1982/05/02 - 1982/05/04
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おくさん
自転車の旅 那須・塩原編(読み切り)
コロナウィルスのお陰で、国内・海外を問わず何処へも行けなくなってしまいました。お陰でこうして過去の旅をブログにしています。大昔に行ったサイクリングの旅も7作目の今回は、5月のGWを利用して3日間走った那須・塩原の旅です
5月2日の日曜日、今日からゴールデンウィークだ。天気予報がピッタリ当たって朝から雨。「ま、こんなもんだろう」とポンチョを被って我が家を後に走り出す。すぐ国道50号に入って、東へ東へと進む。雨は降ったり止んだりで、そのたびにポンチョも着たり脱いだりとこまめに行う。
11時すぎ、昼飯にはちょいと早いが腹減ったので愛妻弁当なぞ広げて食べることにする。道路っぱたに廃業したような店があって、巻き取り式のビニール庇(ひさし)があるから雨宿りになって調度いい。運良く雨足も強くなってきたのでこれまた一石二鳥の気分だ。食べてる内に降るだけ降って早めに止んでくれい。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
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佐野を抜け、栃木市を過ぎ、宇都宮を通過するころになると、またもや腹が減ってきたので通りにあったラーメン屋に入ることにする。時計はまだ4時10分、この分だともう1食たべなくちゃならんかなーと思いつつ、おいしい味噌ラーメンなぞいただく。食後のデザートにアイスクリームなぞ食べて単調な走りにアクセントを付けます。
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早夕飯を食べて走り出すと、またもや雨が降り出してくる。予報では、連休中ずっと雨とのことなので、今回のサイクリングはずっと雨に降られても仕方ないものの、やっぱりそこは人情で、雨よりは曇り、曇りよりは晴れと願いはつきず、できることなら降ってくれないでくれいと祈りたくなるってもんです。大きな川があったが、何て名前なのか分からない。
途中、小さな駅で休息をかねて雨宿りして、矢板市に着く頃にはもう真っ暗。矢板駅ででも泊まろうかなと思っていたが、まだ7時過ぎなので今から終電車がでるまで駅でねばるというのも間抜けな話なので、駅を横目で見ながらそのまま通過する。
矢板から塩原へ抜ける近道があって、地図上でも無色で書いてあるような山道なので、当然人家も少なく街灯もない真っ暗闇の道。その道筋にあった小さな村に小さな店が開いていたので朝食用のパンとバナナを仕入れる。小さいけれど村の何でも屋には酒類も売ってるので、ついでに寝酒用の「ぐい生」ビールを買って走りながら一杯やる。旅先での一杯はいつも格別なんだけど、今回ばかりはちょいと寂しすぎる気分だ。 -
珍しく街灯があったので、ここなら写真が撮れるだろうと「ぐい生」を掲げて一枚撮っておく。何だか余計寂しいことをした気分になる。この道は東北道の側道にもなっているのか、時々すぐ上の高速道路を凄いスピードで車のライトが通過していくのが見える。
既に結構いい時間になってると思うが、相変わらずの寂しい山道なので泊まれるような駅やバス停も見あたらない。いったいこんな道をいつまで走ったらいいんだろなー。まさか朝まで走り続けるってことはないだろけど、そろそろ寝られるような屋根付きの寝床が現れないかなー。何しろ人家がないので寝られる所も見つからない。
真っ暗闇の道路を目を凝らしながらウンコラ登っていくことしばし、少しの間止んでいた雨が、またポツポツと降り出してきた。勘弁してくれよーと思っても、更に勘弁なしに雨足はずんずんと強くなってくるので、またもやポンチョのお世話になる。
こんな調子で泊まるところもないまま一晩中走るのかと思うとゾッとして、こっちの近道コースは失敗だったなーと悔やまれる。遠回りでも幹線道路を走ってさえいれば、通りには明るい街灯や屋根付きのコインレストランにバス停が所々にある筈なんだよね。時間に寄っては山道に入らないのが良いのだが、まさかこんな寂しい道とは思わなかったので当てが外れた。こんちくしょーめ。
え!?あれ!?何と、こんなへんぴな道路にブロック作りの小さなバス停があるではないか。勿論、屋根だって付いている。これまたこの道には珍しい街灯の下に白くぼんやりと浮かび上がっているよ。地獄に仏と大喜びで転がり込む。あー、こういうこともあるんだなー。まるでマッチ売りの少女の話みたいだよ。ありがたいありがたい。
小さなバス停の中には狭いベンチがあった。一応横になれる程度の木製ベンチ。そこにシュラフを敷いて、汗でぐしょ濡れになった服を脱いで、乾いたセーターを素肌に着込む。雨でびしょぬれの靴下も脱いで寝袋の中にもぐり込む。やれやれこれで一息ついた、あとは心安らかに御就寝。とは行かなかったんですよねこれが。バス停のすぐ前の川に段差があるらしく、ドーッドーッという音が凄まじく一晩中やかましかった。でもまぁ、休息にはなったし、雨も凌げるしなので大助かりには違いない。 -
自転車の旅2日目の5月3日。
午前4時過ぎ。空がぼんやりと明るくなり始めてくる。雨は止んでるみたいだ。しかし、前日に引き続き相変わらずの曇り空は変わらないようだ。ま、雨を承知で出てきたんだから、少しでも降られなくちゃ儲けモンだ。高望みはしないことだ。
どっかからバイクがこのバス停にやってきて、何か大きな荷物をドサッと置いていった。え?何なんだい。と、シュラフから起きあがり置いてった荷物をみたら新聞の束だった。どうやらこのバス停が新聞配達の中継所になってるようだ。山間部の新聞配達も工夫してるんだね。野宿の朝に朝刊を読めるとは有り難い、なんて言いながら新聞の束をほどいてはいけません。そんなこたぁやりませんよ。 -
目覚めた後もしばらくシュラフの中でモゾモゾしてるが、その内、外へ出てみるとビックリ。なんとすぐ裏は大きな墓場だったヒェ~。昨夜の内にこれに気が付いてたらと思うとゴックンものでした。もしかしたら貴重な屋根付き寝床発見にも関わらず、墓場に恐れをなして通過しちゃったかも知れないなー。あー朝気が付いてよかったこと。
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昨夜仕入れたバナナを一本食べて、5時半に出発進行。目指すは塩原温泉。1時間ほど走って、残りの食料で朝飯にして、また1時間ほど走って行くと、道は山と山に挟まれた箒川(ほうきがわ)に添って続いていくようになる。山の中でも川沿いの道は高低差が少なく走りやすい。
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途中、小さな滝などが随所にあったりして、緩やかなアップダウンの連続は来て良かったーっという気にさせる。これだからサイクリングはたまらんのよ。
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塩原温泉郷大網温泉に6時半着。温泉と言っても旅館がわずか2軒のひなびた温泉だった。ここでかねてより予定の露天風呂に入ることにして、自転車を置いて石段を下へ下へと下りていく。道路から下ること数百メートルという感じだけど、実際には百メートルくらいかな。何しろ道路からはずっと下。この露天風呂は河原の中にあるのです。タダかと思ったら入り口に江戸時代からあるような旅館があって、そこで300円也を支払って入るようだ。当然私が一番の客らしく「早いですねー」と言われてしまった。こっちはホントに朝露払って遊び歩いてるんだから、そりゃ早いでしょう。
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300円も払ったからには値段分入っていようと、しっかりのんびり入ること数十分、とうとう湯にのぼせて気持ち悪くなってしまった。過ぎたるは及ばざるがごとし、欲かく鷹は爪が割れる。
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それでもやっぱり気分はサッパリ身体はポカポカで大網温泉を後にして走り始めると、ありがたいことにお日様が段々と顔を覗かせてきて、やがてとってもいい天気になりましたぁ。ありがたいこってす、こうなればもう何も望む物はありません。いやあるある、今夜の寝床が確保できればそれこそもう何もありません。と言うことで、朝の内に今晩の寝床の交渉をすることにする。
塩原から北へ70Km行った所に白河がありまして、そこの教会には半年前に教会同士の仕事で訪れたんですよね。その時、先方の神父さんや信徒さんとは食事をしたり名所を案内してもらってるんだから、これは強力なコネですよ。次の温泉街から早速電話を入れてみる。メキシコ人の修道士さんが応対してくれて、こっちのことを言うと「良く覚えてますよ」やったね。宿泊も快く引き受けてくれたので一安心。ああ良かった、旅先でその日の宿が心配ないということは大変喜ばしいことで、これで心おきなく今日一日を遊び歩くことが出来るってもんです。 -
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塩原って大きな温泉街がいっこドーンと有るんじゃなくて、小さな温泉が点在している所だった。川に沿った道筋に小さな温泉街がぱらぱらと見られるようになり、途中には名所の岩があったりした。あそこの岩まで走って記念写真を撮ろうとしたけど、余りに遠かったので岩に辿り着く前にシャッターが下りてしまったまぬけ。
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形の良い大岩がごろんごろんある中を勢いよく水が流れている光景は日本画のようであります何ちゃって。
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そうこうしている内に塩原温泉郷の中心街に入ったらしく、大きなホテルや名物トテ馬車などが現れ始める。あちこち見物といっても大したことはないが、一通り塩原ってところを見たので、今度は那須です。
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塩原と那須をつなぐ道が35kmほど続いてまして、その道路の両側が細長く国立公園になっているという珍しい道路です。この道がまた、草原や牧場ばっかりの、まるで北海道を思わせるような高原の快適な道路なんですよー。やっぱり道路が国立公園ってだけのことはある。初めてサイクリングする人も、こんな快適な道を走ったらきっと又サイクリングしたいと思うこと請け合いの素晴らしい道です。
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那須の近くまで来るともの凄い車の渋滞で、ここではじめて「あぁゴールデンウィークなんだな」と思い出すことができる。大渋滞の車の列を横目に、急勾配の坂をウンコラウンコラ、途中、麦とろろの昼飯を食べてウンコラウンコラ、ぐい生を飲んでウンコラウンコラ、やっとのことで今回のメイン観光地、那須の殺生河原へ着きました。やったね。
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自転車を置いて、遊歩道をフラフラとあるいて観光する。何やらいわくのある殺生石なるものを見る。どっかの何とかがこの石に化けたんだとかかんとか。この石はつい最近、2021年の冬にボカンと割れてしまいました。ヒビの間から進入した水が凍って、石を割ってしまったようです。水が凍るって凄い力なんですよね。ビルのコンクリートの隙間も放っておくと同じ結果になるようですよ。あと木の根っこの力も凄いので、庭に大きくなる木を植えている人は注意しましょう(何のこっちゃ)。
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殺生石から上に走っていくと遠くに那須のどっかを一周できるボルケーノハイウェイが現れた。まぁ私は自転車なんでわざわざ一周することもないからここからは下りの道を選びますよ。
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さて、勢い良くがんがん下って、途中雨に降られたけど白河に着いたのが3時前。教会へ行くにはまだチト早いので、以前来たときに案内してもらった南湖公園へ遊びに行く。
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この公園は日本で一番最初の公園なんだそうだ。一番最初ってだけが売りだから、勿論大したことはない。だからなにって言われそうだな。もう一つの名所の、史跡・白河の関はかなり遠いのでやめておく。確かテレビの水戸黄門でも登場した関所だと思った。前に白河に訪れた時に見たので全然惜しくはありませぬ。
時間的にそろそろいいかと教会へ行ってみるが、神父さんはどっかへ行ってるらしく留守のようだ。入り口でただ待ってるのも何なので、銭湯を探しにウロウロ街中見て回ったがまるでなし。まさか白河では銭湯が許可にならないってことは無いだろうけど、ホントに見つからなかった。
風呂捜しの途中、目に付いたセブンイレブンで一宿一飯のお礼にと、ポンジュースを2本と明日の朝食用に弁当なぞ物色して教会に帰る。しかし神父さんはまだ戻らない。今度は夕飯食べにまたフラフラと出かける。しかし結局神父さんは今晩帰れないとの電話が入り、その夜は教会のホールに一人で泊めさせてもらうことになった。留守なのに何で中に入れたのか記憶がありません。絨毯の上にソファのマットを3つも敷いて、その上にシュラフを敷いて快適に休めるので明日のスタミナはバッチリ充電できるだろう。
夕方になって電話が入ったので仕方なしに出てみると、相手は知らない人が電話に出たので(私のこと)不審がっている。こうこうこうですと説明すると納得してもらえる。まぁ怪しい奴なら電話には出ないだろしね。 -
自転車の旅3日目、今日は朝から快晴だ。教会の柔らかいマットの上で快適に起床。広い教会の中に自分一人だけだったので気楽に過ごすことが出来た。
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出かける前にポンジュースとお礼の書き置きを書いてお世話になった建物の前で記念写真をパチリ。
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五月晴れの下を軽快に走っていられる。家に帰れる日は雨でも何でも構やしないけど、どっちかと言わなくても勿論晴れてる方がありがたい。さてどの道を走って帰ろうか。昨晩立てた今日の予定では、宇都宮近辺でもう1泊して明日帰る予定を立てたが、見物したいような所もないので前橋まで突っ走ることに決める。時間が掛かって夜中になるかも知れないが、家に帰るんだから幾ら遅くなっても構わない。来たときと同じように宇都宮経由はアホらしいので、今度は日光を経由することに決める。日光への分岐までは、ひたすら国道4号を南下していく。
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また知らない大きな川を渡るが、フィルムが使い切れないのでこんな所でも写真を撮ってみる。重たい三脚は持ち歩かないので、セルフタイマーのためにカメラを置く所がない場合は、毎回、自転車を入れて写真を撮ってます。
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日光の町を走り抜けて中禅寺湖方面へ向かう。日光から前橋へ抜けるには足尾トンネルへの坂を登り切ればトンネルの向こうは下りばかりの道が続くので楽しみな道だ。長~いトンネルを抜けると同時に急坂のダウンヒルが始まる。キャッホー。
もっと下れもっと下れーと言いながら長い坂道を下り終えると、そこは平らになった大間々の町だ。この頃にはとっぷりと暗くなったが、家に帰れるんだから何の苦もない。寝るところが決まっているのは凄くありがたいことなんだと、野宿前提のサイクリングに出ると毎回思う。
最初こそ雨だらけだったが、割合天気には恵まれたサイクリングだった。ずっと雨を覚悟して出発したから尚更そう思えるんだろう。無欲の勝利ってやつだ。
おしまい
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