めでたさも中くらいなり初詣 2022 ～前編～

2022/01/08 - 2022/01/08

明けましておめでとうございます。

2019年の暮れから始まったコロナ・ウィルスの脅威は相変わらず、2022年新春にもその影を落としています。
諸手を挙げて あけおめ～(^^)v という訳にはいきませんが、疫病退散を祈念して伊勢神宮と熱田神宮に　おひとり様でお参りしてきました。

今回の旅の強い味方は「近鉄全線３日間フリーきっぷ」、３日間近鉄電車に乗りまくって３千円ポッキリ♪　
チョーお得な切符です（特急料金は別途必要）。ありがとう、近畿日本鉄道株式会社！　
伊勢神宮には何度か参拝させて頂いたので（遥か昔、小学校の修学旅行がお伊勢参りでした）せっかくのフリー切符だしぃーと貧乏人根性全開で、初めての名古屋ミニ観光も組み入れた　弾丸初詣旅行です。

エリア 金山・熱田(愛知)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 旅行の手配内容: 個別手配

１月８日（土曜日）

時刻は朝６時 まだ夜明け前、自宅を出て近鉄・鶴橋駅に向かいます。
ＪＲ環状線・鶴橋駅からダッシュして特急列車が発着するホームに到着、２分後に発車する特急「ひのとり」特急券を購入して赤い車両に滑り込みセーフ！　

空席が目立つ列車内では乗客の皆さん揃って爆睡中、私もボケーっとしながら終点の名古屋まで快適な時間を過ごしました。

列車は定刻通り９時過ぎに名古屋駅に到着、皆さんが列車と一緒に記念撮影をしているので、釣られて私も車体をパチリ。

初めての名古屋駅は、どっちが北でどっちが南かも分らない～(＠_＠;)　
半分迷子になりながら観光案内所で市内マップと観光パンフレットを貰い、地下鉄窓口で１日乗車券「ドニチ（土日）エコ切符」を購入、この切符を片手に名古屋プチ観光の始まりです。

まず最初に向かうのは、熱田神宮。ここ熱田神宮の主祭神は熱田大神、三種の神器のひとつである草薙剣（天叢雲剣）を御神体とする天照大神を祭り申し上げたとされています。

もちろん三種の神器は皇居の奥深く鎮座されていますが、八咫鏡の御神体は伊勢神宮、草薙剣の御神体は熱田神宮に祀られており、皇居内に置かれている八咫鏡と草薙剣は　夫々の御神霊を写した形代になります。

草薙剣（天叢雲剣）は、須佐之男命（スサノオ）が出雲国で八岐大蛇（ヤマタノオロチ）を退治した時に大蛇の体内から取り出した神剣で、瓊瓊杵尊（ニニギノミコト）と共に高天原よりもたらされ　日本武尊（ヤマトタケル）によって尾張国に残されたのち神剣を奉じる熱田神宮が建立されました。

三種の神器の中でこの神剣は　天皇（大王＝オオキミ）の武力の象徴であるとされています。

この草薙剣に関する日本書紀の記載で興味深いのが、草薙剣と天武天皇との関係です。

草薙剣（ご神体）は長らく熱田神宮で奉じられていましたが、天智天皇の御代に盗難未遂事件が起こり　その後は天皇のお側に留め置かれていました。

天智天皇の薨去 そして古代最大の内乱である壬申の乱の後、三種の神器は天武天皇が受け継ぎましたが、天武天皇が重い病となり宮中で占いを行ったところ、「天皇の傍らにある草薙剣の祟り」との託宣が出たため　草薙剣は再び熱田神宮に移されました。

天皇の武力の象徴であり又 天皇を護るべき力を持つ草薙剣が、兄・天智天皇の皇子と帝位を争い勝利して天皇に即位した大海人皇子＝天武天皇に祟り---災いを成すとは、なんとも不可解な託宣です。

そして、時の天皇の正統性を表す三種の神器のひとつが天皇に祟りを成し、その占いを受けて神剣を宮中から元の熱田神宮に戻したとの経緯を、国家の正式記録である日本書紀に敢えて記載した　当時の為政者の意図は何だったのでしょうか？

西暦672年の壬申の乱で皇統は天武天皇の直系子孫に移りますが、その約100年後 玄孫にあたる称徳天皇が西暦770年に崩御されたのを以って天武系の皇統は断絶となり、再び天智天皇（天智系）の子孫が皇位を継承することになりました。

などなど、古代史の謎はここで終了。
冬の清冽な陽の光を受けた熱田神宮の境内で、美しい木々の緑を通り抜けて本殿に参拝させて頂きます。
広大な境内には織田信長が寄贈した信長塀も残されており、また、神宮が所蔵する宝物を展示した宝物殿、多くの武将から奉納された刀剣を展示する草薙館も併設されていて、歴史好きな人には非常に興味深い展示内容だと思います。

初詣の参拝を終えて、地下鉄に乗り市役所駅で下車。めっちゃ遠いやん～とボヤきつつ名古屋城に向かいます。

時間は早くもランチタイム、名古屋メシのお昼ごはん♪は　金シャチ横丁にある鳥開総本家で頂きます。

20分強ほど行列待ちの後入店、今日のランチは　名古屋コーチンの親子丼と手羽先の唐揚げのセットです。ちなみに翌日のランチは海鮮丼 (^^;)　
今回の東海旅行は丼尽くしでしたわん。

えーっと、皆さま「金のシャチホコ」でよく御存じの名古屋城ですが、安土桃山時代までは「那古野城」と呼ばれ一時期は織田信長の居城でした。
関ヶ原の戦いの後、徳川家康の九男にあたる徳川義直が尾張国を与えられその居城として築城されたのが名古屋城です。

その後ながらく徳川御三家筆頭藩の居城として威容を誇り、明治維新後の廃城令でも姫路城と同様に破壊を免れた名古屋城でしたが、太平洋戦争の名古屋大空襲で焼失してしまいました。現在の名古屋城は天守閣を含め戦後の建築物となります。

昔のことわざに「尾張名古屋は城で持つ」がありまして、戦争で消滅した名古屋城も現在は天守閣や本丸御殿が復元・一般公開されており　往時の煌びやかな姿を垣間見ることが出来ます。

本丸御殿は典型的な書院造になっていて、藩主の公式な対面所である表書院や三代将軍・徳川家光が京都上洛時に宿泊した上洛殿など、絢爛豪華な襖絵や精密な意匠を見ることができます。

また 2021年11月には「西の丸御蔵城宝館」も開館になり、城郭に置かれていた鯱や瓦をはじめ甲冑等の武具が常設展示されています。

名古屋城を見て回るのに時間が掛かりましたが、お次は市内観光バス「メーグル」で徳川美術館に移動です。名古屋市内の観光名所を 約30分毎に巡回するこのバス、今朝がた購入した地下鉄＆バスの１日券「ドニチエコ切符」＠620円で乗車できるので　めっちゃお得。本日の名古屋観光は、この１日券を使いまわしましたのよ、おほほ。

こちらの徳川美術館は、尾張徳川家が代々収集した美術品に加えて刀剣や武具等を展示していて、以前から興味があったところに今回の「近鉄電車・激安３日券」で渡りに船とばかりに　名古屋まで足を伸ばした目的のひとつです。
展示品は第１～第６展示室で夫々のテーマに沿って公開されており、嘗て名古屋城の二の丸御殿にあった書院造の広間や能舞台も　精巧な再現展示がされています。この美術館は国宝・源氏物語絵巻の数巻を所蔵しており、それらも拝見したかったのですが　作品保護の観点から一般公開は１年に数日間のみになっていて、通常は非公開で精密模写作品の展示になっています。

美術館内部は写真撮影禁止のため、館内通路の美しい生け花を写真に収め　これで徳川美術館の鑑賞は終了。徳川園のお庭をサクッと歩いて時計を見ると・・・、あらま、もう４時前だー。慌てて「メーグルバス」に乗車しバスは途中で下車して地下鉄に乗換え（時間短縮のため）、名古屋駅に向かいます。

名古屋駅のデパ地下で今夜の晩ごはんのお供ワインをお買い上げ、コインロッカーに預けていた荷物を受取って近鉄電車に乗車。
特急では所要時間40分、急行では１時間なので　特急料金の掛からない急行電車で移動（この辺りがケチな大阪府民の特性・笑）し、今日と明日の宿泊場所・津駅まで移動です。

今回２連泊するホテルは「けやきの湯 ドーミーイン津」、津駅から徒歩２分の便利な立地でして、旅友Ｂさんに教えて頂いた全国チェーン系ビジネスホテルです。

ホテルには６時過ぎにチェックインして大浴場のお風呂で温まった後は、今夜の晩ごはんの受取り。今日は朝早くから名古屋移動と観光で疲れるかもーと思い、ホテルのすぐ側にある「いせもん」さんに前もってテイクアウト弁当を予約しておきました。

今夜のメニューは　松花堂弁当「菊櫻」をテイクアウト用の器に入れて頂いたものでして、小鉢や炊合せ・天婦羅に　松阪牛ステーキ、ご飯の上に松阪牛ローストビーフを載っけたウマウマなメニューです。

私は葱が苦手なのでローストビーフの白髪ネギを取り除いたら----　おおぅ、艶やかな松阪牛の赤身肉がめちゃ官能的なビジュアルだぞー！　

受取時間を指定していたので、ステーキと御飯はまだほんのりと温かく、柔らかなステーキ＆ローストビーフを美味しい状態で味わいます。

松阪牛に合わせるワインは　Louis Roederer Brut Premier のシャンパーニュ、ルイ・ロデレールってやっぱりエライわー、これは普通のノンビンなんですが、松阪牛にも牡蠣の佃煮にも子芋の炊合せにも合います♪　

数の子以外は何でも合う万能シャンパンだと思いますわん。

コンビニで買ったティラミスをデザートにシャンパン飲んで満腹満足、歯磨きしておやすみなさい～。

明日は伊勢神宮に初詣です。