推しのチームを見守る旅をしてみたい、といわゆるアウェイツーリズムに夫は憧れていました。ここ2～3年、旅する理由を推しチームに擦りつけて、日本のあの街この街を訪れています。なお、転校の多かった自分にとってゆかりのある町はたくさんあるけど、推しのチームは雪国をホームタウンとするフットボールクラブです。自分たちの思い出を忘れないようにメモのような構成で、この場をお借りします。すみません。

ご当地麺と蹴球アウェイツーリズム（リーグカップ1stラウンド1回戦の巻）天然温泉南部の湯ドーミーイン本八戸に泊まる

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2025/03/20 - 2025/03/23

431位(同エリア825件中)

エリア

八戸(青森)

昨晩は勤め先の送別会に参加して、痛飲した夫ですが、朝7時台の東北新幹線には無事に乗れました。
今回の推しチームは、八戸をホームタウンとするチームと試合をします。
那須塩原の電留線で休んでいる新幹線を見下ろしつつ、那須の山々の美しさに感嘆して北へ。
2時間半で八戸へ到着しました。あっというま。
改札内待合室には新幹線（e5系）カラーのマッサージチェアあり。
ホームを見下ろしなから体をほぐしてもらうなんて、のりもの好きで、体が凝りまくっている夫には至福でしょうが、うーん、旅は始まったばかり。がまん。

待合室のベンチはカモメ、じゃなくて八戸ならウミネコか。
待合室に沿って並ぶベンチも鳥のシルエットです。
待合室の外側に座る方々にも暖を提供するために、頭上にハロゲンヒーターというのが、寒い地域ならでは。
地元の方々によるウェルカム感が嬉しい改札です。
旅の初っ端から購買意欲が旺盛なことに。以下、改札内改札外のショップをハシゴして購入した品々です。

左がご当地パンの「イギリストースト」でスタジアムでゲームを試合を見守りながら食べよう。
右が「なかよし」というネーミングにほっこりするイカの珍味です。なかよしは青森滞在のあいだ、夫婦の大ヒットになります。

そして、「せんべいのみみ」は、酒の肴として期待したけどイメージしたのと違う。旅を終えてから自宅で味噌汁の具として、堪能しました。煎餅汁のように。
駅コンコースには、トイレットペーパーの芯で作ったイカたち。素朴さにしみじみ。
そのイカを見つめるように、八戸で出土した国宝（のレプリカ）である「体育座りの土偶」がいました。いや、「合掌土偶」というロマン溢れる名です。
市内の是川縄文館に行けば、こいつの分身（いや本物）に会えますが、八戸滞在中に行けるかどうか。
NewDaysの向こうには、さらに八戸を代表するやつが見えます。
2頭のでかい八幡駒である。
・・・会津でデカい赤ベコと出会って、民芸玩具は巨大化しちゃだめ、と思ったことを思い出した。

スタジアムは八戸駅から遠いけど、送迎シャトルバスが運行されるとお相手チームの公式サイトに紹介されていました。それは嬉しい。10:50発が2台、11:40発が1台で、各車44名が定員という。足りるのかな？
10:50の便を利用します。相手チームさんの名を掲げてある。緑と赤がチームカラーか。
補助席もフル活用して満席で出発しました。なんと、このバスの運賃は無料です。運転手さんからアンケート用紙を渡されましたが、「運賃を請求して下さい」と記入しちゃいました。太っ腹にびっくり。
八戸の中心街を経由して進みます。見かけたこのバス停・・・「二十三日町（にじゅうさんにちまち）」だって。何日まであるのかな？
なお、途中「市庁前バス停」にも停車するシャトルバスですが、待っている客に「満席です」と説明するために、とにかくそのバス停へと向かっているのです・・・
1時間ほどのバス旅でスタジアムに到着しました。今回、チケットを予約したバックスタンドゾーンは芝生席なので、持参したクッションを敷いて見守ろう。

何で辺鄙なところにぽつんとスタジアムを作ったのか、と首を傾げましたが、ゲームの合間合間のアナウンスによると、メインスタンドのあのビルが、津波の到来した時の避難所や備蓄倉庫を兼ねていて、東日本大震災の教訓から誕生したという。
キックオフが近くなりバックスタンドには、だんだん人が増えてきた。八戸市長さんがアウェイサポーターを歓迎する挨拶をするも、チーム名を間違えてブーイング浴びて、平謝りする一幕も。微笑ましい雰囲気作りのためにわざとだね？
今日の試合はリーグとは別大会で、昨年なんて推しチームが準優勝で終えたのである。が、しかし、今日の試合はもどかしい。

海上自衛隊の八戸飛行場から飛ぶ機体の通り道らしく、スタジアムをかすめるように旋回する姿に気が散ってしまう。
試合だけを見守りたいところだけど・・・
今日の動員が3,124名ということは、3台運行されたシャトルバスの定員は44名✕3だから、残り3,000名弱はマイカーあるいはタクシーで来場した、ということか。

このスタジアムは風が強いので段々と体が冷えてきた。
90分でも延長30分でも勝敗は決まらず、推しチームサイドでのPK戦へ。
PKを制して喜ぶイレブンたち。とりあえず次のステージには進めることにはなったけど・・・

シーズンオフにGKが2名も移籍して、新たなボスもプロチームの監督経験ゼロの人を抜擢して、そのせいにしたくないけど、今日のゲームを見たら不安が残る。
復路も無料シャトルバスのお世話になりました。下車したのは八戸駅から離れた中心街です。
今宵の宿はドーミーイン！
おじゃまします。SNSによると、スタジアムで靴底にくっついた芝が、八戸のホテルそこかしこで、落ちていたという。ドーミーインもそうでした。って、うちら夫婦のせいかも・・・

ドーミーイン4大無料サービスの1つめ、ウエルカムドリンクには青森県ならではのメニューもありました。
青森県産100％のりんごジュース！
いつものドーミーインならではの部屋です。外扉を開けると、さらに内扉がある。左には洗面所、冷蔵庫、ケトルとマグカップが入った棚、右にはトイレとシャワーブース。
いつものベーシックなダブルルーム（14.8㎡）で、シモンズ製ベッド（140㎝×195㎝）とのこと。
背もたれありの椅子が1脚あります。
そしてスツールが1脚あり。1人ならオッドマンにするもよし、2人で泊まっても、それぞれ座る椅子があるのがドーミーイン。
さりげなく扉に取り付けたタオル掛けが嬉しいドーミーイン。
「夕飯はどうする？」「八戸は鯖が名物だけど今年は不漁だって」「近くにあっさりとしたご当地ラーメン屋あるみたい」八戸駅で頂戴したパンフレットで狙いを定めて、やって来たのがこちら。
ホテルから歩いて3～4分ほど、こじんまりとした飲食店が集まる「みろく横丁」にラーメン屋がありました。もちろん、顔ハメパネルには妻が収まり記念撮影は忘れずに。
まずはビールを呑みながらラーメンを待つ。

この旅のご当地麺→「八戸らーめん」です。あっさりしょうゆ味で、煮干しの風味（鶏ガラもプラス）のスープと、自家製麺という細ーいちぢれ麺が印象に残りました。

でもね、こんなにやさしい味なのに、胃もたれのつづく夫は完食するまで時間を要しました。昨晩、どれだけ呑んだのよ。
夜の街を徘徊せずにドーミーインに帰ろう。
ただいま。
今日は昼がリーグカップ杯、夜には日本代表の試合があるフットボールの日です。部屋でTV中継を見よう。今日の結果によっては2026年北中米ワールドカップへの出場が決まるかもしれない。
今日の推しチームのゴール裏には、リーグカップと代表の同日開催への疑問を呈した弾幕か掲げられていたけど。
前半を0−0で折り返したところで、推しチームよりは代表への熱量が低いのか、うずうずして13F最上階の大浴場「南部の湯」へ。
地下800メートルから汲み上げた自家源泉で、ナトリウムー塩化物泉（低張性アルカリ性低温泉）とのこと。
https://dormy-hotels.com/dormyinn/hotels/honhachinohe/spa/
ホテル公式サイトでは露天風呂からの夜景を推しており、確かに一望できました。
3月後半とはいえ、まだ冬の様相を残す東北ですから、サウナ→水風呂のあとの外気浴の空気は、寒い寒い。けど、ととのうには良い。
南部菱刺しの下にドーミーイン4大無料サービスの2つめ、アイスキャンディ。ありがとうございます。
湯上がり処にマッサージチェアが2台あり。
コミックは少ないかな。
部屋に戻ったら、ちょうどカマダのゴールシーンでした。勝ったな。祝杯は・・・昨晩の痛飲のせいで、少しだけにしときます。八戸酒類の「如空」を。それにしても、八戸駅で購入した「なかよし」が美味い。安くはないけど（890円）、八戸産のイカ、しかも秋に水揚げされたイカというこだわり、納得です。チーズとのハーモニー、噛み応えと大きさも絶妙です。青森旅では毎晩毎晩、肴にするのであった。
さて、ドーミーイン4大無料サービスの3つめ、夜鳴きそば！ドーミーインの名物ですね。

さっきの八戸ラーメンとハシゴだ！明日の胃腸のために、今回はパスしたら？と思いましたが、ついつい。
おはようございます。八戸（青森）の朝銭湯文化を存じ上げていたので、地元の銭湯に行きたいところだけど、宿泊したのが大浴場が自慢のドーミーインだから、こちらで一石二鳥とします。
露天コーナーにある壺風呂の温度設定が不安定で申し訳ありません、と貼り紙ありましたが、他の湯船を満喫したので良し。
湯上がりはマッサージチェアへまっしぐら。
あー。くーっ。部屋に戻ると「温泉に入って顔色良くなったね」と妻は言う。
昨晩のアイスコーナーは封印されて（左）、朝はドーミーイン4大無料サービスの4つめ、乳酸飲料（右）が登場しました。
ドーミーインの店舗によって、乳酸飲料のブランドが違うのです。本八戸は「WHITEおなかにエール」を採用していました。
チェックアウト前にこの部屋からの眺望を。ドーミーインは館内だけで満足できるので、眺望は二の次でOKですが、なかなか良い。こちらと反対側の方向はもっと広い風景が見えます。
それがこれ。最上階エレベーター前から見る八戸市の夜景です。※もちろん、昨晩の写真です
お世話になりました。痛飲して体調よろしくない夫を癒やしてくれてありがとう。

フットボールだけで八戸を離れるのは勿体ない。少し観光もします。マンホールは八幡駒のデザインだ。
八戸市美術館にも行きたいところだけどパス。
美術館の斜め向かいに小便小僧が佇む。その後ろの碑は明治天皇行在所舊阯だという。
八戸城址も横目にてくてく歩く。
ドーミーインから徒歩15分ほどで本八戸駅へ来ました。新幹線の走る八戸駅は郊外で、市の中心部はこちら。「八戸の大ファンになって帰るのは、あなただけではないらしい」と自信満々な、お見送りがある。
八戸線で東へと向かいます。
ここ陸奥湊駅で下車しました。
駅前にはにこやかな「イサバのカッチャ石像」がお出迎え。魚に携わる職に就くおかあちゃん、という意味だという。そしてカッチャの後ろの建物にて朝メシとします。
その名も八戸市魚菜小売市場である。
ここにもカッチャだ。顔ハメパネルの真ん前にバイクを停めるおおらかさ・・・

お盆を持って、場内の各店舗でおかずにしたい魚介をピックアップする、ここんとこ旅番組でよく見るスタイル。
ご飯と味噌汁はこちらで買う。食堂は10時頃までの営業だというので、間に合うかな？とやや心配でしたが、米を追加で炊いているところでした。お客さんの出入りを見て適宜、閉店時刻を延ばしているようです。
10時をすぎても、まだまだ盛況でした。飛び石とはいえ連休だからかな。推しチームのサポーターもちらほら。
夫婦の買い集めたチョイスはこちら。
焼き魚よりも、つまみ系の趣向です。これらに筋子もあれば色彩的にも素晴らしいが。ちょうど良いボリュームのやつに出会えず。
味噌汁の具は豆腐とめかぶです。しみじみと啜りました。
大きいシラウオとめかぶ、とびっこの和えたやつ。
イカは甘くてコリコリしています。そして、シーズンではないけど、せっかくだから、三陸名物の焼きウニを。かつてデパート物産展で食べたやつよりイケる。ちなみに、この朝食で単価がいちばん高いのがこちら。※1つ450円
八戸づくりの濃厚いか塩辛は、今宵の晩酌に持って帰りたいところだけど、完食しちゃった。これ、100円なんです。
今日のバイ貝は大きいですよ、と店員さんが言っていた。

肝までうまくするりと引っぱれたやつは、妻に贈呈します。食べな。
ちょっとしたのっけ丼としてもたのしめる。じつのところ、市場で好きな魚介を買って、カスタマイズしてオリジナル丼を食べる旅番組のシーンを、何か冷めた目で見ていたのですが・・・たのしいじゃないか（笑）

自称ドミニスタとしては、ドーミーイン名物のご当地朝食も捨てがたいけど、朝市で知られる八戸っぽい朝食を味わえたので、正解でした。
駅前の舗装にこれ。何となくフォントがナウシカ系じゃありません？
陸奥湊駅に戻り、さらに東へとプチ鉄道旅をつづけます。
ICカードも便利だけど旅には紙の切符が似合う。
車体に飛ぶ鳥のシルエットがペイントされているのね。
下車したのは「鮫」駅です。さめ！
素朴な駅舎が旅情を醸し出しているじゃないか。
そして鮫駅なんだから、こうじゃなくちゃ、とベタなオブジェ。
魚市場踏切だって。ここを渡って海岸のほうへ。

サンダーバードが格納されているっぽい、と夫は喜ぶ。倉庫建築も魅力がある。
目的地はあの島ですが・・・
お分かりだろうか。白い点々を。
白い点々はウミネコたちです。こいつらの繁殖地です。
もうちょっと近づけるかな、なんて言いつつウミネコと戯れようとするが、このあと、それどころじゃないシチュエーションが待つのである。
おっ、ウミネコに乗っ取られた感のある船・・・
旧日本軍が埋め立てて陸続きとなった道を歩くにつれ、島からはヒッチコックっぽさがビリビリ来る。
これは、糞害を防ぐための傘が入っています。
それでは蕪嶋神社へ参拝しましょう。
無事に戻れるだろうか。ウミネコの繁殖地に飛び込んで行くのだから。

フェンスに整列するウミネコたち。地面にもうようよいる。
ウミネコたちは我々に無関心らしい。
どれくらい近づけるかな、なんて言っていたのに、こんな近い。
がんがん飛んでいるし。
そりゃあ、狛犬はこんな風貌になっちゃうよな。
拝殿前に到着しました。しかし、建物よりもウミネコが気になって気になって。踏んじゃうのでは？とか、糞喰らうのでは？とか。
手水舎には水か張られていません。
柳原白蓮の短歌が刻まれたウミネコ供養碑だという。ここにも現在を生きる後輩ウミネコたちが佇んでいる。柳原白蓮って朝ドラでモデルとなった登場人物を、思い出した。
アクリル板が被せてある。お賽銭と糞がミックスされるのを防止するために違いない。
うみねこくじだって。盛岡の櫻山神社の鳩みくじと、ほとんど同じ。

拝殿まわりをぐるっと歩けます。それでは時計回りでスタート。
道が塞がれている・・・すみません、ちょっと失礼します。
測ったかのように等間隔なのがおもしろい。
見下ろすと圧巻のウミネコ祭り。
拝殿裏側へと来ました。
右も左も上も下もウミネコの世界です。
第2コーナーから第3コーナー、つまり拝殿裏から見るウミネコたちも、ものすごいことになっています。
第3コーナーを廻って鮫の街方面を見ながらラストスパートだ。
ふう、一周しました。
お、仲良いね。

「あっ！糞喰らっているじゃん！」
妻は旅先で糞を喰らうのは初めてではない（ケープタウンでカモメに喰らった）ので、いつも自分ばかり、となおさらショックのよう。
しかし、こんなご案内か貼られています。神様のお使いウミネコより運（糞）を授かった方に会運証明書（※貼り紙の表記ママ）を差し上げております、だと！？
社務所にお声掛けすると、ウェットティッシュまで用意して下さいました。芳名帳に氏名を記載すると、何ともかわいい紙袋を・・・
かわいい・・・
左が運（糞）を喰らった、じゃなくて授かった人への会運証明書です。
こんな立派なものだとは。ありがとうございました。
鳩なんて珍しくないのに、ウミネコだらけなので、つい撮影しちゃった。
鳥居と向かい合う八戸市蕪島休憩所では展示もあり、ウミネコについて知ることもできるし、東日本大震災の被害の様子も振り返ることが出来ます。
ガラス越しではありますが、休憩所のベンチから見るアングルが素晴らしい。
蕪島海水浴場の砂浜を踏みしめながら神社を背に帰るとします。

大きい貝殻を見つけた。
近くの公衆トイレには、東日本大震災の津波浸水高が示されていました。5.3mですか・・・
グーグルマップに教えてもらいながら、帰りの道は、行きとは別の順路にて。小さい踏切に向かう坂の小道がエモい。
踏切の佇まいがローカル線の哀愁を誘う。
「あなたは本町ですか」・・・？おそらく、この標識はゴミ捨て場の上に掲示されていたので、町外の人は捨てないで！という注意喚起かもしれない。
雨が強くなってきたので、このアングルですが、青森県のご当地スーパーへ。
魚介の品揃えよろしく、ここの筋子はリーズナブルだったけど、このあとも旅はつづくので、さすがに持ち歩けない。ということで、津軽ラーメンのスープの素、そして「むぎかっけ」を。後者は餃子の皮のような、すいとんのような、郷土食材で、帰宅してしゃぶしゃぶの具として食べました。「そばかっけ」もあります。そいつも買えば良かった・・・
塩味の南部煎餅に甘いチョコを乗っけたお菓子もゲット。知らずに買い物カゴに放り込んだけど、これは大ヒット商品で品薄もたびたびらしい。
再び八戸線に乗りますが、さらに東へと向かわず、八戸駅方面へと戻ります。

本八戸駅前のキャッチコピー「八戸の大ファンになって帰るのは、あなただけではないらしい」が頷ける。推しチームの試合がなければ、もっと散策できたのに、と旅の動機に対して矛盾することを言いながら、八戸を去ります。つづく。