2010/06/13 - 2010/06/14
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akkiy363672さん
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友人の進ちゃんが、「お得意様特別優待券が来た。積善館に行こう」と誘ってくれた。
積善館は、群馬県の山奥に江戸初期から続く温泉宿で、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋のモデルのひとつとされる有名旅館である。
西側から入る「佳松亭積善」は豪華な新館、東側の本館は歴史を感じさせるレトロな明治建築であった。
帰り道には、事業の継続か打ち切りかが注目されている「八ン場ダム」の建設現場や、手作りチーズが評判の「アトリエ・ド・プロマージュ」をのぞいたりしてきた。
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 自家用車
-
三国トンネルを抜けると、群馬県である。
国道17号を南へ下り、湯宿温泉郷内で県道53号に右折する。 -
県道53号をさらに南へ…。美野原GCを過ぎるとすくに、道の駅「霊山たけやま」がある。
この易者の背後にそびえる嵩山には、多くの観音像が安置されていて、霊山として古代から中之条の各地から信仰を集めていた。
そのふもとにある道の駅だから、この名前が着いている。
庭の芝桜が満開であった。 -
県道53号をさらに南へ下ると、中条町役場前で国道353号にぶつかる。
それを右折すれば、市万温泉まであとは一本道だ。
← 中条町の街中では賑やかだった通りも、やがて山の中に入っていく。
県道234号との分岐を過ぎてからは、四万川に沿っての山中の道だ。
、 -
← 積善館新館「佳松亭」の玄関。
この地に源泉が発見されたのは、江戸初期の元禄期であるとか。
元禄7年(1694年)、湯宿開設の許可状が創業者「関善兵衛」に下され、以来、積善館は320年の歴史をつないできている。 -
← 積善館佳松亭玄関
創業以来、積善館の経営には代々「関家」が携わっている。
関家の当主は必ず「関善兵衛」または「関善平」を名乗ることになっており、地域の人々は親しみを込めて「せきぜん」と呼んでいた。
現在の関善平は、第18代目にあたる。 -
← 章くんたちの部屋は最上階の角部屋特別室。
15畳の本間に8畳の控えの間、床の間、クローゼット、テーブル・椅子の間、バス、そして2つのトイレがついている。 -
← 窓からは、四万温泉郷の展望…。
四万温泉の開湯伝説は2つあって、
(1) 坂上田村麻呂による発見説。延暦年間の発見と言われる。蝦夷征討の際にこの地に立ち寄り、その際に温泉を発見したと言われる。
(2) 源頼光の家臣碓井貞光による発見説。永延年間の発見と言われる。碓井貞光は日向守であったことから、四万温泉の開湯地を特に日向見温泉という。温泉名は、夢で「四万の病を治す霊泉」と教えられたことに因んで「四万温泉」となった。 …という。 -
少し休憩したあと、ご主人の案内で館内を見物した。
積善館には、明治建築の本館、昭和11年建築の山荘、そして新館の佳松亭の3棟がある。
ご主人に先導されて、章くんたちは本館へと向かった。
← 山荘から本館へ通じるトンネル。「浪漫のトンネル」と呼ばれている。
「千と千尋の神隠し」には、冒頭に千尋の一家がトンネルを抜けて異界に迷い込むシーンがあるが、そのトンネルがこれと瓜二つであった。
宮崎駿監督は、「このトンネルを見てイメージがわいた」と話している。 -
トンネルを抜けると、暗い電灯に照らされた古い廊下があった。
昔にタイムスリップしたよう…。日本最古の旅館である積善館の本館客室が、暗い電灯の下に並んでいた。 -
本館、山荘、新刊と建て増してきた館内は、ちょっと解りにくくて迷路のよう…。
廊下に、案内板が掲示されていた。
-
本館2階の和室…。
-
室内はこんな様子だ。
今も、本館逗留客の食事部屋として使っている。
窓の外には、本館玄関の前庭と赤い橋(慶雲橋)が見える。 -
部屋番号…。鴨居の上の柱に取り付けられている。
-
本館の1階に下りる。
-
本館玄関とその奥にある、明治以来の帳場(受付)。
「千と千尋」の帳場を髣髴とさせる。 -
← 明治44年の宿代が貼り出してあった。
特等で3円、並等級で「65銭」とある。
『江戸期には、「積善館」という名前はついていませんでした。
明治時代に入り、第15代の関善兵衛が「積善の家に余慶あり」(良い行いをする家には、たくさんの良いことが起きる。)という中国の古い書物の言葉から、「せきぜん」を「積善」に置き換え、その下に旅館を表す「館」をつけて、「積善館」という名前にしました。
今の積善館本館の玄関にかかっている大きな看板は、この第15代関善兵衛の筆のよるものと伝えられています。 (積善館プログから) 』 -
本館上段の間。金3円の部屋である。
床の間、違い棚などの作りも立派だし、欄間や障子の作りも凝っている。 -
玄関横にある「元禄の湯」。積善館本館が造られて以来、使われてきた湯殿である。
右手前の岩は、飲用の温泉が出ている。 -
中をのぞいてみると…、湯船は5つに分れている。
この湯は、あとで章くんもゆっくりと浸かったのだが、それぞれの浴槽ごとに湯加減の違う、とても味わい深い温もりがあった。
旧館に滞在して、ゆっくりと湯治するお客さんも多いらしい。 -
本館の前庭に出て、慶雲橋から玄関を振り返ったところ。
正面が玄関、右手は湯屋の「元禄の湯」。 -
この赤い橋(慶雲橋)は、当時の四万街道(現在の国道353号)がここを通って、越後へ抜けていたとか。
(現在の国道は、四万温泉から奥へ少し行ったところで道がなくなっている。) -
← 新館の廊下
新館へ戻って、夕食の前に風呂へ入ることにした。 -
新館・山荘の風呂「杜の湯」の入り口。
-
大浴場
-
露天風呂。
2つある浴槽は、湯の温度が違う。 -
夕食…。先付け、八寸、刺身三段。
このあと、焼き物、椀物、炊き込みご飯、果物、デザートと続いて、お腹いっぱい。 -
食事のあと、先の本館見物の際に紹介した「元禄の湯」に続いて、岩風呂へも出かけてみた。
入り口に「混浴」とある。 -
浴槽内は無人…。穏やかな、ゆっくりと温もる湯だった。
「混浴風呂は無人だった」と言うと、進ちゃん、「ここへはもう10回以上来てるけど、混浴風呂へ女の人が入ってるのを見たことがない」。
…、もっと早く言えよ! -
館内には、ナイトクラブも何もなくて、長いドライブに疲れた章くんたちは、10時過ぎに寝てしまった。
-
一夜明けて…、翌朝の朝食です。
こんなに食べられないよ! -
四万温泉からの帰路、少し下ったところの四万川に「四万の甌穴(おうけつ、かめあな)」がある。
甌穴」は、川床の岩盤の一定の場所で、小石などが回転し、数万年の歳月をかけて岩盤を丸く、深くえぐってできたもの。
ここには、川床できている甌穴が主なものだけでも6個あり、その中で最も大きなものは直径3メートル、深さ1.5メートルにも達しているという。
四万ダムができるまでは、ここは子どもたちの水遊び場だったそうだ。甌穴に入って、そこを見てきたという人も居るとか。
群馬県の天然記念物に指定されている。 -
帰りは国道146号を走り、「八ン場ダム」の工事現場を見てきた。
突如、目の前に、国道をまたいで大きなコンクリートの橋脚が現れた。ここへダム壁を造って、水を堰き止める予定だったのだ。
周辺の川原温泉などは湖底に沈む予定だったので、旅館など改修工事もせずに来ている。
ここで中断となると、これからの身の振り方はたいへんだ。
-
← すでにつながった第2橋脚
計画が立てられた1949年から、実に60年が経っている。
ダム建設によって、名湯として全国的に名高い川原湯温泉街をはじめ340世帯が完全に水没することや、名勝で天然記念物でもある吾妻峡が水没するなどにより、根強い反対運動が繰り返されてきた。
が、2001年(平成13年)には長野原町内のダム事業用地を買収する際の価格を決める補償基準が妥結し、これ以来、地域から流出する住民が後を絶たず、2005年(平成17年)末時点ですでに当初の半数以上の世帯が転出している。
2009年8月、民主党政権が成立し、前原国交相は八ッ場ダムの建設中止を発表した。 -
でも、いたるところで工事は続いていた。道路や橋などは、ダム工事に関係なく造ってしまうのらしい。
水資源はなお十分とはいえないことや利根川全体の治水対策の中で重要であることを理由として関係都県はダム推進の姿勢を崩していない。
が、利根川下流の一部住民からは「ムダな公共事業」公金支出の差し止めを求める住民訴訟が提訴された(ひとつでも勝訴すれば、事実上建設ができなくなる)。
ただしこの裁判の原告にはダム予定地に住む住人は1人もおらず、長年の苦悩を経て地元が建設受け入れの結論を出したことに水を差すとして反感を持つ住人もいる。
建設を中止しても1千億円の費用が無駄になる。最終的な結論を出すには、まだ時間がかかりそうだ。 -
長野県まで南下し、東御市の「アトリエ・ド・フロマージュ」に寄った。
ここは手作りチーズが有名…。東京などに、支店を多く出している。 -
店内は明るく、モダンでお洒落な雰囲気だ。
手作りのチーズやケーキが売られているし、簡単な食事もできる。
隣には、本格的にイタリア料理を出すレストランもある。 -
ちょっと小腹が空いたので、「焼カレー」を食べてきた。
-
ケーキは、こんな風です。美味しそうでしょう。
もちろん、他にも何種類か有ります。 -
← 岡谷から中央道に乗り、午後4時30分、東海環状を通過…。
午後6時、無事、自宅へ帰着。
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