2024/10/12 - 2024/10/12
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chiaki-kさん
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新幹線の開通で廃線となった信越本線横川-軽井沢間(旧碓氷線)の中間にある熊ノ平駅は、1893年(明治25年)に列車のすれ違いと、蒸気機関車への給水・給炭の目的で設置されました。旧碓氷線は幹線鉄道でありながら、その急勾配ゆえ歯車をかみ合わせて登るアプト式という特殊な運転方式をとらざるを得ず、また上り勾配でフルに石炭を焚くことによる煤煙で乗員や乗客が大変な苦痛を強いられていました。
1912年(明治45年)に同区間は電化されましたが、これは日本の国鉄の幹線としては最初の電化であり、これにより旧碓氷線の所要時間は80分から40分に半減されました。1963年、北側に新線の誕生(最初は単線)と共にラックレールに頼らない強力な電気機関車の登場によりアプト式は廃止に、さらに1966年には新線の複線化により旧碓氷線は廃線となりました。新線の所要時間は登りが24分、降りが17分と短縮されましたが機関車の連結・解除に5分程度かかり、そのおかげで横川駅の峠の釜飯や軽井沢駅のゴルフ弁当が売れたという側面もありました。
1997年10月に北陸新幹線(2015年3月まで長野新幹線として営業)の開通により新線も廃止され碓氷線の役割は完全に終わりましたが、レンガ造りの第三橋梁や丸山変電所などが国の重要文化財に指定され、群馬県観光の名所と変貌しています。
表紙の写真は一部が開放された熊ノ平駅ですが、右側にある変電所も重要文化財に指定されています。
(参考) 重要文化財指定・碓氷峠鉄道施設
・第二橋梁、第三橋梁、第四橋梁、第五橋梁、第六橋梁
・第七橋梁、第十三橋梁、第一隧道、第二隧道、第三隧道
・第四隧道、第五隧道、第六隧道、第七隧道、第八隧道
・第九隧道、第十隧道、第十七隧道、丸山変電所機械室
・丸山変電所蓄電池室、熊ノ平変電所本屋
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- 交通
- 3.0
- 交通手段
- 自家用車
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朝から秋晴れの良いお天気に誘われて久しぶりに軽井沢方面へドライブ。国道18号を御代田町から軽井沢町に入った途端に渋滞! 途中で気がついたが今日は連休初日だった。
まあ、なんとかなるだろうと流れ出した碓氷バイパスを坂本まで降りてから左にターンして碓氷峠を駆け上がる。連休でメチャコミの第三橋梁は素通りし、ノンストップで軽井沢まで駆け上がるつもりだったが中間地点の国道上にこんな看板あり。ここから峠までの道路の一部で土砂流失があり2024年9月4日から通行止めとのこと!
*2024/11/18 通行止めは解除になったようです。 -
通行止めのおかげで脇にあった駐車場はガラガラ。この後どうするか迷ったが、確かここは今まで来たことが無い熊ノ平駅がある場所で、今は入れることを思い出し立ち寄ってみることにした。
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とっつきはこんな階段だが、5分もかからないので足の弱い方でもゆっくり登れば大丈夫。
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階段はすぐに終わり、こんな広場に出た。ここが熊ノ平駅があった場所。
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国の重要文化財に指定されている。
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駅構内には、入って良い場所といけない場所がロープで区切られている。ちなみにアプト式ラックレールはここには無い。平らな場所なので元々設置されていないのと、1963年に峠のシェルパと呼ばれた強力な電気機関車EF63が導入されたので必要がなくなったから。
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アプトは無いがアプト式開通の碑はある。
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表紙の再掲だが右に見える建物は熊ノ平変電所跡。重要文化財だが中には入れない。なお、錆び付いてはいるが、線路や架線が比較的きれいに残っているのは1997年に新幹線が開通するまで峠のシェルパ、EF63に押されて特急あさまなどが走っていた為だろう。
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ところが、この架線を盗む輩が出現したニュースを以前に聞いたことがある。まったくもって世も末だね。
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駅構内が終点になる手前にこんな碑がある。
1950年(昭和25年)6月8日から6月12日には、熊ノ平駅構内で土砂が数度に渡り崩落。線路・宿舎などが埋没し、死者50名・重軽傷者21名を出す災害があったが、この碑は犠牲となった国鉄関係者を悼むため国鉄職員の手により建立された。 -
説明看板あり
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横川側にはトンネルが4本あるが、左側の2本は新線の上下線、右側は旧線用となっている。つまり熊ノ平駅(信号場)は新線と旧線が一緒になる場所だったのね。
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旧線のトンネルだが左側がメインのトンネルで現在は「アプトの道」として、歩いて通行できるようになっている。ちなみに右側はスイッチバック用トンネルで行き止まり。
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「アプトの道」トンネルには照明もあり安心して歩けるのだが、午前7時から午後6時までなので要注意。なお、このレンガ造りのトンネルも重要文化財。
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軽井沢側は通行禁止だが、ガイド付きの特別なツアーに参加すると新線用のトンネルを通って軽井沢駅まで行けるようだ。
後で2017年撮影のGooglemapのストリトビューを見たが、ほぼ一面草で覆われていた。ということは毎年定期的に草刈りや歩道の整備などをやっているようだ。重要文化財を管理、維持する関係者の皆さんに感謝です。 -
駐車場まで戻るとヒビだらけの「アプトの道」の看板あり。横川にある「碓氷峠鉄道文化むら」から熊ノ平駅まで旧碓氷線の線路敷を歩ける歩道が整備されている。往復で4時間ほどかかるが、勾配も緩く、トンネルは涼しいので時間に余裕のある方には良いウォーキングになりそう。
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この日、第三橋梁付近は連休で大混雑だったので、2007年から2009年の間に撮りためた写真を掲載しますが、ご了承を。なお、橋に変わりは無いが手前の駐車場は現在閉鎖中。(2007年8月29日撮影)
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当時の愛車はスバルレガシィーB4 20i(BL5A)。このクルマで京都を何度も往復し、宗谷岬まで行ったが、長距離に強い、良いクルマだったね。
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1893年(明治26年)に竣工した碓氷第三橋梁は全長91 m、川底からの高さ31 m、使用された煉瓦は約200万個に及び、現存する煉瓦造りの橋の中では国内最大規模であり、1993年には「碓氷峠鉄道施設」として、他の 4 つの橋梁等とともに日本で初めて重要文化財に指定された。(2009年10月28日撮影)
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第三橋梁の説明板。
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橋の下から見上げるとこんな感じ。
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橋の裏から上に登れる。
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橋の上はこんな感じ。
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橋から見た碓氷峠。再掲だが、右側の駐車場は現在閉鎖中。左側は5台ほど駐められるが、見通しの悪い場所なので、くれぐれも車や人にご注意を。
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沢の上流には新線の橋が2本見えるが、もう電車は走っていない。
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UPです。紅葉が綺麗。
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第三橋梁の横川側から橋を振り向くとこんな感じ。
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橋からギザギザしたものが突き出ているが、アプトのラックレールかと思う。信号用ケーブルを上に這わせたのかな。
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UPです、多分間違いないでしょう。
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熊ノ平駅方面へ国道を少し戻ると右側にこんな橋が見えた。(2009年10月28日撮影)
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碓氷第五橋梁だった。
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上に登るとこんな感じ。下に国道18号が見える。
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アプトの道として整備される前なので照明は無く、整備されていませんが、無人ということもあって、この方が風情はある。
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子供の頃に一度だけアプト式機関車の引く列車で峠を越えたことがある。ドン、ドン、ガッタンという音と共に列車はゆっくりと峠を登っていった記憶が蘇る。
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最後に国道18号・碓氷峠について。
碓氷峠の歴史は古代から始まり、最初は碓氷バイパス(こちらも国道18号)が通る入山峠が古東山道だったが、奈良時代に幹線道路が整備されると碓氷坂に東山道が移され、江戸時代には中山道として熊野神社を通る旧碓氷峠が整備された。
しかし、旧碓氷峠は北陸道・東海道巡幸時の明治天皇でも馬を降りて徒歩で越える難所だったので、馬や馬車が通れるような新道の開発が始まり1886年に「碓氷新道」と呼ばれる、ほぼ現在の碓氷峠の道が開通した。
写真は2007年11月7日に撮影したものです。 -
この時は2007年に購入したばかりのスバルサンバートラックで行った。ちなみにこのサンバーは今でも現役。
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碓氷峠は馬車を通すため勾配はなるべく緩く造られたので、カーブだらけの道となり、11kmの区間にカーブは184箇所もあり、ドライブ・ツーリングスポットとして古くから知られている。
そのため走り屋さんからの知名度は高く、人気漫画『頭文字D』では日産・シルエイティに乗り公道レースを行う女性走り屋チーム「インパクトブルー」の拠点として登場する。 -
ちなみに熊ノ平駐車場に、こんなのありましたよ。ただし、漫画と違って公道使用許可を取ったラリー競技の1シーンですので、お間違えなく。なお、これは2024年10月12日に撮影しました。
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碓氷峠のピークは群馬県安中市と長野県軽井沢町の境にあり、利根川水系と信濃川水系の分水嶺ともなっている。
*2024年10月12日現在、災害によりここから先は通行止めなのでご注意を。
*2024/11/18 通行止めは解除になったようです。 -
碓氷峠や信越本線旧碓氷線には数え切れないほどの思い出があるが、説明し始めると終わらなくなるので今回は省略させていただきます。
そして、最後にヤマトタケル尊が「吾妻はや」と叫んだ峠から関東平野を眺めて、この旅行記?を終了といたします。本日も最後までご覧いただきありがとうございます。
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