2022/10/14 - 2022/10/16
1530位(同エリア6058件中)
のまどさん
ウィーンは好きな街です。治安が良く上品で文化的だと思います。少なくともパリの10倍は好感が持てます。
駅前の快適なホテルに2泊し、美術館めぐりをしました。やはりなんと言っても美術史美術館。古代史から始まり、ベラスケス、フェルメールなどの作品はとても1日では見られないのですが、群を抜いていたのはブリューゲル、とりわけ『バベルの塔』です。
ベルヴェデーレ美術館のウィーンを代表する画家、シーレとクリムトの作品を見比べるのも有意義です。
この旅ではエコな移動手段として夜行列車に乗りましたが、ウィーン滞在中にイギリスで環境団体による絵画の襲撃がありました。これを発端として色々な名画が攻撃対象になっていますが、断じて異を唱えたいと思います
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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まずは小腹を満たすべくナッシュマルクトへ。ひどかった。市場は写真のように市民の生活に根づいたものであるべきだが、ここは完全に観光需要に迎合している。東欧料理に飽きていたので日本食屋で昼食を取ったが、やはり現地色が強かった。
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シュテファン大聖堂。ここに最初に来たのは遥か昔。
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本日の目玉、モーツァルトの家。実際に住んでいたようだが、生活感はなし。展示内容はかなり独特で遺作となったレクイエム発表時のドロドロしたエピソードが興味深かった。
この博物館、子ども連れで行くべきではないと思います。かなり説明に困る展示が多くあるので。モーツァルトは18世紀後半に方々の貴族から重宝された音楽家であるため高貴なイメージが持たれがちですが、実際はかなりヤバい輩だったようです。映画『アマデウス』でその実態が描かれていると思います。 -
2泊したホテル Austria Trend Hotel beim Theresianum Wien。
https://www.austria-trend.at/en/hotels/theresianum -
駅近くなのに部屋が広くて冷蔵庫があるなど至る所に気配りが利いていたのでお勧めです。
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翌朝、国立歌劇劇場の前を通ります。やはり遥か昔に見学しました。ウィーンに来る前にブダペストでも見学しましたが、ガイドが本家よりもブダペストの方が美しいと皇帝が絶賛していたと息巻いていました。こういう矜持には笑うしかないですね。
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この度の目玉、国立美術史美術館。地上階のエジプト史からピラミッドの内装を丸ごと展示しているなどハプスブルク帝国の権力に圧倒されますが、古代史に時間をかけていると他を見逃すことになるのでギリシア・ローマ史を足早に見て上の階に向かいます。
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優雅な階段上の装飾はクリムトをはじめ3人の画家が手がけたようです。この女性の描写はいかにもクリムト。
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19世紀末ウィーンでは再開発が行われ、クリムトはその多くを受注しかなり羽振りがよかったようです。
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近世コーナー。スペイン・ハプスブルク家のマルガリータ王女。金髪に透き通るような白い肌。その血筋を保つため一族は近親婚を繰り返した結果、多くが遺伝病を抱えて夭逝しました。ベラスケスが描いた肖像画はお見合い写真の用途で、マルガリータは叔父にあたるレオポルト1世と結婚し、円満な家庭を築くも出産時に21歳で亡くなりました。
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フェルディナント1世らに重用されたアルチンボルトの野菜の肖像画。野菜の他にも虫や魚介類など気を衒った肖像画は皇帝からの依頼。話題性がありますが、絵としてはメッセージ性に欠けます。
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ブリューゲル父『謝肉祭と四旬節の喧嘩』。ブリューゲルは我らがヒエロニムス・ボシュのコピー画家としてデビューした。この頃の作品にはボッシュ色が見て取れる。
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同じく『雪中の狩人』。教科書に出てくる作品。フランドル地方の当時の庶民の生活が分かります。今はこんなに雪は降らないし、スケートができるほど川が凍ったのは私が移住して以来一度きり。
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フェルメールの『絵画芸術』。後ろの地図は独立したネーデルラント17州で重要な意味を持つらしいが、前方のカーテンと同じキャンバスに描かれると少しくどい感じがする。個人的にフェルメールの絵は静謐であるはずなのに後方の壁に余計なものが描かれる傾向があると思います。
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そしてなんと言ってもブリューゲルの『バベルの塔』、別名大バベル。そんなに大きな作品ではないのに一瞬で引き込まれてしまいます。ここまで二日酔いで不機嫌だったウワバミが覚醒しました(←絵の格が・・・)。
この作品についてはブリューゲル探訪をライフワークとしているnorio2boさんの解説をご参照下さい。またタモリ倶楽部以来私がファンをやっている山田五郎さんの解説、カトリックへの抗議という説に一票投じます。 -
そのすぐ横に展示されている、同じくブリューゲルの『サウルの自害』ブリューゲルの特徴はなんと言っても緻密で正確な描写。33.5cmX55cmとかなり小さな作品ですが、いつまでも見たくなる力強さがあります。
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シェーンブルン宮殿。予約して高い入場料払ったのにこれだけ?という残念な感じです。
なので、この日にロンドンで起こった環境活動家によるゴッホの『ひまわり』襲撃事件について私見を述べます。トマトスープを投げつけた二人はいずれも暗い目をした幸薄そうな若者。 -
彼らが社会から疎外された貧困者であると同情する声もあるが、世界には彼らが無駄にしたスープにさえありつけないほど飢えた人がたくさんいると反論したい。
夕食は前夜と同じ店にしました。地ビール、スタロブルノ。 -
やはりこってり肉料理。
更に矛盾しているのがこの団体の創設者が石油でボロ儲けした富豪の娘であること。この手の団体の創設者や寄進者は庶民の生活すら知らない富豪や著名人が多い。 -
温暖化は早急に止めなくてはいけない。しかし、彼らが芸術作品に危害を及ぼして訴えるのは犯罪行為でしかない。同じような事件は多数の美術館で起こり、私は天才たちが身を粉にして魂を込めて作り出した人類の宝が教養のない人間の憂さばらしと実質効果のない活動の宣伝の犠牲になる度に心底憤慨している。
とりあえずオーストリア産ワインで怒りを鎮めましょう。結構美味しかったです。 -
翌朝。フンデルトヴァッサーハウス。外から見学するのが無料でよかったという感想のみ。
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ベルヴェデーレ宮殿。中は美術館になっています。
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モネ作『ジヴェルニーの庭の小道』。いかにもモネのジヴェルニー時代の作品。ほっとする明るさがあります。
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対照的にクリムトと同じ時代に生き、28歳の若さで夭逝したエゴン・シーレは死をテーマにした作品を遺しました。『死と乙女』、恋人との訣別が描かれています。
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ゴッホの作品からインスピレーションを受けて描いた『ひまわり』。葉は既に枯れている感じ。ゴッホとシーレ、苦悩が多く、人間関係が荒い、周囲から敬遠されたという点が共通しています。
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一方、同じ画材をクリムトが描くとこうなります。ヒマワリが女性のように見えてくるのは気のせいでしょうか。下の小振りな花は頻繁に使われるモチーフです。
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『アダムとイヴ』ルネサンス以降西洋の画家が描き続けてきた旧約聖書の話をクリムトが描くと、豹の毛皮と花というアール・ヌーヴォー(ウィーンでは分離派ですが)ならではのテーマとともに、アダムに禁断の果実を食べるよう唆したイヴの裸体が虚無な表情を伴って官能的になります。
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『アッター湖近郊の田舎家』
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『フリッツァ・リートラーの肖像』。珍しく妖艶な感じが全くない女性像。紙の装飾はベラスケスの作品から着想したらしい。
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そして当館目玉の『接吻』。金箔の装飾と無数の花の中で男女が体を寄せる刹那な瞬間、死が忍び寄るような退廃的な感じが堪らない。ウワバミは全く興味がないようで素通りしていきました。
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美術館めぐりの目標を達成できたのでウィーナー・シュニッツェルを食べましょう。ドイツに行くとまともに食せる数少ない品ですが、大半はパサパサしていてやはりドイツ規格だという感想に至ります。本場のは外はからっと揚がっていて中はジューシー。もはや別物。
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夜行列車の時間まで宛てもなくぶらぶらと散策します。
からくり時計。立派ですが、正直に言って何が動いたのか分かりませんでした。 -
ペスト記念塔。
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飲み納めはアイリッシュ・パブで。
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ウィーン中央駅。ヨーロッパの主要駅とは思えないほど駅舎はきれいだし、治安の悪さは全く感じませんでした。
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ブリュッセル行きのNight Jetに乗り込みます。パンフレットには「あなたが寝ている間に245kgの二酸化炭素を削減しています」との触れ込み。
再びこのような旅の百戦錬磨のスウェーデンの元少女について考える。 -
帰りは6人掛けのコンパートメントを2人で占拠。普通座席の乗客が空いている座席を使わせてほしいと頼みにきましたが、お断りしました。普通席で寝るのが苦痛なのは理解できますが、こちらは割増料金を払っているので。
少女の頃には国際会議の場に出向いたり政治家を呼びつけて感情を露わにして叫びまくるだけだったが、成人になった昨今は作業現場に出向いて妨害行為に出て華々しく逮捕歴を重ねるというパフォーマンスに転換している。 -
母国で無料の高等教育を修めて、せめて自ら排出する分に相当する二酸化炭素を浄化する研究をすれば母国主催のノーベル賞受賞に匹敵すると思うが、ギャンギャン喚いて真面目に仕事をしている人に危害を加える方が手っ取り早く資金と信奉者が獲得できる。気候変動会議で彼女が行った有名なスピーチ、How dare you! そのまま返したい。
何はともあれ、旅の終わりをオーストリアビールで祝福します。寝心地は最悪でした。
<完>
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