2022/04/30 - 2022/04/30
189位(同エリア327件中)
ちゃんさん
この旅行記スケジュールを元に
旅人目線だと宗像は世界遺産の地ですが、住民目線で見れば、福岡と北九州の中間に位置する古くからのベッドタウン。高度経済成長期に開発された団地は、一気に高齢化の課題を抱えることになりました。
そんな団地一つ、日の里団地は、新しい発想の交通手段を導入したり、空き住棟をリノベーションして生活拠点を作ったりと、起死回生に向け動き始めています。旅人目線でも楽しい、宗像のもう一つの顔を訪ねてみました。https://www.youtube.com/watch?v=Qxan3wXIqNs
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル
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3年ぶりの「宣言なし」GW、まして竹下と八幡に大型商業施設がほぼ同時にオープンした直後とあって、鹿児島本線の快速はどんな混雑になるか戦々恐々。
しかしGW初日の4月29日(金)は、午前中が大雨だったこともあり、久留米発車時点では空席があり、ほっとしました。JR鹿児島本線 乗り物
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竹下にオープンした「ららぽーと」は、それでも大賑わいの様子。竹下駅から ららぽーとまで歩く人が絶えず、新たな人の流れが生まれました。
15年前、通勤のため毎日通っていた「さみしい道」の変貌ぶりに、時の流れを感じます。ららぽーと福岡 ショッピングモール
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宗像市・城西ヶ丘のヨメさんの実家に泊まり、翌朝、一人で日の里団地を訪ねる小さな旅に出ました。こちらも70~80年代に開発された大規模戸建て住宅街です。
城西ヶ丘から駅を結ぶバスは、特に休日だと数時間間隔が開くこともあり、帰省の時は時間の制約を受けます。今日は一人なので、旧国道のバス停まで歩いて下りました。 -
旧国道を20分毎に走る天神行きバスに乗り、東郷駅入口バス停で下車。西鉄系のスーパー「レガネット」まで歩いてきました。
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この小さな「バス停」から、オンデマンドバス「のるーと」を呼び出します。
オンデマンドバスは、決まった時刻がなく、乗客の呼び出しで随時運行するバス。タクシーとの違いは、相乗りがあること。バスとタクシーの中間に当たる乗り物です。 -
電話で呼び出せるのは平日のみ。スマホを使えるのなら、アプリの利用が便利です。
現在地から乗るのであれば、目的地を地図上で指定するだけ。タクシー配車アプリを使いなれている人なら、すんなり呼べます。 -
配車を確定。事前予約することもできるので、例えば電車から乗り継ぐなら、東郷駅への到着時間が分かった時点で呼び出しておけば、タイムロスが少なくなります。
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確定。3分後に来るとは、なかなか早いです。
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ほぼAIの予測通りに、かわいくデザインされたワゴン車の「のるーと」がやって来ました。お年寄りのお客さんが2人降りてきて、便利なお買い物の足として活躍しています。
ここから乗る僕は、AIにうまくマッチングされた利用者というわけです。早い配車も「たまたま」の結果。 -
宗像のるーとの運賃は基本200円。レガネットはエリアから少し外れた位置にあるので、割増の300円になります。タクシーに乗ることを考えれば安いものです。
予約受付を7日前からに前倒ししたり、1日乗車券を販売したりと、2021年3月の運行開始から1年2ヶ月で、いろいろ試行錯誤が重ねられているようですね。 -
乗客は僕1人だったので直行ルートとなり、ものの4分で、日の里東小学校のバス停に到着。タクシーのような乗り物ですが、あくまで「バス」なので、決められたバス停で乗降する決まりです。
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レガネットのような小さな標識ではなく、立派なバス停ポールが建っているのは、昨年まで一般の西鉄路線バスが走っていた名残り。
今は「のるーと」と、ふれあいバスというコミュニティバスのバス停になっています。 -
バス停からも見えていた団地の48号棟が、今日の目的地である「ひのさと48」です。日の里団地再生プロジェクトの一環として、昨年(2021年)にオープンしました。
標準型の公団住宅ながら、ポップな色彩をちりばめ、今風に言えば「映える」外観が目を引きます。お座敷カフェにビール工房、ボルダリングまでできる団地の生活拠点施設! by ちゃんさんひのさと48 グルメ・レストラン
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東側に回ると、壁面にはボルダリングの仕掛けが。クラウドファンディングで資金を集めて、昨年(2021年)11月に開設されたものです。
齢42のおっちゃんには、とても登れる気がせん…体重が20kgになれば挑戦できるそうなので、我が子がもう少し大きくなったらチャレンジさせたいな。 -
「ひのさと48」は地域の生活利便施設。カフェや工房、療育施設に、サテライトオフィスなどが入居しています。
まずはクラフトビール工房「ひのさとブリュワリー」にお邪魔しました。 -
おそらくは本邦唯一の、団地の一室で醸造するブリュワリー。アルミサッシ越しに、熟成中のビール樽を見ることができます。
オープンからわずか1年ながら、すでに受賞歴もあるクラフトビールです。 -
2つの窯のうち、1つは定番ビール、1つは限定ビールを醸造していて、今の限定商品は「大島塩レモンゴーゼ」。宗像大島の「しおじい」謹製の天然塩と、大島産レモンを使ったサワービールです。
めちゃ夏の味! その後数日で売り切れた「幻のビール」ですが、ぜひ夏には再販していただき、大島の砂浜で飲みたいです。 -
デザイン担当の方と、ビールを飲みながら、いろいろお話できました。所長は建築・園芸関係の出身で、試行錯誤しながらビール造りに取り組んでいる…と。
感心していましたが、後から調べてみたら、「ひのさと48」の運営主体の一つである、東邦レオさんの社員さんが取り組まれているプロジェクトなのだとか。 -
東邦レオといってもピンと来られない方も多いかもしれませんが、例えば公園の樹木の周りに置いてある…
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酸素管と呼ばれる園芸材料も、この会社が作ってます。社内ベンチャーのようなものなのかな。面白い会社だとも思うし、ただものでない社員さんです。
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工房ではボトルビールを直売していて、テラスや前庭でぐびっと飲むことができます。空瓶の照明が下がり、夜もいい雰囲気になりそう。
夏にはビアガーデンをやる構想があるとのことで、たまりませんな。ビアガーデンが大好きだけど、もう福岡まで出なくていい! と、地元のおばちゃんが喜ばれていました。 -
1本飲み干したところで、お隣のコミュニティカフェ「みどりto ゆかり日の里」にお邪魔してみました。お座敷があり、絵本がいっぱい。ここまで来て悟りました、我が子も連れてくるべき場所だったと。
駄菓子も売っていて、子どものたまり場でもあります。「利用は16時以降」などのルールは、週1で開かれる「子ども会議」で決定。ついに今年から、学校から直接の「寄り道」を許可されたとか。素晴らしき民主主義! -
ランチは優しいお味。ビールはもちろん、お隣でできたての「生」を味わえます。こちらも大島塩レモンゴーゼだったけど、うまいものは何度飲んでもうまい。
たまたまいらしてた代表の方と、久留米出身ということもあり話が盛り上がりました。金・土の夜には会費3千円の「飲み会」も開かれている(もちろん団地ビール飲み放題)とかで、うーん飛び込み参加してみたい! -
トイレには、こんな心遣いも。子どもが歓迎されていることも分かりますね。次回は子どもを連れて遊びに来ます!
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お隣は療育施設が入居していて、外部廊下で2階とをつなぐ斬新な構造に。
毎週、電車2本を乗り継ぎ、1時間かけて療育に通わせている身には、団地内に療育施設があるってのはうらやましい限りです。しかもお隣で、そのままお昼ご飯(親父はビール)できますやん。 -
ひのさと48周辺の集合住宅は取り壊され、戸建て分譲地として再開発、売り出し中です。
ひのさと48との間は柵など設けない計画らしく、庭で遊んでいたらボールが飛び込んでいきそう。 -
「コミュニティなんて大嫌いなんて人が来て、クレーム入れられたらどうしよう」と戦々恐々らしいけど、いやいや、この環境を承知で買うんだから、家族ぐるみで「お仲間」になってくれるでしょう!
現在分譲中の区画は5千万前後だとか。オールドタウン化が問題とされていた街としては、かなり強気の値段です。それだけの価値はあると思います。 -
周辺でも造成が進んでいます。植栽が適度に並び、10年後にはいい雰囲気の街並みになりそうです。
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隣接の区画には戸建ての公団住宅? が並びます。平屋のRC造とは贅沢。
戸建て住宅街が隣接しても、不自然な環境ではありません。 -
周囲の団地もひとめぐり。ザ・公団な標準設計の賃貸住宅が並びます。単純な平行型の住棟配置ではなく、先進的な団地だったんですね。
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公団の団地でも、賃貸ではなく分譲が行われた区画もあったんですね。
オールドタウン化はより深刻なんじゃないかと察しますが、ひのさと48の効果で、中古物件の売買も活発になればと思います。 -
1階がピロティになった公団住宅、はじめて見ました! しかも1階部分は駐車場ではなく、公共空間になっているというのが、また公団らしいですね。
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北側の、日の里第4号公園に足を延ばしてみました。長浦池を囲む、大きな公園です。
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公園内には原生林。団地を開発する際に、里山の一部を保全したんだろうと思います。
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そのまま4丁目の戸建て住宅街を東に進むと、田んぼが現れました。都市計画図を見たわけではないけど、ここで開発制限がかかる「線引き」がされているんでしょうね。
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さらに東へ歩き、宗像ユリックスまでやって来ました。スポーツ施設や文化施設を備えた、宗像市の複合施設です。つつじが見ごろ!
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施設内には古墳があり、きれいに芝が手入れされていて、のどかな雰囲気。
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アクアドームは、プールやジムを備えた体育施設。
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その裏には広大な芝生広場があり、遊具も充実しています。また思った、我が子を連れてくるべきだった。
このところの学級閉鎖続きで、育児の時間が長かったこともあって、一人の休日をもらったんだけど、つい我が子の喜ぶ顔を考えてしまうのでした。 -
さて年間100万人が訪れるという宗像ユリックスですが、定期の路線バスは数年前に廃止されました。立派なバス停はその名残り。
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今は「ふれあいバス」「コミュニティバス」に加え、「のるーと」が代役を務めています。同じ宗像市が主導するバスなのに、いろいろ種類があってややこしいですが、試行錯誤の段階なんだと思います。
ふれあいバスなら赤間駅方面にも直行できるけど、1日わずか5本。地域の人が「のるーと」といかに使い分けているか、興味が持たれます。 -
のるーとを、アプリで呼び出してみたところ…
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到着は15分後。土休日は1台運行ということもあって、待ち時間が生じることもあります。
また8:30~9:00、11:30~12:00、14:30~15:30は運転士さんの休憩のため、配車が遅れる…つまりこの時間には乗れない、ようです。 -
AIの予想より5分ほど早く、のるーとが現れました。到着すると、グループの乗客が3人降りてきてびっくり。ユリックスへのアクセスとしても、しっかり活用されています。
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高層の住宅群を駆けること6分。
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JR東郷駅の日の里口に到着しました。
東郷駅 駅
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駅前のCoCokaraひのさとでは、のるーとの1日券も買えます。
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駅前にそびえる、高層の公団住宅。すごいインパクトです。
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駅前ということで、団地の下層階は商業ゾーンになっています。
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商店街の区画は空き店舗が目立ちます。スーパーの区画ではサニーが今も、早朝から深夜まで営業。祖母の団地でも、サニーが頑張ってたっけ。えらい。
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商店街前のバス停を見てびっくり。団地内を循環する西鉄の路線バスは、平日早朝に1本のみ。ほぼ完全に、のるーとへ代替されてしまったのですね。
通勤需要さえも、ハイエース2台でまかなえるまでに減っているとは。 -
東郷駅は、大島など、宗像市島しょ部への玄関口でもあり、世界遺産登録に前後して駅のリニューアルが行われました。ファミマもCIを封印し、落ち着いたカラーです。
僕自身、大島や地島へ行く際に降りた駅だったので、東郷に団地の印象はありませんでした。表も裏も楽しい東郷、また訪ねたいと思います。 -
ヨメさん、我が子と合流して博多へ。こんな賑わいを見たのは、数年ぶりです。嬉しいような、不安なような…
GW明けは、保育園がさらに頻繁に休園になることは覚悟せねば。博多駅 駅
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