2023/09/01 - 2023/09/02
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ハイペリオンさん
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連日35度以上の猛暑日が続く東京を
抜け出して、最高気温が31度くらい
にしかならない南房総へ行くことに
した。
何か行く理由がないかと探したとこ
ろ、館山周辺に戦争中の防空壕や要
塞跡があるようなので、それらを見
に行くことにした。
多少は東京よりも気温は低いようだ
が、自転車に乗ったり、長い距離を
歩いたりしたので、結局汗ダクダク
になってしまった。
おまけに、集中豪雨のようなスコー
ルに見舞われ、踏んだり蹴ったりの
旅であった。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自転車 新幹線 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- 楽天トラベル
-
今回は館山行きの高速バスで向かう。
電車よりちょっと高いが、時間を優先
した。電車だと4時間近くかかってし
まうのだ。 -
ほとんどトンネルの東京湾アクア
ラインを走り、地上に出るとやが
て袖ヶ浦が見えてきた。 -
9時過ぎに館山駅に着いた。
だいたい2時間くらい。 -
館山駅前のよく撮る風景。
駅前で自転車を借り、出発。
まずは海沿いの道路を西へ洲崎灯台方面
に向かう。
目指すは赤山地下壕跡と掩体壕跡である。 -
館山城が見えるが、遠くから見るだけ。
1580年に里見義頼によって築城され、
家督を息子、義康が継いだ。
しかし、徳川秀忠の家老で、小田原領主
の大久保忠隣(おおくぼただちか)が、
息子の死をきっかけにふさぎ込み、政務
に取り組もうとしないところを家康に咎
められ、改易(取り潰し)となる。大久
保家と縁戚関係にあった里見家もそれに
連座させられる形で取り潰しとなった。
館山城は廃城となり破却された。
その後、稲葉正明が館山藩を復活させた
が、城の復元はなされなかった。
復元されたのは1982年(昭和57年)で
ある。
滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』は室町時
代の物語だが、舞台はここ館山である。 -
お城から1キロ程度自転車をこぎ、路地
を入ったところに赤山地下壕跡があった。
受付で手続きを行い、ヘルメットを借り
て入口へ。 -
入り口横に説明板があり、その右下に濠
の全体図が描かれていた。
赤い部分が濠で、一般に公開されている
のが黄色の部分である。公開されている
のは全体の3分の1くらいだろうか。
一本の大きな通路から櫛のように左右に
短い濠が枝分かれした形になっている。 -
自分でゲートを開けて中に入る。
-
外はうだるような暑さだが、内部は本当
に涼しい。地下は年中気温がほぼ変わら
ないから、夏は涼しいし、冬は暖かいのだ。 -
濠の高さは2メートルくらいあるだろうか。
そんなに低い感じはしなかった。 -
壁はこのようにきれいな地層が浮かび上が
っていた。 -
メインの通路から左側に分かれている通路
がある。 -
枝分かれした部分はいずれも行き止まりに
なっていた。 -
無料でボランティアのガイドがつける人も
いる。個人的にはあってもなくてもという
感じだが。 -
この地下壕が作られた時期ははっきりとわ
かっておらず、昭和10年代から作られたと
いう説もあるが、実際に軍部が地下壕造り
に力を入れ始めたのは昭和17年ころからだ
と言われている。
おそらくこの赤山地下壕もその頃から作ら
れ始めたのだろう。 -
全長1.5キロというのは地下壕の中でも
かなり長いし、何本もの通路が作られて
いるようなものは、ここ以外だと長野の
象山地下壕くらいだろう。
おそらく、民間人の避難所ではなく、軍
事物資の集積場所などの目的も考えて作
られたのではないか。 -
矢印に従って出口へ。
順路が表記されていないと、自分がどこ
にいるのか、どこが出口なのかわからな
くなるような場所だった。 -
赤山地下壕跡の近くに掩体壕が残ってい
るというので、行ってみた。
周囲が畑の中に土に埋もれかけてまだ屋
根の部分だけ見ることができた。 -
軍事物資などを保管しておくための施設
だが、爆撃でも持ちこたえられるように
分厚いコンクリートで作られている。
掩体壕は茂原や旭など、千葉にはかなり
の数が残っているらしい。 -
赤山地下壕の後は富浦まで要塞跡と砲台
跡を見に行くことにした。
海水浴シーズンで、海水浴客が浜辺でキ
ャッキャはしゃいでいるのを横目に、ひ
たすら自転車をこいだ。
しかし、館山の街を通り過ぎたあたりで
一点にわかに掻き曇り、すぐに大粒の雨
が顔にあたり、一気に土砂降りになった。
傘を持ってはいたが、全く役に立たず、
大きく枝を広げた大木の下で、じっとし
ているしかなかった。
周囲は硝煙の中にいるように白くかすみ、
ほとんど前が見えなくなるくらいだった。
キャッキャとはしゃいでいた海水浴客は
今度はキャッキャ言いながらビーチパラ
ソルの中でずぶ濡れになっているのだろう。 -
20~30分近く雨は降り続き、ようやく
小降りになったところで再び富浦の漁
港をめざした。
目指す要塞跡は半島の突端である大房
岬あたりにあるようなのだが、どうも
位置関係がよくわからない。
大房岬少年の家という施設の周囲をう
ろうろして、やっと見つけた。 -
戦争中に作られたとは思えないよう
な新しい建物という感じだった。 -
周囲はシダや樹木が迫っているが、
要塞跡はしっかり原形をとどめている。
やはりここも、分厚いコンクリート造
だった。 -
内部は司令部として使用していたよう
だが、用途は素人にはまるで分らない。 -
正式名称は大房岬要塞といい、陸軍が
1928(昭和3年)から4年間かけて造
った施設である。 -
観測所や照明所、掩灯所、発電所、弾薬
庫などの関連施設を持っていた。 -
横須賀の重砲連隊の兵士たちが駐屯して
いたらしいから、寝泊まりする施設もど
こかにあったのだろう。 -
これは発電所施設。案外小さい。
-
大房岬の突端近くに公園があり、東京湾
が見えた。 -
公園の中に砲台跡があった。
-
台の部分だけしか残っておらず、何も知ら
ないと作りかけの公園の施設にしか見えない。
これも70年以上前に作られたとは思えない。 -
1921~22年のワシントン軍縮会議において、
軍艦の数を減らされた日本は、不要となった
巡洋艦鞍馬の砲2門をここに据えて東京湾の
守りに備えた。
さて、見るものは全部見たので、館山に戻り、
JR外房線に乗って大原という駅へ向かった。
服は乾いたが靴の中はぐしゃぐしゃだ。 -
大原でいすみ鉄道に乗り換え、今日の宿があ
る大多喜へ。 -
一両編成のワンマンで運転するのんびりした
電車である。 -
大多喜駅に着いた。
駅舎はお城風。
なんで? と思ったが、ホテルを目指して
歩きだすとすぐにわかった。 -
こういう香ばしい物件はたまりませんなあ。
それにしても暑いところだなここは。
南房総は最高気温も30度を少し上回る程
度のはずなのに、ひどく蒸し暑い。
周囲を見渡すと山に囲まれていて、盆地
のような地形だからだろうか。 -
目指すホテルへ行く左手にお城が見えて
きた。
大多喜城である。それにしても、房総は
城が多いな。
城主は徳川四天王の一人、本田忠勝。
NHKの大河ドラマでは山田裕貴が演じ
ている。山田裕貴の本田忠勝はまあいい
として、井伊直政の板垣李光人はないだ
ろう。あんなのただの子どもじゃないか。
もっとも、けっこうな美少年だったらし
いが・・・。
里美家が上総国を取り上げられた際に、
家康は本田忠勝にこの地を与えた。 -
ホテルグリーンヒル大多喜はこのダラダ
ラの上り坂をずっと上りきったところに
ある。
地図で見る限り、1時間くらい歩くこと
を覚悟しなければならなさそうだ。
そんなところに泊まりたくはないのだが、
海沿いのホテルがどこもかしこも満室で、
唯一部屋が取れたのがここだけだったのだ。 -
途中、茅葺きの古民家が。手前の巨大な
金庫が気になる。 -
1時間15分くらい歩いて、やっとホテルに
着いた。
マクレガーカントリークラブのすぐ近くに
あってゴルフ親父御用達のリゾートホテル
のようだ。
山というか丘の頂上付近なので、当然周囲
には何もなく、すべてホテルの中で世界が
完結する滞在型リゾートホテルだった。 -
部屋もやっぱりリゾートホテルっぽい。
チェーンビジネスホテルばかり泊まってい
るので、ものすごくゆったりした気分に浸
れる。
すっかりぬるくなったビールでふにゃふに
ゃになったセブンイレブンのチキンを流し
込んで早々に寐た。 -
起きると周囲は既に明るく、山のところ
どころ霞が漂っていた。枕草子の世界で
ある。 -
8時過ぎに宿を出て、下山感覚でいすみ
鉄道の大多喜へ向かった。
駅へは40分ほどで着いた。 -
大原行きの電車がやって来た。
大雨に降られ、ホテルまで延々歩き、
へろへろに疲れた旅の終わりである。
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この旅行記へのコメント (1)
-
- yamayuri2001さん 2023/10/14 16:50:01
- 大房岬要塞
- ハイペリオンさん、こんにちは。
房総に、このようにほぼ完ぺきな形で、
軍の施設が残っているなんて、全く知りませんでした。
写真で見せていただいて、大房岬要塞を、
陸軍が4年間かけて造った施設だと思うと、
凄味を感じます。
今回も貴重な旅行記を作ってくださって、
ありがとうございました。
yamayuri2001
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