2024/09/23 - 2024/10/03
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昨年の9月、フランクフルト経由でハンガリーに行ってきました。いつものアール・ヌーヴォーを中心とした美しい建物を求めての歩き倒し旅。
ハンガリーはなんと、世界で一番アール・ヌーヴォー建築が残っている国ということで、私にとっては行かない訳には行かない、訪問マストな国なのです。
ブダペストへは30年以上前、まだベルリンの壁があった頃に、唯一行ける東欧ということで、ウィーンから日帰りで有名観光スポットだけをちょこっと見て回ったことはあるのですが、もちろんその頃はアール・ヌーヴォーには興味もなく、ただ、すごい豪華な冷たい温泉に入ったなぁ…程度の記憶にとどまっていました。
今回は、1週間滞在して、ブダペストの市内はもちろん、列車で近郊の街にも足を延ばし、有名なアール・ヌーヴォー建築を堪能してきました。もちろん、ハンガリーといえば温泉ですから、歩き倒して疲れた体には何よりの温泉も2か所行ったりと、ハンガリー旅を満喫。
飛行機の乗り換えで立ち寄ったフランクフルトも、乗り換えだけではもったいないので、2泊ほどして、フランクフルト郊外のダルムシュタットにある「ユーゲントシュティール村」や、木組の家街道にあるかわいい街を訪れたりしました。
こんな楽しく充実した旅でしたが、ネットでアルバム作りをしたら、すっかり旅行記も書いた気分になっちゃって、4トラに旅行記をアップするのをすっかり忘れてしまっていました。
今年、ヒョンなことからハンガリーに再訪することになり、旅行記を確認しようと思ったら、表紙の写真を貼ったものだけが下書きに残っていました(笑)
昨年の旅行記は諦めて、先日行ってきた再訪のものだけを書こうかと思ったのですが、前回がないと続かない感じもしたので、今更の思い出し旅行記にはなりますが、サクッと書いておこうと思った次第です。
モチロン、先日行ってきたものも近いうちに書くつもりにしておりますが、まずは昨年のものから…
【6日目】
ブダペスト5日目は、美しい朝焼けに感動しつつも、天気が崩れるのかもとの嫌な予感が的中、お昼前から雨が降り出してしまいました。午前中は晴れていたので、レヒネル・エデンの代表作の一つ「郵便貯金局」の美しい屋根を見るために「聖イシュトバーン大聖堂」の塔に登り、ブダペストの街を見渡すこともできたのですが…。
市民公園周辺の素敵建築巡りを予定していたので、雨の中の街歩きは少々つらかったのですが、限られた日程ですからやめる訳には行きません。地元の方も傘をさすような雨でしたが、カメラが濡れるのもいとわず歩き回ったことは言うまでもありません(笑)6日もいれば1日くらい雨は降りますよね。15:00からは週に1度しか開催しない「リスト・フェレンツェ音楽学院」の建物内部見学ツアーにも参加。1時間のツアーを終え外に出ると雨は上がっていました。
洪水でキャンセルになっていた夜景グルーズも再予約していたので、雨では残念過ぎると思っていたのですが、夜景クルーズの頃にはすっかり晴れていました。天の神様ありがとう!
日中のお天気はイマイチでしたが、素敵なアール・ヌーヴォー建築はいっぱい見ることができましたし、ドナウ川夜景クルーズも無事参加できて、まずまずの1日でした。
「まずまず」というのは…ドナウ川夜景クルーズの目玉、「ドナウの真珠」と呼ばれる国会議事堂とくさり橋のライトアップがなぜかされていなくて、なんとも消化不良のクルーズだったのです。なぜライトアップしていなかったのか、いまだ不明です。
(今年の再訪で、リベンジ。クルーズではなく岸辺からしっかり「ドナウの真珠」を拝むことができました。溜息物の美しさでした~)
*************** 日 程 ***************
9/23(月) 羽田発→フランクルト着
9/24(火)フランクフルト発→ブタペスト着 セーチェニ温泉
9/25(水)AM 動物園、シペキ邸、ミレニアムハウス、音楽の家
PM セーチェニ鎖橋、国会議事堂
9/26(木)ブダペスト西駅→キシュクンフェーレジハーザ→ケチュケメート
9/27(金)AM 聖ラースロー教会、郵便貯金局などホテル北側建物群
PM 中央市場、ゲレルト温泉
★9/28(土)聖イシュトバーン大聖堂、ハンガリー地質学研究所、英雄広場周辺建築、
リストフェレンツ音楽院、ドナウ川ナイトクルーズ
9/29(日) 応用美術館、パリジパサージュ、オットーワーグナーシナゴーグ、
マーチャーシー教会、漁夫の砦、ブダ城、国立歌劇場、改革派教会
9/30(月)ヴァーチィ通り南アール・ヌーヴォ建築
ブタペスト発→フランクフルト着
10/1(火)フランクフルト→イトシュタイン→リンブルク→フランクフルト
10/2(水)ダルムシュタット、 マルクト広場
フランクフルト発 20:45→
10/3(木)羽田着 16:45着
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おはようございま~す。
そんなに早く起きなくてもいいんですが、6:30にはすっかり起きてしまい、窓のカーテンを開けたら、美しい朝焼けが広がっていました。
うわーきれい~と感動したのですが、ちょっと待てよ、朝焼けって天気が崩れる前兆じゃなかった?と一気にテンションが下がっていきました(笑) -
まず、天気がいいうちに行っておこうってことで、「聖イシュトバーン大聖堂」の屋上テラスに上がることにしました。
大聖堂の向かいのホテルに泊まっているのに、大聖堂の中にはいまだ一歩も足を踏み入れていないのです。まぁ、いろいろ教会とか行きすぎちゃって、優先順位が下がっていることもありまして…
でも、この屋上テラスだけはマストにしていた場所です。なぜなら、あのレヒネルの設計した「郵便貯金局」の美しい屋根を見ることができると聞いたからなんです。
見えてます見えてます。わかりますか?写真右側に緑と黄色の屋根がありますよね?なにげに「国会議事堂」のドームも見えてますよ。
高さ96メートルの、ブダペストで一番高い塔ですからね。360度ブダペストの街を見渡せる絶景が広がっています。聖イシュトヴァーン大聖堂 寺院・教会
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郵便貯金局を、望遠レンズで写してみました。
レヒネルが「鳥が見るじゃないか」と言ったという、ジョルナイセラミックの美しい屋根です。やっと見えました~
鳥さんだけに見せておくのはもったいないですよレヒネルさん。 -
そして、国会議事堂も望遠でとらえてみました。
この角度での国会議事堂もレアな感じです。 -
そしてブダの丘側の眺めです。
遠くにマーチャーシー教会や漁夫の砦、ブダ王宮が見えています -
マーチャーシー教会や漁夫の砦もとても大きいので、その全容をこの目線でとらえるなら、ここがベストポイントかもしれません。
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同じく王宮です。
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そしてこちらは、「デアークフェレンツェ広場」や温泉が出ている「ゲッレールトの丘」方向の眺めです。
広場の観覧車の向こうに、ドナウ川にかかる「エリザベート橋」の白い柱が見えています。
郵便貯金局の屋根さえ見ればいいと思って上がった屋上テラスでしたが、なかなか楽しめました。エレベーターで上がれますし、おすすめです。4300HUF(≒1740円)ほどかかりますが…。 -
大聖堂の中は見なくてもいいかなと思っていたのですが、今日は特別無料だと言われ、それなら見ていこうという、罰当たりな思いで聖堂のなかに足を踏み入れたのですが…。
いや、これ見ないで帰ったらアホの極致でした。それはもう素晴らしかったです。
初代ハンガリー国王の名前を冠したブダペストを代表するバシリカですからね、当り前ですわ。
下調べもせずに入ったので、ただただその広さと煌びやかさと美しさに、口をポカ~ンと開けたままウロウロしておりました。 -
この中央のドーム。ものすごい迫力でした。そして美しい!
このドームに描かれている絵ですが、何とフレスコ画ではなくガラスモザイクなんだそうです。
この中央のドームのモザイクは、「ロッツ・カロイ」がデザインしたもので、中央に創造主である父なる神キリストの姿を描いて天国を表現し、預言者たちと洗礼者ヨハネのモザイクが、キリストを取り囲んでいるそうです。 -
ガラスモザイクなのは、中央のドームだけではなく、他の小さなドームも天井も、みんなガラスモザイクが使われているとか。
だから、他の教会に比べて、天井やドームが明るく輝いているわけです。
大きなものはヴェネツィアの「サルヴィアティ社」、小さなものはハンガリーの誇るガラス工房「ロート・ミクサ工房」によって制作されたものが使われているそうです。 -
ドームの下から主祭壇方向を見た図です。広いですよね~
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実はこの大聖堂には、1083年に列聖された「イシュトヴァーン1世」の右手のミイラが、聖遺物として保管されているのですが、下調べなしで行ったこともあり、どこにあるのかわからず…見ることができませんでした。
まぁ、ミイラはあまり見たくないので、どん欲に探さなかったこともあります(笑) -
こちらが主祭壇です。
中央に立つのはキリストではなく「聖イシュトバーン」で、その上には、聖冠を持った大天使ガブリエルの像があります。「聖イシュトバーン」の像は大理石でできているそうです。
後ろの壁は、聖王の生涯の場面を描いたブロンズレリーフのシリーズで飾られています。作者は「マイヤー・エーデ」だそうです。 -
後ろを振り向くと、入り口の上に立派なパイプオルガンがあります。
このオルガンは1905年にオルガン製作の巨匠「ヨージェフ・アングスター」によって製作されたものです。その後改良を繰り返し、今は移動可能な演奏テーブル、コンピューター制御、電気構造が備えられているそうです。
オルガンケースは、「カウザー・ヨージェフ」の設計に基づき、「テック・エンドレ」の家具工場で製作され、前回の改修時に、22カラットの金箔で再び金メッキが施されたそうです。金が映えてますよね。 -
これは、入り口近くにあった「聖セシリアの祭壇」です。
「ロバート・ナードラー」作の教会音楽の守護聖人「聖セシリア」の祭壇画があることで有名なのですが、私は燭台の下に敷かれた「カロチャ刺繍」のテーブルクロスが素敵だな~と思って撮たっ写真です。 -
「聖イシュトバーン大聖堂」で予定より時間を取ってしまい、素敵建築巡りに出かけるころには雨がポツポツと…。雨にもマケズ、風にもマケズ歩きますよ~!
で、最初に訪れたのがここ。めちゃめちゃ楽しみにしていた「クールシ自邸」です。
バロックからアール・ヌーヴォー、アール・デコまで何でもこなす天才的建築家と言われる「クールシ・アルベルト」の自邸ですから、素敵じゃないわけありません。もう、この門塀のアイアンワークからトキメキます。
レヒネルの弟子ですしね。
Városligeti fasor 47 -
この自邸は1899年に「セバスチャン・アーサー」と共同で建てたものですが、クールシは物件によって組む相手が変わるそうです。
このユニークな鉄柵は「ユングフェル・ジュラ」の作だろうと言われています。 -
ここも、門が固く閉ざされていたので、鉄柵の間にカメラを差し込んで撮影しました。現在は事前予約すれば、内部見学ツアーに参加できるようです。
青空だったらどんなに映えるだろうと思わせる白亜の邸宅です。
そのファサードは驚くほど美しく華やかな装飾が施され、一つとして同じ形をしていない個性的な窓やバルコニーなど、どこを見てもため息が出ます。 -
最上部のペデイメントにはとても細かなレリーフが施されています。
これは「絵画」「彫刻」「建築」という三つの芸術の寓意が表現されており、特に注目すべきはクールシ自身を象徴する「建築」を象徴する人物が、ヴィラの模型の寸法を測っている姿が描かれているところです。 -
そして一番美しさが際立つ窓は、このオメガ型の窓です。
窓の中央にはメドゥーサの顔、両サイドには羽を広げた孔雀、窓の曲線には花や木の実などが漆喰のレリーフ飾られています。
そして、是非室内から見てみたいステンドグラスが、窓ガラスを飾っている様子がうかがえます。 -
孔雀のレリーフがあまりに繊細だったので、アップにしてじっくり見てみました。
素晴らしいですよね~ -
この1階の窓はその形自体がとてもユニークです。ライオンがついていますね。
そしてこの窓にも、きっとすごく素敵なんだろうと思わせるステンドグラスが見えます。
ちなみに室内のステンドグラスは「ロート・ミクサ」だそうです。 -
グランドフロアの窓についているアイアンもとてもユニークなデザインです。
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エントランスの扉のデザインもイケてます。柱の上の装飾も細かいですし、エントランスの照明も凝っています。
昨年までは7月の決まった日にちだけしか内部見学ができなかったのですが、今年からは予約すれば通年見学できるらしいので、ハードルが下がりました。英語のガイドツアーになるようなので、説明していただく内容がほぼわからないというもどかしさはあるのですが、心で感じればいいですよね(笑)
もし再訪することができたら、絶対予約して内部見学するぞと心に決めました。 -
次に向かったのは、正統派レヒネル流の建物と言われる「シェネスアパート」
1905年から1906年に「ナジィ・イシュトヴァーン」によって建てられた集合住宅です。
ナジィがレヒネルの影響を大きく受けていたことから、この建物は、近代ヨーロッパの特徴とハンガリーの民芸要素が融合した、マジャール・アール・ヌーヴォー様式の住宅建築の顕著な例と言われています。
Thököly út 46 -
美しいアイアンの手すりの付いたテラスや、マジャール・アール・ヌーヴォー様式のモチーフを描いた色鮮やかなジョルナイセラミックの装飾は、この建物の美しさを構成する大きな要素です。
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エントランスの扉の装飾も、とても素敵。木製の扉とガラスに施された錬鉄の装飾はとても優雅で、これぞアール・ヌーヴォーといったデザインです。
このエントランス上のテラス下の装飾もジョルナイセラミック。扉との合わせ技でさらに優雅さを増しています。 -
これは、倉庫の入り口でしょうか?
ハートがいっぱいで、これまたかわいいです。ボロボロではありますが… -
この建物は、レヒネルの影響、ナジィの創造性、そしてハンガリーの豊かな職人技の伝統が見事に融合した素晴らしい建物として、プレートもついているのですが、いかんせん、保存状態が悪すぎです。どうにかならないでしょうかね…。
いくら素晴らしいデザインで、美しい装飾がついていても、あちこちの壁が剥がれ落ちていると魅力が半減しちゃいますよね…。 -
次の目的地はレヒネルの代表作の一つ「地質学研究所」なのですが、そこまで歩いているときに立ち寄った素敵建築です。
これは1905年から1907年に「ライタ・ベーラ」によって建てられた「マロニヤイ邸」です。
「ライタ・ベーラ」はレヒネルの弟子で一番の優等生と言われている人です。
Izsó utca 5 -
レヒネルの一番弟子ですが、この頃からわりとシンプルな外観デザインを取り入れるようになったそうです。
モチロン、装飾を忘れてはおらず、玄関周りなどには凝ったデザインも垣間見られます。 -
その隣の建物にもプレートが付いていました。
これは建築家「カーロイ・ハブリル」の別荘で、1905年に後期歴史主義様式で建てられたと書かれています。
テラスの錬鉄柵のデザインが素敵です。
Izsó utca 7 -
さらに歩くこと10分で、目的の「地質学研究所」に到着しました。雨が結構しっかり降ってきて、歩いて行くのもなかなかつらい状況になりましたが、この建物が見えるや、テンション爆上がりです。
Stefánia utca 14 -
1897年から1899年に建てられた「地質学研究所」は、先日見た「郵便貯金局」、ずーっと修復中の「応用美術館」と共に「レヒネル・エデン」の3大建築と言われる建物で、レヒネルの地位を決定づけた建物の一つだそうです。
数年前までは予約すれば水曜日だけ内部見学できたそうなのですが、今はできません。レヒネルの3大建築はどこもかしこも内部見学できず残念すぎです。 -
波打つ曲線のエントランスには、ジョルナイセラミックで「ハンガリー地質学研究所」と書かれています。
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ファサード中央の切妻屋根も、直線の三角形ではなくうねらせるあたりがレヒネルです。
そして装飾はもちろんジョルナイセラミック。ブルーのセラミックが素敵です。 -
建物側面にもセラミックの装飾がたくさんついています。
屋根はもちろんジョルナイセラミック。ここの屋根はビビットな色合いではなくブルーの濃淡で、シックな感じですね。
この屋根の色と形は古代の「テティス海」(約2億年前ぐらいから、新生代第三紀まで存在していた海)を表しているそうです。 -
外壁についている装飾ですが、よく見るとアンモナイトや古代生物のような生き物そして月だったりします。地質学研究所の建物なので、地質学に関連したモチーフにしているんですね!
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この建物では、人間の肩で担ぐ地球のオブジェが有名なんですが、何と全部布で覆われていました。ま、シルエットはわかりますが…。
「郵便貯金局」の屋根は下からはほとんど見えませんでしたが、こちらは外壁のパネルが高くないので、美しい屋根の模様もちゃんと見えます。
写真右下の小さな塔のようなものは煙突だそうです。ちょっとガウディを思い出します。 -
窓の形も独特です。
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「地質学研究所」の内部の写真を見たことがあるのですが、とてもとても素晴らしくて、見られないのは残念すぎます。なんで見られなくなっちゃったのでしょう…。
「郵便貯金局」は現役の国の機関だから内部見学は難しいかもしれませんが、ここは見せてたことあるんだから、是非是非復活してほしいです。
内部見学が復活したら、ドラえもんに頼んで、どこでもドアで駆け付けます。 -
敷地を囲む門塀も、アイアン、煉瓦、セラミックを巧みに組み合わせて、とてもいい雰囲気です。
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塀にあったプレートもこんなに素敵でした。
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次の目的地は「盲人学校」と「エリザベート女子学校」。「地質学研究所」から歩いて15分ほどです。
その途中で見つけたこの建物は、彫刻家「ザラ・ジェルジュ」のために、1899年から1901年にかけて「レヒネル・エデン」と「バーリント・ソルターン」、「ヤーンボル・ラヨッシュ」によって建てられたアトリエ兼住居だそうです。
Ajtósi Dürer sor 25/A -
家を囲む柵のデザインが可愛かったので、その写真を撮ろうと近づいたら、窓の上にセラミックでできた彫像がたくさんあることにびっくり。
後で調べたら、最初に設計図を描いたのは「レヒネル・エデン」で、ハンガリーの誇る彫刻家のアトリエ兼住居であったことがわかりました。最終的にレヒネルは建設に携わらなかったようですが、レヒネルゆかりの建築には違いないので、ちょっと得した気持ちになりました。 -
雨にもめげず「地質学研究所」から15分ほどてくてく歩いていたら、明らかに普通とは違うフォルムの大きな建物が現れました。目指していた「エリザベート女子学校」です。
1873年に教員養成学校として設立されましたが、その後変遷を重ね、今は「テレキ・ブランカ高等学校」となっています。
アール・ヌーヴォー様式のこの建物は、レヒネルの事務所で腕を磨いた「バウムガルテン・シャーンドル」と「ゾルト・ヘルツェグ」によって1899年から1902年に建てられました。 -
とても大きな建物で「ヘルミナ通り」と「アジョシ・デューラー通り」との角に、デーンと立っています。
この写真はヘルミナ通り側の別館です。 -
アジョシ・デューラー通り側のファサード前の鉄柵は、ドレスを着た女性のようなデザインで、みんなで踊ってるみたいです。
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正面の門のデザインも可愛いですよね。
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「エリザベート女子学院」の隣に立つのが「盲人学校」。同じ「バウムガルテン・シャーンドル」と「ゾルト・ヘルツェ」による建設で、建築年もほぼ同時期の1900年から1901年なので、見た感じはとても似ていて兄弟のようです。
ここに2つの学校を建てた「バウムガルテン・シャーンドル」ですが、全国に300もの学校を建設したそうです。 -
兄弟の様とは言いましたが、こちらの方が装飾は派手で、インパクトがあります。
アール・ヌーヴォーの要素と、ハンガリーの民族的要素が融合していて、まさにマジャール・アール・ヌーヴォーです。ほかの国では絶対見かけないデザインです。
丸窓やゴシックアーチ窓のラインに沿って煉瓦が貼られ、セラミックの植物文様の装飾も施されたこのファサードの装飾は、とても印象的です。 -
扉の装飾も素敵なので、アップにしてみました。
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セラミックの装飾も、とても凝っていて、レヒネルの建物に負けていません。
特にこの深い青の色が、なんとも言えません。 -
本日の建物巡りの最終ポイントは「リストフェレンツェ音楽院」です。
「盲人学校」から5分ちょっとのところにある「エリザベート通り停留所」から70番のトラムに15分ほど乗り「オペラ停留所」で降りて2分ほど歩けば、この「リスト・フェレンツェ」さまにお会いできます。
細長い公園の茂みの中にあるので、すぐに目につくわけではありませんが、生き生きとした銅像です。彫刻家「シュトロブル・アラヨシュ」の作で、音楽院の建物と共に1907年に作られたそうです。 -
「リストフェレンツェ音楽院」は「コルブ・フローリシュ」と「ギールグル・カールマーン」により1907年に建てられた、アール・ヌーヴォー様式の美しい建物です。
設計コンセプトにはフリードリヒ・ニーチェ「悲劇の誕生」の影響があり、全体をデロス島のアポロン神殿と仮定しているそうで、建物正面はギリシャ神殿の特徴である石柱が立ち、内装もアポロン神殿のモチーフやギリシャ神話の象徴的な装飾で統一されているそうです。
建物前の広場には大きなハープの柄のモザイクもあり、誰が見てもここが音楽院であることがわかります。音楽アカデミー (リスト音楽院) 劇場・ホール・ショー
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正面中央に鎮座しているのは、もちろんリスト像。先ほどの彫刻と同じ「シュトロブル・アラヨシュ」の作品です。
この近くにリストが1881年から1886年まで住んでいた建物もあり、かつては音楽院の校舎として使用していましたが、今はリスト記念博物館として一般公開されているそうです。今回は時間と体力の関係で行きませんでしたが…。 -
この窓の装飾がお気に入りです。
窓周りの装飾が昔の音楽家の頭みたいじゃないですか? -
神殿と仮定しているということで、壁面には天使のレリーフがいっぱい。
でもその天使さんたち、いろいろな楽器を持っていたりします。音楽院ですもんね。 -
いよいよ内部見学です。公式HPで日本から予約したのですが、なかなか予約ページが見つからず苦労しました。
中に入るや、目のくらむような装飾に圧倒されます。
「ケレシュフェーイ・クリエシュ・アラダール」によるフレスコ画、ジョルナイ工房のセラミック、「ロート・ミクシャ」による装飾ガラス窓とステンドグラスとモザイク画、「バルトーク・ベーラ」の彫像など、ハンガリー屈指の芸術家たちの作品で溢れているのです。 -
エントランスホールの柱や壁、天井、どこもかしこも細かな装飾が施されています。全体の色彩は、かつて水の精霊たちが訪れた沼地の世界を表しているそうです。
柱の大理石部分とセラミック部分の間にある帯状の装飾には、何気にエオシン釉薬で輝く小さなセラミックが埋め込まれています。玉虫色の輝きというたとえは失礼でしょうか?いい意味でとってください。不思議な色合いの輝きです。 -
エントランスホールにあるこの美しいコーナーは、この建物の建築に携わった名士の銘板とそれを囲む装飾です。
金のモザイクタイルがふんだんに使われ、神々しい雰囲気でたたえられていますね。
モザイク画はもちろん「ロート・ミクサ」の作品です。 -
銘板には、大きく、時の皇帝「フランツ・ヨーゼフ」の名前があります。そして一番下に小さく設計・建築の「コルブ・フローリシュ」と「ギールグル・カールマーン」の名前もあります。
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階段手摺の柱の上の球は、エオシン釉薬が施されたジョルナイセラミックでできていて、不思議な輝きを放っています。館内に22個あるそうです。
ちなみにこの22個の玉を試験前にすべて撫でた学生には、幸運をもたらすという古い迷信があり、ラッキーボールとも呼ばれているとか。 -
ただ「出口」と書かれているプレートなんですが、ここまで装飾する必要あるでしょうかね?美しくて好きですけど。
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クロークコーナーだって、背後の素敵なガラスに目が行きます。
ここにコートいっぱいかけたら、せっかくのガラスが見えなくなっちゃいますね。 -
ここのガラスも素敵です。もはやアール・ヌーヴォーというより、アール・デコ風ですけど。ガラス関係は「ロート・ミクサ」が手掛けています。
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いよいよコンサートホールです。
これまた豪華絢爛、金ピカピカでビックリ -
オペラやミュージカルをやるわけではないので、舞台そのものは小さいのですが、その上に鎮座するパイプオルガンの迫力たるや!!
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これは天井の飾りです。
金色のトリムで囲まれた中に、植物の葉の複雑な重なりを背景に2羽の白鳥がいるというデザインは、自然主義的なモチーフを彷彿とさせます。
でも、この白鳥はアポロンの象徴だそうで、葉っぱは月桂樹に姿を変えられたアポロンの呪われた恋人ダフネを表しているとか。
この葉が重なる感じ、どこかで見たような気がして考えたら、バルセロナのガウディの初期建築の家で見た気がします。 -
どこもかしこも金ピカピカで金閣寺も金色堂もビックリです。豊臣秀吉が建てたんですか?って感じで…。
と冗談はさておき、少々悪趣味のようにも感じるゴールドラッシュのホールではありますが、よくよくモチーフを見ると、可愛いお花だったり、葉っぱだったりして、アール・ヌーヴォーの精神は忘れていないようです。 -
コンサートホールへの入り口扉回りも、惜しげなく金箔で飾られています。
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メインホール脇には「ケレシュフェーイ・クリエシュ・アラダール」による「芸術の泉への巡礼」という美しいフレスコ画があります。
この裸のミューズは、あらゆる芸術作品、彫刻、絵画は覆い隠される可能性があるが、音楽はそうではないことを象徴しているそうです。奥が深いですねぇ -
ロビーから階段への入り口扉も、「ロート・ミクサ」のステンドグラスが華やかさを添えています。
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そしてこちらは、メインホールとは比べ物にならないほど質素な小ホールです。
かつてはあまりに音響が悪いので、学生には不人気だったそうなのですが、今は改修されたそうで、主に学生のコンサートに使用されているそうです。 -
メインホールがあまりに煌びやかだったので質素に感じますが、この小ホールも細かな装飾が施されています。
グレーとベージュを主体としていることもあり、とてもシックです。 -
壁の装飾もすっきりとしていて、こちらのほうが落ち着きますね(笑)
館内の見学がすべて終わると、学生さんのミニコンサートがあり、素敵なクラシック音楽を聞かせてもらえます。学生さんの演奏と言っても、由緒ある音楽大学の学生さんですから、とても素晴らしい演奏でした。 -
「リストフェレンツェ音楽院」のすぐ近くに、マンガリッツァ豚のお料理で有名なレストラン「Menza」があります。そのレストランの入っている建物もアール・ヌーヴォー建築です。
「ヴィダー・エイミル」が1905年に建てた「ヴィダーマンション」です。ヴィダーはデベロッパーとしても活躍していたそうです。
ちなみに予約なしで訪れたところ1時間待ちだったので、諦めました。
(今年、前日に予約を入れ、無事マンガリッツァ豚をいただきました。美味!)メンザ カフェ
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本日の締めは、ドナウ川夜景クルーズです。
日本から予約していた日は、洪水の影響で主催会社側からキャンセルされたのですが、すっかり水も引いて再開したので、再予約しました。
日没の頃に予約すると、マジカルアワーの時間帯から夜景まで楽しめるということだったので、18:30出発のチケットを取りました。観光船発着所 船系
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出向前から徐々に暗くなっていきます。
セーチェニ鎖橋とマーチャーシー教会のライトアップが見えます。 -
まさにマジックアワーのブダ王宮。
まだ暗くなりきっていない空に、王宮が輝いていて、とても素敵です。19:00頃だったかな。 -
19:30にはすっかり真っ暗になりました。
自由橋とゲッレールトホテルです。ホテルは閉業中ですが、しっかりライトアップはしてくれています。 -
ブダペスト工科経済大学も輝いています。
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白い「エリザベート橋」は、オレンジ色の光の中で、一層美しく映えていますね。
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真っ暗になった空の中のブダ王宮です。
クルーズは1時間かけてペティーフ橋からマルギット島までの間を1周します。なので、左右どちら側の席に座っても、ちゃんと建物を近くで見ることができますし、2回写真を撮るチャンスが巡ってきます。 -
光り輝くマーチャーシー教会。そして街の光を受けて水面もキラキラと輝いてとてもきれいです。
ブダペストの誇る風景ですよね。
ブダペストが誇る風景の代表格と言えば、国会議事堂のライトアップですが… -
な・なんと!!!!光っていない。
一瞬わが目を疑いました。
クルーズが半分すぎて折り返した時、気づいたんです。あれ?私国会議事堂見たっけ?って。
その時は、反対方向を見ていたのかな?と思い、折り返しの時にしっかり見ようと国会議事堂サイドにへばりついていたら…暗闇の中にあのドームが…
国会議事堂のライトアップを見たかったのに、大ショック。
だったら最初に言ってよ!…船内放送で言ってたのかもしれませんが…わかんないし… -
でその後さらに気づきました。セーチェニ鎖橋もライトアップされてなかったことを。なんで?なんで?なんで?
セーチェニ鎖橋は、出航時は確か光っていたと思うのに、間近を通過したときは…ほら、光ってない!
ま、リベンジするしかありません。 -
ちょっと凹みながら船を降り、ホテルまでトボトボ歩いていたら途中の「ヨージェフ・ナドール広場」で、不思議なオブジェを発見。
これはハンガリーの二大磁器工房のひとつ「ヘレンド」の「生命の樹」だそうです。
磁器でできているんですね。明かりが灯っていてなかなか素敵でした。
ま、素敵な磁器のオブジェも見つけたし、良かったってことにしようと気持ちを入れ替え、本日の歩き倒しを終了です。
いっぱい歩きました~ -
おまけ
今年リベンジした国会議事堂とセーチェニ鎖橋のライトアップです。
やっぱりこうでなくっちゃ!
今年はクルーズではなく、岸辺を歩いて写真撮りました。
これを見られなかった夜景クルーズ…金返せ!!!(笑)
おっと、お下品ですみません。
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