
2023/01/25 - 2023/01/25
286位(同エリア334件中)
gianiさん
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この旅行記スケジュールを元に
古墳が密集し、巨大な寺が建てられた旧淀江町を探検します。
個人的には、埴輪が気に入りました。
- 旅行の満足度
- 4.0
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米子駅から日交バスで30分。
そこから山陰道を跨いで20分ほど歩くと、 -
古墳銀座に博物館があります。
上淀白鳳の丘展示館 美術館・博物館
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早速、展示室へ。
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縄文前期の発掘物から、九州との交易が盛んだったと分かる。
5世紀以降は、ヤマト政権の傘下にあったことを示す古墳が多くつくられる。 -
井手挾3号墳
5世紀終わりの造営で、全長29m。
特筆すべきは、副葬品の盾持人埴輪。三人とも正面に盾を構えている。両端の人物は冠を被って(顔に)入れ墨をしており、地位が高いことを表している。 -
鶏と人も見つかりました。
ピカソの陶芸作品といっても、十分に通じそうです。 -
鹿型埴輪
動物埴輪の大小の表現が見られるのも特徴の一つ。普通にかわいいです。 -
石馬谷古墳(6世紀中頃)
全長52mの前方後円墳。 -
石馬谷古墳に隣接する天神垣古墳。天神垣神社の宝蔵には、至宝が安置してあります。閲覧するには、展示館のスタッフに声掛けします。
石馬 名所・史跡
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石馬(重文)
特筆すべき埋葬品。北九州以外で発見されたのは、いまのところここだけ。古墳時代に大陸から九州へ伝来した馬が、いち早く伯耆に届いていたのか???
付着した塗料の跡から、埋葬時は赤く塗られていたことが分かっている。 -
地元の御神体として、その学術的価値が明らかになるまで、写真のような状態で安置されていました。
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展示館の向かいは公園が整備されています。
伯耆古代の丘公園 公園・植物園
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公園は古墳群の上にあり、
北辺の岩屋古墳(向山1号墳 6世紀後半)は、規模と副葬品の価値が高く評価されます。
巨石で築かれ、石を切る鉄器の技術の高さが注目されます。
戦前に岩屋古墳が国の史跡に指定されましたが、平成の発掘で周囲に多くの古墳が見つかり、向山古墳群と総称されます。向山古墳群 名所・史跡
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大雪:冬の山陰のお約束。
というわけで、石室にも近づけません。 -
横穴式石室の中では、石製の人形たちが遺体を守っていました。
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発掘された金属製品には、馬具(写真右下)も含まれていました。
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水鳥形埴輪
歴史的価値はさておき、かわいいです。 -
上淀廃寺跡
7世紀(薬師寺と同時期)に建立、11世紀初頭に焼失した。寺の名前が分かる資料がないので、便宜上地名(上淀)を付している。日本海交易で財を成した権力者が建てたと考えられます。
積雪で何も分かりません。これぞ冬の山陰という景観です(笑)。上淀廃寺跡 名所・史跡
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存在が分かっている建物をプロットすると、こんな感じになります。
中央の低い建物が金堂で、本尊を安置した核となる「本堂」です。最も古い部分です。
古墳群や寺がこのエリアに造られた理由としては、航海上の目印になることです。船から寺、孝霊山、大山が連なり、道しるべ上の建造物は、権力者の力をアピールするには最適のロケーションでした。 -
壁画
飛鳥時代の現存する寺院壁画は、法隆寺金堂のみです。
発掘された壁画断片では、上淀廃寺金堂が他を凌ぐ量です。
写真は、神将(行者を守護する天部)を描いた断片。 -
神将の胸甲の部分
金堂周辺から5394点の壁土断片が見つかり、そのうちの1/3に彩色が施されている。 -
頭光背
いわゆる「後光が差す」というものです。
この部分は奈良時代のものです。 -
塑像
全部で3797点の塑像片が見つかっている。
如来像
如来は、悟りを開いた者を表し、寺院では主に本尊として表現される。衣装部分等の断片を繋げると、高さ4.8mの座像が浮かび上がる。 -
如来頭皮および螺髪(らはつ)
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菩薩像
菩薩は悟りを求める修行者を表し、三尊像では2名の脇侍として表現される。
三屈法の姿で高さ3mの立像だった。 -
右脛部の衣
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掌と手指
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足指
こうやって並べると、パラバラ遺体殺人事件みたいでグロテスクでした。 -
展示館には、金堂が再現されています。
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三尊像
中央に如来の座像、左右に菩薩が傅いています。 -
角度を変えて
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壁画Ⅰ塁(復元)
創建当初に描かれたもの。説法図と想定される。 -
壁画Ⅱ類(復元)
奈良時代に描かれた。石仏の背後に描かれた可能性が高い。
怪しげな宗教画にしか見えませんが、大陸から伝来した作風です。 -
展示館の向かいには、湯気が。
こういう日には、至福です。淀江ゆめ温泉(日帰り温泉) 温泉
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帰りもバスで。古い集落を通り、面白いです。
実は、大雪で午前中は周辺のJRが運休していました。
昔はもっと降っても始発から動いていましたが、経費節減で降雪開始と同時に夜通しラッセル車が線路を往復し続けて運行を確保することをやめたようです。公共交通としての三下り半でしょうか。 -
おまけ
最後まで見て下さったお礼に、盾持人埴輪3体の個別ファッションショー。 -
独りだけ低い身分
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みんな恍惚としています。
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国の重文指定の石馬
お尻がキュート。
上野動物園の会報でも、動物のお尻特集が組まれるなど、魅力的なパーツです。 -
首の馬具。
当時、大陸伝来の馬を所有することは、周囲に先駆けて戦闘機を所有する位の軍事効果がありました。 -
淀江傘
江戸時代に倉吉、明治に津山から技術が伝わる。和傘の素材の竹が容易に手に入ることと、傘に塗った油を干すための広い砂浜があることを背景に繁栄した。 -
1951年に出荷量のピークに達し、洋傘に押されて1984年に廃業。ノウハウは、淀江傘伝承の会に引き継がれ、現在に至る。
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https://4travel.jp/travelogue/11811636
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