西国巡礼・琵琶湖周遊の巡礼記（２５）三井寺へ。琵琶湖疎水の裏門から入山。

2023/09/24 - 2023/09/27

大津は琵琶湖の南端に沿った細長い街だ。東の端が琵琶湖から流れる瀬田川で、そこには平安時代からある瀬田の唐橋がある。そこからぐるっと湖の南縁に沿って、大津市内を横断し、天智天皇の近江宮、近江神宮の先の堅田付近までの市域で、距離にしたら２０キロはあるだろう。今日の予定は先ず石山寺に参拝し、次に同じ大津市内の反対側にある三井寺に向かう。更に時間があれば京都に戻り、醍醐寺を回る予定だ。

石山寺からは先刻乗って来たバスで石山駅まで出て、そこからは京阪電車で大津市内を横断する形で坂本まで出る。東海道線と違って市電は古い住宅地の間を通り抜け、粟田、膳所（ぜぜ）などの懐かしい地名の駅を通り過ぎていく。膳所２万石。江戸時代からある宿場町で、街並みも古い。芭蕉の眠る義仲寺もここにある。それから電車は湖岸を走り、三井寺で下車する。電車でやって来る人は少ないのか、そこは無人駅になっていた。インターホンで駅員を呼び出し、ホームからの出方を教えてもらう。人手不足、今はもうこんな時代になっている。

駅のすぐ前を琵琶湖疎水の小川が流れていて、三井寺裏門まではこの疎水に沿って歩いて行く。この小川は駅の右手数百m先にある琵琶湖の水を引いて、途中の山をくり抜いてトンネルで京都まで送る疎水だ。明治の初め頃建設されたが、明治の人の意気は軒昂だ。丁度小金井辺りを流れる玉川上水や、善福寺川のような水路で、住宅地の中を人工的に水路、流水として造られている。京都東山、哲学の道で疎水を見たことはあったが、その元、滋賀県側で見るのは初めてだった。

住宅地の中を流れる疎水に沿って山の方向に歩いていくと、途中の山の手前にトンネル内に水を送る洞門にぶつかる。ここから疎水は山の中のトンネルを通って、京都に送られるのだ。明治の頃、それ程お金の無かった日本によくこれだけの大工事が出来たものだ。元々京都には鴨川、桂川の２本の河川があって、水には困らないと思うのだが、明治政府がどした意図で、こんな大工事を敢行したのは自分には分からない。しかし、京都では今では有名な観光スポットの一つにもなっている。１００年の計、水利だけの問題ではなかったのだ。

エリア 大津(滋賀)

• 旅行の満足度: 5.0

石山寺の広い境内に歩き疲れ、下山した。

大きな山門、再び見ることはあるだろうか・・。

バスで京阪石山駅に戻り、次に三井寺に向かう。

無人駅の三井寺で下車し、琵琶湖疎水に沿ってお寺に向かう。左手疎水だ。

疎水に沿って５－６分歩くと、逢坂山の下をくり抜いたトンネルの手前に出る。

ここが最初の洞門だ。ここから疎水はトンネルを通って、京都側に運ばれる。

説明書きもある。

滋賀県側で疎水を見たのは初めてだ。