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 三日目。<br /> 午前九時、半袖では少し肌寒い薄日射す鳩ノ巣を出発。山深くなった道を進み、足がすくむ高さの崖上から白丸ダムを眺めた後、数馬隧道、旧氷川隧道を抜けて氷川宿に到着。宿場の外れから奥多摩むかし道に入り、羽黒坂を上り、小河内ダム建設のために四年間だけ使用されたという小河内線の線路跡を横目に山道を進むとかつての休憩場、槐木(さいかちぎ)に到着。しばらく道を下った後、橋詰の集落の急な上り下りを経て、街道の外れにある境の清泉で給水し小休止。<br /> 再び街道に戻り、弁慶の腕ぬき岩で自分の腕が入るか試した後、しだくら橋に差し掛かる頃には道は急俊な崖沿いを通るようになり、坂の途中に設けられた馬の水飲み場を経て、西久保の切り返しを過ぎた辺りから急坂となった登山道を上り切ると、現在は立ち入ることができない青目立不動尊辺りから今度は急な下り坂となり、九十九折りの道を経て小河内ダムに到着。<br /> 奥多摩湖の水辺に続く道をしばらく行くと熱海トンネルの入口に。かつての青梅街道は奥多摩湖の湖底を通っていると思われ、街道でもない起伏の激しい道を選ぶのは酔狂なことであろうが、山腹から奥多摩湖を見るため敢えてトンネルを避ける。そこそこ急な坂道を息絶え絶えに上り、山腹で絶景を堪能した後、急な階段を下りて再び街道に。ここからは、奥多摩湖の複雑な地形を縫うように通る青梅街道に沿って、トンネルも通ることにする。トンネルは長くても260m程度だが、トンネル内に歩道はなく、後ろから迫るバイクのエンジン音がこだましてステレオの如く大音量で響き渡り、その威圧感はまるで魔物が追いかけて来るかのよう。峰谷橋を渡ると馬頭トンネル。ここもトンネルを避け、山越えの道を選び、山腹から麦山浮橋を眺めた後、街道に戻り、麦山橋を渡り、川野トンネル手前の旧道を行き、深山橋に到着。徳川の御代、塩山へは丹波(たば)を経由するのが正式ルートだったようだが、古甲州街道でもある小菅経由も使われれていたようなので、ここで左折して小菅を目指す。<br /> 奥多摩湖の入り江に沿って続く緩やかな坂道を上ると途中で県境を越え山梨県に。県境は峠の頂上ではなく上り坂はその後も続き、金風呂地区までは走れたものの、想像以上に起伏の激しかった奥多摩の道を走って来た脚に上り道を走る余力は残っておらず、とうとう歩きに。チャーちゃんまんじゅう購入時の給水休憩を挟んで何とか坂を上り切り、小菅の入口である田元に到着。街道外れの山中に温泉があるので、ここを左折して田元橋を渡り、上り道を歩き温泉を目指すも、脚はもはや限界で、途中、左ももに肉離れかと思うような痙攣が起きるが、それでも何とか小菅の湯に到着。今日はここで止まることにする。本日の走行距離、七里五町也。<br /> 早く湯舟に浸かりたいものの、汗を流してからとフラフラしながらシャワーを浴び、ジェット風呂でストレッチしながら疲れを癒し、露天のぬる湯五右衛門風呂で手足を伸ばしてくつろいだ後、食事処「ひのき」で駆けつけ生ビールを一杯。川魚の刺身をいただきながら二杯目の生ビールを飲んで、小菅の湯はいったん退散。今日のもう一つのお目当て麺屋「梅ノ木」さんへ。小菅の湯から歩いて2~3分といったところ。楽しみにしていた「小菅まるごとラーメン」は残念ながら売切れ。代わりに「辛味噌つけ麺」と生ビールを注文。小菅産の味噌を使っているとのことでなるほど美味。東京でお店を出しても十分流行るだろうなというお味で油気の少ない香ばしいチャーシューが印象的。無事食べるものも食べて三日目を締めくくったのでした。

憧れのお伊勢参り【三日目】 鳩ノ巣→小菅

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2024/10/27 - 2024/10/27

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かくちゃんさん

この旅行記のスケジュール

2024/10/27

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 三日目。
 午前九時、半袖では少し肌寒い薄日射す鳩ノ巣を出発。山深くなった道を進み、足がすくむ高さの崖上から白丸ダムを眺めた後、数馬隧道、旧氷川隧道を抜けて氷川宿に到着。宿場の外れから奥多摩むかし道に入り、羽黒坂を上り、小河内ダム建設のために四年間だけ使用されたという小河内線の線路跡を横目に山道を進むとかつての休憩場、槐木(さいかちぎ)に到着。しばらく道を下った後、橋詰の集落の急な上り下りを経て、街道の外れにある境の清泉で給水し小休止。
 再び街道に戻り、弁慶の腕ぬき岩で自分の腕が入るか試した後、しだくら橋に差し掛かる頃には道は急俊な崖沿いを通るようになり、坂の途中に設けられた馬の水飲み場を経て、西久保の切り返しを過ぎた辺りから急坂となった登山道を上り切ると、現在は立ち入ることができない青目立不動尊辺りから今度は急な下り坂となり、九十九折りの道を経て小河内ダムに到着。
 奥多摩湖の水辺に続く道をしばらく行くと熱海トンネルの入口に。かつての青梅街道は奥多摩湖の湖底を通っていると思われ、街道でもない起伏の激しい道を選ぶのは酔狂なことであろうが、山腹から奥多摩湖を見るため敢えてトンネルを避ける。そこそこ急な坂道を息絶え絶えに上り、山腹で絶景を堪能した後、急な階段を下りて再び街道に。ここからは、奥多摩湖の複雑な地形を縫うように通る青梅街道に沿って、トンネルも通ることにする。トンネルは長くても260m程度だが、トンネル内に歩道はなく、後ろから迫るバイクのエンジン音がこだましてステレオの如く大音量で響き渡り、その威圧感はまるで魔物が追いかけて来るかのよう。峰谷橋を渡ると馬頭トンネル。ここもトンネルを避け、山越えの道を選び、山腹から麦山浮橋を眺めた後、街道に戻り、麦山橋を渡り、川野トンネル手前の旧道を行き、深山橋に到着。徳川の御代、塩山へは丹波(たば)を経由するのが正式ルートだったようだが、古甲州街道でもある小菅経由も使われれていたようなので、ここで左折して小菅を目指す。
 奥多摩湖の入り江に沿って続く緩やかな坂道を上ると途中で県境を越え山梨県に。県境は峠の頂上ではなく上り坂はその後も続き、金風呂地区までは走れたものの、想像以上に起伏の激しかった奥多摩の道を走って来た脚に上り道を走る余力は残っておらず、とうとう歩きに。チャーちゃんまんじゅう購入時の給水休憩を挟んで何とか坂を上り切り、小菅の入口である田元に到着。街道外れの山中に温泉があるので、ここを左折して田元橋を渡り、上り道を歩き温泉を目指すも、脚はもはや限界で、途中、左ももに肉離れかと思うような痙攣が起きるが、それでも何とか小菅の湯に到着。今日はここで止まることにする。本日の走行距離、七里五町也。
 早く湯舟に浸かりたいものの、汗を流してからとフラフラしながらシャワーを浴び、ジェット風呂でストレッチしながら疲れを癒し、露天のぬる湯五右衛門風呂で手足を伸ばしてくつろいだ後、食事処「ひのき」で駆けつけ生ビールを一杯。川魚の刺身をいただきながら二杯目の生ビールを飲んで、小菅の湯はいったん退散。今日のもう一つのお目当て麺屋「梅ノ木」さんへ。小菅の湯から歩いて2~3分といったところ。楽しみにしていた「小菅まるごとラーメン」は残念ながら売切れ。代わりに「辛味噌つけ麺」と生ビールを注文。小菅産の味噌を使っているとのことでなるほど美味。東京でお店を出しても十分流行るだろうなというお味で油気の少ない香ばしいチャーシューが印象的。無事食べるものも食べて三日目を締めくくったのでした。

旅行の満足度
3.0
観光
2.5
グルメ
3.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
高速・路線バス JRローカル 私鉄 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • 鳩ノ巣駅<br />登山客と思しき方が何人か下車していました。

    鳩ノ巣駅
    登山客と思しき方が何人か下車していました。

    鳩ノ巣駅

  • 白丸ダム<br />昭和38年(1963年)に建設された東京都交通局の発電用ダム。崖沿いに続く道を行くと白丸ダムに着きますが、旧道から見下ろす白丸ダムは足がすくむほどの高さがありました。上から見ると谷底に吸い込まれそうで何気に怖かったです。

    白丸ダム
    昭和38年(1963年)に建設された東京都交通局の発電用ダム。崖沿いに続く道を行くと白丸ダムに着きますが、旧道から見下ろす白丸ダムは足がすくむほどの高さがありました。上から見ると谷底に吸い込まれそうで何気に怖かったです。

    白丸ダム 名所・史跡

  • 奥多摩の青梅街道<br />崖が迫る山深い道が続きます。

    奥多摩の青梅街道
    崖が迫る山深い道が続きます。

  • 数馬隧道<br />大正時代に素掘りで開削された隧道で、旧道として今も通れます。徳川の御代に利用されていた「数馬の切通し」はこことは別の場所に現存します。

    数馬隧道
    大正時代に素掘りで開削された隧道で、旧道として今も通れます。徳川の御代に利用されていた「数馬の切通し」はこことは別の場所に現存します。

    数馬渓谷 自然・景勝地

  • 氷川隧道<br />昭和8年(1933年)開通の旧道にあるトンネル。現在も手入れがされている感じがします。

    氷川隧道
    昭和8年(1933年)開通の旧道にあるトンネル。現在も手入れがされている感じがします。

  • 氷川宿<br />この辺りから始まり、氷川小橋あたりまでで宿場を構成していたのではないかと勝手に想像しています。

    氷川宿
    この辺りから始まり、氷川小橋あたりまでで宿場を構成していたのではないかと勝手に想像しています。

  • 奥多摩むかし道入口<br />むかし道とは言っても明治以降に造成された道のようです。

    奥多摩むかし道入口
    むかし道とは言っても明治以降に造成された道のようです。

  • 羽黒坂上<br />急な坂を上り切るとタイルの道が現れ休憩用のベンチがあります。

    羽黒坂上
    急な坂を上り切るとタイルの道が現れ休憩用のベンチがあります。

  • 槐木(さいかちぎ)<br />荷を運ぶ人々の休み場として賑わった場所なのだそうです。

    槐木(さいかちぎ)
    荷を運ぶ人々の休み場として賑わった場所なのだそうです。

  • 境の清泉<br />辺りではワサビが栽培されていました。ポリタンクに水を詰めている人もいました。水はかなり冷たく美味しかったです。

    境の清泉
    辺りではワサビが栽培されていました。ポリタンクに水を詰めている人もいました。水はかなり冷たく美味しかったです。

  • 弁慶の腕ぬき岩<br />穴は本当に腕がちょうど入る大きさでした。昔から親しまれているのだそうです。

    弁慶の腕ぬき岩
    穴は本当に腕がちょうど入る大きさでした。昔から親しまれているのだそうです。

  • しだくら橋<br />「老朽化のため同時に2人以上は渡れません」と注意書きがあります。かつては吊り橋ではなく、「惣岳の荒」と呼ばれる巨岩から巨岩に杉丸太を藤蔓で結わいて架橋していたのだそうです。かなりの高さがあり、落ちたら一巻の終わり。渡ろうかとも思ったのですが、何か巨岩に吸い込まれそうな気がして、橋の途中できれいな紅葉の写真を撮るとスゴスゴと引き返しました。

    しだくら橋
    「老朽化のため同時に2人以上は渡れません」と注意書きがあります。かつては吊り橋ではなく、「惣岳の荒」と呼ばれる巨岩から巨岩に杉丸太を藤蔓で結わいて架橋していたのだそうです。かなりの高さがあり、落ちたら一巻の終わり。渡ろうかとも思ったのですが、何か巨岩に吸い込まれそうな気がして、橋の途中できれいな紅葉の写真を撮るとスゴスゴと引き返しました。

    惣岳渓谷 自然・景勝地

  • 馬の水飲み場<br />茶屋が三軒並ぶ休憩場で馬のみならず人も休んでいたのだそうです。

    馬の水飲み場
    茶屋が三軒並ぶ休憩場で馬のみならず人も休んでいたのだそうです。

  • 山腹から見た小河内ダム<br />中央の岬はまるで島のようです。

    山腹から見た小河内ダム
    中央の岬はまるで島のようです。

  • 山腹から見た多摩湖<br />旧道はこの湖の湖底にあるようです。

    山腹から見た多摩湖
    旧道はこの湖の湖底にあるようです。

  • 麦山浮橋<br />奥多摩湖にはここ麦山と留浦(とずら)の2か所に浮橋がかかっています。現在はポリエチレン、発泡スチロールの浮子を使用していますが、以前はドラム缶を使っていたため、ドラム缶橋と呼ぶ人もいるようです。

    麦山浮橋
    奥多摩湖にはここ麦山と留浦(とずら)の2か所に浮橋がかかっています。現在はポリエチレン、発泡スチロールの浮子を使用していますが、以前はドラム缶を使っていたため、ドラム缶橋と呼ぶ人もいるようです。

  • 深山橋<br />丹波(たば)には向かわず、左折して小菅を目指します。

    深山橋
    丹波(たば)には向かわず、左折して小菅を目指します。

    深山橋 名所・史跡

  • チャーちゃんまんじゅう<br />置いているまんじゅうの種類が少なく「小菅の道の駅に行けば買えますよ」と勧められるものの、ここで買いたかったので一番オーソドックスな「チャーちゅんまんじゅう」を購入。愛想の良い年配の女性が対応してくれ消費税分20円をおまけしてくれました。素朴な味のお饅頭ですが皮がモチモチしていて美味しかったです。

    チャーちゃんまんじゅう
    置いているまんじゅうの種類が少なく「小菅の道の駅に行けば買えますよ」と勧められるものの、ここで買いたかったので一番オーソドックスな「チャーちゅんまんじゅう」を購入。愛想の良い年配の女性が対応してくれ消費税分20円をおまけしてくれました。素朴な味のお饅頭ですが皮がモチモチしていて美味しかったです。

  • 田元橋<br />ここを左折して小菅の湯を目指します。

    田元橋
    ここを左折して小菅の湯を目指します。

  • 小菅の湯<br />建物が細長いようで、フロントから温泉まで長い廊下を歩きます。<br />温泉は混雑というほどではありませんでしたが、そこそこ人がいました。<br />食事処「ひのき」はその廊下の途中にあります。<br />

    小菅の湯
    建物が細長いようで、フロントから温泉まで長い廊下を歩きます。
    温泉は混雑というほどではありませんでしたが、そこそこ人がいました。
    食事処「ひのき」はその廊下の途中にあります。

    多摩源流 小菅の湯 温泉

  • 麺屋梅ノ木<br />日曜日の午後2時45分、先客は1人だけでした。<br />なお、自動券売機の故障でカードが使えず現金のみとなっていました。

    麺屋梅ノ木
    日曜日の午後2時45分、先客は1人だけでした。
    なお、自動券売機の故障でカードが使えず現金のみとなっていました。

    麺屋 梅ノ木 グルメ・レストラン

  • 辛味噌つけ麺<br />お水は洒落たグラスに注がれており、スープ割りのスープは最初から持ってきてくれました。

    辛味噌つけ麺
    お水は洒落たグラスに注がれており、スープ割りのスープは最初から持ってきてくれました。

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