2025/10/30 - 2025/11/05
58位(同エリア83件中)
青天井さん
1日目:デリー
2~4日目:アムリトサル
4~6日目:ダラムサラ
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けたたましいクラクションの音と日没後の10月にしては体にまとわりつく空気を感じながら、空港の自動ドアが開く。
9年ぶりのインドだ。インディラ ガンディー国際空港 (DEL) 空港
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タクシートラブルに巻き込まれながらもなんとかホテル到着。悪名高きデリー空港。2度目のインドで洗礼を浴びる。(詳細は割愛。結構怖かった)
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翌朝、国内線でアムリトサルへ移動。
今回の旅の目的のひとつは、この街の黄金寺院で無料のカレーを食すこと。
寺院への参道が映画のワンシーンのようだ。 -
黄金寺院はシーク教の総本山。
ターバンを巻いている人がシーク教徒。
言ってしまえば、日本人のイメージの中にあるインド人がいっぱいいる場所だ。
写真には写ってないが、この辺りも野犬がめちゃくちゃ多い。 -
良くも悪くもインドらしからぬこの佇まい。
白が朝日に映え美しい。
ちなみに大気の汚染度を表すAQIはこの日300超え。
著しい健康被害が出るレベルだ。
そんなことは置いといて、白が綺麗だ。 -
寺院内部へは無料で入れる。
シーク教寺院に限らず、ヒンドゥ教やイスラム教の寺院も祈りの場へは靴を脱いで入る。
面白い共通点だ。 -
さまざまな宗教に寛容なシーク教寺院には、いろんな宗教の人たちが観光にもきてた。
裸足になり、何千人もが足を濯いだ濁った水場で足を清め、内部に入っていく。
人の熱気もあってか、水は早朝にもかかわらず既に緩くなっていた。 -
内部は建物に囲まれた内側に池があり、その中央に本殿がある構造。実際に金を施しているらしく、まさに黄金寺院だ。
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何千人もが池の周りを時計回りに歩く。
外の喧騒が嘘のように、寺院の内側は静かな空気に包まれる。
大理石の床に裸足で歩く音がペチペチ響いていた。 -
祈りとは何か。何に祈り何を欲するのか。誰がために祈るのか。
日本じゃ普段考えないことを考えながら黙々と歩く。
大理石の冷たさが足裏に心地よく、頭も冴え渡る気がした。 -
池の水は深く緑色に濁りきっていた。
写真のおじさんは、手で池の水をすくい一口飲んだ。
信仰心の厚さと彼の健康面への心配とで、呆気にとられた瞬間。 -
無料のカレーをいただく。
シーク教徒に限らず誰でも利用でき、費用は全て寄付で賄われている。
「聖者たちの食卓」という映画にもなっている。 -
インドの人たちと床に座って一緒にカレーを食べる。
ただそれだけで、浮世を忘れ少しだけ自由になれる気がした。 -
チャパティを置く位置を間違えたため、本来チャパティを置く一番大きい場所に大量のルーを注がれた。
腹が苦しくなってきた僕をみて、配膳係は「おかわりか?」と言う。
(残すのは厳禁なのでこの後詰め込みました。味はめちゃくちゃ美味しいです。) -
黄金寺院の本殿に向かう。
ここがものすごく混む。
「並ぶ」という概念がないのか、少しでも隙間を空けると、横から後ろから割り込みが入る。
ライブ会場のようなこの状態でゆっくりゆっくり1時間以上かけて進む。 -
この門から先は撮影禁止。
寺院内ではシーク教徒以外も髪の毛をスカーフのようなもので隠す必要がある。
他の宗教の人たちは慣れてないので給食当番みたいになる。 -
無論私も例に違わず髪の毛を隠す。
日本から持参した、柴又帝釈天の手拭いの真価が発揮された貴重な一枚である。 -
人々は祈る。古今東西、何かに祈る。
シーク教徒も祈る時には胸の前で手のひらを合わせる。日本人がよく知る仏教と同じだ。
祈る対象は違えど、その祈り方に不思議な親近感を覚え、ペチペチと音のする黄金寺院を後にした。 -
寺院参道の脇道を行き、適当に歩く。
薄暗い商店街には、お土産屋さんが並ぶ。 -
ヒンドゥ語なのかパンジャビ語なのかわからないが、この手の文字は読める気がしない。
文字の切れ間がわからない。 -
トゥクトゥク、絵になるなー。
乗ると法外な金額ふっかけられてトラブルになること多いから、いつも羨ましく横目に見ている。 -
参道の入口からタクシーで旧市街へ移動。
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旧市街にアムリトサルのご当地ラッシーを飲みにきた。
海外の旧市街ってのはいいね、治安は少し悪いところもあるけど、人々の生活が、熱気が直に伝わってくる。 -
ラッシー屋さん(Gian di lassi)。並び方とかよくわからないけど、とりあえず注文する。胡座を描いたおじさんが、ラッシーにチーズを入れる。
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1杯100円ほどのラッシー。
日本のインド料理屋さんで飲むラッシーより遥かに濃くて美味しい。
チーズも邪魔せずアクセントになってて、今まで飲んだラッシーの中でもトップクラスに美味しい。
ここは滞在中何度も来ました。 -
ホテルのチェックインや休憩を挟んで、晩ご飯を食べる。魚のフライ(スパイス風)とマトンカレー。
めちゃくちゃ美味い。以前も思ったがインドは食べ物が美味い。 -
一夜明けた。
午前4時過ぎに急な腹痛で起き、盛大にお腹を下す。
街に出ようにも頭痛と倦怠感と腹痛で動けない。
いつかくると思っていたインドの洗礼(その2)が容赦なく襲いかかってくる。 -
やっとの思いで薬局に行き、症状を伝え5種類ほど薬を出してもらう。処方箋なしに医療用の薬を売りつけるあたりさすがはインド。
酷くなる頭痛と腹痛そして発熱、店の人の説明が全く頭に入らない。
朦朧とした意識の中、気がついた時にはホテルのベッドの中でうなされていた。 -
解熱鎮痛剤を除いた、腹痛(腹下し)用の薬がなぜか4種類もあった。
飲むしかないから飲む。後から知ったが、なぜか性感染症の薬が含まれてた。
知らぬ土地で原因不明の体調不良。
流石にこの時ばかりは少し日本が恋しくなった。
外の月はスーパームーン間近らしい。 -
翌朝、車で5時間移動してチベット亡命政府がある(ダライ・ラマがいる)ダラムサラへ向かう。
熱は下がったものの、お腹の調子は相変わらずだ。 -
平地から標高2,000mの山間の街に向け走っていく。
ボコボコの道を走り、僕が車の天井に頭を打ちつけようともドライバーは構わず飛ばしていく。 -
スロードライブ ロングライフの文字とは裏腹に、先の見えないカーブ手前でもお構いなく追い越しをかけるトラック。
高速道路でも、牛がのんびり歩いてたり、バイクのノーヘル二人乗りがいたり、逆走車がいたり。
1回の瞬きで見る光景の中に、日本の全国ニュースに載る案件がいくつもあった。 -
舗装されていない道を行く。
弱りきった体とまとまらぬ思考の中で「どうしてもダメなら外ですればいいや。」と、34歳にして初めての境地に辿り着く。
きっとこの時は穏やかな顔をしてたに違いない。 -
薬が効きすぎてくれたのか、奇跡的に社会的尊厳を失うことなく目的地に到達。
標高1,800mから2,000mくらいまで段階的に街が広がる。
平地と比べると断然道が狭い。
街にはチベット仏教の袈裟を着たお坊さんが確認できた。 -
意図せぬ20時間断食を敢行したこともあり、異常に腹が減る。日本食が恋しくなったこともあり、カフェのメニューにあったキムチラーメンを食べる。
これが良くなかったのか、ホテルチェックイン後にトイレに篭ることになる。 -
カフェの飼い犬。白くてふわふわでかわいい。
店の左奥の椅子の下が定位置らしい。 -
こちらは野犬。のそのそと店に入ってきて、僕の向かいで寝始めた。
標高が高いこともあり、野犬も毛が長いふわふわの犬が大半を占める。
この頃になると野犬が怖いという感情はなくなっていた。 -
カフェを後にし、ホテルに向かう。
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ホテルのバルコニーからの景色。
大気汚染の関係で、先ほどまでいた街が白く霞がかって見える。
夕陽も相まってそれは不思議と綺麗だと、僕はそう感じた。 -
ホテルの徒歩圏内のヒンドゥ教寺院を歩く。
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境内の置物がかわいい。
部屋の中で煙を焚いて祈る薄暗い部屋に入るが、息苦しくなって外に出る。
一酸化炭素の濃度が上がってるから危ないと思う。 -
明日はいよいよチベット仏教の一端に触れる。
夕陽と霞が白くまどろむ乳白色の空にはパラグライダーが飛んでいた。
未だ治らぬこの腹痛がどこか優しく溶けていくような、そんな空の色だった。 -
インド4日目の朝。ダラムサラの夜が明ける。
朝は大気汚染が落ち着いていることもあり、空気が澄んでいる。 -
バルコニーから反対側を見ると少し雪を蓄えた山が見える。昨日はここに山があることすらも大気の関係で見えなかった。
鳥の声と川の流れる音、そしてこの景色。
この時間この空間にあったのはただそれだけだった。 -
ここはダラムサラの中心地(マクロードガンジ)。
チベット人の顔つきは東アジアの系統で、ずっと堀が深く色黒でギョロ目のインド人中にいたからかなり落ち着く。 -
1948年に中国共産党が、現在のチベット自治区に侵攻しチベットの人たちが逃げてきたのがこの地。
いろいろ旅をしてきたけど、悲しい歴史のない土地なんてこの世にないんだと思う。
そう考えると人間の欲望の浅ましさに嫌気がさす。 -
みんなの味方「PHARMACY (薬局)」の文字。
最高だよこの街。 -
自然もいいけど、人の生活を感じられるゴミゴミした景色がなんとなく好きだ。
そこに美なんかあるはずないのに、全体で見ると退廃的な美を感じる。
日本は公共インフラや公衆衛生がしっかりしてて、普段見ない景色だからかな。 -
何歳かもわからない、おじさんかおばあさんかもわからないチベット仏教徒が杖をつきながら歩いてた。
言葉が通じれば、この土地で何を思い誰がために祈るのか、それを聞いてみたかった。 -
この旅で最大級に太った野犬。黒柴のような眉がある。
トテトテ歩いて可愛かった。
それにしても餌やりすぎだろ。 -
ダラムサラは野犬がかわいい。
本当に飼い犬レベルにかわいい。
ただ彼らも僕も狂犬病予防の注射を打ってないので、噛まれた時点で僕の帰国は怪しくなる。 -
露店に沿って緩やかに降って行く。
この先にダライ・ラマの住んでいる寺院がある。 -
ダライ・ラマ法王庁舎から、まるでRPGの世界に入ったかのような景色。
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インドで始まった仏教は、その後各方面に散らばって後に日本にも伝わることになる。
インドでは歴史的背景から仏教が淘汰されたこともあり、チベット仏教が最も初期の仏教の名残を残しているとされる。
施設内では五体投地で祈りを捧げる人たちがいた。 -
腹痛に伴い社会的尊厳を捨てかけたこの日本人めが、ダライ・ラマに会ってみたいなーと呑気なことを考えながらマニ車を回す。
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法王庁舎と言いつつ、祈りの場と生活の場がすぐ隣り合わせになっている。
集合住宅のような学生寮のようなそんな感じ。 -
チベット仏教といえばこのタルチョ。
5色あって、火とか水とか風とか自然を表す色で、旗が風になびく度に読経した効果があるとされているらしい。 -
ロープーウェイが残念な気もしなくもないが、風にはためくタルチョをカメラに収めることができた。
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違う場所にある寺院へ向かう。
建物の中はチベットのお坊さん達がいた。
質素な日本のお寺とは違い、まさに極彩色を使い、仏像も金色に輝く寺院内。
チベットの厳しい環境下では、シンプルな色合いよりも信仰の対象として人々の心に刻まれるのだろう。 -
裏側には居住エリア。
本当に生活と宗教の距離が近い。 -
チベット仏教博物館でチベット仏教の歴史を勉強した後に、この旅最後のチベット寺院へ。
宗派が異なるのか、今までの寺院よりも大きい。 -
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チベットの旗がはためく。
チベット寺院の祈りの場では撮影しなかった。こういう場でしばしば思うのは、何にカメラを向けるかよりも何にカメラを向けないかの方が大切だということ。
僕はジャーナリストではない。
旅行者としてカメラを持つ人の品格が問われる瞬間だと思う。 -
ダラムサラ最終日はキングフィッシャービールと日本のローソンで買って持ってきた、おしゃぶり昆布梅で飲む。
水分であれば酒も飲めるようになった。
異国での体調不良から立ち上がった自分に変な自信を感じた。 -
インド5日目の朝。
相変わらずダラムサラの朝は空気が澄んで気持ちがいい。
昨夜はインド人の団体がホテルの庭でパーティをしてた。踊り子なども来てて、爆音の演奏は22時過ぎまで続いた。
おかげてよく眠れませんでした。 -
勝手にヒマラヤ山系の山だと思ってるけど、この景色も最後ですか。
僕にとって愛媛の美しいみかん山の風景が日常であるように、この辺りの人たちにとってはこれが日常の景色。
すごく贅沢だ。 -
また車で5時間かけてアムリトサルに戻る。
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高速道路の牛。
彼は一応隅っこに座ってる。
我が物顔で真ん中を歩く強者もいた。 -
この日中にアムリトサルから国内線でデリーに行き、デリーに泊まる予定。合計7時間近くの国内移動。
明日はデリーでお土産探しの日だ。 -
インド最終日の朝。
山間部のダラムサラから戻ると、デリーは改めて大都会だと実感する。
この日の朝、やっと果物以外の固形物が食べられるようになった。 -
お土産行脚。
欲しいものがありすぎる。
自分用の綿のシャツも買っときゃよかった。
今度から悩んだらアクセル踏んでしまおう。 -
子どもの頃、新幹線の駅にドキドキワクワクしたように、9年前のインドでは国際空港にときめきを覚えていた。
月日が経ち、大きな国際空港で迷うこともなく何のときめきも感じなくなった自分に、成長と少しの寂しさを感じつつ帰国の途につく。 -
CAさんの着陸体制を予告するアナウンスで目を覚ますと、目の前にはこの風景。
そこには美しい日本の景色を見ながら、車のクラクションや土埃のすごかったインドの街並みを思い出し懐かしむ自分がいた。 -
※※※※※※エピローグ※※※※※※
普段宗教とは無縁の僕は海外に来る度にその信仰の厚さに驚かされる。
人々はなぜ祈るのか。自分のためか人のためか。
自分のためであるなら、それは卑しい欲ではないのか。
人のためであるならば、なぜ争いは続くのか。
毎回わからないことが多すぎて考えている間に帰国になる。
生と死、夢と現、科学と非科学。
白黒つけられない表と裏のちょうど境目。
人間が知覚することのできないその隙間に、人々は何かに希望を見出しているのかなあ。
そこには正解や不正解なんてあるわけないと、僕は思うわけです。
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