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大阪府八尾市の中核をなす近鉄大阪線近鉄八尾駅の南側一帯は、江戸時代に八尾御坊大信寺と慈願寺を中心として形成された八尾寺内町を礎として発展した地域になります。<br /><br />宝永元年(1704年)に大和川が付け替えられたことにより、それまで旧大和川(現在の長瀬川)の舟運に依存していた地区が衰退すると、その地区の住民や商人たちがこぞって八尾寺内町に移り住んだことから、数多くの商家が軒を連ねる在郷町として繁栄しました。<br /><br />現在、最も古い町並みが残る東本町2丁目付近の旧八尾街道沿いには、虫籠窓や千本格子などをしつらえた伝統的な町家が点在しています。<br /><br />そんな中で最も目を惹きつけられるのは、江戸時代に河内木綿で財を成した木綿問屋の建物を買い取った『與兵衛桃林堂』という和菓子屋さんのお店で、八尾街道と立石街道・おおと越の辻に建つ大和棟造りの豪壮な建物には、近鉄八尾駅前のこんな場所によくもまあ残っているものだと感動してしまいました。

2025 八尾散歩

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2025/02/09 - 2025/02/09

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nao

naoさん

大阪府八尾市の中核をなす近鉄大阪線近鉄八尾駅の南側一帯は、江戸時代に八尾御坊大信寺と慈願寺を中心として形成された八尾寺内町を礎として発展した地域になります。

宝永元年(1704年)に大和川が付け替えられたことにより、それまで旧大和川(現在の長瀬川)の舟運に依存していた地区が衰退すると、その地区の住民や商人たちがこぞって八尾寺内町に移り住んだことから、数多くの商家が軒を連ねる在郷町として繁栄しました。

現在、最も古い町並みが残る東本町2丁目付近の旧八尾街道沿いには、虫籠窓や千本格子などをしつらえた伝統的な町家が点在しています。

そんな中で最も目を惹きつけられるのは、江戸時代に河内木綿で財を成した木綿問屋の建物を買い取った『與兵衛桃林堂』という和菓子屋さんのお店で、八尾街道と立石街道・おおと越の辻に建つ大和棟造りの豪壮な建物には、近鉄八尾駅前のこんな場所によくもまあ残っているものだと感動してしまいました。

同行者
一人旅
交通手段
自家用車 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • 近鉄大阪線近鉄八尾駅の南側の町並みにやって来ました。<br /><br />こちらは、八尾寺内町の豪商が江戸時代中期に設けた「環山楼(かんざんろう)」という私塾です。<br /><br />「環山楼」は市内に現存する唯一の学塾だそうで、現在の場所に移築保存して一般公開されています。

    近鉄大阪線近鉄八尾駅の南側の町並みにやって来ました。

    こちらは、八尾寺内町の豪商が江戸時代中期に設けた「環山楼(かんざんろう)」という私塾です。

    「環山楼」は市内に現存する唯一の学塾だそうで、現在の場所に移築保存して一般公開されています。

  • 名前の由来は、享保12年(1727)に京都の儒者:伊藤東涯が学舎から見た、高安、二上、金剛の山なみの景観にちなんで「環山楼」と名付けたといわれています。

    名前の由来は、享保12年(1727)に京都の儒者:伊藤東涯が学舎から見た、高安、二上、金剛の山なみの景観にちなんで「環山楼」と名付けたといわれています。

  • 八尾市のカラー版の汚水桝の蓋。<br /><br />「河内木綿」伝承の地である八尾市を象徴して、八角形の内側に糸車で糸を紡ぐ姉さんかぶりの女性を描き、その周囲に市の花「キク」と木綿の実がデザインされています。

    八尾市のカラー版の汚水桝の蓋。

    「河内木綿」伝承の地である八尾市を象徴して、八角形の内側に糸車で糸を紡ぐ姉さんかぶりの女性を描き、その周囲に市の花「キク」と木綿の実がデザインされています。

  • ここからは、最も古い町並みが残る東本町の町並みを歩きます。

    ここからは、最も古い町並みが残る東本町の町並みを歩きます。

  • 晒葺屋根の門を構えた町家です。

    晒葺屋根の門を構えた町家です。

  • その町家の土蔵には、白漆喰塗籠めの重厚な庇が付けられています。

    その町家の土蔵には、白漆喰塗籠めの重厚な庇が付けられています。

  • 東本町の町並みの中で最も目を惹きつけられる、『與兵衛桃林堂』という和菓子屋さんのお店に差し掛かりました。

    東本町の町並みの中で最も目を惹きつけられる、『與兵衛桃林堂』という和菓子屋さんのお店に差し掛かりました。

  • 『與兵衛桃林堂』さんは、大正14年(1925年)にこの地で創業した「桃林堂」の経営権を、同じ創業家が経営する別会社に譲渡する形で経営を分離した後、平成18年に従来の屋号の前に創業者の名前を冠した『與兵衛桃林堂』の店名で、改めて営業を始められたんだそうです。

    『與兵衛桃林堂』さんは、大正14年(1925年)にこの地で創業した「桃林堂」の経営権を、同じ創業家が経営する別会社に譲渡する形で経営を分離した後、平成18年に従来の屋号の前に創業者の名前を冠した『與兵衛桃林堂』の店名で、改めて営業を始められたんだそうです。

  • 『與兵衛桃林堂』の店名が書かれた行燈。

    『與兵衛桃林堂』の店名が書かれた行燈。

  • こちらがお店の入口になります。

    こちらがお店の入口になります。

  • 入口横には営業案内が掲げられています。

    入口横には営業案内が掲げられています。

  • 元々江戸時代に河内木綿で財を成した木綿問屋の建物だったものを、大正時代に買い取って「桃林堂」を創業したんだそうです。

    元々江戸時代に河内木綿で財を成した木綿問屋の建物だったものを、大正時代に買い取って「桃林堂」を創業したんだそうです。

  • この、大和棟造りの茅葺屋根の主屋は、18世紀前半頃の建築とされています。

    この、大和棟造りの茅葺屋根の主屋は、18世紀前半頃の建築とされています。

  • でも、こんな見事な大和棟造りの町家が、近鉄八尾駅前のこんな場所によくもまあ残っているものだと感動してしまいました。

    でも、こんな見事な大和棟造りの町家が、近鉄八尾駅前のこんな場所によくもまあ残っているものだと感動してしまいました。

  • 大和棟造りの店舗入口には、『與兵衛桃林堂』と染め抜いた暖簾が掛けられています。

    大和棟造りの店舗入口には、『與兵衛桃林堂』と染め抜いた暖簾が掛けられています。

  • 『與兵衛桃林堂』さんのお店の前の、八尾街道と立石越・おうとう越の分かれ道となる辻に立っている道標です。<br /><br />道標面には、「右、かしわら/信貴山/左 十三越 をうとう越」、「右、ひらの/大坂」などの文字が刻まれています。

    『與兵衛桃林堂』さんのお店の前の、八尾街道と立石越・おうとう越の分かれ道となる辻に立っている道標です。

    道標面には、「右、かしわら/信貴山/左 十三越 をうとう越」、「右、ひらの/大坂」などの文字が刻まれています。

  • 東本町の町並みです。

    東本町の町並みです。

  • こちらは町家を使ったカフェです。

    こちらは町家を使ったカフェです。

  • 板張りの腰壁が美しい町家です。

    板張りの腰壁が美しい町家です。

  • 三堂学舎址の石碑がブロック塀に埋め込まれています。<br /><br />三堂学舎は明治11年(1878年)に個人によって開かれた私塾で、主に漢学を教えていたそうです。<br /><br />ここに来て最初に見た、市内に唯一現存する「環山楼」と同様の学塾だったんでしょうね。

    三堂学舎址の石碑がブロック塀に埋め込まれています。

    三堂学舎は明治11年(1878年)に個人によって開かれた私塾で、主に漢学を教えていたそうです。

    ここに来て最初に見た、市内に唯一現存する「環山楼」と同様の学塾だったんでしょうね。

  • くぐり戸の付いた門を構えた町家です。

    くぐり戸の付いた門を構えた町家です。

  • 塀の上に頭を出す槇の木から推測すると、中にはお庭がしつらえてあるように思われます。

    塀の上に頭を出す槇の木から推測すると、中にはお庭がしつらえてあるように思われます。

  • 主屋と土蔵が繋がった町家です。

    主屋と土蔵が繋がった町家です。

  • こちらは、江戸時代に河内木綿商を営んでいた、八尾を代表する豪商の建物になります。

    こちらは、江戸時代に河内木綿商を営んでいた、八尾を代表する豪商の建物になります。

  • 虫籠窓のある主屋の前面には、狭い格子の駒留がめぐらされています。

    虫籠窓のある主屋の前面には、狭い格子の駒留がめぐらされています。

  • 河内木綿商のお屋敷の全景です。

    河内木綿商のお屋敷の全景です。

  • こちらは、河内木綿商のお向かいのお宅の門になります。<br /><br />門に繋がっていた部分は解体され、この部分だけがポツンと建っています。

    こちらは、河内木綿商のお向かいのお宅の門になります。

    門に繋がっていた部分は解体され、この部分だけがポツンと建っています。

  • 塀越しに頭を出す土蔵造りの建物です。

    塀越しに頭を出す土蔵造りの建物です。

  • 東本町の町並みです。

    東本町の町並みです。

  • 門の瓦屋根と土蔵の庇が一体として造られています。

    門の瓦屋根と土蔵の庇が一体として造られています。

  • 厨子2階部分に小さな窓を開けた町家です。

    厨子2階部分に小さな窓を開けた町家です。

  • 塀越しに趣のある屋根が見えてきました。

    塀越しに趣のある屋根が見えてきました。

  • トタン板に葺き替えられていますが、元は茅葺屋根だったのではないかと想像されます。

    トタン板に葺き替えられていますが、元は茅葺屋根だったのではないかと想像されます。

  • 東本町の狭い範囲に絞って歩きましたが、とても見応えのある町並みでした。

    東本町の狭い範囲に絞って歩きましたが、とても見応えのある町並みでした。

  • では、これで八尾の町歩きを終わります。

    では、これで八尾の町歩きを終わります。

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