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法隆寺→中宮寺→海龍王寺→法華寺→不退寺

奈良親見仏記

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2010/03/24 - 2010/03/24

9801位(同エリア13437件中)

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5

趣味千

趣味千さん

法隆寺→中宮寺→海龍王寺→法華寺→不退寺

同行者
家族旅行
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
新幹線

PR

  • 法隆寺駅に到着すると、法隆寺方面の階段を下りた。そこにはバスもタクシー乗り場もなかった。入館時間<br />が8時〜にもかかわらず、バスが走っていないので、タクシー乗り場を探す。そうこうするうち、駅に向かってきたおばさんが法隆寺ならそこを抜けて、こう行くとすぐわかると丁寧にも教えて頂いたが、雨が降っている中20〜30分もかけて行く気にはならない。しょうがないので線路を渡り反対口に回った。案の定ロータリーがあった。僕らはタクシーに乗って運転手さんに「法隆寺まで」と伝えた。<br /><br />法隆寺に着くと、人影さえもない。いつもは大勢の観光客、団体、修学旅行らしい学生の軍団が参道を覆い尽くしている光景が記憶から蘇る。まるで違う場所かと錯覚したほどだ。<br />西院伽藍入り口でやっと数人の観光客と遭遇した。母と妹が五重塔に行こうとするのを制止して廻廊を渡った。<br /><br />大講堂が修復中のために国宝のありがたさが全然伝わらず。薬師三尊と四天王を見る。オンコロコロセンダリマトウギソワカ。<br /><br />そして、はじめて訪れる、入母屋造りの上御堂。天武天皇の皇子である舎人親王の発願によって建立したと伝えられる。例年11月1日2日3日の三日間だけの開扉。今回平城遷都1300年記念事業の一環での開扉。入った瞬間凄いと吐息が洩れた。四天王の彩色がまだ残っており、増長天の顔の青さだったり、鎧の複雑な色のコントラストである。職員が妹にわきに置いてあった太鼓の説明をしていた。そして国宝釈迦如来坐像、同じく国宝文殊菩薩、国宝普賢菩薩。それぞれ2.28メートル。仏師は寛慶と弟子の幸禅。職員の説明では桜の木の一木という。生涯に一度は見たかったお堂の一つだ。もう入ることはないかもしれないなあと感慨に耽りながら後にした。<br /><br />五重塔に戻るとかなりの観光客が来ていた。さっさと初層を見学し、金堂に向かった。団体が五重塔のガイドの説明を受け始めた。金堂もやはり観光客が多くなっている。団体が来るまでには見仏したいものだ。止利仏師作の釈迦三尊像を見仏。四天王、邪鬼の動きのなさや、これらも飛鳥の味と感じるようになってきた。静の仏像だ。<br /><br />聖霊院でご朱印を頂く、「当ご朱印は、和をもって・・・あ、すいません、表紙裏にご朱印してしまいました」「あ、本当ですね。構いませんよ」とやり取りをしていたら妹がご朱印帳をまた買っていた。表紙裏に何やらご朱印ではなく色々と書いてある。欲しいと思いながらも妹と同じご朱印帳を買ってもしょうがないので諦めた。<br /><br />大宝蔵院にもやはり観光客がかなりいた。夢違観音をゆめたがいかんのんと説明していたら説明文にゆめちがいかんのんと書いてあると指摘されたが、後から調べたらゆめたがいかんのんでもいいらしい。百済観音。謎が多い観音様だ。百済とあるが、実際奈良の木で作成されたことが後世確認が取れている。メイドインジャパンだ。仏師が渡来人という説もあるので一概に百済とは全く関係ないと断じることもできない。ただ、色々考えることなく、この像と対面すると、痩せて、憔悴しながらも修行している菩薩の思いが伝わってくる。<br />母と妹を待つ。二人とも説明文を全部読んでいるのでやたら時間がかかる。茶所で30分は休憩したことになるだろうか。<br /><br />大宝蔵殿で別途チケットを購入して入場する。入り口付近に止利仏師と伝わる仏像があった。現在重文。もし止利仏師と確定した場合は国宝にランクアップするだろう。大宝蔵殿はその年によって展示替えがある。今年は救世観音お前立ち。<br />途中小便に行きたくなり、母と妹に伝える。「もう出るの?」「もうすぐ出口」と言って、出口に向かった。が、出口ではなかった。中倉から南倉に移動するので、来る度に出口と間違えるのだった。いったん、南倉内すべて見学して母と妹のもとに戻った。地獄絵図できゃっきゃ笑って話し合っている。<br />「戻ってきたの?」と訊いたから「これからトイレに行ってくる。また茶所で待っている」と伝え大宝蔵殿を出た。<br />彼女たちが茶所に戻ってきたのは30分後だった。<br /><br />東大門を越えると、いつも開いていない律学院が開いていた。後で調べてみると、3月22、23日のお会式と8月14、15日の盂蘭盆会だけ開扉したのだった。建物は重文だ。中に入ると、花に野菜を付けた物体があった。須弥山をイメージしているとのこと。中央に朱色の上着に白袴、腰に刀、左手に弓右手に矢を持って馬に乗った聖徳太子がいらした。さらに右奥に仏像を発見した。職員に阿弥陀如来ですか?と訊くと、そうだ、隣が地蔵菩薩だ。と返答して頂いた。思いがけないラッキーだった。<br /><br />夢殿は救世観音がご開帳していなかったが、母と妹は八角円堂の廻廊を歩いていた。<br /><br /><br />

    法隆寺駅に到着すると、法隆寺方面の階段を下りた。そこにはバスもタクシー乗り場もなかった。入館時間
    が8時〜にもかかわらず、バスが走っていないので、タクシー乗り場を探す。そうこうするうち、駅に向かってきたおばさんが法隆寺ならそこを抜けて、こう行くとすぐわかると丁寧にも教えて頂いたが、雨が降っている中20〜30分もかけて行く気にはならない。しょうがないので線路を渡り反対口に回った。案の定ロータリーがあった。僕らはタクシーに乗って運転手さんに「法隆寺まで」と伝えた。

    法隆寺に着くと、人影さえもない。いつもは大勢の観光客、団体、修学旅行らしい学生の軍団が参道を覆い尽くしている光景が記憶から蘇る。まるで違う場所かと錯覚したほどだ。
    西院伽藍入り口でやっと数人の観光客と遭遇した。母と妹が五重塔に行こうとするのを制止して廻廊を渡った。

    大講堂が修復中のために国宝のありがたさが全然伝わらず。薬師三尊と四天王を見る。オンコロコロセンダリマトウギソワカ。

    そして、はじめて訪れる、入母屋造りの上御堂。天武天皇の皇子である舎人親王の発願によって建立したと伝えられる。例年11月1日2日3日の三日間だけの開扉。今回平城遷都1300年記念事業の一環での開扉。入った瞬間凄いと吐息が洩れた。四天王の彩色がまだ残っており、増長天の顔の青さだったり、鎧の複雑な色のコントラストである。職員が妹にわきに置いてあった太鼓の説明をしていた。そして国宝釈迦如来坐像、同じく国宝文殊菩薩、国宝普賢菩薩。それぞれ2.28メートル。仏師は寛慶と弟子の幸禅。職員の説明では桜の木の一木という。生涯に一度は見たかったお堂の一つだ。もう入ることはないかもしれないなあと感慨に耽りながら後にした。

    五重塔に戻るとかなりの観光客が来ていた。さっさと初層を見学し、金堂に向かった。団体が五重塔のガイドの説明を受け始めた。金堂もやはり観光客が多くなっている。団体が来るまでには見仏したいものだ。止利仏師作の釈迦三尊像を見仏。四天王、邪鬼の動きのなさや、これらも飛鳥の味と感じるようになってきた。静の仏像だ。

    聖霊院でご朱印を頂く、「当ご朱印は、和をもって・・・あ、すいません、表紙裏にご朱印してしまいました」「あ、本当ですね。構いませんよ」とやり取りをしていたら妹がご朱印帳をまた買っていた。表紙裏に何やらご朱印ではなく色々と書いてある。欲しいと思いながらも妹と同じご朱印帳を買ってもしょうがないので諦めた。

    大宝蔵院にもやはり観光客がかなりいた。夢違観音をゆめたがいかんのんと説明していたら説明文にゆめちがいかんのんと書いてあると指摘されたが、後から調べたらゆめたがいかんのんでもいいらしい。百済観音。謎が多い観音様だ。百済とあるが、実際奈良の木で作成されたことが後世確認が取れている。メイドインジャパンだ。仏師が渡来人という説もあるので一概に百済とは全く関係ないと断じることもできない。ただ、色々考えることなく、この像と対面すると、痩せて、憔悴しながらも修行している菩薩の思いが伝わってくる。
    母と妹を待つ。二人とも説明文を全部読んでいるのでやたら時間がかかる。茶所で30分は休憩したことになるだろうか。

    大宝蔵殿で別途チケットを購入して入場する。入り口付近に止利仏師と伝わる仏像があった。現在重文。もし止利仏師と確定した場合は国宝にランクアップするだろう。大宝蔵殿はその年によって展示替えがある。今年は救世観音お前立ち。
    途中小便に行きたくなり、母と妹に伝える。「もう出るの?」「もうすぐ出口」と言って、出口に向かった。が、出口ではなかった。中倉から南倉に移動するので、来る度に出口と間違えるのだった。いったん、南倉内すべて見学して母と妹のもとに戻った。地獄絵図できゃっきゃ笑って話し合っている。
    「戻ってきたの?」と訊いたから「これからトイレに行ってくる。また茶所で待っている」と伝え大宝蔵殿を出た。
    彼女たちが茶所に戻ってきたのは30分後だった。

    東大門を越えると、いつも開いていない律学院が開いていた。後で調べてみると、3月22、23日のお会式と8月14、15日の盂蘭盆会だけ開扉したのだった。建物は重文だ。中に入ると、花に野菜を付けた物体があった。須弥山をイメージしているとのこと。中央に朱色の上着に白袴、腰に刀、左手に弓右手に矢を持って馬に乗った聖徳太子がいらした。さらに右奥に仏像を発見した。職員に阿弥陀如来ですか?と訊くと、そうだ、隣が地蔵菩薩だ。と返答して頂いた。思いがけないラッキーだった。

    夢殿は救世観音がご開帳していなかったが、母と妹は八角円堂の廻廊を歩いていた。


  • 中宮寺に回り込むと、修学旅行生の大集団と遭遇してしまった。母がゆっくり行こうと言ったのを却下して、いや、急ごうと言った。団体等だと前が空くまで、待機していたり、ガイドの説明があったりで、うまく突入できたりする。<br />案の定、突撃したらお堂に入れた。母が写真で見る如意輪観音様と違うね。実物は今風のイケメンだわ。との感想。広隆寺の弥勒菩薩半跏像とよく比較されるから思い出して見比べてみて欲しいというと、私はこっちのほうが好きだなあ。と嘆息した。<br />やがて、テープの解説を終えると、とうとう修学旅行生が慌しく入室してきた。僕らは最前に移って見てから退出した。<br /><br />また法隆寺に戻り、西院伽藍の仁王。どことなく手の感じがDJ風である。<br />そして西円堂。あんなにも大勢がいたのが嘘のように閑散としている。わが国最大級の乾漆像の薬師如来坐像が安置されています。奈良時代作(パンフレットより)毘沙門天や不動明王もいらした。<br />母と妹になんでここには誰も来ないの?と訊かれて、パンフレットをよく読んでないんじゃないかな?と答えた。本当に何故だろう?

    中宮寺に回り込むと、修学旅行生の大集団と遭遇してしまった。母がゆっくり行こうと言ったのを却下して、いや、急ごうと言った。団体等だと前が空くまで、待機していたり、ガイドの説明があったりで、うまく突入できたりする。
    案の定、突撃したらお堂に入れた。母が写真で見る如意輪観音様と違うね。実物は今風のイケメンだわ。との感想。広隆寺の弥勒菩薩半跏像とよく比較されるから思い出して見比べてみて欲しいというと、私はこっちのほうが好きだなあ。と嘆息した。
    やがて、テープの解説を終えると、とうとう修学旅行生が慌しく入室してきた。僕らは最前に移って見てから退出した。

    また法隆寺に戻り、西院伽藍の仁王。どことなく手の感じがDJ風である。
    そして西円堂。あんなにも大勢がいたのが嘘のように閑散としている。わが国最大級の乾漆像の薬師如来坐像が安置されています。奈良時代作(パンフレットより)毘沙門天や不動明王もいらした。
    母と妹になんでここには誰も来ないの?と訊かれて、パンフレットをよく読んでないんじゃないかな?と答えた。本当に何故だろう?

  • 写真は法隆寺のDJさん。<br />法隆寺門前で梅うどんを食べる。これが正解。美味しかった。まいうーの石塚さんの写真があった。<br />予定では不退寺→海龍王寺→法華寺のコースだったが、法隆寺でまさかの4時間滞在だったので、拝観時間をそろそろ意識しなくてはならなかった。先に海龍王寺に向かった。<br />海龍王寺のお堂に入って、妹はご朱印を頂いた。僕は昔に頂いたことがあるのと、親と来ているという恥ずかしさから頼まなかった。すごい美しい観音様だ。説明文がプロポーションばかりなのも頷ける。母が美しい十一面観音様ねと何度もしきりに言っていた。妹は十一面観音よりも文殊菩薩立像がきになったらしい。文殊菩薩に見られている気がすると言っていた。文殊菩薩の魂が入っているのかもしれない。ただ僕はガラスケースに入ったMJの絵馬とお酒が気になってしょうがなかった。海を表現している壇上には残波があった。泡盛も呑みたくなった。<br />また参拝者は女性が非常に多かった。一人で来ている方ばかりだ。さすがイケ住のいるお寺さんだ。TWITTERで石川住職が盛況だとあったが、本当に大人気だった。

    写真は法隆寺のDJさん。
    法隆寺門前で梅うどんを食べる。これが正解。美味しかった。まいうーの石塚さんの写真があった。
    予定では不退寺→海龍王寺→法華寺のコースだったが、法隆寺でまさかの4時間滞在だったので、拝観時間をそろそろ意識しなくてはならなかった。先に海龍王寺に向かった。
    海龍王寺のお堂に入って、妹はご朱印を頂いた。僕は昔に頂いたことがあるのと、親と来ているという恥ずかしさから頼まなかった。すごい美しい観音様だ。説明文がプロポーションばかりなのも頷ける。母が美しい十一面観音様ねと何度もしきりに言っていた。妹は十一面観音よりも文殊菩薩立像がきになったらしい。文殊菩薩に見られている気がすると言っていた。文殊菩薩の魂が入っているのかもしれない。ただ僕はガラスケースに入ったMJの絵馬とお酒が気になってしょうがなかった。海を表現している壇上には残波があった。泡盛も呑みたくなった。
    また参拝者は女性が非常に多かった。一人で来ている方ばかりだ。さすがイケ住のいるお寺さんだ。TWITTERで石川住職が盛況だとあったが、本当に大人気だった。

  • 法華寺。国宝十一面観音立像。思っていたよりも小品だ。だが、何らマイナス要素がない。美しさを凝縮したようだ。和辻哲郎「古寺巡礼」から引用したい。<br />胸に盛り上がった女らしい乳房。胴体の豊満な肉づけ。その柔らかな、しなやかさ。さらにまた奇妙に長い右腕の円さ。腕の先の腕輪をはめたあたりから天衣をつまんだふくよかなゆびに移って行く間の特殊なふくらみ。それらは実に鮮やかに、また鋭く刻み出されているのであるが、しかしその美しさは、天平の観音にも見られないような一種隠微な蟲惑力を印象するのである。<br /><br />晴れていれば庭園に母を連れて行きたかったが、生憎の雨だったので諦めた。

    法華寺。国宝十一面観音立像。思っていたよりも小品だ。だが、何らマイナス要素がない。美しさを凝縮したようだ。和辻哲郎「古寺巡礼」から引用したい。
    胸に盛り上がった女らしい乳房。胴体の豊満な肉づけ。その柔らかな、しなやかさ。さらにまた奇妙に長い右腕の円さ。腕の先の腕輪をはめたあたりから天衣をつまんだふくよかなゆびに移って行く間の特殊なふくらみ。それらは実に鮮やかに、また鋭く刻み出されているのであるが、しかしその美しさは、天平の観音にも見られないような一種隠微な蟲惑力を印象するのである。

    晴れていれば庭園に母を連れて行きたかったが、生憎の雨だったので諦めた。

  • 16時を回って不退寺に辿り着いた。受付でご朱印をお願いして、本堂に上がった。聖観世音と五大明王の面々だ。左から大威徳、金剛夜叉、不動、降三世、軍荼利。<br />見仏記4親孝行篇の「本尊の厨子入り聖観音を見ると〜洗練された五大明王たちが、あたかも女性性をのものを守っているようにさえ思えてくる。」の箇所に納得できてしまう。

    16時を回って不退寺に辿り着いた。受付でご朱印をお願いして、本堂に上がった。聖観世音と五大明王の面々だ。左から大威徳、金剛夜叉、不動、降三世、軍荼利。
    見仏記4親孝行篇の「本尊の厨子入り聖観音を見ると〜洗練された五大明王たちが、あたかも女性性をのものを守っているようにさえ思えてくる。」の箇所に納得できてしまう。

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