2024/12/02 - 2024/12/06
355位(同エリア991件中)
国電さん
■はじめに
所用でフランスのパリにまた行くこととなった。急に現地での予定変更が生じ、フライトはもう変えられないため、運よく現地で自由に使える時間ができた。そこで、以下に示す鉄道博物館を訪問して来ることにした。おまけで、トロワ(Troyes)への日帰り旅行もすることにした。
【シテ・デュ・トラン】
フランス最大の鉄道博物館である。これまで所用で何度もパリに来ているが、残念ながら空き時間では訪問することができなかった。というのも、場所がかなりパリから遠く、ほぼドイツとの国境に近いミュルーズという町にあるためである。往路は直行するTGV、復路はTER(普通列車)でストラスブールに移動してそこからTGVに乗る切符を、ネットで予約決済しておいた。
【ロングヴィル鉄道博物館】
シテ・デュ・トランはネット上でも訪問記が多数ある有名な博物館であるが、こちらは超マイナーな博物館である。ロングヴィルという小さな町にある博物館であり、訪問記などもあまりない。ここへのアクセスはトランシリアン(Transilien)という近距離列車であり、料金は5ユーロである。
@シテ・デュ・トランにて
- 旅行の満足度
- 4.5
-
■2024.12.2
今日は幸運にも発生した「空白の一日」である。よって、念願のシテ・ドゥ・トランへの訪問である。
まずは、メトロに乗ってリヨン駅へ行く必要がある(目的地が駅名になっている)。宿泊先の近くにある駅はオリンピックに合わせてできた巨大な駅であり、そこに向かって10回券を購入した。以前は回数券式であったが、今はカード形式である。
@これで移動 -
ICカードのように硬いものを想像していたが、紙の柔らかい材質であった。こんなものでも、乗車情報を記憶ができるのは驚きである。
改札を通ったが、ひたすらエスカレータで下っていく。新参の地下鉄ほど深い場所を走るのは世の定めであり、日本の大江戸線のようである。
なおこの駅は、建築家の隈研吾氏による設計である。よって、木材が多用されている。
@木がたくさん -
何回もエスカレータを乗り換えて最下層まで降り、14号線に乗り込んだ。この路線は、パリ地下鉄の一部で採用されている自動運転である。よって先頭車両には運転台がないが、アニメ的な絵が代わりに描かれてある。これを開ければ、非常時用の運転台はあるのだろうか。
@似非運転台 -
地下鉄と言っても、足回りはタイヤなので振動はあまりない(札幌地下鉄タイプ)。また14号線は比較的新しい路線であるため、駅間が長いのも特徴である。パリの古い地下鉄は、300メートルくらいで次の駅になってしまう区間も多いが、この路線はそのようなストレスはない。特にシャトレ駅からリヨン駅までは、他の路線なら4駅の距離を一気に走り抜ける。
リヨン駅に到着し、長距離列車乗り場に移動した。頭端式のホームが並んでいるが、出発ホームは電光掲示の案内に表示されるまで分からない。
@行先案内 -
これから乗るのは6時52分発のミュルーズ行のTGV(inOui)である。モンバールやディジョンに停車し、途中のブザンソンで切り離される編成も繋がっている。
先頭車両は、なかなか使い古された感じであった。
@ボロ -
早速自席へ向かう。朝早いこともあり、ファーストクラスなのに、たったの40ユーロである(復路はセカンドクラスなのにトータルで120ユーロを超えている)。しかし残念ながら、進行方向とは反対向きの席であった(ネットで席は選べるが、進行方向が分からないのである)。
@席は立派 -
定刻に出発。パリの冬の夜明けは遅いため、しばらくは暗闇の中を走り続けた。景色が見えないため、無料Wi-Fiと友達である。車内ネットに繋げると、ホームページには今乗っている列車の停車駅と時刻も表示される仕様であった。
モンバールを定刻から少し遅れて出発し、8時も過ぎたのでやっと外も見えてきた。その後意外であったのは、ブザンソンでスイッチバックをした点である。これでやっと、進行方向に沿って景色を眺めることができた。しばらくは単線のローカルな路盤を走っていたが、その後はTGV専用軌道となり、速度は310キロを超えていった。
終着のミュルーズには、10時22分に到着した。
@ミュルーズ駅舎 -
シテ・デュ・トランへ行くためにはトラムの3系統に乗る必要があり、案内表示によれば10時30分に駅前の1番線から出るようである。しかし、1番線には謎の行き先を表示したトラムが停まっている。どうしたものかと悩んでいると、その謎の行き先の列車が30分ジャストに出発し、そして電光掲示の3系統の次の出発は「11:00」になってしまった。
納得いかないが、博物館見学後は市内散策をする予定であったため、先にそれを済ませることにした。クリスマス準備中の町中を、あれこれと見ながらまず歩いた。
@年末に向けて準備中 -
散策を終えて、市内のPorte Jeune電停でトラムを待つ。しばらくして、ちゃんと3番系統の表示を示したトラムがやってきたので、それに乗り込んだ。途中から道路から逸れて専用軌道となり、Musees電停で下車。そこから数分歩くと、カラフルな建物が見えてきた。これが、シテ・デュ・トランである。
@鉄道博物館 -
大きな建屋内に入り、15ユーロの入場料を払った。最初の展示場は、SLや旧型の客車を中心にしたところであった。足元には赤い矢印が続いており、それに沿って歩いていけば館内を一巡できるようになっている。
@SLの例 -
展示されているたくさんの車両などを見てから、次の建屋に向かうが、その途中から外に出られるようになっていたので、まずは外から見ることにした。電気機関車や客車、その他特殊車両なども展示されている。
@一例 -
なお屋外展示で一番有名であるのは、1990年に鉄車輪式の鉄道で当時の世界最高速度記録(515.3キロ)を記録したTGVである。TGVは連接台車(車両と車両の間に台車がある)ため、後ろから見るとその中途半端な状態を見ることができる。
@後ろから撮影 -
次の建屋内にも、様々な車両が展示されていた。特に目立ったのは、ブガッティ製のエンジンを積んだ「オートレール」である。1930年代に製造された先鋭的な車両であり、当時の世界最速も記録したものである。
@斬新 -
車両の中間部分はクリアパネルになっていてエンジンや運転台が見えるようになっているが、運転し辛そうであるし、すぐ横にエンジンがあるから、実際に動かせたら騒がしそうである。足回りも、通常の列車は2×2であるが、この列車は4×2になっている。エコフレンドリーとは真逆であるが、飛行機でいえばコンコルドのような感じであろうか(記録が優先)。
@横から(エグゾーストパイプが怖い) -
他にもたくさんの車両が展示されており、とてもすべてを紹介する紙幅はないが、気になったのは可愛らしい水色の車体をした車両である。ただ思い返してみると、頭の部分が嫌な予感をさせる気がしなくもない。
@パッと見は可愛い -
順路通りに回って反対側から見てみると、なんと運転席のすぐ横に巨大なエンジンがそのまま設置されているのであった。実際に起動させれば、とてつもない音と熱であり、SLを超越するような最悪の職場環境のような気がする。
@真横に巨大エンジン -
一通り見終えて、次の展示場である。特別な仕切りがあり、そこから先はTEE(Trans Europ Express)コーナーであった。ここまで見てきた車両には馴染みがなかったが、ここに来てやっと見覚えがある車両となった。子供の頃、「海外の鉄道」のような雑誌や書籍で見てきたTEEである。
@TEE -
そして大トリを務めるのが、初代TGVである。日本で言うところの0系新幹線であろうが、さすがに、これには乗ったことがないが。
@名車 -
すべての展示を見終えてから、トラムでミュルーズ駅に戻っていった。
これからパリに戻るが、ストラスブールまではTERで22.40ユーロ、そこから先はTGVで106ユーロである。上述した通り往路の3倍以上であるが、欧州の鉄道は日付や時間帯によって値段が変わるから仕方がない。
予約時点では13時46分発のTERになっていたが、ストラスブールでの乗り換え時間が10分しかないため、遅延を考慮して13時16分の列車に乗り込んだ。てっきり電車タイプが来るのかと思っていたが、機関車が牽引する客車タイプであった。
@TER -
定刻にミュルーズを出発。列車は、先ほど見学したシテ・デュ・トランの横を通過して行った。「乗り換えは面倒だけど、客車タイプだと旅行気分も上がるな」なんて思ったりしていたが、実はTGVも機関車が牽引するタイプ(準動力集中方式)であるので、客車なのであった。
工事による徐行運転もあり、ストラスブールには10分ほど遅れて到着した(TERを1本早めて正解であった)。
次に乗るべきはパリ行のTGVであり、14時40分頃にホームに行ってみると、すでに入線していた。口が開いて連結器が見えているのは、これから入線してくる別編成を繋ぐためである。
@連結前 -
さて、問題は座席である。自席に行ってみると、またしても進行方向とは逆であった。それだけでなく、窓との相性も最悪の席であり、見える範囲は「ほぼ壁」である。
定刻にストラスブールを出発。最初は首を真横に向けて景色を見ようとしていたが、それも苦しくなったため、ほとんどはPC+無料Wi-Fiで時間を潰した。
@こんな状態ですから -
私の隣にも座っている人がいたが、出発後にすぐに他の空いている席に移動していた。「もしや」と思ってこの列車の停車駅を検索してみると、ストラスブール出発後はパリ東までノンストップであった。事前に分かっていれば、そういう手法もできたのだが。
パリ東駅到着は、定刻から1分遅れの16時36分であった。
■2024.12.5
今日は昼過ぎから暇な時間がある。そして今日も、隈研吾デザインの駅からの出発である。
@今日は明るい -
メトロの14号線から4号線に乗り換え(こちらも自動運転)、またしてもパリ東駅にやってきた。今日はこれからロングヴィルに移動するが、トランシリアンのP線に乗ることになる。問題は、券売機が非常に少ないという点である(ほとんどの人はカードなどで乗っているため)。
なんとか空いている券売機を見つけて、5ユーロの切符を購入した。改札を通り、P線のプロバン行に乗り込んだ。
@P線 -
13時47分、パリ東を出発した。この路線は近距離の快速列車のような感じであり、ロングヴィルまでの1時間程度で停車するのは3駅だけである。シートの材質は固いが、窓も広く、自由に座れるためストレスフリーではある。
14時48分、ロングヴィルに到着した。駅の地下道を通ると鉄道博物館の写真があったので、この地域ではそれなりに知名度はありそうである。
@宣伝 -
駅の外に出たが、案内板も何もない。長閑な田舎町という感じであるが、とりあえず「たぶんこっちだろう」という方面に傘を差しつつ適当に歩き始めた。
しばらくすると、鉄道博物館の案内がやっと見えてきた。周囲に歩いている人は誰もおらず、「そもそも博物館は開いているのか」という不安も頭をよぎる。
@案内あり -
しばらく歩き続けると、博物館に至る坂道があり、ゲートが開いていたのでどうやら開館しているようである。坂を上り切ると車両の墓場のような場所があるが、これは博物館ではなく係留線であった(この後に見せてもらった案内による)。
@墓場的 -
右手にはターンテーブル(転車台)と扇形車庫があり、ここが博物館となっている。人けが全くないが、案内に従って進んでいくと、車庫の中に小さな小屋があって係員が2人も待機していた。
@扇形車庫 -
5ユーロを支払い、パウチされた英語の案内をもらい(後で返す)、それを片手に車庫内を見て回った。SLが中心であるが、機関車や客車も少しあり、車庫の半分が博物館となっている。
@展示例 -
入ることができない残り半分にも車両が置いてあるので、整備してあちらも見られるようにしてほしいとも思うが。なお、訪問客は私だけであった。
屋外にも、いくつか車両が展示されていた。
@屋外展示 -
それほど広くない車庫であるため、すべての車両を見てもすぐに終了である。
後は駅に戻るだけであるが、その前に係留線の方に行ってみようと思う。というのも、そちらの方にこの博物館の駐車場があるため、立ち入りは可能と思ったためである。
実際に行ってみると、古い客車などが係留されていた。なんだか、こちらの方が博物館っぽい感じがしなくもない。
@立派 -
駅に戻り、しばし時間を潰してから16時05分発の列車でパリ東に戻ることとなる。
プロバンからやってきた列車に乗り、定刻に出発。今日は残念な雨模様であるが、のんびりと景色を眺め続けた。往路と同じ車両であるが、座席はカラフルであるし、天井のライトも丸くて小さなものが多数あり、足元のライトは青く光り、入口付近はオレンジや青や白に変わっていき、全体的に可愛い感じであった。
@車内の様子 -
■2024.12.6
今日は復路の飛行機出発まで時間があるため、トロワへの日帰り旅である。
6時過ぎにチェックアウトをして、昨日の午後と同じルートを通りパリ東駅へ。これから乗るのは、7時42分発のトロワ行である。パリの夜明けは遅く、明るくなるのは8時過ぎであるため、もっと遅い出発の方が良いのだが、早朝からこの列車まで割引で10ユーロ(定額の1/3以下)であったため、つい買ってしまったのである。
@今日はこれから -
座席に向かうと、またしても進行方向とは逆であった(これで三連敗)。定刻から6分遅れの7時48分に出発したが、遅れてくれた方が明るくなって景色が見えるようになるため、問題はない。
実は今は知っている路線は、昨日と同じルートである。ただし今日は中距離列車であるため、ロングヴィルなどは通過である。昨日との違いは、雨が上がっている点である。よって無理な体制をして、写真を撮ったりした。
@今日は朝日がある -
遅延が増えつつ、9時頃にノジャン・シュル・セーヌを出発した。すると、車体はブルブルと震えてエンジンが唸り始めている。「さっきまで電車だったのに!」という驚きであるが、どうやら電気・ディーゼル両用車両というものであるらしい。
架線のない路盤を走り続け、トロワには定刻から14分遅れた9時25分に到着した。車両の上を見てみると、パンタグラフが畳んだ状態になっている。電化区間も非電化区間も走れるという意味では効率的であるが、エンジンもモーターも積むという点では燃費等では非効率であろう。
@初体験 -
トロワでは、普通に徒歩観光である。ガイドブックにある大聖堂から、それには無い生鮮市場など、適当に歩いて回った。木骨組みの家並みがあちらこちらにあり、瀟洒な雰囲気に満ちた町であった。
@観光 -
駅に戻り、東方面からやってきた10:50発の列車に乗り込む。超満員でありデッキに立っている人もいて、私の席にも座っている人がいたが、もちろんどいてもらった。復路については、33.50ユーロもする。距離的にはパリからロングヴィルまでの倍くらいなのであるから、せめて10ユーロくらいでいいのにと思うが、それは近距離と長距離(指定のあるなし含む)の違いなのかもしれない。
パリ東到着は、定刻より4分前の12時15分であった。これからはパリ北駅に歩いて移動して、連絡鉄道に乗って空港に向かうだけである。
@パリ北駅
*旅行記および私の詳細については以下で。
「鐡旅」http://www2u.biglobe.ne.jp/~kokuden/tetu.htm
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
フランス の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
36