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10月3日は強行軍だったが、トゥールーズからの夜行列車でパリ・オーストリッツ駅に早朝6:50に着くとすぐに地下鉄、バス、RERの一週間有効パス、カルト・オランジュ(16ユーロ・2400円)を購入し、モンパルナス駅に行き7:50のTGVでトゥールに向かう。予定時間の9時に停車駅でたくさんの人が降りるのでトゥールだと思って降りたら一つ前の駅だった。ツーリスト・インフォーメーションが無く、駅前の様子が寂しいのでようやく間違いに気づいたが、幸い9:30発のシュノンソー城行きのバスがあることを駅で教えてもらい10:30着。フランスらしいポプラの並木道を城門まで歩き、入場料(9ユーロ・1350円)を払って城内を見学した。歴代の城主の多くが女性だったため、「6人の女性の城」とも呼ばれ、シェール川に浮かぶように建造された城は優美だ。この城にも血を血で洗う権力争いの歴史があり、たくさんの人達の怨念が残っているのだろう。美しい城とは裏腹に多くの城で幽霊が出るとの伝説があるのもうなずける。<br />雨がやまないのでロワールの古城は一つだけにしてトゥールに戻りオルレアンに向かった。ツール12:57発で13:52オルレアン着。百年戦争において、1429年に17歳の少女ながらフランス軍を奇跡的な勝利に導きオルレアンを解放した「オルレアンの乙女」ジャンヌ・ダルク(1412−1431)が滞在したジャンヌ・ダルクの家(2ユーロ・300円)と聖人ジャンヌ・ダルクの生涯をステンドグラスに描き、功績を讃えているサント・クロワ大聖堂を見学した。ジャンヌが奇跡の乙女として脚光を浴びた期間は短く、1430年にはブルゴーニュ軍の捕虜になってしまい、宗教裁判で司教らからは異端者と断罪され火あぶりの刑で19歳の短い生涯を閉じた。 1456年に宗教裁判は誤りだったとしてジャンヌは復権したが、イングランドはジャンヌに長い期間、魔女のレッテルを貼っていた。長い期間を経て、ジャンヌは1920年には聖人になっている。子供の頃に「ジャンヌ・ダルク物語」を本で読んで感動した思い出があり、ジャンヌをフランスの英雄にしたオルレアンを見たかったが、聖人というより「戦乱の時代に翻弄された少女」ではなかったのか、とふと思った。<br />(写真はシュノンソー城)<br />

欧州・バックパッカーの旅【26】 フランス・ロワールの古城とジャンヌ・ダルクのオルレアン

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2006/10/03 - 2006/10/04

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さすらいおじさん

さすらいおじさんさん

10月3日は強行軍だったが、トゥールーズからの夜行列車でパリ・オーストリッツ駅に早朝6:50に着くとすぐに地下鉄、バス、RERの一週間有効パス、カルト・オランジュ(16ユーロ・2400円)を購入し、モンパルナス駅に行き7:50のTGVでトゥールに向かう。予定時間の9時に停車駅でたくさんの人が降りるのでトゥールだと思って降りたら一つ前の駅だった。ツーリスト・インフォーメーションが無く、駅前の様子が寂しいのでようやく間違いに気づいたが、幸い9:30発のシュノンソー城行きのバスがあることを駅で教えてもらい10:30着。フランスらしいポプラの並木道を城門まで歩き、入場料(9ユーロ・1350円)を払って城内を見学した。歴代の城主の多くが女性だったため、「6人の女性の城」とも呼ばれ、シェール川に浮かぶように建造された城は優美だ。この城にも血を血で洗う権力争いの歴史があり、たくさんの人達の怨念が残っているのだろう。美しい城とは裏腹に多くの城で幽霊が出るとの伝説があるのもうなずける。
雨がやまないのでロワールの古城は一つだけにしてトゥールに戻りオルレアンに向かった。ツール12:57発で13:52オルレアン着。百年戦争において、1429年に17歳の少女ながらフランス軍を奇跡的な勝利に導きオルレアンを解放した「オルレアンの乙女」ジャンヌ・ダルク(1412−1431)が滞在したジャンヌ・ダルクの家(2ユーロ・300円)と聖人ジャンヌ・ダルクの生涯をステンドグラスに描き、功績を讃えているサント・クロワ大聖堂を見学した。ジャンヌが奇跡の乙女として脚光を浴びた期間は短く、1430年にはブルゴーニュ軍の捕虜になってしまい、宗教裁判で司教らからは異端者と断罪され火あぶりの刑で19歳の短い生涯を閉じた。 1456年に宗教裁判は誤りだったとしてジャンヌは復権したが、イングランドはジャンヌに長い期間、魔女のレッテルを貼っていた。長い期間を経て、ジャンヌは1920年には聖人になっている。子供の頃に「ジャンヌ・ダルク物語」を本で読んで感動した思い出があり、ジャンヌをフランスの英雄にしたオルレアンを見たかったが、聖人というより「戦乱の時代に翻弄された少女」ではなかったのか、とふと思った。
(写真はシュノンソー城)

同行者
一人旅
一人あたり費用
100万円以上
交通手段
鉄道 高速・路線バス

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  • シュノンソー城。<br />

    シュノンソー城。

  • シュノンソー城の堀。<br />

    シュノンソー城の堀。

  • シュノンソー城の内部。<br />

    シュノンソー城の内部。

  • シュノンソー城の外観。<br />

    シュノンソー城の外観。

  • シュノンソー城の庭園。<br />

    シュノンソー城の庭園。

  • シュノンソー城の外観。<br />

    シュノンソー城の外観。

  • ロワールのぶどう園。<br />

    ロワールのぶどう園。

  • 2等車でもサロンカーのようにおしゃれなフランスの列車。<br />

    2等車でもサロンカーのようにおしゃれなフランスの列車。

  • フランス鉄道の機関車。<br />

    フランス鉄道の機関車。

  • ジャンヌ・ダルク像。<br />

    ジャンヌ・ダルク像。

  • ジャンヌ・ダルクの家。<br />

    ジャンヌ・ダルクの家。

  • ジャンヌ・ダルク像。<br />

    ジャンヌ・ダルク像。

  • ジャンヌ・ダルクの家の展示。

    ジャンヌ・ダルクの家の展示。

  • ジャンヌ・ダルクの家の展示。

    ジャンヌ・ダルクの家の展示。

  • ジャンヌ・ダルクの家の展示。

    ジャンヌ・ダルクの家の展示。

  • ジャンヌ・ダルクの家の展示。

    ジャンヌ・ダルクの家の展示。

  • サント・クロワ大聖堂。<br />

    サント・クロワ大聖堂。

  • サント・クロワ大聖堂のジャンヌ・ダルクの生涯を描いたステンドグラス。<br />

    サント・クロワ大聖堂のジャンヌ・ダルクの生涯を描いたステンドグラス。

  • サント・クロワ大聖堂のジャンヌ・ダルクの生涯を描いたステンドグラス。<br />

    サント・クロワ大聖堂のジャンヌ・ダルクの生涯を描いたステンドグラス。

  • サント・クロワ大聖堂のジャンヌ・ダルクの生涯を描いたステンドグラス。<br />

    サント・クロワ大聖堂のジャンヌ・ダルクの生涯を描いたステンドグラス。

  • サント・クロワ大聖堂のジャンヌ・ダルクの生涯を描いたステンドグラス。<br />

    サント・クロワ大聖堂のジャンヌ・ダルクの生涯を描いたステンドグラス。

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この旅行記へのコメント (4)

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  • まみさん 2007/01/26 08:41:03
    名だたる女性のオマージュの旅@
    さすらいおじさん、こんにちは。

    ダイアナ妃、マリーアントワネット、6人の妃の城、そしてジャンヌ・ダルク。
    このあたりは歴史上名だたる女性たちへのオマージュの旅というかんじでしたねっ!
    (勝手にくくってしまいました。)
    歴史をひもとくと、私は同じ女ということで、女性が活躍したところに注目しがちですが、女性を中心に見た歴史は裏の歴史のような違う視点で見ることもできるのではないかと思います。

    ジャンヌダルク。
    おじさんの旅行記を読みながらふと思ったこと。
    たとえ田舎の特に教育を受けていない娘でも、戦術にかけて天才的な者がいてもおかしくないかもしれません。
    でも「戦乱の時代に翻弄された少女」というのは確かにあると思います。
    捕虜になったのに、フランス側が見捨てたこと。そして魔女のレッテル。
    彼女は後に復権することができましたが、当時、大勢魔女として処刑されたほとんどの人、復権ならず。。。ですね。
    いや、魔女裁判の実態などの研究から、ほとんどの人が冤罪だったりしたはずだと今の私たちは分かっているので、一応、復権されたことになるのかしら。

    さすらいおじさん

    さすらいおじさんさん からの返信 2007/01/26 10:34:38
    RE: 名だたる女性のオマージュの旅@
    まみさん

    「歴史上名だたる女性たちへのオマージュの旅」 と言っていただきありがとうございます。

    歴史で女性が表舞台に登場することは少なかったけれど、クレオパトラや北政所など裏舞台で男を動かして歴史を作ってきたのは女性だと思いますね。
    ダイアナ妃もイギリスだけでなく全世界で惜しまれ、尊敬され、今後歴史に残る人だと思います。

    また、私の今回の旅で困ったときに助けてもらった大半は女性でした。道に迷っても丁寧に教えてくれたり、探しているところまで案内してくれるのはほとんど女性で、いつも感謝していますし親切さは尊敬に値します。

    >ジャンヌダルク。
    おじさんの旅行記を読みながらふと思ったこと。
    たとえ田舎の特に教育を受けていない娘でも、戦術にかけて天才的な者がいてもおかしくないかもしれません。
    でも「戦乱の時代に翻弄された少女」というのは確かにあると思います。
    捕虜になったのに、フランス側が見捨てたこと。そして魔女のレッテル。
    彼女は後に復権することができましたが、当時、大勢魔女として処刑されたほとんどの人、復権ならず。。。ですね。
    いや、魔女裁判の実態などの研究から、ほとんどの人が冤罪だったりしたはずだと今の私たちは分かっているので、一応、復権されたことになるのかしら。

    ジャンヌダルクは今の霊能者のような人ではないか、と勝手に思っています。
    神からのお告げを受ければ、どんなことでも体を張って自信を持って行動できるだろうと思います。また、信仰心は歴史的にも人間の信じられない力を引き出していますね。ジャンヌダルクも神がかりですごい力を出したのではないか、と想像しています。
    中世にも預言者、霊能者はたくさんいたのでしょうが、聖女になるか、魔女にされるかも紙一重だったのだろうと思います。
    魔女裁判はひどい歴史だと思います。
  • アリヤンさん 2006/12/22 21:22:36
    ヨーロッパさすらいの旅【24】 フランス・ロワールの古城とジャンヌ・ダルクのオルレアン
    さすらいおじさんさん、こんばんわ。
    ロワール地方の古城の写真はシャンボールではなくシュノンソーと思われますが、、、シャンボール城は尖塔がいくつもあるお城ではないか?と記憶しています。川の上にまたがっての美しいお城はシュノンソーでは?
    ワタシの記憶違いカモ?
    ところで、さすらいおじさんの旅行記は以前より拝見していますが、イヤー、タイシタもんです。105カ国以上も訪問されている。また結構お年?とお見受けしますが、バックパッカー現役とは!敬服、ケイフクします。
    ボチボチ見させてもらいます。ヨロシク。

    さすらいおじさん

    さすらいおじさんさん からの返信 2006/12/22 21:51:04
    RE: ヨーロッパさすらいの旅【24】 フランス・ロワールの古城とジャンヌ・ダルクのオルレアン
    アリヤンさん

    間違いを教えていただきありがとうございます。
    ご指摘通り訪問したのはシュノンソー城です。
    本文では「シュノンソー城行きバス」と記載していましたが、写真のコメントは全部間違っていました。
    まだほかにも間違いはあると思います。
    旅行記をご覧いただいて間違いを見つけられたら恐縮ですが、お教えいただければ大変うれしいです。
    これからもよろしくお願いします。

    ありがとうございました。

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