰囲気も喊沙の方が上で、来た意味なかったなー、と正直感じました。しかし、ここに来たことが、この後の素敵な小旅行に繋がるのでした。
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[ミャンマーの村々]
幹線道路に戻り、瑞麗へ向かうバスを待ちます。何となく畑(写真)のほうを見ていると、オートバイが次々と田んぼの間の道を走りぬけて行きます。地図を見ると、川の方に大きな村はありません。彼らはどこへ向かっているのか..。ひょっとして、ミャンマーの村がすぐ近くにあるのでは..。なかなかバスがやってこないので、歩いて田んぼの奥に行ってみることにしました。 -
15分ほど歩くと、小さな村に到着しました。家の標識はビルマ文字。いつの間にか国境を越えていたようです。田んぼの端に、木立と溝のようなものがありましたが、それが国境線だったようです。この村にも、近辺の村々同様、奘房があります。
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村の中を5分ほど歩くと川が見えてきました。ある意味、こちらが実質的な国境です。川の向こうには、畑や荒地のような土地を挟んで、山の麓にミャンマーの村が見えます。
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川辺にある小屋から子供の声が聞こえてきました。どうやら小学校のようです。中を見ると、英語の授業をしていました。竹の小屋の中は低い衝立で3つに区切られており、それぞれに黒板があります。察するに、2学年ごとに3クラスに分けて、一人の先生が同時に授業をしているようです。
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左端のエリアの子供らは真剣に机に向かっている一方、他の2エリアの子供らは遊んでいます。この年代のやんちゃな子供がおとなしく自習するはずもなく、クラスの中はちょっとしたカオス状態。そんな感じなので、私がうろちょろしても迷惑がる人は誰もいません。
たまたま村が国境線のミャンマー側にあるだけで、学校の建物も、授業の内容も、何もかも違うわけです。この小屋には電気さえありません。 -
さて、川の中国側の住民はどうやってミャンマーに移動するのでしょうか。この辺りの瑞麗江は幅が広いので、ボートが唯一の交通手段のようです。ちょうど私が川に着いた時にも、一隻到着してました。
クラスを見学した後、その渡し舟をチェックしてみることにしまう。30分以上川岸で待ちましたが、今度は一向にやってくる気配がありません。もしかすると、私が見たのは定期便ではなく、貸切ボートだったのかもしれません。 -
ボートのエンジン音は下流の方からずっと聞こえているので、そこまで行けば両岸を往復するボートがあるに違いありません。作戦変更です。川沿いの道を歩いて、音の聞こえる方に向かいます。
写真: 途中にあったお墓。 -
15分ほど歩き別の村に到着。ここにも奘房や小学校があります。
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再び、小学校も覗いてみます。こちらの学校は生徒も多く、校舎も大きめ。校舎は3クラスに分断されています。さきほどの学校と違い、クラスは一応高い竹の壁で分断されていますが、上がオープンなため、声は筒抜けです。
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こちらの学校でも、突然の来訪者を先生、生徒共々歓迎してくれます。今時、カメラを持っているだけで人気者になれるのは、中国広しといえどもここくらいでしょうか。おっと、ここはミャンマーでした。
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学校の裏から川はそう遠くありません。モーター音が聞こえるので学校の裏の畑の道を川に向かって歩きます。着いた..と思ったらそこにあったのは、ボートではなくトラクターでした。全く紛らわしい! 対岸の村は見えているのですが、肝心のボートが見えない。結局、川沿いの道をさらに20分ほど歩き続けてボート乗り場に到着しました。
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[対岸に渡れ]
両岸をシャトルしているボートは二隻。一台はオートバイ用の大きめのボート。もう一台はボートを二隻横に並べた上に幅広のレールを置き、車も運べるようにしたもの。車がいない時は、そのレールの上にバイクが並びます(写真)。 -
車はこうやって運ばれます。普通のトラックなら一度に二台運べます。このようなインフラがあるため、国境付近に住むミャンマー人は、その気になれば車やバイクで自由に中国に来れるわけです。
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私は一般用のボートで対岸に渡ります。この船に乗る人はほとんどオートバイで来る人。ボートには、船を操縦する人に加え、オートバイを客の代わりに船に入れるスタッフもいます。対岸まで2元(4.6円)。約3分。
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対岸に着くと、集金係にお金を渡します。ここから一番近い集落まではまだ1キロほどあります。村に向かおうとすると、集金係の男性から注意を受けました。行ってもいいけど、万が一警察に見つかったらかなり面倒だよ。行っても何もないよ、と。彼はまじめそうな男性なので、親切心からアドバイスしてくれているのでしょう。しかし、ここまで来て引き返すのもストレスが溜まります。とりあえず、様子を見ながら集落のある幹線道路まで行ってみることにします。
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10分ほど川原の荒地と畑に囲まれた道を歩き集落に到着です。町は川の手前側の村と大きな違いはありません。逆に幹線道路が村の前を走っているため、のどかさは半減です。この道路は川と平行して走っており、左に行けば木姐や九谷、右に行けば南坎に行けます。
本当に何もない所なので、売店で買い物した後、すぐにボート乗り場に戻りました。ある人が言うには、この村の名前は芒喊(マンハン)。地図で見る限りそこまで西側ではないので、間違いかもしれません。 -
「何も見るものなかったでしょ」。集金係の男性によると、一度フランス人の男性がこのルートから村に入り、警察に見つかったとのこと。幸い、私は中国人と外観が変わらないので、簡単に見つかるリスクは少なめです。ただ、捕まった時の麻煩さは、フランス人と変わりません。再びボートに乗り対岸に戻ります。
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[もうひとつの一寨両国]
ボート乗り場から先は、中国方面(北)に向かう道を歩きます。道沿いには、ミャンマーの民家が並びます。中国側の村と比べ、竹(+トタン屋根)の家の比率がやや高めです。必ずしも貧乏というわけではなく、どの家もオートバイを持っています。家によっては車もあります。ナンバープレートは雲南だったり、ミャンマーだったり、プレートがなかったりといろいろです。 -
井戸(写真)は各家庭に一つずつあるようです。上水道がまだ整備されていないのか、まだ現役です。バイクやパラボラアンテナなどの実用品にお金をかける一方、家や水道などのインフラにはあまりお金をかけない。そんなライフスタイルです。
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道路をしばらく歩くと、左側の農地の先に小さな森が見えます。その森の手前の溝辺りが国境線で、そこから先は中国の領土。周辺の家の様子も大差なく、道路も普通に繋がっているため、家の標識が中国語に変わっているのを見て初めて気がつきます。言ってみればこちらも、もうひとつの「一寨両国」です。
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でも、注意深く観察するといくつか違いがあります。中国側には、数はそれほど多くありませんが、立派なモダンな家(写真)があります。電信柱も太め。ミャンマー側では竹を電信柱に使っている場所もあります。さらに、水道環境が違うのか、太陽熱の温水器を多く見かけます。とはいえ、竹の家や井戸など、本質的なところはあまり変わっていません。住んでいる人達も、行政区が違う程度にしか考えていないのかもしれません。
中国側の村を抜けた後、5分ほど歩いて幹線道路に到着。あとは瑞麗に向かうバスに乗って帰るだけです。発見に満ちた楽しい一日でした。 -
[地図]
今回歩いたルートをまとめるとこうなります。まず、大等喊の2つの入り口の手前側(看板のある方)から畑の道に入り、川辺まで歩きます。そこから次の村まで歩いた後、小学校から見て右奥の畑の道を歩いてボート乗り場に到着しました。帰りは道なりに進んで、最短距離で道路まで戻りました。
これがベストのルートというわけではなく、大等喊から少し弄島方面に行った道から歩き始めると、一度も曲がることなく、ボート乗り場に到着します。ただし、このルートを歩いていたらミャンマー側の小学校に出会うことはなかったでしょう。
これらのルートは、私がたまたま歩いて偶然発見したもの。グーグルマップを使えば、大等喊近辺以外にももっといい国境越えルートが見つかるかもしれません。ただ、唯一の問題は、地図ソフトだけでは船乗り場が特定できないことです。
地図: 茶色:幹線道路。赤色:国境。水色:川。青:歩行可能なルート。
黄色い点:小学校、緑の点:寺院(奘房)。 -
[まとめ]
もし帰りのバスがタイミング良く来ていたら、今回の小旅行はなかったかもしれません。運や成り行きも、旅の重要な要素です。結果として、ミャンマー人がバイクで中国を行き来する大動脈を発見することができました。
川越えはこのルートのハイライトですが、万が一のことを考えると、積極的にはお勧めできません。そこまでしなくとも、川の北側だけで十分楽しめるはずです。出入り自由な国境と素朴な子供たち。観光地化されていない一寨両国はすぐそこにあります。 -
[リンク集]
==中国旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=2&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
==雲南旅行記==
虎跳峡の歩き方 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10523702/
麗江逃票日記 全6+3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10527829/
梅里雪山を巡る旅 全5作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10526168/
元陽棚田トレック 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10551785/
雲南 少数民族マーケットハンター 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573334/
中国国境のカジノタウン 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573770/
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