イエローナイフで4夜のオーロラハンティング　～プロローグ　移動編～

2024/08/29 - 2024/09/03

今年は11年ぶりに太陽活動が極大期を迎え、オーロラが頻繁に出現している。北海道でもオーロラの一部が見えたというニュースも飛び込んできている。
過去2回、2013年3月にフェアバンクスで、2015年8月下旬にホワイトホースでオーロラ鑑賞の旅に出ているが、期待に反して貧弱なオーロラしか見えなかったり、悪天候に邪魔されたりして納得がいくオーロラ撮影が出来ていない。ふたたびオーロラ鑑賞チャンスが巡ってきたので、3回目の挑戦である。今回の行先は鉄板オーロラ鑑賞地とされるイエローナイフへ。

エリア イエローナイフ(カナダ)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 観光バス
• 航空会社: エアカナダ
• 旅行の手配内容: 個別手配

2018年4月にニュージーランド20日間の旅に出かけて以来、6年ぶりの日本脱出。コロナパンデミックのせいで、この間、好きな海外旅行は自粛続きだった。まもなく後期高齢者の仲間入りを控えた身にとっては、このブランクは人生の中でも大きな損失（ちょっと大げさか(^ ^);・・）であり、久しぶりの海外旅行とあって、テンションが上がる。
オーロラハンティング旅では、夜オーロラの出現を待ち、昼間は寝ているという生活スタイルになるので、連れ合いは付き合い切れないと言って、同行しない。
旅費は一人分で済むので、ちょっと贅沢して、現役時代の出張以来のビジネスクラスでの移動である。
利用するエアラインはエア・カナダで、スターアライアンスのメンバーなので、ラウンジはANAのラウンジである。

ラウンジで、遅めのランチ。昔に比べると提供される食べ物の質がずいぶん落ちたような・・・

第1ターミナル南ウィングのANAの飛行機が多数駐機している様子を眺めながらAC004便の搭乗開始までの時間を過ごす

そろそろ搭乗時間が近づいた。搭乗口４２番ゲートに向かう

搭乗口は結構混雑している

エアカナダ004便の機材はBoeing 777-300ER
シートアレンジは、ビジネス２８席、プレミアムエコノミー２４席、エコノミー３９８席となっていて、ファーストクラスはない。１列が独立した４席の配置で、同じ機材のJAL機のビジネスシートが１列２－３－２席に比べると、スペースに余裕があり、半ば個室風で快適である。ファーストクラスがないぶん、ビジネスシートが従来よりグレードアップされているのだろうか？　もちろん、フルフラットシートだ。

台風７号の影響で気流が不安定でゆれるかと思ったが、案外おだやかな飛行であった。

機内食のメニュー
離陸してしばらくして夕食が供される。メイン料理は４種からのチョイスすることになっている。welcome drinkのシャンパンをすすりながら、どれにしようか迷う

食前酒にメルローの赤ワインをオーダー

前菜はエビのサフランアイオリソース。フレッシュサラダと暖かい小振りのパンとガーリック風味のパン

メインはアミガサタケソースの牛フィレステーキ。機内食だからやむを得ないのだろうが、ちょっと火が通りすぎかな・・・

デザートのフルーツ
さすがにビジネスクラスなので、器は陶器、グラス、カトラリーはステンレスと、プラスチックとは趣がちがう。

６年前にはなかった機内のwifiサービス。世の中のデジタル化の進歩は早い。ただし、有料である。仕事での旅ではないので、わざわざ有料のwifiを使う必要性は感じない。
エンタメもとても見切れない多くの映画やドラマが準備されている。昔見て、とても印象に残っているSF映画の金字塔、アーサー・クラーク監督の「２００１年宇宙の旅」があったので、見直してみた。現代でも通用する科学的知見に裏付けられたストーリー、リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」、ヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」など印象的なクラシック音楽など、見ごたえがある映画ではある。

ひと眠りする前の寝酒としてオレンジジュースベースのカクテルをオーダー

朝食。オムレツとチキンソーセージ、焼きトマト。クロワッサン、フレッシュフルーツ、バーチャーミューズリー（左上の皿）
朝から、かなりのボリュウムではある。バーチャーミューズリーとは、ジュースでふやかしたオートミールにヨーグルトやドライフルーツをトッピングもののようだ。

普段の旅行では、機内サービスの写真を事細かに撮影することなどないのだが、まだビジネスクラスを利用したことがないワイフが、いずれビジネスクラスで旅行したいから機内の様子を撮影して報告しろと厳命されたのである。

バンクーバー到着の時間が近づいてきた。雪を頂いた山並みが見える

徐々に高度を下げていく。

着陸五分前

ほぼ定刻通り１０：４０バンクーバー空港に到着。
2時間50分の乗り換え時間を得て、次の目的地イエローナイフに向かう。さすがに地元カナダの航空機メーカー、ボンバルディアの飛行機が目立つ。

エアカナダエクスプレスAC8478便にて順調に定刻通り13:30にノースウェスト準州の州都イエローナイフに向けて離陸。進路は北北東であり、カナダロッキー山脈を越えての飛行である。

名も知らぬ氷河が眼下に見えている。

フライト時間は2時間半ほどである。飽きることなく北米の大地の景色を眺めているひと時である。

短いフライトだが、食事が出た。旅先では野菜不足になりがちなので、サラダは優先的に食べることにしている。バルサミコとオリーブオイルのドレッシングが食欲をそそる。しかしメインディッシュのチキンとライスは、チキンはまずまずの味だが、ライスは、不味いことこの上ない。
30年ほど前に、コメ不足騒動があり、緊急で東南アジアから輸入された米がまずかったことが思い出される。普段日本人が食べるジャポニカ米ではなく、細長い粒でパサパサしたインディカ米なのである。

イエローナイフがあるノースウェスト準州のエリアに入ってきた。どこまでも続く平坦な土地で、永久凍土が溶けて出来た夥しい大小の湖が点在する。

定刻どおり、現地時間17時にイエローナイフに到着。少し前に雨が降ったようで、雲が多く、さっそく今夜からのオーロラ撮影がどうなるか、いささか心配ではある。

ノースウェスト準州の州都とは言え、高々3万人弱の小さな町イエローナイフの空港は平屋建てのターミナルビルである。こじんまりした空港で、沖止めの飛行機から乗客は歩いてターミナルビルに向かう。

バゲージクレイムでは、北極熊の剥製が出迎えてくれる。

普段から我が家の海外旅行は、日本出発のツアーは利用しない。パッケージツアーだと時間的に融通が利かないからである。今回の旅行も、イエローナイフ往復の旅程は、直接エア・カナダのHPから予約を入れ、イエローナイフでのオーロラ撮影は、現地のオーロラハンティング催行会社のツアーを利用することにした。
イエローナイフのオーロラ鑑賞というと、有名なオーロラビレッジに滞在してオーロラを眺めるというのがメジャーだが、今回はAurora Wonderland Tours ＆ Beck's Kennelsという会社のツアーを利用した。この会社、独自のオーロラ鑑賞のための山小屋を複数所有していて、そのときのオーロラの状況や天気に応じて、最適な場所でオーロラを鑑賞するというスタイルである。
荷物を受け取って外にでると、ツアー催行会社のスタッフが出迎えてくれた。同行者はおらず、玄白一人である。
雨上がりの空に虹が出ていた。

宿泊はイエローナイフの中心部にある　Quality Inn ＆　Suites　というホテル。
宿名はHotelではなく、Inn とあるように、いわば安宿である。今回はワイフは同行しない一人旅なので、設備が充実したホテルである必要はないのである。
17:20　チェックイン

シンプルな作りの部屋だが、清潔感はある。シャワーだけでなくバスタブもあり、一人旅であればこれで十分だ。
さっそく、今夜１０：３０にオーロラハンティングで出かけるので、荷物をほどき、撮影機材を再度入念に点検してから、一風呂浴びて3時間ほど仮眠を摂る。
肝心の今夜のオーロラはどうであろうか？
予報では天気は曇り、オーロラは10段階のうちレベル２～３だというが・・・