2026/09/27 - 2026/09/28
-位(同エリア3310件中)
旅猫さん
母を連れての温泉旅。今年三回目は、熱海温泉。泊まったのは、十二年前にもお世話になった『古屋旅館』である。この宿に決めた理由は、歴史ある湯と宿の方の対応の良さ、そして、今だけの眺望である。その今だけの眺望とは、海側に立っていた二つの大きな旅館が解体中のため、新しい建物が立つまで、古屋旅館の一部の部屋から望むことが出来る海である。四年ぶりの熱海だが、すっかり変わってしまったという街の雰囲気を確かめたいという気持ちもあった旅である。
(2026.10.03 投稿)
- 旅行の満足度
- 3.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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上野東京ラインの熱海行に乗り、熱海を目指す。日曜日の昼時であるが、思ったよりも混んでいた。熱海駅には、14時57分に到着。駅前からタクシーに乗り、古屋旅館へと向かう。五分ほどで着いたが、変わらぬ佇まいである。入口の門は、黒澤明監督の映画『影武者』で使われたもので、武田菱が付いている。何でも、宿の創業者が武田氏の家臣だったそうだ。
熱海温泉 古屋旅館 宿・ホテル
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その門の外で、宿の方が出迎えてくれる。そして、その門を潜ると、立派な枝ぶりの松と天満宮が出迎えてくれる。
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玄関を入ると、さらに宿の方が出迎えてくれた。相変わらず、対応が素晴らしい。
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通された部屋は、本館の四階にある和室。足の悪い母のために、椅子席を用意してくれた。このあたりもさすがである。
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以前も美味しいと感じた静岡茶が出て来た。茶菓子は、宿の特製である。
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窓から外を眺めると、海が見えた。かつて目の前に聳えていた『ホテルミクラス』と『ホテルかつら』が解体され、海が見えるようになったのだ。とは言え、この眺めも、新しいホテルが出来るまでのつかの間のものだ。
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ひと休みした後、早速、宿自慢の温泉を使わせてもらう。大浴場は一階にあり、廊下には、横山大観や下村観山、河合玉堂などの直筆の手紙などが飾られている。多くの文人や著名人が訪れた宿だが、中でも、徳富蘇峰は年間百日ほども滞在していたそうである。
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大浴場の手前に、自由に飲めるジュースなどが置かれていた。水は、丹那湧水だそうで、部屋にも置かれていた。
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宿自慢の温泉『清左衛門の湯』に浸かる。江戸時代に存在した熱海七湯のうち、現在でも唯一入浴できるのがこの『清左衛門の湯』である。その源泉は、この宿が単独で所有しているため、ここに泊まらないと入ることが出来ない貴重な湯である。
※大浴場内の撮影は禁止されています。 -
宿のそこかしこに、古いものが飾られている。明治二十九年頃まで、熱海温泉への交通手段は駕籠だったそうだ。その当時の写真も飾られていた。
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温泉を堪能した後、部屋に戻り、無料だという麦酒をいただく。風呂上がりの麦酒は実に旨い。
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夕食までの間、館内を散策。ロービー横の待合室では、熱海にある二軒の喫茶店のブレンドコーヒーが無料で提供されていた。
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18時から夕食。膝掛は、宿の名の入ったものであり、持ち帰りもできる。
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食前酒は、自家製梅酒をほうじ茶で割ったもの。先付は、丹那の牛乳を使った胡麻豆腐で、どちらも美味しかった。前菜は、美しく盛りつけられている。一番手前に置かれていたのは、高級魚鯒(こち)の天婦羅であった。
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お酒は、藤枝市の青島酒造が醸す『喜久酔 松下米50 純米吟醸』。地元の農家松下氏が無農薬有機肥料で栽培している山田錦を使い、年に一回だけ醸す貴重酒である。無いと別の純米大吟醸が出てくるので、あることを確認して注文した。芳醇な酒であった。
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お造りの代わりに出て来たのは、蟹。結構な量で、これだけでお腹がいっぱいになってしまった。お吸い物は、松茸。今年二度目だが、ささやかなものである。
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焚合せは、海老やもち湯葉、かえで麩などが入ったもの。これもなかなか美味しかった。
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中皿は、黒毛和牛の朴葉焼き。先日の草津に比べると、かなり立派。量は少ないが、とても柔らかく美味しかった。
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お凌ぎには、鰻とトリュフの茶碗蒸しが出て来た。そして、強肴の半田そうめんは、とても綺麗であった。どれも美味しいのだが、正直、蟹のおかげでお腹がきつい。
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焼き物は、伊豆金目鯛のずんだ焼き。かなり小さめかと思ったが、厚みがあり食べ応えがあった。
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栗がたっぷり入った栗ご飯と味噌汁のあと、締めの水菓子となった。幸水梨と抹茶プリン、黒胡麻蒟蒻に、白玉が付いて来た。この宿の料理は、十二年前とそれほど変わらず、美味しかった。草津がひどかったので、母も喜んでいた。やれやれである。
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翌朝、雨は降っていなかった。初島も見えている。
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朝風呂を使った後、朝食。鯵の干物が中央に鎮座し、良い感じである。海苔が、日本橋山本海苔店のものであった。熱海産の干物は、身がふっくらとしていた。
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鍋が付いていて、がんもどきと厚揚げ、水菜に、ころ豚である。味付けもちょうど良く、とても美味しかった。
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母が部屋で休んでいる間、離れ棟にある『Second Robby 書ヲ読ム旅人』を見学。名前の由来は、古屋旅館の常連であった徳富蘇峰の論文『書を読む遊人』に因んだそうである。
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帰る頃に雨が降って来た。宿を辞し、タクシーで熱海駅へ向かう。途中の街並みは、かつての風情が失われ、若者向けの店が増えている。すでに行列の出来ている店もあり、おかしなことになっていた。予定より一本前の列車に乗ってしまったが、小田原駅で、湘南新宿ラインの特別快速に乗り換えた。今年三回目の母を連れての温泉旅もこれでお仕舞い。草津とは打って変わり、母も大喜びであった。海も望め、熱海の名湯も堪能。宿の方の応対もとても丁寧で、滞在中終始満足であった。
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