[20時間遅れ] 大遅延の東海道新幹線乗車記録

2022/09/23 - 2022/09/24

ご覧いただきありがとうございます。

記録的な大雨により、東海道新幹線のダイヤが崩壊した際の様子（主に東京駅）をまとめました。

台風が接近していましたが、予想では台風の勢力は大きくなく、事前の計画運休はなかったので想定外の運休となり、東京駅で夜を明かすことになりました・・・

----はじめに-----
今回の記録的な大雨で被害を受けた方々にお見舞い申し上げます。
清水区の大規模な断水、山間部での土砂崩れなど静岡県内様々な場所で被害が生じていることに同じ静岡県民として心を痛めております。
１日も早い復旧ができることを祈っております。

エリア 丸の内・大手町・八重洲(東京)

2022.9.23 (金)

3連休の初日、日中は都内でゆっくりして夕方に静岡に行く予定でした。

この日は檜町公園など東京ミッドタウン周辺でのんびりと過ごしていました。

檜町公園 公園・植物園

その後、新宿の都庁展望台で新宿の夜景を眺めていると少しずつ天気が悪くなってきましたが、そこまでの大雨ではなく、普通に新幹線で帰れるだろうと思っていました・・・

東京都庁舎展望室 名所・史跡

新宿から中央線の快速電車でいつも通り東京に行き、新幹線乗換改札が混んでいたので、一旦在来線の改札を出て八重洲側の新幹線改札から入場しました。

ホームに来てみてびっくり。普段なら数分間隔で東京駅を出発していく新幹線の姿はなく、全てのホームに新幹線が1時間近く停車している状態でした・・・

新幹線乗換改札の混雑が、3連休のためだと思い込んでましたが、運転見合わせによるものだとここで初めて気づきます。

のぞみ・ひかり号は自由席は発車を待つ人で軒並み満席でしたが、幸いにもいつもガラガラ(?)なこだま号は自由席もたくさんあり、窓側の空席を見つけることができたので、発車まで待ちます・・・

いくらこだまといっても、なかなか発車しないために次々と乗客が乗り込んできて、A,C,E席は全て埋まるほどの混雑になりました。

なかなか発車しないので改札内のスタバでコーヒーを、話題の自販機でｼﾝｶﾝｾﾝｽｺﾞｲｶﾀｲｱｲｽを購入し車内で食べます。

このアイス、めちゃくちゃ固くて溶けるのに時間がかかりますが、アイスが程よく溶けるほどの待ち時間があったので美味しく頂きました。

今回の新幹線の運転見合わせの原因は、豊橋～静岡間の大雨によるもの。

一度は雨が小康状態になったためにもう少しで再開できるというアナウンスがありましたが、再び大雨になり運転見合わせは継続するという続報が入ってきて淡い期待は消え去りました・・・

新幹線と在来線の乗換改札は駅員に状況を確認する人、途方に暮れる人で混雑していて、床に座り込む人もいました・・・

東京駅 駅

とうとう遅れは2時間以上となり、特急券の払い戻し対象に...

発車を3時間近く待っていますが、車掌が「運休になる可能性があります」としきりにアナウンスし始めたので、嫌な予感がしてきました。

幸いにもN700Aの窓側座席に座っていたのでスマートフォンをフル充電にしてもしもの時に備えます。

夜の10時15分頃、ついに本日全列車の運休が決定した旨のアナウンスが・・・

すぐに列車から降りるようにアナウンスされ、途方に暮れた客がホームに。

幸いにもまだ10時台で、関東近郊なら自宅へ帰宅できる時間帯なので、新幹線での移動を諦め、引き返す人も多くいました。

側面の行先表示機も消灯され、運休になったことを改めて実感。

運休宣告後しばらくして、運休列車に誤って乗客が立ち入らないようにホーム柵を閉めていましたが、列車側にセンサーがあり、人を検知して柵が開くようになっていたので、ホーム柵が閉まった後でも車内から乗客が降りることは可能でした。

この時点では列車ホテルの案内は無く、空いているベンチを確保して駅構内で一夜を明かす覚悟をしていました・・・

列車ホテルがもしかしたらあるかもしれないと思っていた矢先の23：30頃、18番線に入線する列車が車内整備終了後列車ホテルになるとの放送が流れ、18番ホームに急行・・・

列車ホテルとはいうものの、あくまで休憩用列車なので、ホテルの様に熟睡できるわけではありませんが、それでもベンチで待つよりもリクライニングが効くシートでwifiとコンセント完備の新幹線の列車で過ごせるのはかなり楽ですね、、、

列車ホテル当該編成はまさかの最新鋭車両・N700S

全席コンセント付きなので、窓側のコンセントの取り合いになりません。

グリーン車も含め全席解放されましたが、快適なグリーン車は利用せず、あえて普通席で一夜を明かすことにしました・・・

休憩用の列車が解放されてから、ホーム上で立ち尽くす乗客の姿は消え、静かになりました。

18番線以外は新大阪方面から東京に到着する列車、大雨の影響で途中で引き返してきた列車がひっきりなしに到着し、大井の車両基地に引き上げていきました。

休憩用列車はもう1編成追加され、最終的には3編成用意されたため、東京駅の列車ホテルは、普通席だとA,E席(2列,3列掛け)に1人ずつが座っても余裕があるほどのキャパシティでした。

普通席よりもグリーンの方が混雑していたようで、グリーン席は大体全席が埋まるほどの混雑。

これならグリーン席に座るよりも普通席の3列シートで横になるほうが楽です。

東京駅は割と快適でしたが、名古屋・新大阪駅で実施された列車ホテルは普通席が全席埋まるほどの混雑で休める状況じゃなかったようです・・・

列車ホテルを経験したことがないため興奮が冷めず、眠気が一切来なかったので、Youtubeを見たり、4トラの旅行記の編集をしながら時間をつぶしていました。

気づいたら時刻は午前2時過ぎ。新幹線は午前6時～深夜0時までの運行なので、この時間帯にホームにいることは異常事態です。

ずっと座ってるのも疲れるので、駅構内を少し歩き回ります・・・

列車ホテル開始前は、構内の床で座っている人もいましたが、全員列車に移動したようで、コンコースは無人状態に。

最短3分間隔で新幹線が出発するターミナル・東京駅では絶対見られない光景を目にしています・・・

東海道新幹線と在来線の乗換改札付近もこんな状況。

午前2時だと流石に乗換改札は閉まっていますが、八重洲口の一部改札を一晩中開けて、駅員の方々が不眠不休で対応していました。

18番線に戻ってきました。

時刻は2：30

多くの方は休憩用列車でお休みになられていましたが、防犯上室内灯はフル点灯なので、上着を頭に被って寝ている人も多くいました。

東京駅日本橋口方から休憩用列車となった列車をパシャリ。

1つ豆知識(?)ですが、東京駅で新幹線の先端を写真に収めたいとき、品川方(進行方向側)で多くの人が撮影してますが、ホームが狭く、車両先端からホーム末端までの余裕がないので、日本橋口方がおすすめです。

日本橋口方は、人もあまりおらず、列車停車位置からホームの末端(立ち入り可能エリア)まで余裕があるので、新幹線の長い鼻も写真に収めやすいです。

一睡もできず(汗)に、気づいたら早朝の4：30

もうそろそろ始発電車が動き始める時間帯です。

某Youtuberが大遅延の東北新幹線に乗車し、夜行新幹線となった様子を実況している伝説の動画がありますが、その動画を思い出しました・・・

動画のリンクを貼っておくので時間があればぜひご覧下さい。
(長い動画ですが・・・)
https://youtu.be/3Nay-i_KImw

Twitterで情報収集していると、10時間以上も駅間に停車している列車があるとの情報を得て、JR東海のHPから列車走行位置を見てみると確かに駅間に停車しているのぞみ号がいました。

これらの列車はこの後、最寄りの駅まで移動したようですが、ホームが一杯で通過線に停車、ホームのある待避線に止まっている車両に橋を架けて、なんとか駅ホームに出れるようにする措置が取られていました。

5:42

空も明るくなってきて、新幹線で一夜を明かしてしまいました。

休憩用列車は朝５時までの設定の予定でしたが、新幹線が動き始める6:30頃までの利用ができてとても助かりました・・・

5時頃に本日の運転計画が発表され、なんと午前中は東京ー三島間のこだまのみの運転が決定。

三島から先への列車は昼まで無く、東海道線の沼津以西も運転再開見込みが立っていない状態だったので、静岡・名古屋方面には東海道経由で行く手段はありません(泣)

東京で昼までゆっくりしてから静岡に向かうことも考えましたが、運転が再開された直後の東京始発の新幹線は激混みだと予想し、終点の三島まで向かいます。

東京から出る一番列車のこだま号に乗車しましたが、普通車は全て自由席となり、割と混雑が目立ちました。

また三島行のこだま号は、普段この時間帯には運転されてないため、通常は「こだま」の下に表示される３桁の号数表記が消えていました。

東京から1時間20分ほどで三島に到着。

熱海駅付近で安全確認があった影響で20分ほど遅れての到着です。
(熱海では昨年大規模な土砂災害があったので、大雨の後の安全確認が必要な区間です)


三島駅には車両基地(三島車両所)が併設されているので、通常は朝夕を中心に当駅始発終着の列車が設定されています。

三島駅 駅

12時頃まで静岡・名古屋方面への新幹線は動かないとアナウンスされていたので、三島以西に向かう人は三島駅で足止め。

運よくホーム上のベンチを確保できましたが、後続の列車でやってきた人はベンチに座れず、床に座り込む人も多くいました。

三島駅では東京方(画像左側)に折り返す際は一旦静岡方(画像右側)の三島車両所に引き上げないといけないため、折り返し作業に時間がかかります。

そのため、1時間に2本の予定で運行された東京～三島間のシャトル便は、三島駅の折り返しに手間取り、遅れが生じて運転間隔が不均等になってしまいました。

制服を着た輸送担当社員(運転士、車掌、駅員)では手が足りず、スーツ姿でオレンジ色の腕章をつけたJR東海の支社社員の方も応援に入っていました。

配線図出典：　https://www.haisenryakuzu.net/

ホーム上のベンチで運転再開まで待っていますが、とても暇なので(汗)、列車走行位置を見ているとこだま739号、のぞみ241号の遅延時分がなんと1000分を突破。

1000分以上の遅れの表記は初めて見ました・・・

どうやら静岡地区の天候は回復し、土砂流入などの被害はなかったものの、新富士～静岡間の富士川の水位が高く、水位が下がり安全確認ができるまでは運転再開ができないとのアナウンスがありました。

※のぞみ241号は静岡～掛川間の駅間に停車しているような表記ですが、実際には駅の通過線に停車していたようです。

時刻は11時30分頃。東京駅に到着して18時間、東京駅を出発してから20時間。

安全確認が終了し運転再開のアナウンスがあると、三島駅に続々と到着していた三島以西に向かう乗客がホームに並び始めました。

三島駅を12時頃に出るこだま871号から運転を再開することになりましたが、871号は聞きなれない号数だったため、調べてみると三島始発新大阪行のこだま号で、東京から三島までは回送での運転でした。

おそらく、三島駅に多くの乗客が押し寄せていて、東京始発から順次運転を再開させた場合、三島まで到着が40-50分かかること、東京の時点で車内が満員で三島駅にいる大量の乗客を捌けないことなどからＪＲの方々が三島始発を特別に設定することになったと思います。

新大阪行のこだま号が入線すると、ホーム上に並んでいた乗客の顔にも安堵の表情が・・・

三島始発のこだま号が運行再開の初便となりましたが、三島駅出発時点で満席＆デッキまで立ち客大量で、積み残しが発生するほどでした(汗)

まさにこんな感じでした
https://youtu.be/befGQ0jY2zc

東京駅の発車予定時刻から約20時間、東京駅から146.2kmのところにある新富士駅に到着しました・・・

初めての経験となった列車ホテルや深夜の新幹線への乗車に興奮状態でしたが、流石に一睡もしていなかった上に疲れがたまっていたので、新富士駅到着後に疲労感がどっと押し寄せてきました。

自分は三島ー新富士の１区間で降りれましたが、この先こだま号で名古屋や新大阪に向かう人も多いようでとても大変だったと思います・・・

相当疲れがたまっていたのか、帰宅後20時間弱も寝ていました(汗)
(気づいたら翌日の昼でした...)

新富士駅 (静岡県) 駅

今回もご覧いただきありがとうございました。

大規模な輸送障害に巻き込まれるのも初めてで、また列車ホテルの経験も初めてで、とても記憶に残る一夜となりました。

時間はかかりましたが、無事に目的地に着けて良かったです。

最後になりますが、不眠不休で対応に当たっていただいた乗務員、駅員の皆さん、安全を第一に考えながらも早期の運転再開へ努力していただいた指令、保線等のＪＲ東海の社員の方々に感謝いたします。