[インド] バンガロールの隠れ家 アート・オブ・リビング

2009/02/01 - 2009/02/15

バンガロールの郊外に、世界的なメディテーション組織である、アートオブリビングの総本山があります。何のコネもありませんが、勝手に見学してきました。

エリア バンガロール(インド)

南インドの中心都市バンガロール。特徴がなくて退屈な町です。息抜きにバンガロール郊外にあるアート・オブ・リビング(AOL)のアシュラムを訪問してみることにしました。AOLはその筋では有名なメディテーション団体です。スダルシャン・クリヤなる呼吸法を用い、ヨガ、瞑想、ストレス解消法など各種トレーニングクラスを開催しています。創設者のシュリ・シュリ・ラビ・シャンカール氏は、ヨガ界のちょっとしたカリスマです。

アシュラムはバンガロール中心部から、南に２１キロ行ったところにあります。市街地を離れ、まわりはのどかな田舎です。バスを乗り継いで一時間ほどですが、わかりにくいのでオートリキシャをお勧めします。アシュラムの入り口手前にAOLの看板が出ています。

門番に見学に来たことを伝え、中に入ります。500メートルほど歩くと、レセプションなどの建物が見えてきます。さらに奥に進むと、このアシュラムのシンボルである瞑想ホールが現れます。ウェディング・ケーキみたいな建物です。

アシュラムの中にいる人は、みな首から登録証をかけています。ここでは、外国人用の入門コースを毎週末開いているため、外国人の割合が高めです。３日間泊り込みの20時間コースで150ドル。この中には宿泊、食事の費用も含まれます。さらに奥に進むと滞在用の建物(写真)が見えてきます。ここまでは登録証がなくても入れます。敷地は広大で、湖もあり瞑想環境はばっちりです。

瞑想ホールでは、まだクラスが行われており、中に入ることはできません。外から眺めていると、単調な音楽に合わせて体を揺らし、リラックスするトレーニングをしているようです。６時前、コース終了を確認してから中に入ります。一階は広いホールで、大理石の床の先には、講師用のステージがあります。写真は講師から見た眺めです。

ピンクの蓮の花をイメージした天井は、瞑想気分を高めてます。コース終了直後なので座布団はちらかったままです。この建物は２階、３階...最上階とピラミッド式に瞑想スペースがあります。興味はありますが、コース受講者ではないので、遠慮しておくことにします。

このアシュラムはちょっとした村のようなものなので、カフェテリア、売店、インターネット、ATMなど各種施設が整っています。その中で売店を訪ねてみました。売店には、食料や日用品の他、瞑想着やヨガマットなど必要なものが揃っています。この白い瞑想着はアシュラムのスタッフも着ています。

注目はシャンカール氏のグッズ・コーナー。出版物やＣＤ、各サイズのポスターなども売られています。グルジはアイドル的な人気もありそうです。ポスターは大きいものでも35ルピー(70円)と良心的な値段。信者から儲ける気は全くないようです。

そうこうしているうちに、夕食の時間が始まりました。ここの食事は無料です。学校給食のようにトレイを持って並び、当番の人によせてもらいます。その日の夕食は、トマトライス、パンプキンスープ、りんごとやや外国人向けのメニュー。食堂は２つあり、隣の部屋では、インド人参加者が床に胡坐をかいて手で食べています。多少メニューに違いがあるかもしれません。

食堂を見渡してみると、欧米人７割、アジア系３割の計１００人くらい。どちらかというと女性が多い。なぜか皆黙々と食事しています。実はこれコースの一環。「サイレンス」という一日中誰とも話さない修行をしているのです。とはいえ、友達と参加している人もいて、何らかのコミュニケーションは必要です。必然的にボディーランゲージに頼ることになります。例えば、どこかへ一緒に行く場合、行きたい方向を指差して目配りする、など皆さん阿吽の呼吸で頑張っています。食事が終わると、洗い場に行き、自分で使ったプレートやスプーンを水洗いして返却します。このあたりもアシュラムならではです。

その日の夜、大きなイベントが行われると聞き、瞑想ホール前の広場に向かいました。丸いステージを囲んだ広場には、アシュラム滞在者だけでなく地元の人も大勢詰め掛けています。最初のほうは、地元の子供たちの出し物やダンスショーが行われ、最後にシャンカール氏の登場です。グルジは遊説で多忙のため、このように間近で見る機会は滅多にありません。ここから、ちょっとした講演会の始まりです。軽い挨拶の後、あらかじめ用意された、信者からの質問に答えていきます。何か深い話でも聞けるかと期待しましたが、グルジはかなり適当に質問に答えています。時々ジョークを混ぜながら、漫談のような軽いトーク。シャンカール氏は思ったより親しみやすいキャラのようです。

コースを受講しているわけでもないのに、半日たっぷり楽しませてもらいました。アシュラムのスタッフは皆さん親切で、登録証を持っていない私を、よそ者扱いすることはありません。ヨガや瞑想に興味がないわけではありませんが、まずは猫背を直してから考えることにします。それでは、皆さん良いヨガ・ライフを。

より詳しくは
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