2022/11/10 - 2022/11/10
127位(同エリア242件中)
naoさん
三重県名張市新田は、江戸時代の承応年間(1652~1654年)に津藩藤堂家の新田開発事業によって開かれた所で、大阪から桜井の初瀬(長谷寺)を経て、松阪から伊勢へ至る初瀬街道が通っています。
当初苦しかった新田経営の救済を図った津藩は、それまで別ルートを通っていた初瀬街道をこの地を経由するルートに付け替え、宿場町を設けて旅人相手の旅籠や茶屋の収入で補助する策を講じました。
その結果、半農半商の町として生まれ変わった新田宿は、次第にお伊勢参りの旅人で賑わうようになり、初瀬街道の主要な宿場町として発展しました。
今も町並みに連なる虫籠窓や格子のある厨子2階建ての町家には、「新田宿」と染め抜かれた暖簾が掛けられ、宿場町の面影を色濃くただよわせています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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名張市新田にやって来ました。
ここから、初瀬街道の町並みを歩きます。 -
玄関脇に「伊賀まちかど博物館」の旗が掲げられているように、こちらの町家は津藩藤堂家の新田開発事業に関する文献や資料を展示する「新田開発資料の館」になります。
ちなみに、「まちかど博物館」は三重県が取り組んでいるもので、県内各地の個人が所有している地域の歴史的・文化的資産、後世に伝えるべき伝統の技や手仕事などを、個人々々のお宅や仕事場などで展示・公開することにより、誰でも気軽に地域の文化に触れる機会を提供するものです。 -
ハナミズキとドウダンツツジの紅葉が庭先を彩っています。
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土蔵のある町家です。
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ここから北へ350mほどの所にある美波多神社の常夜燈です。
美波多神社は、新田開発で入植した人々が氏神としてお祀りした社だそうです。 -
名張市新田の町並みです。
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石積みのある町家です。
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腰壁に押し縁下見板を張った町家です。
玄関には「初瀬街道 新田宿」と屋号が染め抜かれた暖簾を掛けておられます。 -
町並みの中で異彩を放っている洋風の町家に出会いました。
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煙出しの越屋根の棟に鴟尾(しび)を付けておられる町家です。
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切妻屋根の破風を架けた玄関がある町家です。
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黄葉したモミジが町並みに彩を添えています。
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大きく四分割したガラス戸の入った町家です。
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立派な土塀をめぐらせた町家です。
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土蔵のある町家です。
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格子の入った出窓のある町家です。
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出窓の前の紅葉が秋の風情を醸し出しています。
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日除けのためなんでしょうか、雨戸を閉ざした町家です。
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こちらの町家も雨戸を閉ざしておられます。
決して空き家ではないんですが・・・。 -
押し縁下見板張りの土蔵のある町家です。
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主屋の軒先には幕板が見えます。
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竪格子のガラス戸が入った町家です。
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こちらの町家は、玄関の戸袋に細かい細工が施されています。
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2階のガラス窓のデザインがバラエティーに富んでいます。
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門に付随しているこちらの建物は、長屋門の変形ですね。
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こちらも竪格子のガラス戸が入った町家です。
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玄関に「初瀬街道 新田宿」と染め抜かれた暖簾が見えます。
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名張市新田の町並みです。
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瓜型の虫籠窓がある町家です。
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建物の角に新しい感覚の表札が立っている町家です。
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こちらの町家の戸袋にも細かな細工が施されています。
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採光のためか、少しずつずらして雨戸を開けておられます。
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大きなガラスの一枚戸が入った町家です。
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こちらの建物も、変形の長屋門ですね。
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生垣に囲まれた町家です。
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こちらの玄関にも「初瀬街道 新田宿」と屋号を染め抜いた暖簾が掛けられています。
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軒先に幕板をおろした町家です。
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柿の木と町家のコラボレーション。
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屋根の上に望楼のようなものが載っている町家が見えます。
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こちらは伊賀まちかど博物館の一つで、創造的な作品を生み出している組紐作家の中内さんが館長を務める「中内組紐工房 堤側庵ギャラリー」です。
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館内には、中内さんの個性的な組紐作品が展示されているほか、製造過程も見学できるそうです。
また、年に数回いろんな分野の作家さんの個展も開かれていて、作家さんとの交流を楽しむ場所にもなっているそうです。 -
主要な建具はアルミサッシに変えられていますが、押し縁下見板張りの腰壁や戸袋の細工など、かつての面影が残る町家です。
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市章とともに、市の花「キキョウ」、市の木「モミジ」、市の鳥「ウグイス」をあしらった名張市の農業集落排水桝の蓋。
大小の蓋を組み合わせているのは、各々使い勝手を考えてのことでしょうね。 -
建築当時そのままの茅葺屋根が残る町家です。
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名張市新田の初瀬街道沿いには、かつて茅葺屋根だった町家は残っていますが、純粋に茅葺屋根なのはこの町家のみとなっています。
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かつての茅葺屋根を金属板で覆った町家です。
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金属板の屋根以外は建築当時の姿をとどめています。
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こちらの町家もかつての茅葺屋根を金属板で覆っています。
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光芒がさして、何とも言えない雰囲気を醸しています。
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町並みを外れてすぐの四つ角に、大きな常夜燈が立っています。
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この常夜燈は慶応2年(1864年)に建立されたもので、新田の太神宮常夜燈と呼ばれています。
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こちらは、新田の太神宮常夜燈から東へ450mほど離れた初瀬街道沿いに立つ上庄田の太神宮常夜燈です。
新田の太神宮常夜燈より30年余り古い、天保3年(1832年)に建立されたものです。 -
さて、今回歩いた名張市新田は、想像していた以上に風情のある町並みが形成されていることに驚きました。
半農半商の町だったとはいえ町並みに連なる伝統的な町家は風情豊かで、特に、「新田宿」と染め抜かれた暖簾が、そこはかとなく宿場町の面影を感じさせてくれました。
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