「奥能登国際芸術祭2023」のと里山空港から１泊２日で巡る

2023/09/30 - 2023/10/01

2017年、2021年に引き続き３回目の奥能登国際芸術祭が2023年9月23日から11月12日までの51日間、石川県珠洲市を舞台に開催されています。羽田からのと里山空港へ飛び、レンタカーを使い１泊2日で駆け足で作品を巡りました。いい作品が多く鑑賞時間が伸び伸びとなってしまい、全ての作品を見ることはできませんでした。今回訪れた作品のうち、2023年の新作で印象に残ったものを紹介します。
・本文中は作品番号/作家名（活動拠点）/作品タイトルの順で紹介しています。

【旅程】
○9月30日（土）羽田8：55（NH747）9：50能登（レンタカー）珠洲市内＜宿泊：まつだ荘＞
○10月1日（日）珠洲市内（レンタカー）能登17：00（NH750）18：05羽田
　旅程の時刻は定刻です。レンタカー走行距離230km。

【奥能登国際芸術祭2017】
・会期　2023年9月23日-11月12日
・開催地　石川県珠洲市全域
・参加アーティスト　14の国と地域／59組

エリア 珠洲(石川)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: レンタカー ANAグループ

羽田を離陸してから30分程度で能登空港（のと里山空港）への最終の着陸態勢となりました。能登半島の先端、これから巡る珠洲を一望。見付島も見えます。

現地での足はレンタカーになります。車種は日産ノートe-POWER。モーターのみで走るクルマで、エンジンは発電だけに使用。エンジン車とはアクセルの感覚が異なります。
能登空港を含め、石川県と富山県の主要駅、空港でレンタカーを借りて珠洲に宿泊すると「レンタカー利用者宿泊助成制度」で１泊あたり3,000円の助成を受けることができます。レンタカー会社の受付で助成券を忘れずにもらいましょう。

のと里山空港 空港

空港から広域農道（立派な道路です）を経由してまずは若山エリアへ。空港から1時間弱で旧上黒丸小学校に到着。

43/泰然＋きみきみよ（日本）/あかりのありか《のと》
珠洲の子どもたちと作り上げた積み木がLEDの光りで浮かび上がる。

44/嘉春佳（日本）/祈りのかたち
地域の人々から集めた古着を使ったインスタレーション。

里山の中に佇む空家になった個人宅が会場になっています。

46/原嶋亮輔（日本）/Future Past 2323

若山エリアの最も奥にある作品。
47/小山真徳（日本）/ボトルシップ

山を越えて日本海に面する大谷エリアへ。
06/ファイグ・アフメッド（アゼルバイジャン）/自身への扉

08/アナ・ラウラ・アラエズ（スペイン・バスク地方）/太古の響き

09/弓指寛治（日本）/プレイス・ビヨンド
戦前に珠洲から満州に渡り軍人となった人の伝記を元に描かれた多数の絵が自然歩道に展示。歩きながら戦争の中を生きた人々を追体験できる作品。

03/坂繁（日本）/潮騒レストラン
スズ・シアター・ミュージアムの敷地内にあり、レストランとショップがあります。最新の木造建築とのこと。

９月29日、30日はスズ・シアター・ミュージアムで常盤貴子さん出演の朗読劇「うつつ・ふる・すず」が上演されていました。予めチケットを入手していたので観劇。珠洲の昔話や何気ない日常の物語を常盤貴子さんが南条嘉毅の作品「余光の海」を舞台に朗読。地元高校生の合唱が絶妙でとても素晴らしいパフォーミングアーツでした。

今晩の宿は飯田エリアにある「灯りの宿まつだ荘」。夕食は地元産の魚料理を珠洲の地酒「大慶」とともにいただきます。珠洲は海の幸、山の幸に恵まれていて、料理や酒を楽しめるのも魅力です。

灯りの宿 まつだ荘 宿・ホテル

2日目は日置エリアから時計回りで巡ります。開館の9時30分前に旧日置公民館に到着。しばらく開館を待ちました。

12/さわひらき（日本・イギリス）/幻想考　”The Butterfly dreams"
2021年の作品を発展させ、はしごに登って作品を見下ろす場所ができています。映像作品は撮影不可なのでその場所の写真はありません。

13/小野龍一（日本）/アイオロスの広場
ピアノから空間へ飛び出しいるピアノ線を弾くことで音を出すことができます。

三崎エリアへ。蚕の飼育所だった建物に作品が展開されています。

16/梅田哲也（日本）/遠のく

旧本小学校の体育館で展開されている作品。
17/上松奎二（日本）/みえないエネルギー天と地と海との間に
「鰤おこし」をモチーフにした作品。

蛸島エリアへ。
19/ラグジュアリー・ロジコ［豪華朗機工］（台湾）/家のささやき
鉢ヶ崎海岸にあります。

蛸島の漁師町の一角にある民家。

21/OBI（日本）/４Ｋ
4つの部屋に作品が展開されています。

北前船の廻船業を営んでいた島崎家。

22/田中信行（日本）/触生
漆塗りの彫刻。

時間がなく、飯田・直エリアは次回訪問として通過。上戸エリアへ。
34/城保奈美（日本）/海の上の幻

36/Ｎ・Ｓ・ハーシャ（インド）/なぜここにいるのだろう
柳田児童公園にある作品。

37/SIDE CORE（日本）/Blowin ’In The Wind
細い道を延々と登ると大規模な風力発電があり、その風車の一つの足元に風で動くオブジェが点在。

宝立エリアへ。かつては酒蔵であった古い木造建築に作品はあります・

38/シリン・アベディニラッド（イラン・アメリカ）/流転

39/コウ・シュンミン（オーストラリア・香港）/秘境
旧鵜飼駅に残るプラットホームをつないでいます。

旧柏原保育所へ。

40/北山善夫/人間は赤ちゃんから生まれる
生に思いを巡らせる作品。

旧保育所の前には２日後の秋祭りで運行されるキリコが控えていました。

タイムオーバー。幾つかの作品を見残し珠洲を後にし、のと里山空港に到着。空港内のレンタカー専用駐車場でレンタカーを返却。

のと里山空港 空港

到着便が遅れたことから出発が30分近く遅れました。羽田に向け飛び立ちます。会期終了までにもう一度、珠洲に行くつもりです。（おわり）

この旅行記へのコメント （4）

• mom Kさん 2023/11/25 16:46:46

  こんな素敵なことをあの僻地感のあった奥能登が、

  Islanderさん、驚きました。芸術だと地元の人たちも楽しめますよね。誰が仕掛け人なんでしょう。2017年スタートのようですし、続いているのは根付いている証ですね。
  
  一昨日金沢から戻ったばかり、一瞬能登もこの先だと思いながら、帰宅しました。学生時代、突端の曽々木泊。汽車とバスの旅は、のんびりでした。
  
  空港あり、レンタカーありの情報ありがとうございます。魅力的な芸術祭です。

  Islanderさん からの返信 2023/11/25 19:20:22

  Re: こんな素敵なことをあの僻地感のあった奥能登が、

  コメントありがとうございます!!
  奥能登国際芸術祭は今の市長が仕掛け人ではないかと思います。新潟の越後妻有や瀬戸内で地域芸術祭をディレクターとして活躍している北川フラムさんもディレクターとして関与しています。最果て感が作品のパワーを引き立てている芸術祭です。

• わんぱく大将さん 2023/10/10 01:21:07

  面白い芸術祭

  Islanderさん
  
  芸術祭に私は未だに行ったことがないのですが、面白いですね。　興味を持ちました。作品自体もそうですが、それを展示する場所も、パフオーマンスも　作品から感じることは一人一人違うと思いますが。　芸術祭の一つかもしれませんが、スペインジローナの花の祭典も究極は同じような趣旨だったのかと、今更ながら考えます。　”再度”、わかるような気がします。
  
  　大将

  Islanderさん からの返信 2023/10/10 20:40:20

  Re: 面白い芸術祭

  わんぱく大将さん
  コメントありがとうございます。
  現代美術による芸術祭は近年は日本各地で開催されています。その土地の良さを知るにはとてもいいイベントかと思います。美術館ではない古民家や廃校での作品展開は作品の持つ力を引き出しているかのように見えます。
  　Islander