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 妻は京都生まれの夫がいながら京都の歴史を感じさせる美味しいものをごちそうしてもらった覚えがないともらす。じゃおいしいもの食べに行こうかと連休を使って妻と娘を伴い,京都に行くことにした。<br /> 私は出張でも観光はあまりしないし,オーバーツーリズムの京都の観光地を歩くなんてとてもじゃないが,性に合わない。妻と娘は,京都到着早々街中を散策。私は,嵯峨のホテルに荷物を置きに行く。娘からフランソワでお茶しているよというメールが来て,フランソワに向かう。今は亡き親父が学生時代に入り浸っていたフランソワ。私も若い頃,親父とフランソワに行くと,オーナーの奥様が出てきて手を取り合って再会を喜んでいたのを,今も覚えている。親父が学生のころいつも座っていた席を妻に教えて以来,妻は親父を偲び京都に来る度に訪れるようになった。最近は,お店の前に人が並び,なかなかすんなり入れない。想い出深い素敵な喫茶店,でももう人が多すぎて私には入りづらい。<br /> 妻と娘が笑顔でフランソワから出てくる。じゃ,おいしいもの食べに行こうかということで,すき焼きのキムラに向かう。ここも親父がよく連れて行ってくれたお店だ。下足番に靴を預けて2階にあがる。昭和風情のガスコンロにちゃぶ台。メニューはすき焼き,ロースか並で選ぶ。ロースと並の値段差はほぼない。とにかくすき焼きをお安く気軽に美味しく食べるお店だ。我が家のすき焼きは,ここのすき焼きに似せて作っていた。お肉もおいしい,お麩はビールに合う!タマネギも九条ネギもおいしい!親父を偲びながら,全部おいしい。<br /> 帰り道,阪急電車は”ちいかわ”だらけだった。車体にも吊り広告にもちいかわだらけ。おまけに運転席のとなりにちいかわが鎮座している。娘は大喜び。なぜか妻もキャーキャー言っている。い~や~,ヤダヤダ。四条大宮から嵐電に乗って車折神社駅まで。車折って「くるまざき」って読むんだ。なかなか覚えられない。<br /> 次の日,妻と娘は,揃って嵐山観光に出かけた。私は,どうしても見たかった藤田嗣治の「ノルマンディの春」を見に行くために,関西日仏会館に向かう。大石直紀の『レオナール・フジタのお守り』という小説を最近読み,その小説のいいところででてきた日仏会館の「ノルマンディの春」を見てみたいと思ったからだ。日仏会館の綺麗な建物の入口には,本日は試験のため施設はお休みとなっていたけれど,恐る恐るドアを開けて入ると目の前に「ノルマンディの春」があった。突然の出会いに感動した。ただ,ガラスで守られた絵は,光が反射して,絵がよく見えないのが残念だった。<br /> 娘からメール。これから金閣寺に行くよとのこと。金閣寺の入場券は,お札になっていて,我が家では魔除けに使っている。そろそろ新しくしようと思ったので,私も合流することにした。北野白梅町で待ち合わせをして,そこから歩いて金閣寺に向かった。たくさんの観光客でごった返す金閣寺。少しげんなりしながら入場する。すぐに金閣寺が目の前に現れる。みんな煌びやかな黄金を写真のフレームに収めようとするけれど,金閣寺のよさはその庭の美しさになると,私は思う。でも,のんびり見ることができない。後続の追われて,どんどん歩かないといけない。途中で,御抹茶と菓子で休憩して,娘がちいかわの金閣寺限定キーホルダーを買って,ぐったり疲れながら金閣寺を後にする。<br /> たくさん歩いたので,喉が渇く。金閣寺の入口近くにあったクラフトビールのお店に飛び込む。Kinkaku the after pointというお店。私はKotokoto Pilsnerを注文。妻は帆風を注文。どちらも京都のクラフトビールとのこと。疲れが吹っ飛ぶぐらいにおいしかった。たまらんな,昼間のビール。もうここで今日は終わりにして飲んじゃおうかという気持ちになったが,いやいや,ここで終わるとまた京都らしいおいしいところに連れて行ってもらってないと妻になじられそうだ。一杯だけで我慢して,タクシーで熊野神社まで向かう。<br /> 熊野神社。境内に入ると,熊野神社だけあって,ちゃんと八咫烏が象徴されている。三本の足があるとされるサッカーの神様。サッカー好きもお参りするのかなと思いながら,娘に聖護院八つ橋のお店,本家八つ橋西尾を紹介しつつ,聖護院に向かう。<br /> 聖護院西門にある河道屋養老が本日の晩ご飯のお店。お蕎麦屋さんだけど,ここには養老鍋というおいしい鍋がある。蕎麦だしがうまい。そして,京都のおいしいものを集めた養老鍋というのが名物。仕事で一度お邪魔してから是非妻に食べさせたいと思っていたお料理だ。九条ネギや綺麗に巻いた白菜と軽く煮ると風味がたつ春菊,モモでもセセリのように弾力のある地鶏,すごくおいしい生麩に彩りを添える海老,老舗のひろうずなど,京都ならではの具材が揃った鍋だ。鍋から湯匙に移し,七味をかける。この七味がまた絶品だ。そこにレモンを少し垂らすと酸味と蕎麦だしが絶妙な味を生み出す。締めは,うどんと蕎麦の両方を味わう。うどんも美味しいが,さすがの河道屋,蕎麦がうまい。おなかいっぱいなのに,ついつい最後まで食べてしまう。河道屋養老は,建物がまたいい。お座敷も小津安二郎の映画に出てきそうな感じ。お座敷から眺める庭がいい。表通りに面したお店と違って,とても静かで,私は大好き。お店の人も静かに適度にお世話をしてくれて,気持ちがいい。娘には養老鍋はちょっと滋味すぎるかと思いきや,娘もおいしいと連発していたし,もちろん妻も熱燗を飲みながら,うまいとうなっていた。ごちそうさまでした。<br /> 最後の日,ホテルは11時チェックアウトなので,ゆっくり朝食を近くの喫茶店で食べてからホテルを出ようということになった。近くにあったスクーナーカフェに入る。地元のひとたちで朝から賑わう喫茶店。客層を見ると,地域のコミュニティがまだちゃんと機能していて,人が集まる場所になっていることが感じられる。モーニングのメニューも豊富で,私はスキレットセットを注文。厚切りトーストにしっかりバター,スキレットには粗挽きコショウのかかった目玉焼きとベーコン。ポテトとコーンも添えてある。最高のモーニングだ。今回泊まったホテルに次ぎ泊まるときは,迷わずここでモーニングを食べることにしようと思う。<br /> 出町柳に出て,出町商店街をぶらつく。ここにはふたばの豆餅(水無月も私は大好き),肉の岡田のチャーシュー(揚げたてコロッケも最高だ),野呂本店のお漬物,田辺宗の味噌(出汁入りでない合わせ味噌が好き),阿闍梨餅など,子どもの頃から慣れ親しみ,今ではお土産するものが揃う。今回も,チャーシューとお漬物を買って帰ることにした。チャーシューは,和辛子にマヨを少々,ちょいとタレをたらして食べるのが我が家流。ビールやお酒のあてにすると最高だ。脂肪もうまいし,肉の部分もまた味わい深い。柔らかくて味の濃いぶよぶよチャーシューが多い昨今,このうまみの多いドライなチャーシューがいつまでもありますように。今回はおいしいもんいっぱい食べたね,と妻のねぎらいの言葉。久しぶりにいい京都だった。<br /><br /> <br /> <br /> 

京都で鍋を楽しむ旅

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2023/11/03 - 2023/11/05

34663位(同エリア46322件中)

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Jake

Jakeさん

 妻は京都生まれの夫がいながら京都の歴史を感じさせる美味しいものをごちそうしてもらった覚えがないともらす。じゃおいしいもの食べに行こうかと連休を使って妻と娘を伴い,京都に行くことにした。
 私は出張でも観光はあまりしないし,オーバーツーリズムの京都の観光地を歩くなんてとてもじゃないが,性に合わない。妻と娘は,京都到着早々街中を散策。私は,嵯峨のホテルに荷物を置きに行く。娘からフランソワでお茶しているよというメールが来て,フランソワに向かう。今は亡き親父が学生時代に入り浸っていたフランソワ。私も若い頃,親父とフランソワに行くと,オーナーの奥様が出てきて手を取り合って再会を喜んでいたのを,今も覚えている。親父が学生のころいつも座っていた席を妻に教えて以来,妻は親父を偲び京都に来る度に訪れるようになった。最近は,お店の前に人が並び,なかなかすんなり入れない。想い出深い素敵な喫茶店,でももう人が多すぎて私には入りづらい。
 妻と娘が笑顔でフランソワから出てくる。じゃ,おいしいもの食べに行こうかということで,すき焼きのキムラに向かう。ここも親父がよく連れて行ってくれたお店だ。下足番に靴を預けて2階にあがる。昭和風情のガスコンロにちゃぶ台。メニューはすき焼き,ロースか並で選ぶ。ロースと並の値段差はほぼない。とにかくすき焼きをお安く気軽に美味しく食べるお店だ。我が家のすき焼きは,ここのすき焼きに似せて作っていた。お肉もおいしい,お麩はビールに合う!タマネギも九条ネギもおいしい!親父を偲びながら,全部おいしい。
 帰り道,阪急電車は”ちいかわ”だらけだった。車体にも吊り広告にもちいかわだらけ。おまけに運転席のとなりにちいかわが鎮座している。娘は大喜び。なぜか妻もキャーキャー言っている。い~や~,ヤダヤダ。四条大宮から嵐電に乗って車折神社駅まで。車折って「くるまざき」って読むんだ。なかなか覚えられない。
 次の日,妻と娘は,揃って嵐山観光に出かけた。私は,どうしても見たかった藤田嗣治の「ノルマンディの春」を見に行くために,関西日仏会館に向かう。大石直紀の『レオナール・フジタのお守り』という小説を最近読み,その小説のいいところででてきた日仏会館の「ノルマンディの春」を見てみたいと思ったからだ。日仏会館の綺麗な建物の入口には,本日は試験のため施設はお休みとなっていたけれど,恐る恐るドアを開けて入ると目の前に「ノルマンディの春」があった。突然の出会いに感動した。ただ,ガラスで守られた絵は,光が反射して,絵がよく見えないのが残念だった。
 娘からメール。これから金閣寺に行くよとのこと。金閣寺の入場券は,お札になっていて,我が家では魔除けに使っている。そろそろ新しくしようと思ったので,私も合流することにした。北野白梅町で待ち合わせをして,そこから歩いて金閣寺に向かった。たくさんの観光客でごった返す金閣寺。少しげんなりしながら入場する。すぐに金閣寺が目の前に現れる。みんな煌びやかな黄金を写真のフレームに収めようとするけれど,金閣寺のよさはその庭の美しさになると,私は思う。でも,のんびり見ることができない。後続の追われて,どんどん歩かないといけない。途中で,御抹茶と菓子で休憩して,娘がちいかわの金閣寺限定キーホルダーを買って,ぐったり疲れながら金閣寺を後にする。
 たくさん歩いたので,喉が渇く。金閣寺の入口近くにあったクラフトビールのお店に飛び込む。Kinkaku the after pointというお店。私はKotokoto Pilsnerを注文。妻は帆風を注文。どちらも京都のクラフトビールとのこと。疲れが吹っ飛ぶぐらいにおいしかった。たまらんな,昼間のビール。もうここで今日は終わりにして飲んじゃおうかという気持ちになったが,いやいや,ここで終わるとまた京都らしいおいしいところに連れて行ってもらってないと妻になじられそうだ。一杯だけで我慢して,タクシーで熊野神社まで向かう。
 熊野神社。境内に入ると,熊野神社だけあって,ちゃんと八咫烏が象徴されている。三本の足があるとされるサッカーの神様。サッカー好きもお参りするのかなと思いながら,娘に聖護院八つ橋のお店,本家八つ橋西尾を紹介しつつ,聖護院に向かう。
 聖護院西門にある河道屋養老が本日の晩ご飯のお店。お蕎麦屋さんだけど,ここには養老鍋というおいしい鍋がある。蕎麦だしがうまい。そして,京都のおいしいものを集めた養老鍋というのが名物。仕事で一度お邪魔してから是非妻に食べさせたいと思っていたお料理だ。九条ネギや綺麗に巻いた白菜と軽く煮ると風味がたつ春菊,モモでもセセリのように弾力のある地鶏,すごくおいしい生麩に彩りを添える海老,老舗のひろうずなど,京都ならではの具材が揃った鍋だ。鍋から湯匙に移し,七味をかける。この七味がまた絶品だ。そこにレモンを少し垂らすと酸味と蕎麦だしが絶妙な味を生み出す。締めは,うどんと蕎麦の両方を味わう。うどんも美味しいが,さすがの河道屋,蕎麦がうまい。おなかいっぱいなのに,ついつい最後まで食べてしまう。河道屋養老は,建物がまたいい。お座敷も小津安二郎の映画に出てきそうな感じ。お座敷から眺める庭がいい。表通りに面したお店と違って,とても静かで,私は大好き。お店の人も静かに適度にお世話をしてくれて,気持ちがいい。娘には養老鍋はちょっと滋味すぎるかと思いきや,娘もおいしいと連発していたし,もちろん妻も熱燗を飲みながら,うまいとうなっていた。ごちそうさまでした。
 最後の日,ホテルは11時チェックアウトなので,ゆっくり朝食を近くの喫茶店で食べてからホテルを出ようということになった。近くにあったスクーナーカフェに入る。地元のひとたちで朝から賑わう喫茶店。客層を見ると,地域のコミュニティがまだちゃんと機能していて,人が集まる場所になっていることが感じられる。モーニングのメニューも豊富で,私はスキレットセットを注文。厚切りトーストにしっかりバター,スキレットには粗挽きコショウのかかった目玉焼きとベーコン。ポテトとコーンも添えてある。最高のモーニングだ。今回泊まったホテルに次ぎ泊まるときは,迷わずここでモーニングを食べることにしようと思う。
 出町柳に出て,出町商店街をぶらつく。ここにはふたばの豆餅(水無月も私は大好き),肉の岡田のチャーシュー(揚げたてコロッケも最高だ),野呂本店のお漬物,田辺宗の味噌(出汁入りでない合わせ味噌が好き),阿闍梨餅など,子どもの頃から慣れ親しみ,今ではお土産するものが揃う。今回も,チャーシューとお漬物を買って帰ることにした。チャーシューは,和辛子にマヨを少々,ちょいとタレをたらして食べるのが我が家流。ビールやお酒のあてにすると最高だ。脂肪もうまいし,肉の部分もまた味わい深い。柔らかくて味の濃いぶよぶよチャーシューが多い昨今,このうまみの多いドライなチャーシューがいつまでもありますように。今回はおいしいもんいっぱい食べたね,と妻のねぎらいの言葉。久しぶりにいい京都だった。

 
 
 

旅行の満足度
4.0
観光
3.5
ホテル
3.5
グルメ
5.0
ショッピング
5.0
同行者
家族旅行
交通手段
自家用車
旅行の手配内容
個別手配
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