バイヨンに秘められた 宇宙観

2023/09/18 - 2023/09/18

バイヨンに秘められた 宇宙観

アンコール・トムの中心にある バイヨンは、メール山 (須弥 山) を象徴化しています。 メール 山は古代インドの

宇宙観による と神々の住む聖域で、 また神が 降臨する場所でもありました。 この 宇宙観を正確に具現化するこ

と 王の重要な使命でありました。 東西南北に延びる幹線道路は、メール山から世界に向かう道を象 徴し、 城壁は

ヒマラヤの霊峰、 城壁を取り巻く環濠は大海を表 したものであります。この宇宙観は 解釈の仕方によって微妙に

変化 します。 大乗仏教に深く帰依していたジャヤヴァルマン七世の宇宙観が、アンコール・ワットで 表現された

宇宙観と異なっているのは当然のことであります。

エリア シェムリアップ(カンボジア)

バイヨン寺院の観世音菩薩の四面塔はテラスに49、5つの塔門を入れて

全部で 54あります。 第二層のテラスでは見る位置によって3つの顔が

並 んで見える右開口部をフレーム代わりにして鑑賞してみる 左北門

に座する仏像です。 これは後世に持ち込まれた像です。

こちらには最も有名な観世音菩薩像です。これは 200R 紙幣に描かれ

ています。上右の第二のテラスで見られる美しいデバター像です。足

先が真っすぐ正面に向いていることからも彫りの深さがうかがえます。

バイヨン寺院は東西約160m、南北約140mの第一回廊の壁面は、12世紀

の人々の生活模様が多数描かれています。漁、狩り、炊事、闘鶏、

将棋に相撲、出産の場面まで飛び出します。人物や動物の表情は生き

いきと輝き、石の表面からは、体温や匂いまでも伝わってくるようで

す。