2021/09/10 - 2021/09/10
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Weiwojingさん
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昨年暮れと今年になって9月に2回にわたって東京港区にあるパナソニック汐留美術館で美術展を見学した。ひとつは「分離派建築会100年展」、もうひとつは「サーリネンとフィンランドの美しい建築展」である。
どちらも建築に関わりのある展覧会であったが、小生が関心のある建築分野と言っても、あまり知ることがなかった、馴染みのない分野の展覧会ある。しかし、知らないで素通りすることはできないので、先ずは見てみたいと思った。
確かに知らないことばかりであったが、想像以上の見るべきものがあり、大変有意義な時間を過ごすことが出来たと言ってよいだろう。
「分離派建築会」とは、1920年(大正9)に東京帝国大学建築学科を卒業する6人の学生が名乗りを上げたグループで、日本で最初の卒表設形の自主展示を企画し、これまでとは違った建築を目指した運動であった。「分離」とは何からの分離なのか。それは旧芸術に対する造反で、ヨーロッパで広がっていた分離派( Seccession) に呼応するものであった。
一方、「サーリネンとフィンランドの美しい建築展」は、この国でモダニズムの原点を築いたエリエル・サーリンとヘルシンキ工科大学在学中に出会ったゲセリウスとリンドグレンが展開したナショナル・ロマンティシズム運動の紹介である。
- 旅行の満足度
- 5.0
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これは「分離派建築会100年展」のチケットで、「我々は起つ。大正から昭和、模索する若き建築家たち」と書かれた一文にこの展覧会の意気込みや斬新さを感じたと言ってもよい。
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今回の展覧会のチラシの一枚目。何やらアヴァンギャルド的な感じがした。
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展覧会のチラシのもう一枚のチラシ。大きく「ブンリ派」と書かれた文字と「分離派建築會の宣言」が目を引いた。
実は、「分離派建築」と言ってもほとんど知らなかったので、斬新な建築観に引かれるとともにその実例となる建築群に興味を覚えた。 -
分離派建築会とはどんなグループなのか少しづつ分かってきたが、その例としてどんな建築作品があるのか先ずはいくつか紹介したい。第二次世界大戦時の空襲や戦後の高度経済成長により破壊されたものが多いために、今も現存している建物は少ないようだ。
現存する建物を紹介したい。まずは、京都帝国大学が楽友会館(1925年 / 大正14)である。 -
楽友会館ラウンジの内部。ラウンジの壁面と作り付けの棚は正方形を組み合わせて空間になっている。
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この写真は建設当時のラウンジ入口であるが、今もあまり変わらないようだ。今は誰でもこのラウンジは利用できるようだ。
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東京足立区にある千住郵便局電話事務室(1929年 / 昭和4)は道路に沿って水平に伸びる建物が特徴である。
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神奈川県横須賀市にある「旧横須賀海仁会病院」(1939年 / 昭和14) の現在の姿。
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仁会病院は建設当時はこんな感じの建物であった。
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「旧多摩聖蹟記念館」(1930年 / 昭和5)は、東京多摩市連光寺にある明治天皇がこの地に行幸された記念に作られた施設である。関根要太郎と蔵田周忠の設計によるが、ウイーン分離派とドイツのユーゲント・シュティールの影響がみられる。
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1920年(大正9)に東京大学建築学科を卒業した6人の学生(石本喜久治、堀口捨己、山田守、瀧澤眞弓、森田慶一、矢田茂)の写真。
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建築科に入学した際の集合写真があり、上記の卒業写真うちの5人が写っている。
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”我々は起つ”で始まる「分離派建築會の宣言」は旧来の建築様式を脱して、新しいスタイルを打ち立てようとする意気込みに感銘を覚える。
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白木屋呉服店(後の白木屋百貨店)で開催された第一回「分離派政策展覧会」のポスター。
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分離派建築會『分離派建築會 宣言と作品』の表紙画(1920年 / 大正9)
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展覧会で撮った分離派を名乗った最初の6人の建築家たち。
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瀧澤真弓の卒業設計「山岳倶楽部」(1920年 / 大正9)
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「紫烟荘」(1926年 / 大正15)
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大阪中央区心斎橋「石原時計店ビル」(1915年 / 大正4)
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東京日本橋にあった「白木屋百貨店」(第1期:1928年 / 昭和3,第2期:1931年 / 昭和6)
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白木屋百貨店の内部。なかなか豪華な作りのようであった。
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有楽町にあったこの「朝日新聞社」は小生が高校生だった頃、何度かこの前を通ったりして、見たことがあった。
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「吉川邸」(1930年 / 昭和5)
東京品川区に堀口捨巳によつて建てられたが、現存せず。 -
「坊城邸」1928年 / 昭和3)
東京港区に蔵田周忠によつて設計建設されたが、現存せず。 -
山口文象設計「沈砂池水門」(1936年 / 昭和11)
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「大阪市電気科学館」(1937年 / 昭和12)
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壁面には建築と彫刻が結合した京都中央電話局西陣分庁舎ビルが今も現存し、もう7、8年にこの建物を見た時は、大変衝撃を受けた。古都京都にこんなにも斬新な建物があるとは想像もしなかった。
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もう一つの美術展に移りたい。「サリーネンとフィンランドの美しい建築展」の展覧会である。
これは展覧会のチラシの片方の部分で、フィンランドの美しい建造物が使われていて、まるで森と湖そして美しい建築の国へ誘うようであった。
日本でもファンの多いフィンランドのモダニズム建築の原点を築いたのがエリエル・サリーネン(1873~1950)で、彼はヘルシンキ工科大学在学中に出会ったグゼリウスとリンドグレンと共同で設計事務所を設立し、1900年パリ万博博物会フィンランド館の建設に成功し、見事なデビューを果たした。 -
フィンランドと言えば、先ず”KALEVALA(カレワラ)”が思い浮かべるほど、国民的叙事詩ではないだろうか。小生は翻訳で読んだだけなので、原語の持つ響きは分からないが、しかし、その力強い言葉使いやストリーの展開に魅せられたことを覚えている。
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中を開いてみると、美しい挿絵とともに詩文が現われ、見ているだけでも楽しくなりそうである。
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この本は挿絵本で、美しい挿絵と韻を踏んだ詩とともに味わうことが出来、1922年に出販されたものである。
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ゴットリーブ・エリエル・サーリネン(1873~1950)はヘルシンキ工科大学在学中に
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1900年にパリで開催された万国博覧会に参加した際のフィンランドのパビリオン。
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「ポホヨラ保険会社ビルディング」
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「ポポヨラ保険会社ビルディング」の正面玄関。
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中央螺旋階段の美しさには目を見張るものがあった。
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建物内部の写真を数点見ていただきたい。
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今回の展覧会の展示会場の一部。写真や資料による展示が多かったが、家具やインテリア類も多少あり、実際のフィンランド風の生活振りが分かり、興味を覚えた。
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「フィンランド国立博物館」
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博物館の内部を見てみると、上部のが画像はガレン=カレラによる『カレワラ』を描いたフレスコ画で、下段の2枚は階段踊り場にあるステンドグラスである。
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アームチェア3点と椅子(下段右)
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エーロ・サーリネンによるデザインの「カンファレンス・チェア」(デザイン・製品化:1946~50)
このチェアは座ってもよい、また写真撮影も可ということで、何人かの人々が座ったりしていた。 -
手付き燭台
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オーブンのタイル断片
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「ヘルシンキ中央駅」
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中央駅の待合室。
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ロヤ・サーネリン
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「ヴィットゥ―ルブ荘」
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出口近くに今回の展覧会の図録が販売されているという案内があり、その一部が紹介されていた。
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それがこの素晴らしい図録で、値段はと言うと2500円とあり、少々高すぎる気がしたが、資料として必要なので購入してみた。大いに参考になった。
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この美術館にはかなり多くのルオーの作品を所有していて、常時まとまって展示されている。今回、ルオ-生誕150周年ということで、
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「マドレーヌ」(1956年)という作品が写真撮影OKということであったので、撮ってみた。
晩円のルオーが好んで描いた女性像の一つで、聖書に出てくるマグダラのマリアともされるが、これはサーカスの人気道化師マドレーヌを描いたものである。彼の晩年の女性像には、サーカスの娘たちに聖書の登場人物の名前を付けていることが多い。 -
2時間ほどの見学を終えて、外に出た。すぐ隣には旧新橋停車場の遺構が再現され、当時の様子を知ることが出来る。
開業当時の駅舎の実物は現存しないが、遺構が良好な状態で発掘されたので、それをもとのところに埋戻し、復元駅舎をその直上に建設した。この写真は再現されたプラットフォームである。 -
この建物は旧新橋駅を模したもので、今は鉄道に関する博物館となっている。
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窓の造りとその装飾に興味を覚えた。かつての造りをそのまま模したようである。
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木々の根元にはヒガンバナがたくさん咲いていて、秋の深まりを実感できた。
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白いヒガンバナもかたまって咲いていて、赤いヒガンバナとはずいぶん印象が違う。
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ヒガンバナの近くにこのような花も咲いていたが、名前は分からない。
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