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松山にお仕事で訪問。出張とはいえ,松山訪問はとても楽しみにしていた。出張メシとして期待に胸を膨らませていたのは,鯛そうめん,鯛めしである。そして,必ず訪問しようと思っていたのがロシア兵墓地である。松山とは縁もゆかりもないが,祖母と母のお得意手料理は鯛そうめんだった。一人暮らしの高齢の母が鯛そうめんを作ることはなくなったが,是非,その鯛そうめんの本場の味を味わってみたかった。そして,司馬遼太郎の『坂の上の雲』で気になった日露戦争時の松山の捕虜収容所のお話しがきっかけで松山大学が編纂した『マツヤマの記憶:日露戦争100年とロシア兵捕虜』を読んだことが昔にあって,是非,ロシア兵墓地で手を合わせる機会を持ちたかったからだ。ロシアのウクライナ侵攻の真っ只中,是非訪れようと意気込んでいた。<br />初日は仕事がないにもかかわらず,午前中から松山入り。お昼に早速,鯛そうめんで有名な五志喜本店を訪問。私の祖母や母が作る鯛そうめんは温かいそうめんだったので,温かいやつをお願いする。周囲のテーブルで食べている人のお膳をみるとなんだか量が半端なく多そうなので,鯛は姿見ではなく,切り身でお願いする。みかん寿司なるものも付いているセットにした。とにかく量が半端ない。ランチだというのにお腹がはち切れそうになった。念願の鯛そうめんだったが,祖母や母がつくる鯛そうめんは,もっと甘く作られていたので,まったく別ものだった。母に,はっぱりあなたが作った鯛そうめんのほうが格別に美味しいとメールを送った。<br />ホテルに荷物を預けて,まずは松山城に向かう。大街道は閑散としているが,最近東京でも次々とデパートが閉鎖しているというのに,三越もあったりして,さすが四国の首都だ。路面に施された絵や説明がおもしろい。路面電車がみかん色でかわいらしい。路面電車が走る国道を越えて,立派な門構えの松山東雲高校を眺めながら松山城ロープウェイへ。ケーブルカーは休止していて,リフトで山頂駅へ向かう。<br />松山城の石垣はとても立派。しかも反りが激しい。その反りこそが特徴のようだ。石垣を眺めながら登っていくと天守閣が見えてくる。松山の街を一望しながら進むと紅梅と白梅が咲く広場に到着。彦根城のひこにゃんじゃなく,よしあきくんというゆるキャラがお出迎えだ。松山城は,見所も多い。天守閣に登って絶景かな絶景かなと和むだけではなく,展示物もおもしろい。私の域に入りは,お侍さんの似顔絵の落書き。なかなかうまい。<br />松山城を後にしてロシア兵墓地に向かう。松山城からずいぶんと歩いた。愛媛大学と松山大学との間を通り抜け,細い道を上っていく。携帯のバッテリーが僅かとなり,道沿いの案内に従って歩く。来迎寺にたどり着く。裏手に日露戦争時に捕虜となったものの松山人の手厚い看護にもかかわらず異境の地にて世を去ったロシア兵98名の墓があると記されていた。裏手の墓地を登っていくと綺麗に整備されたロシア兵墓地がある。ひとつひとつの墓に花が添えられている。松山の人にしっかり面倒を見てもらっているのがわかる。ひとつひとつのお墓の名前を読み上げる。母国に帰ることができずさぞや無念だったことだろうが,国際社会に参加し,国際条約に真面目に取り組もうとした明治政府と温かく迎えた松山の人たちがいたことは,その後の太平洋戦争時の日本や,今のウクライナ,世界中で起こる紛争を考えると奇跡に近い。深く頭を垂れて,墓地を後にした。<br />歩き疲れて,晩ご飯はホテルにも近いことから,大街道近くの寿司屋さんのすし丸に飛び込む。広い店内,でもお客さんがほとんどいなかったので,少し緊張。最初に鯛のお刺身と地酒を適当にお願いする。鯛のお刺身は,養殖物だけど弾力があって旨みがあり,あぁ松山に来て良かったと,緊張感がほぐれた。じゃこ天で更に飲み,鯛のあら煮で更に飲む。鯛のあら煮は絶品だった。あら煮から鯛の鯛を取りだしてご主人にほらって見せると,最近のお客さんで鯛の鯛を取りだして喜んでくれるお客さんは少なくなりましたよって笑ってもらえました。締めは,宇和島鯛飯を注文。漁師料理なんで,豪快に掻き込んで食べて下さいと言われ,そうする。いや,こりゃうまい。出張メシ,大満足でした。<br />次の日は,一日中お仕事。ランチは,仕事仲間のみなさんはカフェでランチというので,ひとり抜け出して彷徨う。松山トンテキなるものの表示を見つけ,向日葵亭というお店に突入。あたりだった。美味しい。ボリュームもすごかったけど,ガーリックが利いたトンテキは絶品でした。ごちそうさま。また食べたいなぁ!<br />三日目,空港バスの時間まで街中をぶらり。坂の上の雲ミュージアムはモダンで美しく,中身も見応えがあった。司馬遼太郎の『坂の上の雲』を読んだ人なら訪れて損はなし。夏目漱石の最初の下宿先を眺めつつ先に進むと明治の純仏風建築物の萬翠荘。残念,もう時間切れ。急いで空港バスの停留所に向かった。<br />松山,メシもうまいし,見所たくさん。道後温泉には入らなかったけど,もう十分に満喫。さようなら,松山,また来たいと思います。ちなみに,松山空港で買ったお土産のゆず胡椒。絶品でした!

出張メシ:松山編~マツヤマ!ロシア兵墓地にて想う

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2023/01/30 - 2023/02/01

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Jake

Jakeさん

松山にお仕事で訪問。出張とはいえ,松山訪問はとても楽しみにしていた。出張メシとして期待に胸を膨らませていたのは,鯛そうめん,鯛めしである。そして,必ず訪問しようと思っていたのがロシア兵墓地である。松山とは縁もゆかりもないが,祖母と母のお得意手料理は鯛そうめんだった。一人暮らしの高齢の母が鯛そうめんを作ることはなくなったが,是非,その鯛そうめんの本場の味を味わってみたかった。そして,司馬遼太郎の『坂の上の雲』で気になった日露戦争時の松山の捕虜収容所のお話しがきっかけで松山大学が編纂した『マツヤマの記憶:日露戦争100年とロシア兵捕虜』を読んだことが昔にあって,是非,ロシア兵墓地で手を合わせる機会を持ちたかったからだ。ロシアのウクライナ侵攻の真っ只中,是非訪れようと意気込んでいた。
初日は仕事がないにもかかわらず,午前中から松山入り。お昼に早速,鯛そうめんで有名な五志喜本店を訪問。私の祖母や母が作る鯛そうめんは温かいそうめんだったので,温かいやつをお願いする。周囲のテーブルで食べている人のお膳をみるとなんだか量が半端なく多そうなので,鯛は姿見ではなく,切り身でお願いする。みかん寿司なるものも付いているセットにした。とにかく量が半端ない。ランチだというのにお腹がはち切れそうになった。念願の鯛そうめんだったが,祖母や母がつくる鯛そうめんは,もっと甘く作られていたので,まったく別ものだった。母に,はっぱりあなたが作った鯛そうめんのほうが格別に美味しいとメールを送った。
ホテルに荷物を預けて,まずは松山城に向かう。大街道は閑散としているが,最近東京でも次々とデパートが閉鎖しているというのに,三越もあったりして,さすが四国の首都だ。路面に施された絵や説明がおもしろい。路面電車がみかん色でかわいらしい。路面電車が走る国道を越えて,立派な門構えの松山東雲高校を眺めながら松山城ロープウェイへ。ケーブルカーは休止していて,リフトで山頂駅へ向かう。
松山城の石垣はとても立派。しかも反りが激しい。その反りこそが特徴のようだ。石垣を眺めながら登っていくと天守閣が見えてくる。松山の街を一望しながら進むと紅梅と白梅が咲く広場に到着。彦根城のひこにゃんじゃなく,よしあきくんというゆるキャラがお出迎えだ。松山城は,見所も多い。天守閣に登って絶景かな絶景かなと和むだけではなく,展示物もおもしろい。私の域に入りは,お侍さんの似顔絵の落書き。なかなかうまい。
松山城を後にしてロシア兵墓地に向かう。松山城からずいぶんと歩いた。愛媛大学と松山大学との間を通り抜け,細い道を上っていく。携帯のバッテリーが僅かとなり,道沿いの案内に従って歩く。来迎寺にたどり着く。裏手に日露戦争時に捕虜となったものの松山人の手厚い看護にもかかわらず異境の地にて世を去ったロシア兵98名の墓があると記されていた。裏手の墓地を登っていくと綺麗に整備されたロシア兵墓地がある。ひとつひとつの墓に花が添えられている。松山の人にしっかり面倒を見てもらっているのがわかる。ひとつひとつのお墓の名前を読み上げる。母国に帰ることができずさぞや無念だったことだろうが,国際社会に参加し,国際条約に真面目に取り組もうとした明治政府と温かく迎えた松山の人たちがいたことは,その後の太平洋戦争時の日本や,今のウクライナ,世界中で起こる紛争を考えると奇跡に近い。深く頭を垂れて,墓地を後にした。
歩き疲れて,晩ご飯はホテルにも近いことから,大街道近くの寿司屋さんのすし丸に飛び込む。広い店内,でもお客さんがほとんどいなかったので,少し緊張。最初に鯛のお刺身と地酒を適当にお願いする。鯛のお刺身は,養殖物だけど弾力があって旨みがあり,あぁ松山に来て良かったと,緊張感がほぐれた。じゃこ天で更に飲み,鯛のあら煮で更に飲む。鯛のあら煮は絶品だった。あら煮から鯛の鯛を取りだしてご主人にほらって見せると,最近のお客さんで鯛の鯛を取りだして喜んでくれるお客さんは少なくなりましたよって笑ってもらえました。締めは,宇和島鯛飯を注文。漁師料理なんで,豪快に掻き込んで食べて下さいと言われ,そうする。いや,こりゃうまい。出張メシ,大満足でした。
次の日は,一日中お仕事。ランチは,仕事仲間のみなさんはカフェでランチというので,ひとり抜け出して彷徨う。松山トンテキなるものの表示を見つけ,向日葵亭というお店に突入。あたりだった。美味しい。ボリュームもすごかったけど,ガーリックが利いたトンテキは絶品でした。ごちそうさま。また食べたいなぁ!
三日目,空港バスの時間まで街中をぶらり。坂の上の雲ミュージアムはモダンで美しく,中身も見応えがあった。司馬遼太郎の『坂の上の雲』を読んだ人なら訪れて損はなし。夏目漱石の最初の下宿先を眺めつつ先に進むと明治の純仏風建築物の萬翠荘。残念,もう時間切れ。急いで空港バスの停留所に向かった。
松山,メシもうまいし,見所たくさん。道後温泉には入らなかったけど,もう十分に満喫。さようなら,松山,また来たいと思います。ちなみに,松山空港で買ったお土産のゆず胡椒。絶品でした!

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
4.0
グルメ
5.0
ショッピング
4.0
交通
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
ANAグループ
旅行の手配内容
個別手配
利用旅行会社
楽天トラベル
  • 鯛そうめんといえば,五志喜ということでまず訪問。

    鯛そうめんといえば,五志喜ということでまず訪問。

  • これが松山の鯛そうめんだ。

    これが松山の鯛そうめんだ。

  • 大街道。閑散としているけど,立派な商店街。

    大街道。閑散としているけど,立派な商店街。

  • 大街道の路面にあがかれた絵。道後温泉は改修中というし,仕事もあるから行かなかったけど,やっぱり松山の象徴だね。

    大街道の路面にあがかれた絵。道後温泉は改修中というし,仕事もあるから行かなかったけど,やっぱり松山の象徴だね。

  • 映画の街らしい。松山は一時期,映画館の件数が人口比率で全国一位だったことがあるらしい。

    映画の街らしい。松山は一時期,映画館の件数が人口比率で全国一位だったことがあるらしい。

  • 路面電車がかわいらしい。みかん色だぁ!

    路面電車がかわいらしい。みかん色だぁ!

  • この石垣の反りがすごい。

    この石垣の反りがすごい。

  • あっ,天守閣が見えてきた!

    あっ,天守閣が見えてきた!

  • お城までの道のりで眺める松山の街。

    お城までの道のりで眺める松山の街。

  • 紅梅と松山城

    紅梅と松山城

  • 白梅と松山城

    白梅と松山城

  • おおぉ,なかなか立派じゃないか!

    おおぉ,なかなか立派じゃないか!

  • よしあきくんがお出迎え。ごくろうさま。

    よしあきくんがお出迎え。ごくろうさま。

  • 松山城の展示物のなかでも私のお気に入りは,お侍さんの似顔絵の落書き。100年以上も超えて私を和ませてくれる。

    松山城の展示物のなかでも私のお気に入りは,お侍さんの似顔絵の落書き。100年以上も超えて私を和ませてくれる。

  • 来迎寺に到着。

    来迎寺に到着。

  • 綺麗に世話されているロシア兵墓地。

    綺麗に世話されているロシア兵墓地。

  • ちゃんとひとつひとつのお墓に花が手向けられている。すばらしい。

    ちゃんとひとつひとつのお墓に花が手向けられている。すばらしい。

  • 鯛のお刺身。養殖物だけど,絶品でした。松山来てよかった!

    鯛のお刺身。養殖物だけど,絶品でした。松山来てよかった!

  • 鯛のあら煮。固い鯛の骨も柔らかくした絶品でした。地酒にとても合う!

    鯛のあら煮。固い鯛の骨も柔らかくした絶品でした。地酒にとても合う!

  • 向日葵亭の松山トンテキ。おいしかった!

    向日葵亭の松山トンテキ。おいしかった!

  • 坂の上の雲ミュージアム。建物もモダンで,美しい。

    坂の上の雲ミュージアム。建物もモダンで,美しい。

  • 夏目漱石が最初に下宿したという愛松亭。カフェになっている。

    夏目漱石が最初に下宿したという愛松亭。カフェになっている。

  • 萬翠荘(ばんすいそう),美しい明治の純フランス風建築物。

    萬翠荘(ばんすいそう),美しい明治の純フランス風建築物。

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