2021/10/22 - 2021/10/23
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gyachung kangさん
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10月の後半は例年ならばこれから秋が深まる季節。冬の到来はまだ早い。一方でパンデミックに見舞われてから一年中マスクをつける生活になって以来、季節感が希薄になっている。そんな気がして仕方がない。
ビルを眺めていても季節の気配を感じることはできない。移り変わりを体感できるのはやはりお山に限る。ということで今回向かった山は福島の安達太良山。東京からは無理なく日帰り登山できる山であるがあえて山中一泊、秋の深まり、移ろう季節を味わうことにした。
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安達太良山へのアクセスポイントは郡山から20分ほどJR東北本線の二本松駅になる。
この駅前からバスに乗ること40分、終点が奥岳。ここで下車。 -
夏山シーズンならば普通に奥岳の登山道からスタートするところ。
だが今回の私のチョイスはこちら。安達太良エクスプレスというロープウェイを利用してちょっと楽ちんする。 -
ロープウェイの降車地点から本日の山歩き開始。他の山では見慣れないホンワカした案内板がある。
ええ、お察しの通り安達太良は高度に挑む山ではない。景色を楽しむ山なのだ。 -
山頂への本道から右手に枝分かれして進むとこんな景色が広がっていた。
薬師岳パノラマパークと呼ばれる見晴らしの利く展望スポットである。 -
向かって左が安達太良の山頂、右が本峰より少し高い鉄山
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山頂を目指さない観光客のほぼ全員がおそらくここを訪れる。彫刻家で詩人の高村光太郎の智恵子抄の一節が碑に刻まれていた。
ー この上の空がほんとの空です
私を含めて実際に智恵子抄を読んだことがある人は圧倒的に少ないと思うが、にもかかわらず抜群の知名度を誇るこの一節。
生憎この時はやや鉛色の曇り空。だが智恵子さんの言いたいことはよくわかる。 -
薬師岳を後にして本道に入る。
ハイカー用の木道が途絶えてぬかるみを歩く。 -
登山道の両脇には真っ赤に色づいたナナカマド
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橙色 これまた鮮やか。目を奪われる。
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ロープウェイの乗り場で前の日に安達太良に雪が降ったと聞いていた。この体になると登山靴でなければ到底凌げない。
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高度が上がると前日の雪
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そして森林限界を過ぎると一気に赤茶けた荒々しい山道に様変わり
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ガレ場をジリジリと登り続けると前方の視界がどおんと開けて目の前に隆起した塊が現れた。あそこが安達太良の山頂。
安達太良が別名乳首山と呼ばれていることをここに来てから知った。
なるほどなあ~、ちょっと笑える発見! -
頂上直下
霊山ではないが不思議と神聖な雰囲気が漂う。 -
足元は冠雪している。
アイゼンを用意していないこと少し悔やんだがあの高さならこなせると判断。 -
最後のステップに鎖場が一箇所
ここをクリアして岩場を登るとテッペンが待っていた。
安達太良山1700メートル
歯切れのいい標高がまことに素晴らしい。
山頂の真上には智恵子さんの言うほんとの空が覗いていた。 -
頂上から見下ろす二本松市内方面
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反対の北側には立ち入り禁止区域を囲む尾根のパノラマ
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山頂の岩場には既に立派な海老の尻尾が出来上がっていた。今シーズン私にとって圧倒的に一番乗りの冬の到来が安達太良にあった。
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頂上の岩場から下りた広場でランチタイムにする。私の他に30人くらいの登山者がここでランチをとっていた。
この時気温はおそらく10度ちょっと。幸運にも風はない。用意していたバーナーで味噌ラーメン、バターを投入して味濃いめにしたが山々を眺めながらの温かい食事は何をどうしてもご馳走に早変わりする。
カラダに染み渡る~ -
食事を終えてトレイル再開
このあとは山中にある山小屋を目指して歩く -
安達太良の道しるべはこの赤白ツートンのペンキが特徴
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北に向かう稜線ポイントから山頂を振り返るとこんな景色
表側からの乳首と呼ばれるユーモラスな山容とは全く別の野性味溢れる姿になっていた。 -
さらに進むと突然と目に飛び込んでくる圧巻のこの景色
沼ノ平の火口跡である。
まるで月面のクレーターのごときだ。
1900年に噴火、死者72名、1997年にも有毒性ガスで登山者4名死亡、現在に至り立ち入り禁止になっている噴火口が目の前に。御嶽山の爆発は記憶に新しいが地球時間にすれば121年前はつい昨日のようなもの。この火口が火を噴いたら人間などひとたまりもない。ちょっと身ぶるい。 -
火口を過ぎると分岐点
目指すくろがね小屋へ -
この道を下って行く
山頂の周りにあれほどいた登山者の姿はこの辺りではもはや誰も居なくなっていた。 -
行く先の谷間にはガスが巻いている。
そしてこの自然のままの足場、
全くもって歩き甲斐がありますぜ! -
このルート、ホントに人が少ない。
先行にいた2人組を追い越すと前後一人旅となった。
心細くなりかけたいいタイミングでこの半分消えかかってるペンキが現れた。
赤白が逆なのはなんでなの?ねえ? -
黙々と下りきって来た道を振り返る。
さきほどまでの月面風情は面影もなく、いい塩梅の紅葉観賞スポットになっていた。
安達太良山のこの二面性、なかなかやるじゃん。 -
その先に現れてくれました
これがくろがね小屋
本日はここにお世話になります。 -
靴の泥を落として受付へ。良心的な宿泊代の支払いを済ませ案内された7号室に入る。
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私の部屋は2階フロア、ハシゴがついたそのまた2階の部屋。ここ、布団の類は無いのでシュラフ持参。さらにこの季節には防寒対策でマットも持参。繁忙日ならば当然相部屋となるが結局この日は個室利用になった。
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くろがね小屋に立ち寄らず登山口まで下山しようとすれば十分間に合う。
だが、今回あえてこの山小屋に宿泊することにした目的はこのお風呂。
水が貴重な山小屋ではシャワーでさえ望めないのが普通だが、火山を抱く温泉地ならではのお風呂である。私は那須岳の山中にある三斗小屋温泉の煙草屋旅館に宿泊したことがあるが山小屋で風呂に入るのはアレ以来。
いちどきに3人までの人数制限があり受付で入浴札をもらい風呂を利用する。私が風呂場に行った時は他の入浴者は誰もおらず独占して湯船に浸かりきった。隣の女子風呂からはグループ登山者のはしゃぎ声が延々と聞こえてくる。
で、肝心の泉質は色は乳白色、硫黄の匂いは弱く肌のあたりは滑らか、温度は高温。そしてなんと飲める。体の芯から温まった。山小屋温泉は文句なしの至福の極地だった。 -
お風呂上がり、全身ぽかぽかに温まって小屋の外に
山にはずいぶん下までガスが下りている。 -
くろがね小屋を取り巻く至近から見る木々は紅葉の真っ只中にあった。
赤、橙、黄、緑、これに加えて山道の赤茶と降雪した雪の白とほんとの空の青、この日安達太良は色彩に溢れていた。 -
17時半、夕飯
メニューは名物のカレー。辛さ控えめ、そう言えば昔のカレーってこんな甘さがあったよな~というくらい優しい味。この日は宿泊登山者20名ほど。皆さん次々とお代わりに並んでました。もちろん私も。
食事後はストーブで温まってから自分の部屋に戻る。18時半就寝。この時間に何の憂いもなく眠りにつけるとはなんたる幸せ。 -
翌朝
寒さに目が覚めることもなく10時間睡眠、朝食を食べてくろがね小屋を出発した。 -
登り返しもないほぼ下り一辺倒の下山路を進む。このあたりは勢至平と呼ばれるところ。
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登山口に通じる旧道との分岐に差し掛かるが昨日のぬかるみが頭に浮かんでここは自重
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清流を跨ぐ橋を過ぎて
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朝日が射し込んでくる樹林帯を下っていくと
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目の前が開けて奥岳の登山口に辿りついた。
おめでとう、安達太良山登山、無事終了デス! -
バスに乗り9時半、二本松駅に到着。
駅前のコンビニでコーヒーを買い電車の時間を待つ。昨日は全く気がつかなかったほんとの空を指差す智恵子さんの像があった。 -
その隣には奉行所があった。
ぶ、奉行所!? -
いや、一番気になったのはこのお店だ。
居酒屋こんどこそ
だってさ。
私、これまでの旅の中で思わず唸った名前のお店が3つある。
ヨルダンはペトラにあったWHY NOT SHOP
マレーシアのコタキナバルのNEVER CLOSE MINI STOP
そしてイランのテヘランで見つけた床屋ALI BARBER 、この3つだ。
この3つに二本松駅前で営業する居酒屋こんどこそ、これをつけ加えておきたい。
だってねえ、何がこんどこそ何だろ?
強力無比のインパクトかと。この山行記を書きながら今も気になっている笑
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