2026/07/17 - 2026/07/27
8位(同エリア13件中)
犬ポンさん
日本では連日のように猛暑日、酷暑日が報じられています。どうやら今年の暑さは日本だけのものではないようで、世界各地で異常な高温が続いています。特にヨーロッパでは記録的な暑さに見舞われている地域も少なくありません。
そんな暑さの中、私はフランスとベルギーを旅してきました。
今回ご紹介するのは、フランス東部、アルザス地方にある街、ストラスブールです。
パリとはまた違った表情を持つこの街には、フランスでありながらどこかドイツを感じさせる独特の雰囲気があります。そして、その背景には、この土地がたどってきた複雑な歴史があります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ストラスブール駅――TGVで約2時間
ストラスブールへは、パリ東駅やシャルル・ド・ゴール空港からTGVが走っています。
私は往路にシャルル・ド・ゴール空港から、復路にはストラスブールからパリ東駅へ向かうTGVを利用しました。
ストラスブール駅は、それほど大きな駅ではありません。初めて訪れても、駅を出てから迷うことはそれほどないでしょう。
何より、駅を出た瞬間から「歴史ある街へ来た」という空気を感じられるのが、この旅の始まりです。 -
ストラスブール――「ヨーロッパの十字路」
ストラスブールは、アルザス地方最大の都市です。
ヨーロッパの中央に位置し、古くから人や文化が行き交ってきたことから、「ヨーロッパの十字路」ともいわれています。
現在、旧市街を中心とする「ストラスブール:グラン・ディル」は世界遺産に登録されています。
しかし、「十字路」という言葉は、単に人々が行き交ったという意味だけではありません。
この土地は、フランスとドイツの間で長く領土をめぐる争いが繰り返されてきた場所でもあります。
そのため、街を歩いていると、フランスの街なのにドイツの面影が色濃く残っていることに気づきます。
建物、料理、言葉――。
二つの文化が混ざり合ったストラスブール独特の雰囲気は、この街の大きな魅力の一つです。 -
ノートルダム大聖堂――街を見守る巨大な尖塔
ストラスブールを訪れたら、まず目に入るのがノートルダム大聖堂です。
その尖塔の高さは約142メートル。
街のいたるところからその姿を望むことができます。
大聖堂はロマネスク様式とゴシック様式が組み合わされた壮大な建築で、特にその繊細な彫刻と圧倒的な高さには目を奪われます。
遠くから眺めても美しいのですが、近づいて見上げると、その大きさに改めて驚かされます。
そして、この大聖堂にもストラスブールが歩んできた歴史が刻まれています。
第二次世界大戦中、ドイツ軍によって持ち去られたステンドグラスがあり、戦後、アメリカ軍によって発見されて返還されたという出来事もありました。
美しい建築物の一つとして眺めるだけではなく、その背後にある歴史を知ることで、この大聖堂がまた違った姿に見えてきます。 -
ノートルダム大聖堂のステンドグラスです。ヒトラーが魅了されたのもわかります。
-
ロアン宮――マリー・アントワネットも泊まった場所
大聖堂の近くにあるロアン宮も、ぜひ訪れたい場所です。
18世紀、ストラスブールの司教だったロアン家の宮殿として建設されたこの建物は、フランス王室とも深い関わりがあります。
マリー・アントワネットがフランスへ嫁ぐためにオーストリアを出発した際、フランス国内で最初に宿泊した場所の一つが、このロアン宮でした。
後には、あのナポレオンもここに宿泊したといわれています。
歴史上の人物が実際に歩いた場所に立つと、教科書の中の出来事が突然、現実のものとして感じられるから不思議です。 -
ベアトゥス・レナヌス橋――トラムで国境を越える
ストラスブールの面白さは、街の中だけにあるのではありません。
ライン川を挟んだドイツ側の街、ケールとは橋で結ばれています。
このベアトゥス・レナヌス橋を通るトラムD線を利用すれば、なんとトラムに乗ったまま国境を越えることができます。
パスポートを提示することなく、いつの間にかフランスからドイツへ。
帰りのトラムではドイツ語が飛び交っていて、「本当に国境を越えたんだ」と実感しました。
ヨーロッパの国境の近さを、これほど気軽に感じられる場所も珍しいのではないでしょうか。
なお、EU議会の開催期間やクリスマスシーズンには、ストラスブールの宿泊料金が高騰し、予約も取りにくくなるそうです。
そんな時には、国境を越えたドイツ側のケールに宿泊するという方法もあります。
ストラスブールだけでなく、国境を越えてドイツまで楽しめる。これも、この街ならではの旅の楽しみ方です。 -
運河めぐり――水上から眺めるストラスブール
ストラスブール観光では、運河を巡る遊覧船もおすすめです。
ロアン宮の裏手から船が出ており、45分コースと90分コースがあります。
90分コースのほうが便数が多く、ゆっくり街を楽しみたい人にはこちらが向いているかもしれません。
コースによって出航場所が2か所に分かれているので、乗船前には確認しておいたほうがよいでしょう。
そして嬉しいことに、日本語のイヤホンガイドも用意されています。
運河をゆっくり進みながら街の歴史を聞いていると、徒歩で歩くのとはまた違ったストラスブールの姿が見えてきます。
特に、木組みの家々が並ぶ「プティット・フランス」周辺は、水上から眺めると一段と美しく感じられます。 -
気になる物価は?
旅行で気になるのが、やはり物価です。
こちらは実際に訪れたレストランのメニュー。
決して「安い!」という価格ではありませんが、パリと比べると、全体的に少しお手頃な印象でした。
観光地だからといって、何もかもが法外に高いというわけではありません。
街歩きを楽しみながら、アルザス地方ならではの料理を味わうのもストラスブール旅行の楽しみです。 -
EU議会――ヨーロッパの現在を感じる場所
ストラスブールには、EUの主要機関の一つである欧州議会があります。
EUの主要機関は、それぞれ異なる都市に置かれています。
本部機能はブリュッセル、欧州議会はストラスブール、欧州司法裁判所はルクセンブルク、欧州中央銀行はフランクフルト。
ヨーロッパ統合の象徴ともいえる場所が、このストラスブールにあるのです。
議会の開催期間などを除けば、日曜・祝日を除いて内部を見学できる機会があります。オーディオガイドも用意されており、EU加盟国の24言語に対応しています。
ただし、残念ながら日本語はありません。
私は日曜日に訪れたため、今回は内部を見学することができませんでした。
次回訪れる機会があれば、ぜひ中まで見てみたいと思っています。 -
まとめ――フランスなのに、どこかドイツ
パリからTGVで約2時間。
ストラスブールは、決して大都市ではありませんが、だからこそ街歩きがしやすく、観光にも向いています。
世界遺産の美しい旧市街。
街のどこからでも見えるノートルダム大聖堂。
運河沿いに広がる美しい街並み。
そして、トラムに乗れば国境を越えてドイツへ行くこともできます。
フランスとドイツ。
長い間、対立と領土争いを繰り返してきた二つの国の文化が、今では一つの街の中に溶け込んでいる。
そんな歴史を感じながら街を歩くと、ストラスブールという街が、単なる「美しい観光地」ではなく、ヨーロッパそのものを感じさせる場所であることに気づきます。
パリとは違うフランスを訪れてみたい方には、ぜひおすすめしたい街です。
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