伊江島旅行記(ブログ) 一覧に戻る
北部に向かっている時はいつも眺めていた。トンガリ山を真ん中に裾が広がり、平らな遠景から長閑に見える伊江島。戦争時の惨劇が想像でさえ打ちのめされる。<br />私はあの島を訪れることがあるのだろうか。行くという気持ちも行かないという気持ちもなく、ただ微かな恐れを感じていた。それが消えないまま長くくすぶり続けていた。<br />・・・・<br />もう行かないと。<br />気になる気持ちだけを頼りにようやく向かった。

心彷徨う 伊江島

39いいね!

2026/02/09 - 2026/02/12

31位(同エリア155件中)

4

58

mom K

mom Kさん

北部に向かっている時はいつも眺めていた。トンガリ山を真ん中に裾が広がり、平らな遠景から長閑に見える伊江島。戦争時の惨劇が想像でさえ打ちのめされる。
私はあの島を訪れることがあるのだろうか。行くという気持ちも行かないという気持ちもなく、ただ微かな恐れを感じていた。それが消えないまま長くくすぶり続けていた。
・・・・
もう行かないと。
気になる気持ちだけを頼りにようやく向かった。

旅行の満足度
5.0
交通
3.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
高速・路線バス 自転車 JRローカル 徒歩 ジェットスター
旅行の手配内容
個別手配
利用旅行会社
ブッキングドットコム
  • 名護の北部合同庁舎前で120番のバスから降りたのが、10時11分。本部港行のバスに乗車したのが10時12分だった。710円

    名護の北部合同庁舎前で120番のバスから降りたのが、10時11分。本部港行のバスに乗車したのが10時12分だった。710円

  • 安和の辺野古埋め立て土砂搬出地点に通りかかる。死亡事故があった場所。物々しい封鎖状況に変容。辺野古関連警備費用だけで一日二千万円と地元民から聞く。それ以上の税金を使っているかもしれないなあと辺野古のすき間なく直立不動の〇〇警備保障集団を見て思う。しかも鮮やかに交替して実行。

    安和の辺野古埋め立て土砂搬出地点に通りかかる。死亡事故があった場所。物々しい封鎖状況に変容。辺野古関連警備費用だけで一日二千万円と地元民から聞く。それ以上の税金を使っているかもしれないなあと辺野古のすき間なく直立不動の〇〇警備保障集団を見て思う。しかも鮮やかに交替して実行。

  • 土砂の積み込みを待つトラックの列。<br />本土の山を削り海砂をさらえ、それでも足りなくて、沖縄本島南部激戦地の遺骨が埋まる土を使おうとする考えを出す我が政府。で、その先は、私達を守らない。歴史が証明。

    土砂の積み込みを待つトラックの列。
    本土の山を削り海砂をさらえ、それでも足りなくて、沖縄本島南部激戦地の遺骨が埋まる土を使おうとする考えを出す我が政府。で、その先は、私達を守らない。歴史が証明。

  • バスはフェリー出港20分前に本部港に着いた。出かけに、前夜迄の宿オーナーが油味噌入りおにぎりを持たせてくれていた。熱々だったそれをタオルにくるんでいたので、まだ温かい。

    バスはフェリー出港20分前に本部港に着いた。出かけに、前夜迄の宿オーナーが油味噌入りおにぎりを持たせてくれていた。熱々だったそれをタオルにくるんでいたので、まだ温かい。

  • 港の案内所で地図を貰い、そこから見える「伊江島はにくすに郷土・平和資料館」へ先ず向かった。

    港の案内所で地図を貰い、そこから見える「伊江島はにくすに郷土・平和資料館」へ先ず向かった。

  • 米軍・日本軍兵士にも殺されず、集団自決のガマからもかろうじて生き延びた島民の語りを児童の絵で紙芝居に。思い出すことさえ苦痛を伴ったに違いない内容をよく語ってくださったものと思う。<br />二つの部屋に分かれて遺跡から発掘された物や戦争時の遺物も並べられていた。

    米軍・日本軍兵士にも殺されず、集団自決のガマからもかろうじて生き延びた島民の語りを児童の絵で紙芝居に。思い出すことさえ苦痛を伴ったに違いない内容をよく語ってくださったものと思う。
    二つの部屋に分かれて遺跡から発掘された物や戦争時の遺物も並べられていた。

  • チェックインタイムにはまだ早すぎるように思い、ゆっくり歩いて寄り道もして伊江島ゲストハウスに到着。オーナーと女性が快く迎えてくれた。

    チェックインタイムにはまだ早すぎるように思い、ゆっくり歩いて寄り道もして伊江島ゲストハウスに到着。オーナーと女性が快く迎えてくれた。

  • 来る道で通りかかった地元スーパーで購入。店頭には飲み物の段ボールが積み上げられ、一見酒屋さんに見えたが、店内奥に惣菜コーナーがあった。Mさんに出会った。<br />左のパックが出合いのきっかけになった大根のお漬物。

    来る道で通りかかった地元スーパーで購入。店頭には飲み物の段ボールが積み上げられ、一見酒屋さんに見えたが、店内奥に惣菜コーナーがあった。Mさんに出会った。
    左のパックが出合いのきっかけになった大根のお漬物。

  • まだ2時半。早速〈 ヌチドゥタカラの家 〉を目指した。ラム工場ではサトウキビを絞っている。

    まだ2時半。早速〈 ヌチドゥタカラの家 〉を目指した。ラム工場ではサトウキビを絞っている。

  • 伊江島に渡ると言うと、是非ここにと読谷で出合った若い女性が教えてくれていた。辺野古に行くという私に「一緒に行っていいですか」と言ってくれた彼女。20代の女性とあの場所でまだ私は会ったことがなかったから、嬉しく頼もしく思った。

    伊江島に渡ると言うと、是非ここにと読谷で出合った若い女性が教えてくれていた。辺野古に行くという私に「一緒に行っていいですか」と言ってくれた彼女。20代の女性とあの場所でまだ私は会ったことがなかったから、嬉しく頼もしく思った。

  • 広島から移植された”被爆アオギリ二世”がお出迎え。

    広島から移植された”被爆アオギリ二世”がお出迎え。

  • 阿波根昌鴻<br />このときはまだ、この地で”戦後”の不条理下を非暴力で闘い抜いた人物とは知らなかった。<br /><br />金城実作と記されている。

    阿波根昌鴻
    このときはまだ、この地で”戦後”の不条理下を非暴力で闘い抜いた人物とは知らなかった。

    金城実作と記されている。

  • どこにお人がおられるのだろう。向こうに看板が掲げられている建物はあるが・・・そばの建物には電灯が付いていたのでガラス戸を開けて、入った。すぐに正面の壁に目が行き、夥しい資料と並ぶ書籍が放つ雰囲気に呑まれた。

    どこにお人がおられるのだろう。向こうに看板が掲げられている建物はあるが・・・そばの建物には電灯が付いていたのでガラス戸を開けて、入った。すぐに正面の壁に目が行き、夥しい資料と並ぶ書籍が放つ雰囲気に呑まれた。

  • 女性が出てこられたので入館をお願いすると、「入館協力金は、300円です。」と言われる。そのつつましい金額に感じ入った。千円札を渡すと小さな金庫箱を取り出されたので、「おつりは結構です。寄付にお願いします。」と伝えた。<br />資料館の鍵を開けて下さると言われるが、私はこの部屋が気になって仕方がない。女性に断って、この部屋に置かれている書籍や壁の文字を読み続けることにした。<br />すると、若い男性が現れ、「明日九時においでいただくと、話ができる者がおります。」と言う。わたし一人に申し訳ないような気がして、返事をためらっていたら、熱心に繰り返してくださる。「お話が好きな方ですから。」とまで。<br />「お願いします。明日九時に参ります。」と言って、資料館も明日入館させてもらいたいと願った。<br /><br />

    女性が出てこられたので入館をお願いすると、「入館協力金は、300円です。」と言われる。そのつつましい金額に感じ入った。千円札を渡すと小さな金庫箱を取り出されたので、「おつりは結構です。寄付にお願いします。」と伝えた。
    資料館の鍵を開けて下さると言われるが、私はこの部屋が気になって仕方がない。女性に断って、この部屋に置かれている書籍や壁の文字を読み続けることにした。
    すると、若い男性が現れ、「明日九時においでいただくと、話ができる者がおります。」と言う。わたし一人に申し訳ないような気がして、返事をためらっていたら、熱心に繰り返してくださる。「お話が好きな方ですから。」とまで。
    「お願いします。明日九時に参ります。」と言って、資料館も明日入館させてもらいたいと願った。

  • ぶらぶらとゲストハウスに戻ってくると、オーナーが「ビールを飲みましょう」と迎えてくれ、冷蔵庫からお刺身まで取り出す。<br />断る言葉が出る間もない彼のいそいそ感。とにかく持ち帰った本と冊子類を部屋に置き、大根のお漬物と前の宿で作っておいた島ラッキョウの塩漬けをテーブルに添えた。<br />乾杯をしていると、裏手にあるというこのお刺身の魚屋さんが登場。島のことを尋ねるチャンスが宴会となって訪れた。

    ぶらぶらとゲストハウスに戻ってくると、オーナーが「ビールを飲みましょう」と迎えてくれ、冷蔵庫からお刺身まで取り出す。
    断る言葉が出る間もない彼のいそいそ感。とにかく持ち帰った本と冊子類を部屋に置き、大根のお漬物と前の宿で作っておいた島ラッキョウの塩漬けをテーブルに添えた。
    乾杯をしていると、裏手にあるというこのお刺身の魚屋さんが登場。島のことを尋ねるチャンスが宴会となって訪れた。

  • 何も知らない私にどっと押し寄せてくる。とにかく明日お話してくださる方にお目にかかるまでは少しは知っておきたい。夜読みふけっていたら、驚きで頭が冴え、なかなか寝る気持ちにはなれなかった。<br />

    何も知らない私にどっと押し寄せてくる。とにかく明日お話してくださる方にお目にかかるまでは少しは知っておきたい。夜読みふけっていたら、驚きで頭が冴え、なかなか寝る気持ちにはなれなかった。

  • 翌朝、今日も”ヌチドウタカラの家”に行くと言う私に、オーナーは自転車に乗っていきなさいと言ってくれた。感謝。一昨日は悪天候でフェリーは欠航だったと言うが、一転昨日から太陽がいっぱいのお天気。自転車は新しく、サドルも低く快適に、人の姿がずうっと見えない道を向かった。

    翌朝、今日も”ヌチドウタカラの家”に行くと言う私に、オーナーは自転車に乗っていきなさいと言ってくれた。感謝。一昨日は悪天候でフェリーは欠航だったと言うが、一転昨日から太陽がいっぱいのお天気。自転車は新しく、サドルも低く快適に、人の姿がずうっと見えない道を向かった。

  • 「おはようございます。」9時5分を待って扉を開けた。<br />昨日の男性が「申し訳ありません。話をする者の具合がよくなくて・・・。」と言われ、私の島での予定を尋ねてくれる。明後日までの滞在だが、取り立てて何もないと応えると「明日おいでください。」と言ってくださる。ご高齢と思われるし、約束が負担になっては申し訳ない。今日は資料館をゆっくり拝見させていただきますと言って、明日のお願いはしなかった。<br />

    「おはようございます。」9時5分を待って扉を開けた。
    昨日の男性が「申し訳ありません。話をする者の具合がよくなくて・・・。」と言われ、私の島での予定を尋ねてくれる。明後日までの滞在だが、取り立てて何もないと応えると「明日おいでください。」と言ってくださる。ご高齢と思われるし、約束が負担になっては申し訳ない。今日は資料館をゆっくり拝見させていただきますと言って、明日のお願いはしなかった。

  • 青年は鍵を開け、電灯を点け、カセットデッキのスイッチを入れ、私一人にしてくれた。

    青年は鍵を開け、電灯を点け、カセットデッキのスイッチを入れ、私一人にしてくれた。

  • ガマで赤ん坊の泣き声がじゃまになると、日本兵が刺し殺し、滑り落ちた幼子のあと、母親の手元に残ったと。<br />この出来事は、以前から本では知っていた。しかし、目の前で見るのは凄まじい。

    ガマで赤ん坊の泣き声がじゃまになると、日本兵が刺し殺し、滑り落ちた幼子のあと、母親の手元に残ったと。
    この出来事は、以前から本では知っていた。しかし、目の前で見るのは凄まじい。

  • 全て、戦後です。戦後。<br />

    全て、戦後です。戦後。

  • そうさせるのは、私たちの心のあり方、生活の仕方だと気づいてはいる。

    そうさせるのは、私たちの心のあり方、生活の仕方だと気づいてはいる。

  • 阿波根昌鴻<br />昨日初めて知ったお名前。何という人に今私は出合えたんだろう。

    阿波根昌鴻
    昨日初めて知ったお名前。何という人に今私は出合えたんだろう。

  • 語る言葉を持ちえた人はどのようにしてここまでたどりつかれたのだろう。<br />知りたい。知りたい。

    語る言葉を持ちえた人はどのようにしてここまでたどりつかれたのだろう。
    知りたい。知りたい。

  • ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 戦後です。琉球の警察官です。<br />

    戦後です。琉球の警察官です。

  • 繰り返し、「学習」の言葉があらわれる。

    繰り返し、「学習」の言葉があらわれる。

  • 本土は焼け野原であっても自分の家があった場所に戻れることができた。

    本土は焼け野原であっても自分の家があった場所に戻れることができた。

  • 夜、基地外の自分の畑の草刈をしていた人に米軍基地からの演習弾が当たり、即死。<br />米軍は基地内に運び込み、保障はしなかった。一家で唯一生き残った男性。<br />なぜこれらの写真が存在するのか。カメラの必要と入手について、阿波根昌鴻さんの強い支えであった本土在住の弟さんの存在とあとで知る。

    夜、基地外の自分の畑の草刈をしていた人に米軍基地からの演習弾が当たり、即死。
    米軍は基地内に運び込み、保障はしなかった。一家で唯一生き残った男性。
    なぜこれらの写真が存在するのか。カメラの必要と入手について、阿波根昌鴻さんの強い支えであった本土在住の弟さんの存在とあとで知る。

  • もう一度自分で操作させてもらって、テープを聴き、資料館をあとにした。<br />朦朧としている私に迎えてくれた男性が「この裏に美しいビーチがあります。」と言って、行き方も詳しく教えてくれた。さらに、「明日、9時においでください。」と、また繰り返して下さった。

    もう一度自分で操作させてもらって、テープを聴き、資料館をあとにした。
    朦朧としている私に迎えてくれた男性が「この裏に美しいビーチがあります。」と言って、行き方も詳しく教えてくれた。さらに、「明日、9時においでください。」と、また繰り返して下さった。

  • 誰もいない伊江ビーチ。<br />この瞬間も世界では、外に知られず無情で理不尽なことが起こっていると、今は確信する。<br />じゃ、私はどうする。

    誰もいない伊江ビーチ。
    この瞬間も世界では、外に知られず無情で理不尽なことが起こっていると、今は確信する。
    じゃ、私はどうする。

  • 一時半を過ぎていた。途中で見かけたおそば屋さんも閉まっている。お弁当屋さんもおにぎりの看板のお店も「今日はおしまいです。」と言われた。コンビ二は、行かない。昨日、ゲストハウスのオーナーが、「裏にJAがあるよ。」と教えてくれていた。<br />でも昨日のローカルスーパーがいい。食感もお味も驚いた大根のお漬物へ。<br />店内の一番奥のそのコーナーには並んでいなかった。落胆で尋ねた。もう今日は売切れてしまってと言いながら、奥のほうから取り出してきてくれた。二つ分でもうほんとにおしまいのようだった。嬉しくてお名前を尋ね、写真をお願いした。<br />その漢字まで教えてくれたので、カメラを向けながら「妙なる調べですね。」と言うと、こんなお顔になった。一枚目より断然素敵だった。「全国の皆さんに公開します。」と言うと、いいですよとまた笑顔。<br />いかのてんぷら大袋をひょいと、大根のお漬物と一緒に袋に入れ、<br />♀「食べて。」「えっ、だめです。」<br />♀「いいの。早く帰りたいから。」<br /><br />次から次へと、この島では大切なことが私に押し寄せてくる。

    一時半を過ぎていた。途中で見かけたおそば屋さんも閉まっている。お弁当屋さんもおにぎりの看板のお店も「今日はおしまいです。」と言われた。コンビ二は、行かない。昨日、ゲストハウスのオーナーが、「裏にJAがあるよ。」と教えてくれていた。
    でも昨日のローカルスーパーがいい。食感もお味も驚いた大根のお漬物へ。
    店内の一番奥のそのコーナーには並んでいなかった。落胆で尋ねた。もう今日は売切れてしまってと言いながら、奥のほうから取り出してきてくれた。二つ分でもうほんとにおしまいのようだった。嬉しくてお名前を尋ね、写真をお願いした。
    その漢字まで教えてくれたので、カメラを向けながら「妙なる調べですね。」と言うと、こんなお顔になった。一枚目より断然素敵だった。「全国の皆さんに公開します。」と言うと、いいですよとまた笑顔。
    いかのてんぷら大袋をひょいと、大根のお漬物と一緒に袋に入れ、
    ♀「食べて。」「えっ、だめです。」
    ♀「いいの。早く帰りたいから。」

    次から次へと、この島では大切なことが私に押し寄せてくる。

  • 沖縄タイムスを読む。選挙結果は、今日のできごとからあまりにも遠い。<br />私たちは、何を学んでいるのだろう。

    沖縄タイムスを読む。選挙結果は、今日のできごとからあまりにも遠い。
    私たちは、何を学んでいるのだろう。

  • 3日目の朝。写真も撮りたい。お話を伺うつもりはないので、早めに行き、野外教室の場となったところにもう一度立つと決めた。<br /><br />なのに、この花の写真を撮っていると、どこからか男性が現れ、招き入れられた。

    3日目の朝。写真も撮りたい。お話を伺うつもりはないので、早めに行き、野外教室の場となったところにもう一度立つと決めた。

    なのに、この花の写真を撮っていると、どこからか男性が現れ、招き入れられた。

  • 謝花悦子さん、87歳。車椅子で出てこられた。お話が始まって1時間以上が過ぎたころ、入浴のお知らせがあり、それを機に辞去しようとしたら、みなさんが引き止めてくださる。甘えることにした。<br />

    謝花悦子さん、87歳。車椅子で出てこられた。お話が始まって1時間以上が過ぎたころ、入浴のお知らせがあり、それを機に辞去しようとしたら、みなさんが引き止めてくださる。甘えることにした。

  • 入浴の時間、建物の周りをゆっくり見学させてもらった。<br />洗骨後の骨を収める立派な厨子甕が並ぶ。どれほど大切に守られ、残されたかが分かる。与那国でお父さんの洗骨をされたというお話を聞けたことを思い出す。私と同年代の男性だった。<br /><br />

    入浴の時間、建物の周りをゆっくり見学させてもらった。
    洗骨後の骨を収める立派な厨子甕が並ぶ。どれほど大切に守られ、残されたかが分かる。与那国でお父さんの洗骨をされたというお話を聞けたことを思い出す。私と同年代の男性だった。

  • 「11時の船で協力してくれている人たちが来ます。一緒にご飯を食べましょう。どこに泊まっているの?ここに泊まりなさい。」とまで言われる。<br />事務棟で沢木耕太郎氏の文章を見つけていた。それは、きっと2年前届いたときに読まれているだろうが、私の気持ちを表してくれているようで、謝花さんに「読ませてください。」とお願いした。<br />読み終えると、♀「沢木さんにお会いなりますか。」と尋ねられた。「いいえ、メディアにも出られない方ですし、お目にかかったことはありません。」♀「もし電話ができたら、よろしくお伝えください。」<br />まだまだお話したいことをお持ちのようだけど、3時間近くになっていた。<br />「またきっと参ります。」と繰り返す私に彼女は残された時間の少なさを訴える。<br />「今年中に必ず参ります。」と自分にも固く約束をして、ようやくこの場から離れることができた。

    「11時の船で協力してくれている人たちが来ます。一緒にご飯を食べましょう。どこに泊まっているの?ここに泊まりなさい。」とまで言われる。
    事務棟で沢木耕太郎氏の文章を見つけていた。それは、きっと2年前届いたときに読まれているだろうが、私の気持ちを表してくれているようで、謝花さんに「読ませてください。」とお願いした。
    読み終えると、♀「沢木さんにお会いなりますか。」と尋ねられた。「いいえ、メディアにも出られない方ですし、お目にかかったことはありません。」♀「もし電話ができたら、よろしくお伝えください。」
    まだまだお話したいことをお持ちのようだけど、3時間近くになっていた。
    「またきっと参ります。」と繰り返す私に彼女は残された時間の少なさを訴える。
    「今年中に必ず参ります。」と自分にも固く約束をして、ようやくこの場から離れることができた。

  • 本島からずっと眺めるだけだったあのとんがり山(城山)へ行こう。<br />いつものようにいい加減な道探し、なだらかな坂道が続く。自転車が重くなってきた。教育委員会庁舎の軒下に置かせてもらって出てくると、この建物。<br /><br />

    本島からずっと眺めるだけだったあのとんがり山(城山)へ行こう。
    いつものようにいい加減な道探し、なだらかな坂道が続く。自転車が重くなってきた。教育委員会庁舎の軒下に置かせてもらって出てくると、この建物。

  • 島で唯一残ったコンクリート建物。

    島で唯一残ったコンクリート建物。

  • 出合った人に尋ね尋ね、ようやく登山口を見つけた。

    出合った人に尋ね尋ね、ようやく登山口を見つけた。

  • 資料館の展示説明でビデオで彼女の行動を知る。当時東京の定時制高校生、黒田操子さんの碑。

    資料館の展示説明でビデオで彼女の行動を知る。当時東京の定時制高校生、黒田操子さんの碑。

  • 急な階段。すぐそこに見えていたてっぺんなのに息が上がり、立ち止まる。<br />前から小学4年生ぐらいの男の子が走り降りてきながら、「チバリヨーーー」と声をかけてくれて去っていく。<br />いいなあ、未来くん。<br />

    急な階段。すぐそこに見えていたてっぺんなのに息が上がり、立ち止まる。
    前から小学4年生ぐらいの男の子が走り降りてきながら、「チバリヨーーー」と声をかけてくれて去っていく。
    いいなあ、未来くん。

  • 朝からずっと曇り空。寒い。

    朝からずっと曇り空。寒い。

  • 向こうは米軍基地。パラシュート部隊の訓練場。島に渡る日の朝、以前は読谷で行われていたと宿のオーナーのお父さんは教えてくれていた。

    向こうは米軍基地。パラシュート部隊の訓練場。島に渡る日の朝、以前は読谷で行われていたと宿のオーナーのお父さんは教えてくれていた。

  • あの白い大きな建物の近くに、謝花悦子さんがおられる”ヌチドウタカラの家”がある。

    あの白い大きな建物の近くに、謝花悦子さんがおられる”ヌチドウタカラの家”がある。

  • Mさんに写真を届けようとお店に行ってみたら、出かけているということだったので、そのまま自転車で基地の方までいくことにした。<br />これは、島ラッキョウみたいですね。<br />

    Mさんに写真を届けようとお店に行ってみたら、出かけているということだったので、そのまま自転車で基地の方までいくことにした。
    これは、島ラッキョウみたいですね。

  • ミツバチの箱かな。<br />さらに先に進んでいたら、小さなトラックと人がいた。「その先は行けませんよ。」?行き止りだった。目の前に菊を育てているという畑とビニルハウスがあった。伊江島のことを尋ねたら、ご家族のことまで話してくださった。「ここは離島の離島だからね。」と呟かれた。

    ミツバチの箱かな。
    さらに先に進んでいたら、小さなトラックと人がいた。「その先は行けませんよ。」?行き止りだった。目の前に菊を育てているという畑とビニルハウスがあった。伊江島のことを尋ねたら、ご家族のことまで話してくださった。「ここは離島の離島だからね。」と呟かれた。

  • 資料館の男性に「木の上の軍隊」のことを教えてもらっていた。地図にも載っている。向かった。

    資料館の男性に「木の上の軍隊」のことを教えてもらっていた。地図にも載っている。向かった。

  • ニーバン(屋号)家のカジュマルの意で、映画の撮影で使われたガジュマルが残されていた。島のマラソン会場にもなっているミースイ公園内。

    ニーバン(屋号)家のカジュマルの意で、映画の撮影で使われたガジュマルが残されていた。島のマラソン会場にもなっているミースイ公園内。

  • Mさんのお店に寄り、写真を渡し、明日帰ることを話すと、やきそばと白菜のお漬物を私に押し付けるようにする。昨日といい、今日といい、まごまごする私に、そばにきた男性が「もらっておけ。」と一言。<br /><br />夕食時、フライパンで温め、美味しくいただいた。もう一度伊江島に来ること。<br />Mさんにも京都のお土産を忘れないこと。決心が増えた。

    Mさんのお店に寄り、写真を渡し、明日帰ることを話すと、やきそばと白菜のお漬物を私に押し付けるようにする。昨日といい、今日といい、まごまごする私に、そばにきた男性が「もらっておけ。」と一言。

    夕食時、フライパンで温め、美味しくいただいた。もう一度伊江島に来ること。
    Mさんにも京都のお土産を忘れないこと。決心が増えた。

  • 8時の船で出る。港の売店は7時半開店だった。<br />ジンのポケット瓶とサトウキビのシロップを買った。

    8時の船で出る。港の売店は7時半開店だった。
    ジンのポケット瓶とサトウキビのシロップを買った。

  • 船室から朝日を眺める。私の心はずっと彷徨い続けている。<br /><br />本部港に着く直前、お手洗いに向かったら、そばの席から手が伸ばされた。Mさん!とてもおしゃれをされていて、お化粧も服装も完璧。一瞬分からなかった。<br />そのことを口にすると、また「黒糖ピーナッツを持っていきなさい。」とバッグを開けだす。「駄目です。」ときっぱり断われた。彼女は笑っていた。素敵だったのでまたカメラを向けた。

    船室から朝日を眺める。私の心はずっと彷徨い続けている。

    本部港に着く直前、お手洗いに向かったら、そばの席から手が伸ばされた。Mさん!とてもおしゃれをされていて、お化粧も服装も完璧。一瞬分からなかった。
    そのことを口にすると、また「黒糖ピーナッツを持っていきなさい。」とバッグを開けだす。「駄目です。」ときっぱり断われた。彼女は笑っていた。素敵だったのでまたカメラを向けた。

  • 塩川を通る。砂利運搬船は14隻浮かんでいた。

    塩川を通る。砂利運搬船は14隻浮かんでいた。

  • 伊江島で出合えたことが次々と心に浮かんでくる。<br />まだ私の心は落ち着くところが見つからない。頭の中の一点は妙に鋭くなっている。

    伊江島で出合えたことが次々と心に浮かんでくる。
    まだ私の心は落ち着くところが見つからない。頭の中の一点は妙に鋭くなっている。

  • 名護で読谷行に乗り換えた。<br />すると、4日前の宿で親しくなったUSA在住の青年が座っている。名護に向かうという彼と私は次の旅先を伝えあっていたが、まさか今ここで。<br />私は、心を占めていることを聞いてもらった。彼は、「知らなかった。知らなかった・・・。」とつぶやき、私が写していた日本兵に惨殺された赤ちゃんの衣服の写真が欲しいといってくれた。<br />謝花悦子さんへのお手紙に嬉しいトピックが付け加えられると思った。

    名護で読谷行に乗り換えた。
    すると、4日前の宿で親しくなったUSA在住の青年が座っている。名護に向かうという彼と私は次の旅先を伝えあっていたが、まさか今ここで。
    私は、心を占めていることを聞いてもらった。彼は、「知らなかった。知らなかった・・・。」とつぶやき、私が写していた日本兵に惨殺された赤ちゃんの衣服の写真が欲しいといってくれた。
    謝花悦子さんへのお手紙に嬉しいトピックが付け加えられると思った。

  • 伊江島ゲストハウスのオーナーが、鈴なりのパパイヤの木から一つだけ黄色くなっているのをもいで「すぐ食べられるよ。」と、持たせてくれた。<br />黒い種のないパパイアを初めて知った。極上の甘さだった。<br />

    伊江島ゲストハウスのオーナーが、鈴なりのパパイヤの木から一つだけ黄色くなっているのをもいで「すぐ食べられるよ。」と、持たせてくれた。
    黒い種のないパパイアを初めて知った。極上の甘さだった。

  • [ 6日後 ]<br />コザ3日目の朝。7時のバスに乗らないと、飛行機までの時間に余裕がなくなる。このホテルの珈琲は美味しい。7時開始の朝食時間前に飲めたらありがたい。<br />帰り支度で階下に降りると、珈琲サーバーは既に稼働抽出中。準備中のキッチンスタッフ二人に朝食は不要でその旨を断った。<br />入れたての珈琲は一層美味しかった。すると、女性がわざわざカウンター内から私のテーブルのそばに来て、腰をかがめながら、「トーストもできますが。」とそっと言ってくれる。もう出発のとき。「ありがとうございます。」<br /><br />ふと、「こちら(コザ)の方ですか。」と尋ねてみた。男性は、「いいえ、伊江島です。」<br />伊江島に行ってきましたが、もう一度行くつもりです。と言う私に、二人は「百合の季節に来てほしいです。」と言って、両手を脇にピッと伸ばして見送りのお辞儀をしてくれた。<br /><br />普天間を通る。折りしも辺野古の滑走路は短いので、普天間基地継続案浮上News。<br /><br />あまりにもあまりにも今別れたお二人から遠い世界よ。

    [ 6日後 ]
    コザ3日目の朝。7時のバスに乗らないと、飛行機までの時間に余裕がなくなる。このホテルの珈琲は美味しい。7時開始の朝食時間前に飲めたらありがたい。
    帰り支度で階下に降りると、珈琲サーバーは既に稼働抽出中。準備中のキッチンスタッフ二人に朝食は不要でその旨を断った。
    入れたての珈琲は一層美味しかった。すると、女性がわざわざカウンター内から私のテーブルのそばに来て、腰をかがめながら、「トーストもできますが。」とそっと言ってくれる。もう出発のとき。「ありがとうございます。」

    ふと、「こちら(コザ)の方ですか。」と尋ねてみた。男性は、「いいえ、伊江島です。」
    伊江島に行ってきましたが、もう一度行くつもりです。と言う私に、二人は「百合の季節に来てほしいです。」と言って、両手を脇にピッと伸ばして見送りのお辞儀をしてくれた。

    普天間を通る。折りしも辺野古の滑走路は短いので、普天間基地継続案浮上News。

    あまりにもあまりにも今別れたお二人から遠い世界よ。

  • &lt;3月11日―15日&gt; 阿波根昌鴻写真展 <br />    ナゴヤドーム前矢田駅下車 「市民ギャラリー矢田」<br /><br /><br />ずっと心は彷徨い続けるような気がする。だから、会いに行く。<br /><br />                 ー椿が咲いた我が家に帰宅3月1日ー

    <3月11日―15日> 阿波根昌鴻写真展 
        ナゴヤドーム前矢田駅下車 「市民ギャラリー矢田」


    ずっと心は彷徨い続けるような気がする。だから、会いに行く。

                     ー椿が咲いた我が家に帰宅3月1日ー

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この旅行記へのコメント (4)

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  • ondine24さん 2026/02/21 09:07:59
    いつかまた 百合の季節に
    伊江島、
    何度か沖縄に行きましたが、こちらは未踏。

    以前から私も気になる島でしたから、mom Kさんの記事を読んで色々知る事が出来て良かったです。

    沖縄は戦争中も戦後も、常に本土の犠牲になり続けているのですね。
    悲痛な歴史の繰り返し。
    銃剣で穴の空いた赤ちゃんの着物…
    その時の母親の気持ちを思うと、絶句です。

    沖縄の海は青く透き通っていてとても綺麗ですが、悲惨な歴史を思うと、その美しさにさえ悲しみが滲んでいる様にいつも感じてしまいます。

    リアルなお話しを聞けるには、もう時間が無いんですね。
    次回 mom K さんがいらっしゃったら、
    是非また旅行記をお願いします。

    それではまた。
    ondine24

    mom K

    mom Kさん からの返信 2026/02/21 18:23:13
    気になることを突き詰めて
    ondine24さん、気持ちを共有してくださってありがとうございます。今回は、言葉が見つからず、心捕まえれず、書き始めてupできるまで、時間がかかりました。未完成なままの発表気分です。”さまよう感”、題名そのままで合っていると自分なりの納得。

    昨日半年後の沖縄行きairチケット購入。謝花悦子さんには手紙を書き続けようと思っています。意志が生命を繋いでこられたような方に見えました。

    気になることは、自分自身への根源的な問いかけへの始まり。そう思って向き合っています。最近の私一人旅は、”問いに導かれて”なんですよ。
  • クラウディアさん 2026/02/20 20:30:55
    伊江島
    こんにちは。
    伊江島には行ったことはないのですが、いいところですね。10年以上前に長期出張で沖縄に行っていましたが、仕事ばかりしていて職場とホテルの往復ばかりでした。博物館くらいいけばよかったと思っています。
    伊江島にあった厨子甕のうつくしいこと。
    私もお骨になったら、こういう厨子甕に入りたいと思いました。

    mom K

    mom Kさん からの返信 2026/02/21 17:58:02
    海へ
    まだ心が浮遊するままに本日記をup。憤りを抑えておさえてと自分に言い聞かせながらでした。

    真っ先のお便り、有難く嬉しいです。
    出合うには年月が必要と感じるこのごろ。クラウディアさんにもきっと伊江島に会えるべき時が訪れると思います。

    私は、海への散骨。家族に厳命。
    チェファルーへ、ナザレへ、イニシュモア島、オアフ島、利尻海岸、澄海岬・・・そしてふるさとの海に時々戻ってくるのです。

mom Kさんのトラベラーページ

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