2022/07/02 - 2022/07/02
53位(同エリア1040件中)
かっちんさん
小豆島(しょうどしま、香川県)は、瀬戸内海で淡路島の次に2番目に大きな島です。
小豆島のほぼ中央に位置する中山地区には、日本の原風景が残されている「中山千枚田」があります。
「名水100選」にも選ばれた「湯船の名水」を水源に、標高150~250mの急峻な山腹に約770枚の大小さまざまな棚田が波形模様に広がっています。
この棚田は南北朝(約700年前)から江戸時代にかけて作られたものと言われています。
また、約300年前から伝わる伝統行事「虫送り」は、半夏生(冬至から11日目)の日に火手(ほて)と呼ばれる松明を田にかざしながら畦道を歩き、害虫を退治し豊作を願うものです。
中山地区ではここ数年間途絶えていましたが、映画「八日目の蝉」で重要なシーンとして「虫送り」が行われたのがきっかけに2011年に復活しました。
2022年の「虫送り」は本日7月2日、3年ぶりの開催です。
夕暮れから地元民と一般人、約300人が火手を持ち、高低差100mの坂道を「と~もせ、ともせ」の声をかけながら下ります。
あまり知られていなかった村の「虫送り」行事は、「八日目の蝉」をきっかけに島外の観光客が徐々に増えています。
黄昏時にゆらゆらと揺らめく幻想的な光の列は、不思議な世界を観ているようです。
今日は国民宿舎「小豆島」に泊まります。宿泊者は中山の「虫送り」受付会場までマイクロバスで送ってもらえます。
当日の「虫送り」は19時頃から始まり20時前に終了。その後、お迎えのマイクロバスで宿に戻り、夕食は宿で用意されたお弁当です。
「虫送り」の観覧に訪れるには最適な方法の一つです。
2022年の国民宿舎の「虫送り」行事案内は下記URLから確認できます。
https://www.kokuminshukusha.com/news/event/4446.html
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・国民宿舎「小豆島」のHP
・棚田めぐりガイド「中山千枚田」
・小豆島町商工観光課「中山散策マップ」
・小豆島物語「中山虫送り」
・川崎正氏のブログ「7/2 中山虫送りの詳細が発表されました!」2022/6/22
・7/2中山千枚田の虫送り https://www.kokuminshukusha.com/news/event/4446.html
・瀬戸内国際芸術祭2022「瀬戸内歴史探検隊 小豆島の祈りの炎、夏を告げる虫送り」
・瀬戸内しまラジ!「本日、中山千枚田 虫送りデス」2015/7/4
・小豆島ふるさと村の国民宿舎小豆島スタッフブログ「虫送り」2007/6/11:タオル
・鵜飼秀徳ブログ「"過疎った島"の夏の奇祭にカネが集まる訳」2019/7/31
・香川県「殿川ダム」
・ウィキペディア「国民宿舎」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
小豆島の案内図
日本の原風景が残る「中山千枚田」は、島のほぼ中央「中山地区」に位置し、「虫送り」が7月初旬に開催されます。
「中山千枚田」には路線バスが走っているのですが、「虫送り」の始まる夕暮れには終わってしまいます。
池田港近くの国民宿舎「小豆島」では、宿泊者を「虫送り」見学場所まで送迎してくれます。 -
今晩の宿「国民宿舎 小豆島」(池田港からの眺め)
小豆島の南に突き出た三都(みと)半島入口の小豆島ふるさと村にある「国民宿舎 小豆島」。
瀬戸内海が一望できる夕陽のスポットです。
三都半島は吉野、蒲野、神浦との三つの地区からなっており、瀬戸内国際芸術祭の作品もあるアート半島としても知られています。 -
「国民宿舎 小豆島」に到着
池田港から宿の送迎バスで到着します。
この国民宿舎は旧池田町営の施設として昭和49年(1974)に開業。平成6年(1996)に増改築し、現在「小豆島ふるさと村公社」が運営しています。国民宿舎小豆島 宿・ホテル
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流木で作ったオブジェ「願いの翼」(国民宿舎の玄関前)
「願いの翼」の前に立てば、誰でも瀬戸内海を飛ぶ「鳥」になれます。
かっちん鳥の写真は非公開(笑) -
キラキラ光る瀬戸内海(部屋の窓から)
客室の窓からは瀬戸内海の素晴らしい眺望。
白い建物は飛岬に建つ「マリンビュー小豆島」のマンション。
時刻は15:30。 -
眩しさは伝わらないかも・・・(部屋の窓から)
飛岬よりさらに遠くに佇む島は、左から大余島、中余島、弁天島。そして小豆島とつながる「エンジェルロード」。
今がちょうど干潮時。細長い砂州から「エンジェルロード」が現れていて、写真をよーく見ると歩いている人がいます。 -
高松港へ向かうフェリー(部屋の窓から)
池田港と四国の高松港を1時間で結んでいます。 -
池田港(部屋の窓から)
池田港と国民宿舎の距離は 2.1km、車で5分ほど。
16:30になったので、これから「中山千枚田」と「虫送り」を訪れます。 -
中山地区の案内図
「虫送り」の受付会場は「殿川ダム下公園」。
国民宿舎の送迎バスの乗降場所になっています。
火手を持って参加したい一般参加者はここで受付をします。
「虫送り」コースは二つあります。
・長距離コース(急坂)は、湯船山~湯船縦水路~春日神社(中山農村歌舞伎舞台)
・短距離コース(ゆるやかな道)は、荒神社(こうじんじゃ)~春日神社(中山農村歌舞伎舞台) -
「殿川ダム下公園」に到着
国民宿舎から送迎バスで15分ほどかかります。
国民宿舎の出発は1便が16:40(虫送り参加者用)、2便が17:15(見学者用)。
私は見学者ですが、明るいうちに棚田を見たかったので1便に乗ります。
時刻は16:55。殿川ダム 名所・史跡
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ツタに覆われる建物(殿川ダム下公園付近)
「中山千枚田」とは1kmほど離れているので、徒歩開始。
坂道を棚田と同じ標高まで一旦上がり、横にのびた農道を通って行きます。 -
「殿川ダム」(坂道を上がったところ)
伝法川(でんぽうがわ)水系殿川(とのがわ)の「殿川ダム」は、昭和49年度(1974)に完成。
重力式コンクリートダムで、堤高35.6m、堤頂長192m。洪水調節、上水道用水に使用されています。 -
大きな石を積み上げた民家の石垣(殿川)
殿川の集落を通り、「中山千枚田」へ通じる農道へ入ります。 -
「中山千枚田」(中山)
農道と言っても勾配のない山道で、しばらくして「中山千枚田」に到着。 -
美しい波形模様の棚田(中山千枚田)
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石垣で何段にも組まれた棚田(中山千枚田)
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棚田の中腹を走る路線バス(中山千枚田)
「春日神社前」バス停を発車する路線バス「中山線」。
この後、反対方向の土庄港行き18:17発が最終バス。
なので、「虫送り」観覧後に利用できるバスはありません。小豆島オリーブバス 乗り物
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緑に色づく棚田(中山千枚田)
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湧水を用水路で棚田に分配(中山千枚田)
湧水「湯船の水」が農業用水として利用されています。 -
イチオシ
斜面の形に合わせて作られた棚田(中山千枚田)
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「湯船山蓮華寺」(中山千枚田)
棚田の最上部にある小豆島霊場44番札所「湯船山蓮華寺」。
「虫送り」の神事を行い、長距離コースの出発地点です。 -
棚田の中腹にある「荒神社」(中山千枚田)
「虫送り」短距離コースの出発地点です。 -
「火手」と呼ばれる松明(荒神社)
「火手」の作り方は、竹の先を割って灯油を染み込ませるためのタオルなどの布を巻き、火手自体が燃えないようにアルミ箔を巻いています。
この布は国民宿舎で使い物にならなくなったボロボロのシーツやタオルをためておき、「虫送り」に提供しています -
イチオシ
日本の原風景「中山千枚田」(荒神社付近)
先人たちが急な斜面にコツコツと石積みしてできた棚田が、今も守り続けられています。中山千枚田 自然・景勝地
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湯船山での神事(蓮華寺)
蓮華寺は真言宗寺院。普段は無住寺ですが、この日は少し離れた同門寺院の住職が、儀式の導師をつとめます。
19時頃、湯船山蓮華寺での神事が始まり、祈祷が終わった後、護摩木の火を篝火(かがりび)に移します。
その火を荒神社にも届けるため、住職が火手に灯し走りはじめました。 -
走る!消防団員と住職(中山千枚田)
聖火ランナーみたい・・・ -
長距離コースの参加者の列(蓮華寺)
「虫送り」参加者が並んでいます。 -
頑張れ、もうすぐ(荒神社付近)
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イチオシ
荒神社に到着
湯船山から6分間走り続け、下りて来ました。
用意された篝火に、火手の火を移します。 -
「虫送り」のはじまり
時刻は19:21。
火が灯る火手を持った参加者が湯船縦水路に並び、出発待ち。 -
「とーもせ、ともせ」の掛け声
「虫送り」がはじまり、標高差約100mの棚田を下っていきます。 -
短距離コースの「虫送り」参加者も出発待ち(荒神社)
時刻は19:23。 -
イチオシ
ゆらゆらとゆらめく火手(荒神社)
短距離コースも「虫送り」がはじまりました。 -
だいぶ下まできた「虫送り」(中山千枚田)
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水鏡に映る火手の火(中山千枚田)
火手を田んぼにかざしながら歩く「虫送り」。 -
風にあおられる火手(中山千枚田)
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西空の夕焼け(中山千枚田)
時刻は19:27。
「虫送り」とは反対方向の景色なので、どちらも見て忙しいです。 -
「虫送り」の列(中山千枚田)
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「虫送り」の列(中山千枚田)
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二つの「虫送り」(中山千枚田)
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イチオシ
棚田を下りてくる「虫送り」の光(中山千枚田)
虫送り 祭り・イベント
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二方向から歩く「虫送り」(中山千枚田)
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どこまでも続く「虫送り」(中山千枚田)
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次第に暗くなります(中山千枚田)
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暗くなり幻想的な光(中山千枚田)
時刻は19:44。 -
最後の列(中山千枚田)
撮影はもう限界なので、送迎バスの待ち合わせ場所へ戻ります。
時刻は19:49。
「虫送り」の幻想的な光の列に感動しました。
「八日目の蝉」をきっかけに、「虫送り」の伝統行事が復活し、島民だけでなく島外の観光客も参加するようになりました。
次回は観覧者ではなく、火手を持って参加したいと思います。
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