2022/03/27 - 2022/03/27
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mom Kさん
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いつか必ず訪れること。そう決めている土地は、あと二つ。
ずいぶん長くかかってしまった。
「水俣」
水俣病の存在を知ったときの罪悪感が、根っこにある。
遠く離れた地で、女の子は、セルロイドの筆箱を喜び、人形をねだり、身の回りのプラスチック商品に、便利になることに、快適になることに大人たちも手放しだった。無知だった。
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鹿児島発の新幹線は、「つばめ」。
洗面所も木製! -
すぐに見学開始。
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ブラインドも木製。
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昨秋の九州旅でJR九州の車両に感嘆しっぱなし。
再会で、また心踊る。 -
新幹線「新水俣」駅は、辺鄙でなんにもないところ。ホームから出口、構内、殺風景を通り越し、落ち着かない。新しい土地に降り立ったワクワク感が、急速に萎む。
オレンジ鉄道に乗りかえて、やっとほんもの「水俣」
この乗り継ぎ、全く連絡よろしくない。水俣駅 駅
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オレンジ鉄道駅は、真新しく、案内所の類が見当たらない。
たった一人で奮闘中の駅員さんに尋ねる。
「今だったら、国道にでれば、○○行のバスがあり、○○か○○で降りれば、行けますよ。」と、わざわざ時間も調べて教えてくださった。
どっちの停留所が、相思社に近いかなあと自問されながらのアドバイス。
「ありがとうございます。」 -
事前に、相思社、小泉さんにアクセスを尋ねていた。
オレンジの「みなくるバス」の水俣駅前乗車時間と降りる停留所は、教えてもらっていた。
予想より早い時間に着き、他のアクセスを聞いてみたのだ。よかった。 -
次の停留所まで歩くと、電柱に看板を見つけ、そこを曲がって、
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山側に入っていくと、また案内表示発見。
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おうちの前でであった人に一度尋ねただけで到着。20分かかったかな。
駅で入手した立派な水俣市観光ガイドブック ”さあ、みなまた” には、
「相思社」の名も、「水俣病歴史考証館」も、地図のどこにも
見当たらない!
ここで私の不信ふつふつ。 -
ここを見つけるまで、インターネットで調べてみた。水俣病については、市の情報には、別の建物を案内している。駅の係員さんが、最初に口にしたほうだ。
そちらは、無料。こちらは、有料。私は、鼻が効く。こちらが、本物だ。
だから、選んだ。 -
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”考証館の建物は、1974年に、水俣病患者が働く「キノコ工場」として建てられた。1973年に水俣病第一次訴訟の判決があり、患者たちが全面勝訴した。裁判に勝っても患者たちが地域から孤立するのではないか・・・若い患者の働く場所がない・・・患者たちがいつでも寄り集まれる場所として、相思社は作られ、若い患者の働ける場所としてキノコ工場は作られた。
工場は、1983年に閉鎖されたが、1988年に「水俣病歴史考証館」として生まれ変わった。” (展示写真の説明文)
なぜキノコ栽培か。
「手が震えてもできる作業があるからなんです。」小泉さんが教えてくださった。
私は、立ち上げ→建設→開業→栽培→販路→運営→閉鎖・・・一連の困難さを想像していた。この道程にかかわられた名もなき多くの協力者に救いを感じる。 -
「きのくに子どもの村」も昨年見学したと聞いていた。
(小泉さん)「そうなんです。最初子どもさんから直接見学申し込みの電話が
あって、びっくりしました。・・・みなさん、説明を吸い取るように聞いてくれましたよ・・・。」
ああ、”きのくに”教育。並みの大人なんか太刀打ちできない。 -
愕然
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風もなく、素晴らしい陽光
小泉さんは、守り人のようだ。
彼女にお会いできたことが
水俣旅の一番の意義。 -
帰り道(バス道)は、小泉さんが教えてくださった。「袋湾が美しく見えますよ」のほうに下っていく。
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集落を通り過ぎると、納屋の前で、足を投げ出して作業中のお爺さん。
とってもいい笑顔で、応えてくれる。
来た道とは、違う気配漂うと思ったら,そうでしたかあ。
道にも表情在り、人格ならぬ道格あり。 -
薩摩街道は、西郷方が、敗走したところかもしれないなあ。
官軍の「薩は、いないか。薩はいないか。」の血走った眼と怒号が聴こえてくる
気がする。 -
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十字架を思い出させるこの古色蒼然道路標示。
向こうに玉ねぎ畑。サラダ玉ねぎは、水俣の特産物。 -
豪華な水俣市作成の「さあ、みなまた」パンフには、水俣病に関すること、市の資料館の小さな囲み紹介のみ。
”人のめぐみ”には、水俣ゆかりの「人」として三氏紹介。私はいずれも知らない。
アニメ作家は、今や地方都市の観光素材。
どこにも石牟礼道子氏もユージン・スミス氏にも触れられていない。
100年たったら、紹介されるのだろうか。 -
このままでいてほしいなあ。セメントにしないでほしいなあ。
道行く旅人の想像を刺激し続けてください。 -
早朝の鹿児島発。頭はいっぱい。おなかはペコペコ。
国道にでれば、貝汁!看板。 -
水俣名物チャンポンの中でも「アサリ満載チャンポン」は、ここだけらしいのに、
「日曜日は、ないんですよ。」と、あっさり店員さん。
で、アサリ汁のたっぷり定食を選ぶ。 -
国道から袋湾を見下ろす。
「妊婦に栄養をとたくさん貝を食べさせた…毒性は胎児にいかないとされていたが…母体ではなく、全て・・・。」 -
食堂の人もバスについては全くご存じない。
とにかく車ビュンビュンの国道を町の方向へ歩いてみたら、停留所にたどり着いた。
なんと、あと5分で水俣行きが来る幸運。 -
本数の少なさ、理解。
小さな事件発生。
「水俣駅前」のアナウンスで、降車ボタンを押したら、
放送が一つずれていたと、運転手さん、平謝り。
30メートルほど通り過ぎ、駅への横断も近いところで停車。
しかも見たかったチッソ工場前。
いえいえ、私は、これでよかったんです。 -
当時はもちろん国鉄は、工場内まで線路が続いていた。
国鉄がJRになり、水俣は、そのJRもなくなり、オレンジ鉄道に。
なんだか、歴史を消そうとしているようで・・・
見る景色、見る景色、市のパンフレットを深読みして眺めてしまう。 -
工場前の排水路。
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右手門。
国策工場は、今も広大な敷地。 -
振り返ると、辺りで一番高い建物は、病院。あそこには、病気でなく、
「人を診る」お医者様がおられただろうか。
最初に患者を診て、?を持ち、8ミリで記録したのは、町のお医者さん。
30代の頃、そのビデオが知人から届いた。
帰ったら、「きのくに子どもの村」に送り、後を託そう。 -
昨年鹿児島市内で通りがかったお饅頭屋さんは、水俣が本店とは、
訪れて知る事実。新水俣行きの発車まで、1時間半。町散策。蜂楽饅頭 水俣本店 グルメ・レストラン
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駅待合室の展示品
水俣駅 駅
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紀州漁民が漁法を伝えた九十九里は、引き網。
ここは、地形が湾だからだろうか。
鰯大好物の私、興味津々。
私がこの地で生まれていたら・・・また思う。うなだれる。 -
展示コーナーの反対側は、小さなテーブルに椅子にサンテラス風待合室。
誰もいない。
熱々饅頭ほおばって、水俣を身体に入れる。
水俣市経済観光課の「さあ、みなまた」パンフレットを開く。
(大地のめぐみ)ページ ―水俣のものづくりが求めているのは、厳格のかぎりを尽くした「安心・安全」を基盤に生まれる・・・―
裏面の観光客が訪れてほしいだろう所の施設、場所等に「相思社」の名は、ない。知恵の宝庫。学びの宝庫。水俣駅 駅
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この旅行記へのコメント (4)
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- エフサさん 2022/04/23 11:51:39
- こんにちは
- 西郷どんの名前が出てきたので、田原坂は肥後と薩摩の国境のこの辺りか? と思って調べてみたら熊本市の北でした。mom Kazukoさんのお陰で、また一つ間違いを修正出来ました。
神通川とか、阿賀野川とか、小学校の社会のテストに出てきました。水俣の患者さんはモノクロフィルムのTVニュースで当時何度も見ました。大人になってから知ったハンセン病患者への迫害とかは、かなりショックでした。
コロナに戦争。金融資本主義の崩壊と言う準備された神のシナリオとは言え、いざ起きてみると、この21世紀にまさか、と言う思い。無力な自分に「銃後の守り」と言い訳しながら、甘んじてインフレを受け入れるだけです。
九州は年内に鉄輪に行きたいなと、ただ今たくらみ中。途中、mom Kazukoさんの日田に寄ろうかどうか、ご当地グルメを調査中です。
- mom Kさん からの返信 2022/04/24 11:54:14
- ぐだぐだの朝に
- 雨音で目が覚め、快眠後の心地よさに、昨日ご機嫌遠出を振り返ったりしながら、ベッドでグダグダでした。ようやく朝のルーティーンを終えたところ。
あの道に入った途端、あれっ!と思っていたら、あの道路標識。「作った道」と「生まれた道」の違い歴然。風格です。歩かせていただきますの気分になりました。思わぬ水俣のご褒美、幸運です。
最近まで優生保護法施行され続けていたと知った驚き。また自分の無知を呪い、政府の非人道性に怒り再燃。カレラハコクミンナンカマモッテクレナイ。肝に銘じること再び。プーチンへの非難の矢を己にもと思い浮かべた面々に
「隠された悪」は、まだまだありそうと思いいたっております。
「私の日田」に、ぜひ。別便で足で稼いだ情報をお伝えしたいと思います。
北海道民の目と知恵で味わう九州とは、どのようなものになるのでしょうか。
とりわけあなた様の舌。Dr.エフサの旅行記に期待大です。
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- mom Kさん 2022/04/20 10:19:53
- 掲載冥利に尽きます
- pedaruさん
お伝えしたいこと、聞いていただきたいことを山のようにもち抱えております。
ご指摘はそうですね。辺野古も昨今の虐待も根底は同じ。森友事件だって、驚くほど
似ていると思いました。「隠された悪を注意深く拒む」だったかなあ。詩の一節を
あの場で思い浮かべました。
-
- pedaruさん 2022/04/20 06:07:20
- 水俣と聞くと後ろめたいという良心
- mom Kazukoさん おはようございます。
私たちのほとんどは現在水俣病のことは忘れています。改めてKazukoさんの
旅行記で考える機会を得ました。
今非常にショックを受けています、猫実験の話、実験者は冷徹な科学者ではなく
血の通ったむしろ心の優しい猫を愛する人だったのですね、しかし、恐ろしい
結果が現れました。しかも許せないのは、会社がそれを隠ぺいしたのですね。
隠ぺいしている時間は、次々と悲惨な結果を拡大し続けたのですね。
この体質って、利益優先の国策か?足尾鉱毒事件、四日市ぜんそく、イタイイタイ病、などすべて企業優先の政治ですね。現代では原発が顕著な例だと思います。
貴重なレポートをありがとうございました。
pedaru
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