2024/11/27 - 2024/11/27
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SamShinobuさん
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2023年4月から建物メンテのために長期休館していた三菱一号館美術館。2024年11月23日、ようやく再開館した。
オープンしたての三菱一号館美術館を訪ねたついでに、明治生命館の静嘉堂文庫美術館、そして三井記念美術館をぐるっと巡ってみた。
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明治生命館
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まずは外観から。
1934年竣工の古典主義様式の名建築だ。
戦前とはいえ、時は昭和。生保のオフィスビルにこんなギリシャ建築を建ててしまったことにびっくりするわ。なるほど、日本人が設計した「最高かつ最後の本格派古典主義建築」と言われているのもわかる。重要文化財に指定されるのも当然でしょう。 -
まず目を見張るのは、巨大な列柱だろう。列柱のことをオーダーと言うが、このオーダーはコリント式。ギリシャ建築の3種のオーダーは、ドリス式、イオニア式、コリント式とある。ドリス式は太くて膨らみがあり柱頭はシンプル。イオニア式はそれより細く柱頭は渦巻き型。コリント式の柱頭はアカンサスの葉飾りで形どられている。ちなみに複数階分に及ぶ長い列柱をジャイアントオーダーと呼ぶ。
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明治生命館の列柱は少し膨らみはあるものの、柱頭にアカンサスの葉飾りがあるのでコリント式に間違いない。そして列柱は5階分もドーンと伸びているので、これぞジャイアントオーダーだ。
なので一言で言うと、「コリント式ジャイアントオーダー」ということになる。 -
意匠設計は岡田信一郎。先日訪れた黒田記念館も彼の設計だ。
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この重要文化財をなんと無料で一般公開している。それだけでなく一般公開エリアに音声ガイドを導入しており、それも無料。最近それを知って見学したいと思っていた。
予約もいらず、西玄関から入って2Fの入館受付に申し出るだけ。素晴らしい。
9:30の開館と同時に入館すると、見学者は自分ひとりだけ。なんと贅沢な時間。
受付で貰ったパンフレットのQRコードを読み込み、音声ガイドを聴きながら、ひとりツアー開始。 -
2階第一会議室
明治生命館は終戦後、連合国軍総司令部GHQに接収され、アメリカ極東空軍司令部が置かれた。 -
そして1946年4月に第一回対日理事会が開催され、この部屋でマッカーサーが演説を行ったそうだ。
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役員食堂
明治生命のお偉いさんたちは、ここで何を食べていたんだろう。 -
天井
吹き抜けの天井装飾のおしゃれなこと。 -
メールシュート
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各階から1階の郵便箱にパイプがつながっており、ここから手紙を投函する。
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2階回廊
吹き抜けになっている1階を見下ろすと、「ほけんショップ丸の内」の店頭営業室になっており、皆さん普通に仕事している。なので、ここから下の撮影はご遠慮下さいとのことだ。 -
執務室
2階には執務室が5部屋ある。 -
応接室
3つある応接室はそれぞれが趣きが異なっており、家具デザイナーの並々ならぬ気合いが感じられる。 -
応接室
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応接室
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大理石が敷きつめられた階段にうっとり。
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照明もハイカラだ。
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テラスには出られないが、窓越しに皇居のお堀が見える。
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あー楽しかった。ありがとうございました。
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アトリウムにはもうクリスマスツリーが。ガラス屋根からの自然光が美しい。
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静嘉堂文庫美術館(せいかどうぶんこ)
世田谷区岡本の静嘉堂文庫から所を移して、2022年よりここ明治生命館で美術品を展示している。
静嘉堂は三菱2代目社長の岩﨑彌之助によって、1892年に創設された。国宝7件、重要文化財84件を含む和漢の古典籍約20万冊と東洋古美術品約6,500件を所蔵しているそうだ。すげぇ! -
天窓から自然光が差し込むホワイエが、実に素晴らしい。
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しばらくベンチソファに腰掛けて、この静謐な空間に浸った。このホワイエを囲むように4つの展示室がある。
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今回の展示
平安文学、いとをかし
国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」と王朝美のあゆみ
入館料1,500円 -
ちょうど大河ドラマ「光る君へ」で紫式部(吉高由里子が演じている)の生涯を観ているところなので、王朝文化が花開いた平安時代の美術が面白い。
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紫式部日記
紫式部が藤原道長の娘、中宮彰子に仕える様子が記されている。まさに大河ドラマ「光る君へ」の世界だ。この日記によって源氏物語が紫式部の作だと判明した。 -
紫式部図
江戸時代に土佐光起によって描かれた紫式部。 -
文机に肘をつく仕草が、吉高由里子に見えてくる笑。
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俵屋宗達「源氏物語関屋澪標図屏風」(1631年)
国宝!
俵屋宗達が描いた源氏物語の世界。 -
「関屋(せきや)」と「澪標(みおつくし)」の場面を各隻に描いた作品。 どちらも光源氏は牛車に乗っていて顔が描かれていない。宗達さん、出し惜しみですか。と思って調べてみると、あえて主役を描かずに暗示する「暗示の美学」で、日本美術独特の「留守文様」と言うのだそうだ。
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源氏物語蒔絵源氏簞笥
源氏物語、全54冊の冊子を納めた蒔絵筆筒。
江戸時代、大名や公家の娘の嫁入道具と言えば「源氏物語」だったそうだ。
複数の女性と関係しまくる性に奔放な光源氏。そんなやんごとなきエロ小説「源氏物語」を、嫁入道具に持たせちゃうんだ。面白いゾ! -
静嘉堂@丸の内ミュージアムショップ
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三菱一号館美術館
現在の「三菱一号館」は、ジョサイア・コンドルの設計によって1894年に建てられた「第1号館」を復元した建築物。当時は銀行や商社、郵便局などが入っていた。
1968年に三菱地所が突如解体した際はその歴史的価値から物議を醸したが、ようやく反省したのか2009年に美術館として当時の建築を復元。完成した三菱一号館を目の当たりにした時は、東京駅以外ほとんど見なくなったクイーン・アン様式の赤煉瓦造りに、思わず萌え~となった。 -
2023年4月から建物メンテのために長期休館していたが、2024年11月23日にようやく再開館した。待ってたぞー!
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CAFE1894
でもその前に腹ごしらえ。
三菱一号館美術館にあるカフェだが、美術館に入館しなくても利用できる。 -
美術館休館に伴って閉店していたので、数日前にリオープンしたばかり。そのせいか平日にもかかわらずオープン前から行列ができていたが、内装をどうしても見たくて並ぶことにした。開店時間を過ぎても予約客を優先するために、しばし待たされてから店内へ。
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お一人様なのに4人がけのテーブル席に案内され、混んでいるのに申し訳なく思う。
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座ろうとすると店員さんが同じテーブルの隣りの椅子を指して、「こちらのほうが店内がよく見渡せますよ」と教えてくれる。GOOD JOBだ。
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一番搾りの生ビール(800円)を飲みながら、内装デザインを眺める。2層吹き抜けになっている店内は、明治時代は銀行の営業室だった。1894年竣工当時を限りなく再現しているそうだが、それにしても明治の銀行はずいぶんと洒落オツだったんだなあ。
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ランチセット「赤海老とはまぐりのアメリケーヌトマトソース フェットチーネとオードブル盛り合わせ、パン、コーヒー」(2,400円)を注文。
パンは中にオリーブオイルが塗られていて、温かい。 -
オードブル盛り合わせ
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赤海老とはまぐりのアメリケーヌトマトソース フェットチーネ
海老独特の旨味とコクがたっぷりのソースがフェットチーネにしっかりからんで上質な味わい。お皿を舐めたくなるくらい美味しいソースだった。
ちゃんとボリュームもあってお腹も満足。 -
会計の際に、先ほどの店員さんが「まだオープンしたばかりで不慣れなことも多くて、お待たせして申し訳ありませんでした。お味はいかがでしたか」と。その一言で多少待たされたことも全く気にならなくなる。
きちんと客を見ている素晴らしい接客だった。
さあ、お腹も膨れたことだし、ゆっくりロートレックを鑑賞するか。 -
三菱一号館美術館
再開館記念 『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル
観覧料2,300円 -
ロートレックの正式な名前は、アンリ・マリー・レイモン・ド・トゥールーズ=ロートレック=モンファと、ちょー長い。このように長い名前は名家の証拠。王家の血筋にもつながる伯爵家に生まれた名門貴族の御曹司だった。
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パリでゴッホと出会い、お互い浮世絵を始めとする日本美術にどハマりした。特にロートレックは浮世絵の手法をどんどん取り入れたポスターを描いていく。
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ジョン・ヒューストン監督の「赤い風車」(1952年)はロートレックの伝記映画だが、ロートレックの短い生涯をドラマチックに描いた傑作だ。19世紀末のパリの雰囲気、特にモンマルトルのキャバレー「ムーラン・ルージュ」の描写は、ロートレックのポスターそのままで興味深かった。ポスターでよく見る「骨なしヴァランタン」が踊る姿を、役者とは言え実写で見られて面白かった。
子供の頃の事故で足の成長が止まり、身体的なコンプレックスが強かったロートレックだが、そんな彼が娼婦マリーと恋に落ちる。このマリーの貧困故に歪んだ性根が、ロートレックの精神を蝕んでいくあたりの描写がさすがジョン・ヒューストン。 -
ロートレックの描いたイヴェット・ギルベール
(1893年)
ロートレックは対象の個性をデフォルメするので、イヴェット・ギルベールの鼻や口は誇張していると思う。彼女はそれを嫌がったそうだが、それでもロートレックに描かせているのは、やはり彼の才能を認めていたんだろうな。 -
イヴェット・ギルベールのもうひとつの特徴は、長い黒手袋だが、あえてそれだけでイヴェット・ギルベールと分からせるロートレックの手法。当時は斬新だったと思う。
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今回の展示で一番良かったのは、ロートレックが娼館に住みついて娼婦たちの赤裸々な日常を描いた「彼女たち」シリーズ。これは撮影不可なのがとても残念。ロートレックはポスター画で有名だが、本当はこんな作品が一番描きたかったんだろうな。ドガに憧れていたロートレックなので、覗き見るような視点にドガっぽさを感じる。ただ当時はあまり売れなかったそうだ。監視員の方に訊くと三菱一号館美術館の所蔵とのこと。また観に来よう。
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美術館から中庭を眺める。
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オディロン・ルドン
「グラン・ブーケ(大きな花束)」(1901年)
三菱一号館美術館自慢の所蔵品だ。
これも撮影不可だった。(この画像はネットから)
ある男爵の城の食堂を飾った16点のうちの1点。本作は110年間もその城の中に埋もれていた。他の15点は1988年にオルセー美術館の所蔵になったが、残り1点の本作「グラン・ブーケ」だけは男爵家の食堂に残されたままだった。
それを2010年に三菱一号館美術館が購入する。オルセーとしては、どうしてもこの1点欲しかっただろうな。
ルドンと言えば、ひとつ目の絵で有名だが、実はそれ、「ゲゲゲの鬼太郎」の目玉おやじの元ネタ。水木しげるも認めている。またトトロの「まっくろくろすけ」は、ルドンの「蜘蛛」をヒントにしてるよね、多分。
ヘンテコな絵ばかり描いている印象のあるルドンだが、こんな素敵な絵もあって良かった。でもよく見るとまっくろくろすけみたいな花もちゃっかり描いているぞ、ルドン笑。 -
映画「海の沈黙」を観る。
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TOHOシネマズ日本橋で13:55の回を鑑賞。
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「沈まぬ太陽」「Fukushima 50」の若松節朗監督と脚本家の倉本聰がタッグを組んだ。出演者は本木雅弘、小泉今日子、中井貴一、石坂浩二ら。
有名画家の展覧会で、ある絵画が贋作だと判明した。一体誰が描いたものなのか。そこに浮上してきたのは、かつて新進気鋭の天才画家と呼ばれるも突然姿を消した津山(本木雅弘)だった。
命を削って絵を描く画家を演じた本木は素晴らしかった。今年89歳になる倉本聰の脚本は多少の古臭さは否めないが、それでも大ベテランの風格がある。その倉本聰の世界観を緩急織り交ぜた演出で、テーマを深く掘り下げた若松監督の演出はさすがだった。
全く売れなかった絵が画家の死後に評価が高まり、今や何百億円なんてことがざらにある美術界。発表当時は笑われディスられまくった絵が、時代が変わると有難い芸術作品になることもある。絵画の良し悪しなんてもともと主観的なものにもかかわらず、権威ある人の評価ひとつで価値が高騰する美術作品とは一体何なんだろう。ふわふわして捉えどころがないアートの沼にはまりつつある自分にとっては、色々考えさせられる映画だった。 -
さあ、本日最後の美術館を訪ねよう。
三井本館
1929年竣工。
アメリカ式古典主義建築の、まずは列柱を見てみよう。柱頭にアカンサスの葉飾りがあるのでこれはコリント式だな。そして3階分ドーンと突き抜けているのでジャイアントオーダーだ。建物3面に22本のジャイアントオーダーが並ぶ様は、見る者を圧倒しているゾ。
設計はトローブリッジ・アンド・リヴィングストン事務所。重要文化財だ。 -
三井記念美術館
「唐ごのみー国宝 雪松図と中国の書画ー」 -
三井記念美術館はこの三井本館の7階にある。
入館料は1,200円だが、今回は会社から招待券を貰ったので、タダ!
入口は日本橋三井タワー1階アトリウムにある。
ここは常設展はなく、年5回の企画展覧会に合わせて館蔵品や借りた作品を展示している。 -
基本的に撮影不可だが、この国宝の「雪松図屏風」はOKだった。円山応挙(1733-1795)の代表作。
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「雪松図屏風」は毎年、年末になると公開されるようだ。
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円山応挙のパトロンだった三井家最大の家宝なんだろうな。
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紙の白地を塗り残すことで雪を表現している。
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三井物産を頂点とする三井グループの原点三井家は、1673年に江戸で「越後屋」を開店した。後の三越である。日本を代表するグローバル企業の始まりは呉服屋だった。三井家の越後屋だから、三越になったんだろうな。
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ライトアップされて美しい。
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鶴亀
1953年創業。神田西口からすぐ。 -
ここは食べログレビュアーの「龍馬の子孫?」さんの口コミを見て、前から気になっていた。「龍馬の子孫?」さんには数年前に地元の飲み屋でたまたま声をかけてもらい、それからフォローさせてもらっている。
「鶴亀」は、創業当時は中華料理屋だったので、餃子が旨いそうだ。 -
チューハイ300円(なんと最初の一杯はフルーツが刺さってくる)
今どき、これで300円って! -
お通し ざく切りキャベツ200円(全て税込)
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たこブツ450円
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餃子ハーフ(3個)330円
デフォルトは6個だが、半額で3個でも焼いてくれる。かなり大振りでやさしい味だ。 -
ニラともやし炒め350円
シンプルだけど旨い。 -
生ビール(アサヒ中生)380円
シロ2本(タレ)320円
シロ、旨っ!僕の求める柔らかシロだ!まさか焼き鳥専門店でもない格安居酒屋で、このシロに出会えるとは! -
うるめ丸干し350円
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店員さんは中国系かな。皆さん若くて初々しいところは好感が持てる。
それにこれだけ食べて飲んでも、2千円台で収まるとは、まさしくせんべろ店の鑑! -
今日は朝から名建築や美術館を幾つも巡り、映画まで観た。そんな日の終わりに大衆居酒屋で一杯やる。なんとも至福の1日でした。
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