2011/03/14 - 2011/03/14
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まみさん
3月13日の日曜日の夜に急に知った計画停電。
その影響で翌日3月14日の月曜日は最寄りの私鉄・JRはすべて運休となり、出勤できなくなりました。
3月18日の金曜日に納期を迎える仕事を抱えて、ラストスパートの一週間になるはずだったのに。
都心にある職場は計画停電の影響を受けず、郊外や東京以外の隣接する県に住む職員が通勤できなくても、あくまで通常どおりの営業で、東京23区やその近くに住む人はどうやら出勤できた模様。
だけど私は出勤する足がなく、今後の状況も全く分からず、このままでは長期欠勤になるかもしれません。
やむえず、仕事を引き継いでもらわなければならなかったのですが、非常に悔しかったし、自分の存在価値の薄っぺらさを感じてしまい、やりきれませんでした。
引き継ぎさせられた人たちも、ただでさえ忙しいところにとんだ災難だったと思います。
どうにか出勤している人たちの間で仕事を引き継いでもらえて、一段落すると。
今度はいつ職場に復帰できるか分からない不安が強く押し寄せてきました。
初日には鉄道が軒並み運休となった原因の計画停電は、いつまでやらなくてはならないのか見通しがつきません。
強制的にとらされた予定のない休みは、体調が悪いわけでもないのに嬉しくもありませんでした。
まるで自宅謹慎でもさせられているような胸クソ悪さを払拭しようと、自転車を転がして裏の畑に、春の花を求めて撮影に出かけました。
ふてくされて現実逃避をしていた私は、この日は、近所のスーパーや店での買い占めやレジの行列を知らないですみました。
ガソリンスタンドの長蛇の列とか、そのせいで交通が滞っているところがあったところは見かけましたが、特に車を使わないのでガソリンの品薄にも無頓着でいられました。
ただただ、自転車で動ける範囲しか出歩けないことに、そして平日なのに仕事もできないでのうのうとしているしかないことに、閉塞感を感じて、無力な自分にうちのめされまいと必死でした。
こんなのは被災地の方の苦労に比べれば蚊に刺されたようなものかもしれません。
だけど、仕事人間でもなかったはずの私が、仕事に行けないことに、こんなに無気力とやるせなさに襲われるとは思いませんでした。
そんなときに、好きな花の撮影は、私に少しだけ気力を戻してくれました。
見慣れた花ばかりだったけれど、可憐にけなげに、でも力強く咲くその姿は、私の心を慰めてくれました。
私の中の不安も、現状も、なに一つ変わらなかったけれど。
心の持ちようによって目の前は大きく違って見えます。
だから、花を撮るしか能のない私の写真が、いや、その写真の中の花の姿が、私だけでなく他の人にとっても慰めにもなりますように。
人間はこんなにあたふたしているけれど、自然の営みは変わりません。
などと、悟る境地に至るには、まだまだ俗世のいろんなものに執着心と未練が捨て切れない私ですが。
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裏の畑の橋の上のお地蔵さまか道祖神
一度素通りしかけましたが、戻ってお祈りしました。
なんにでも祈りたい心境でした。 -
空き地にぴょこぴょこ咲いていたヒメオドリコソウ
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小さな小さなオオイヌノフグリは私などよりよっぽどたくましい
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緑のコートを着たヒメオドリソウの一群
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ナズナに見えなかったナズナ
昔はもっと山野草を食料にしたはずでした。これもその一つ。
でも……それは人間の都合。
鑑賞だけされるのと、食べられてしまうのと、花にとってはどちらがいいのかな。 -
ヒメオドリコソウやオオイヌノフグリに少しだけ遅れて訪れる春の使者:ホトケノザ
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色鮮やかな花木に目を奪われる
桃色と紅色は梅で、黄色はサンシュユでしょう。
近くで畑仕事をしていた男性に話しかけたくなりました。しませんでしたけど。
ふだんの私と違って、妙に人恋しくなっていたようです。 -
12倍ズームで捉えたサンシュユは燃えるよう
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草むらの中にひっそりと、たくさんのぶどうのような花を咲かせるムスカリ
私のPowerShot はムスカリの紫を撮るのが苦手で、太陽の元でも青い花にしか撮れないのですが、なんと薄曇りの方が紫がかって撮れるとは。 -
だいぶ巨大化した葉っぱの頭に
真冬から咲いていた福寿草は、春が来るのを見届けるまで咲き続けるのでしょう。 -
雲間から光が戻ってきたときに見つけたハナニラ
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いつも仲間と一緒のハナニラ
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ちょっとだけ残る竹林と、ちょっとだけ残るムラサキハナナ
私が子供の頃は雑木林や畑にあふれていたうちの近所は、どんどん宅地になっていて、コンクリートだらけになりました。
デジカメを手にしたばかりの5年前は、ムラサキハナナの群生地が近所にありました。
でも、そこもいまでは住宅地になってしまいました。
地震のときに逃げるとよいといわれている竹林も、昔はうちの近所に十分ありました。
でも、いつのまにかほとんど見かけなくなってしまいました。 -
もうほとんど満開の梅に、心洗われる
薄曇りなので近くで撮らなかったですけどね。
だって曇り空の下で梅を撮ると、寒々しい写真になってしまって、せっかく元気になりかけた気持ちが、またしゅんとしてしまいそうだから。 -
すぐそばの畑でたくさんの元気いっぱいのフキを見つけて
ちょっとしゅんとしかけた気持ちがたちまち浮上しました。
こんなにたくさんフキが咲いているところを見るのは初めて! -
可愛い可愛いフキちゃん@
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途中の畑で見つけた花
キンセンカかな。 -
あちこちで春を呼び寄せるかのように咲いていて
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夕方には閉じる花らしい
帰りに見かけたときには、花は閉じかけていましたから。 -
同じ畑に咲いていた、咲き始めの芝桜
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芝桜───花の少ない時期も意外にいいもんですネ
いまの私の心境には、華やかな芝桜よりもこの方が合っているかもしれません。 -
葉影に芝桜の小さな花
だからこんなに惹かれるのかな、まだまだ咲き始めの芝桜なのに。 -
途中のお宅の庭に咲いていた花
花のかんじは福寿草に似ていますが、葉っぱが違うな。 -
同じお庭にちょこっと咲いていた菜の花
こういう、一人ポツンと寂しく咲いている姿もいいなぁと思った菜の花です。 -
そのお隣の家庭菜園の菜の花畑
でも菜の花はやっぱり畑の中でお仲間と一緒がいいかな。
小さな小さな畑でしたけど。 -
そのまま智光山公園に到着
管理棟の前の花情報黒板。
智光山公園には梅はないようです。ちぇっ。 -
花壇のパンジーさんに挨拶
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なにかないかと温室に入ってみると
でかっ! 巨大なレモン@ -
カトレアのアップ
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コチョウランのアップ・その1
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コチョウランのアップ・その2
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シンビジウムのアップ
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だいぶ育っていたパイナップル
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この温室の目玉の一つ、だけどまだ青いミッキーマウスノキ
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お初にお目にかかるミッキーマウスノキの花
いや、いままでに目にしていたかもしれないけれど、実の方が印象的だったから、スルーしていた可能性もあります。
目の前にあっても意識していなければ見ていないも同然。 -
冬から春を彩る黄梅(オウバイ)
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いまの時期のオウバイはきれいな花を見つけるのがちょっと大変@
オウバイは、ピーク過ぎてくると、花びらの黄色が白く抜けたような花が増えてしまって、たくさんの花が咲いている華やかな様子が撮りづらくなります。
その白く抜けた花びらを見ていると……白髪をつい連想してしまうのは私だけ? -
まだ枯れ木が多い茶色の花木園を彩るものは───やっぱりサンシュユ!
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ロウバイの次に登場!?───サンシュユ
花の少ない冬でさえも、愛でたくなる花がないわけではありませんでした。
自然って花を欠かさないでいてくれるんですね。
それは別に人間のためではないかもしれないけれど。 -
意外に花期が長い侘助
これも冬の代表的な花です。
でも、春の選手とバトンタッチするまで、がんばっていてくれているようです。 -
なんだかワンちゃんの顔に見えた、花壇のパンジー
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小さな宝石がざっくり───アセビの花
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曇り空に光をもたらすサンシュユと紅梅
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楽しい植物を見つけた!
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咲き始めのユキヤナギ
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ちっちゃなヤマアラシに見えるユキヤナギ
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緑の中の白いアセビ
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美しいヒイラギナンテンの葉っぱ
おわり。
その後。
翌日の3月15日火曜日も運休で仕事に行けませんでしたが、職場は通常営業でした。
2日続けてすねていても仕方がないので、家の片付けをすることにしました。
翌々日の水曜日は、一般職員は週末まで自宅待機となりました。
鉄道の運行状況は少しずつ改善していて、月曜日のような極端な間引きになっていなかったので、そろそろ出勤できるかもしれないと思っていた矢先でしたが、少しだけ気持ちが落ち着きました。
職場は通常営業なのに自分だけ取り残されているような被害妄想と、このまま何ヶ月も仕事に行けないのではないかというおそれが薄れたせいです。
仕事を通じて社会に貢献している、という根底にあった思いがアイデンティティを支えていたのだとよく分かりました。
まだまだ引退する年ではないですし、収入の道が絶たれるのも困ります。
義援金を送るにしても、災害復旧までのことですし、たとえボランティアをやるとしても、収入や健康その他で自分自身や家族の生活に心配があったら長続きはしないでしょうから。
被災地や原発の完全な復旧と被災者の方々が落ち着くまでどのくらいかかるか見えませんが、でもずうっとではないはず。と信じたい。
とすると、そのあとは?
趣味やその他の楽しみをエンジョイできるのも、自分のやるべきこと、できること、いまの私の場合はイコール仕事をしているからこそだ、とつくづく思いました。
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