路面電車で探偵気分

2022/05/16 - 2022/05/17

札幌には嬉しいことに路面電車が走っています。
はやくも明治時代から走り、大正時代になると電化されています。
札幌駅からは少し離れ（一番近い停車場まで徒歩10分位）、観光の際に乗る人は少ないと思いますが、一乗車につき200円で探偵映画のロケにも用いられたレトロ感あふれる車両で思い出になる時間を過ごせます。
数年前にループ化され、大通公園の南側を外回り内回りで山手線のようにグルグル回っています。
人に勧めていないで、私も今回ぐるっと回ってみようと思います。

エリア 札幌(北海道)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 私鉄 徒歩

この時期、朝はやたらと早く目が覚めます。
宿泊したホテルの部屋で、ゆっくりコーヒー豆を挽いて、嗜みます。
このホテルの朝食も興味があるのですが、久しぶりに朝マックがしたくて。

ザ ノット 札幌 宿・ホテル

近くのすすきの交差点にあるマクドナルドは、午前7時からの営業。
部屋でコーヒーを飲みながらおしゃべりしていたら、すぐにそんな時間になりました。

朝マックのコンビ、200円の朝食。
「コンビってなに？」
何でも聞いてくる相方です。
「うーん、トリオじゃなくてコンビ？ってことじゃない。」
「ふーん。」
とりあえず、何か答えることが大事です。

マクドナルドは、最近ロシアから引き上げるのに何千億円かの損失と言ってました。
少しでもお力になれば……。
ならんか……。

目の前は、かの「すすきの交差点」。
早朝に見ると、なんだか別の場所に見えます。
内回り、外回りの市電が忙しく行きかう。
札幌でもテレビに登場する回数はトップクラスの場所。
いわば札幌の顔？

目の前の市電乗り場から乗って、一週してみますか。
「そんなことできるの？」
ほんとに何でも聞いてくる相方。
ちょっと心配になったので、ググってみる。
「一回２００円でできるね。５０分くらいかかる。」

大泉洋さん主演の映画ロケに使われたという１０１号車は、来るだろうか。
写真には新型車両と旧型車両が写っていますが、主力は何十年も走り続ける旧式車両。

マックの前にある停車場で、101車両が来ないかなといくつかの車両をやり過ごした後に、ふと中島公園まで歩いてみようと気が変わります。
４丁目の通りをまっすぐ南に進むと、鴨々川にぶつかります。

鴨々川 自然・景勝地

かもかもがわ、と読みます。
あそこにいるのはカモかも、とかダジャレを言いたくなる。
いたのは錦鯉でした。

錦鯉、最近は飛ぶ鳥を落とす勢い。
いつも、まさのりさんの歯はどうやって直すかというのが気になる。
やっぱり、インプラントか。
最近、技術も上がってきたみたいだし。

鴨々川にそってさらに南に進むと、個性的なレストラン。

北の海鮮炙り ノアの箱舟 グルメ・レストラン

やがて川は、中島公園の中を流れます。
藤棚のふじは、もう少しですね。
来週くらいが見ごろかな。

9時が近づいてきて、暑いくらいの日差しに。

中島公園 公園・植物園

札幌は、レンゲツツジが少ない気がする。
ちょうど今か。
はこだては恵山のレンゲツツジも見ごろかな。
いつか行ってみたいけど、はこだては遠い。

花はなぜ美しい。
たまに考えることがあります。

豊平館の方に歩く。

花も建物も美しい。
美しい、とはどういうことか。
学者に分析されても、どうもぴんと来ない。
黄金比も、だからどうなんだ、という感じ。

さて、中島公園通停車場から246電車に乗ります。
1960年製。
向きは外回りです。

この時間は通勤ラッシュも過ぎて、しかも中心部から遠ざかるので、空いてます。
ここからしばらく南に走ります。
通り沿いの街並みをぼんやり見ながら進む。
これといった見どころはないですが、次第に迫ってくる藻岩山の緑が眩しい。

後ろ側の運転席。
このあたり山鼻という地名で、札幌でも最も早く屯田兵が入った地域で、明治13年には早くも天皇が行幸しています。
確かに、山が迫るのは名前通り。

途中から西に折れ曲がってしばらく進むと、中央図書館前が終点といわれ、あせります。
「ぐるっと回れないんですか。」
「ああ、ここで降りていただいて、後ろから来るのに乗りなおしてください。料金はそちらで。」
だそうです。
この先に車庫があるので、いったん車庫に入るのでしょう。

次も同系の旧式車両。
これに乗って引き続き進みましたが、ただただのんびりとした時間が過ぎてゆきます。
藻岩山ロープウェイ入口という停車場があるので、歩いて乗り場まで行けるのだろうか。
地図で確認すると、歩いて４，５分の距離。
ふと、夕べ乗りに来ればよかったかもしれないと、思いました。

やがて南1条辺りを今度は東に進むと、札幌中心部の古い商店街の町並みが目を楽しませてくれます。
4丁目の通りを右に折れ、ホテルの目の前の狸小路停車場に到着。
チェックアウトして荷物を取り、ぶらぶらと札幌駅に向かう。

札駅地下街をぶらぶらし、「ジュピター」とか「カルディア」で買い物。
ついでに「十勝大名」という行列のできるタイ焼き店でタイ焼きをゲット。

どこかで食べたいと思い、北大近くの清華亭まで来てみました。
飲食禁止とは書いていない……。

十勝大名 札幌エスタ店 グルメ・レストラン

入場無料の建物の中には、プロレスラーのような体格の管理人さんが文字通り仁王立ちしている。
我々をじろっと見ると（ほんとにジロッと見ました）、
「記帳しました？」
と、あいさつ代わりの詰問口調。
こ、こわー！
引き続き笑顔なしでじっとこちらを疑わしそうなまなざしで見ている。
こんなだったかな、管理人さん変わったな。
必死で愛想笑いを浮かべて、世間話を向けているうちにようやく少し打ち解けてきたものの、ひきつづき探るような眼光を含んでいる。
「こりゃ、タイ焼きどころではないね。」
早々に退散して裏を抜けると、小さな公園の滑り台に、近くの専門学校生の生徒と思しき若者がマックを食べている。
その向こうのブランコには三人、同じような若者がコンビニ弁当を食べている。
ははあ、なるほどそういうことですか。
管理人さん仁王立ちの理由が、何となく呑み込めたのです。

清華亭 名所・史跡

精華亭の庭には、リンゴ（たぶん）が可憐な花をつけている。
その白い花に交じって、真っ赤なボケの花のようなものがある。
同じ木から一枝、それも数輪だけ赤い花をつけている。
不思議な現象ですね。

……で、北大の構内でタイ焼きをいただきました。

北海道大学 名所・史跡

あんこは尻尾まで、これでもかと詰まっていて美味しい。
この店も、サザエというお店の系列です。
昨日、天むすを購入した店です。
一個、１５０円＋税だったかな。

そして、北大正門付近の初代北大総長の佐藤昌介の銅像のわきに、紅白の花を付けたリンゴ……かな。

不思議に、あやしく、美しい。
美しい、とは？