積み重ねられた様々な調整不足・確認不足、それらが引き金になって発生した様々な不祥事、はたまた現在も続く新型コロナ禍における開催の是非……なんかはホントは置いとけないけど、ひとまず昨日2021年8月8日、東京五輪2020は閉会。開会直前も誰かが解任されたとか呪われるのにも事欠きませんでしたが、終わってみれば日本過去最多のメダル獲得も手伝ってか、あれだけ「人命より五輪優先か？」と非難され叩かれ続けた菅義偉首相へ、いまや「よくぞ五輪開催を決断した」「よく最後まで五輪をやりきった」との称賛の声すら聞こえています。<br /><br />当初は間違いなく、2013年9月の開催決定から遡ること2年半前の2011年3月に起こった、かの東日本大震災からの「復興五輪」と位置づけられていたと思いますが、復興の2文字はほとんど語られることがなくなり、新型コロナ禍における開催ばかり取り沙汰された東京復興五輪2020（まだ言うか）。今回はその東京復興五輪2020（しつこいｗ）のメイン開催地・東京から300km余り離れた、「アンダーコントロール」なはずのフクシマとの県境に位置する宮城県山元町の海沿いの復興状況を見てきました。

復興五輪が終わった現在のミヤギの復興状況を見てきた

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2021/08/09 - 2021/08/09

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エリア

角田・丸森(宮城)

旅の前に筋トレからの地元すき家。牛あいがけ麻婆丼。
大宮駅にて朝7時前発のこまち・はやぶさ1号に乗車。

大宮駅駅
仙台駅まで1時間ちょい。はやぶさは速いね。

仙台駅 (JR) 駅
JR常磐線新地駅行き各駅停車に乗り換える。

仙台駅 (JR) 駅
実は本来原ノ町駅行きだったのが、原ノ町駅～新地駅間が倒木による停電だかで、本日限りの新地駅行きだったみたい。電車は阿武隈川を渡る。
本来なら停車時間のない浜吉田駅でしばらく停車。行き違いの下り電車が遅れていて、やって来るのを待つためという。

浜吉田駅駅
下り列車が来たので運転再開。17分遅れ。

浜吉田駅駅
山元町はいちごの一大生産地らしく、あちこちにビニールハウスがある。
坂元駅到着。終点新地駅の一つ手前。

坂元駅駅
初めて降りるね。

坂元駅駅

向かう先は震災遺構の中浜小学校。

坂元駅駅
タクシー乗り場が駅前にあったけど、タクシーがいないので歩きます。しかも、この丁字路は右折。近いからね。

坂元駅駅
目の前は一面の田んぼ。向こうに見える嵩上げされた道は、多分東日本大震災後に整備されたのだろう。
中浜小学校が見えてきた。
真ん中下のコンクリート部分は旧常磐線の線路跡だ。
中浜小学校到着。昨年から公開を始めた東日本大震災の震災遺構だ。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
なかなか洒落た造りをしているね。1989年に建てられた。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
建物の2階天井辺りまで津波が押し寄せた。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
400円の入場券（必須）と200円のガイドブック（左、任意）を購入して中へ入る。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
建物の正面玄関。外階段は過去の水害経験を踏まえ、万一の時夜間や休日でも地域住民が避難できるよう設置された。震災翌日ガレキが堆積せず損傷もなかったため、翌朝の救助の際に脱出ルートに使用された。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡

倒れたままなのが生々しい時計台。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
こちらも。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
こういうものらしい。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
中へ入る。ホントを言うと、緊急事態宣言発令エリアからの来訪は慎んで欲しい旨、山元町のホームページに記載があり、受付時にもどこから来たかを聞かれた。正直に「東京からです」と答えたら、「どうぞ、ごゆっくり」とだけ返された。なんか申し訳ない。だったら行くな、なんだけどさ。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
開放的な窓辺の多目的ホール。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
こちらは図工室だったかな。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
中庭もある。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
2階へ上がってみる。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
大きな扉？のフレームの曲がり具合が、津波の威力を物語る。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
係員の方に呼ばれて、このあと映像を見てもらうので、ジオラマでも見ていてくれと。元は図書室。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡

元音楽室だった部屋で、震災当時の様子の映像を見る。当時校長先生だった方の語りが分かりやすい。映像は撮影禁止。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
元音楽室の壁や天井は震災前からのまま。床は浸水で張り替えたという。「ありがとう中浜小学校」の横断幕は、2013年3月の合併に伴う閉校にあたり、当時の在校児童全員で制作。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
私の腰くらいの高さとはいえ、下手こいたら流されかねない高さだ。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
壁の下、色が薄いラインまで浸水した。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
この先や屋上は、係員がいないと見られないエリアだ。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
資料室を経由して屋上へ。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
先生たちのみが、資料や児童の成果物などの保管のために入れるエリアで、この階段を使って屋上へ上がれるのを知っていたのは先生たちのみ。児童たちはほとんど知らなかったという。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
狭く急な階段を上がる。「この階段を上がったら最後、逃げる場所はないから生き延びて降りるしかない」。映像の中で、校長先生は今まで感じたことのない重圧を感じたと語っている。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
現在草地だった写真真ん中辺りのエリアには、かつて集落があったという。その集落に住んでいて「あ、俺ん家が流される」と叫んだ児童を、先生が慌ててこの場から離れさせ屋根裏エリア（後述）へ入れる場面があったという。そーゆー辛いものを子どもに極力見させないよう努めたそうだ。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
中庭を俯瞰で。真ん中やや右上の青いプレートの高さまで津波が押し寄せた。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡

屋根瓦はかなり丈夫で、1枚も剥がれなかったという。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
奥のドアが開け放たれている屋根裏エリアへ、先生や児童や保護者など約90人が逃げ込み、水も食糧もない中で寒さに耐えて一夜を明かし、翌朝全員ヘリで救出された。中は撮影禁止。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
てっぺんに避雷針があるようで、最近思いきり落雷したそうだ。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
元は小学校校庭のメモリアル広場。津波によるガレキがこの校庭に溜まらなかったことが幸いし、救助ヘリコプターからロープを下ろして1人1人を引き上げる形ではなく、着陸して数人ずつまとめて避難者を乗せる安全かつ効率的な救助を行えたという。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
1階海側エリアを外から見る。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
どこからか流れてきて絡みついたままの鉄骨。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
小学校建設時に土台が2メートルほど嵩上げされ、これもこの小学校で人間が津波にさらわれずに済んだ一因ではないかという。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
海側から見ると、より嵩上げが分かりやすいか。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
小学校そばには慰霊碑などもある。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
向こう側に広がるひまわり畑にも行ってみる。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡

まだ咲き始めといったところ。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
天気も霧雨交じりに。この辺りに集落があったのだ。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
左奥に中浜小学校。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
もう一丁。晴れていたら、また印象違うね。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
ひまわり多め。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
さあ、そろそろ坂元駅へ戻る。

山元町震災遺構中浜小学校名所・史跡
坂元駅との往復で前を通った旧坂元中学校。当初、坂元小学校の先生や生徒の避難場所は、小学校より高台にあるこの中学校とされていた。小学校からだと片道徒歩15分ほどかかるが、地震直後に入った津波の一報が「今から10分後に来る」というものだったため、この中学校への移動を諦めて垂直移動の避難を行った。
坂元駅が見えてきた。

坂元駅駅
その前に、ちらっと山元駅前の道の駅「やまもと夢いちごの郷」へ寄る。

山元町農水産物直売所「やまもと夢いちごの郷」フルーツ狩り・農業体験
このツナミハーレーを見たかったの。駐車場の隅っこにあります。

山元町農水産物直売所「やまもと夢いちごの郷」フルーツ狩り・農業体験

説明板。山元町在住の横山氏所有のハーレーダビッドソンが、東日本大震災の津波後の引き波でコンテナガレージごと海へ持っていかれるが、大震災から1年1か月余り経った2012年4月18日、山元町から約6500km離れたカナダはブリティッシュコロンビア州のグレアム島で奇跡的に発見される。

山元町農水産物直売所「やまもと夢いちごの郷」フルーツ狩り・農業体験
その後、アメリカのハーレー本社から修理するとの話があったが、「多くの人が被災している中で自分だけ恩恵を受けるわけにはいかない」と辞退。協議の末にウィスコンシン州にあるハーレーミュージアムに展示物として寄付され、2年前に里帰りを果たした。

山元町農水産物直売所「やまもと夢いちごの郷」フルーツ狩り・農業体験
道の駅の一角にあるスイーツショップへ立ち寄った。

山元町農水産物直売所「やまもと夢いちごの郷」フルーツ狩り・農業体験
ストロベリーミルクなる飲み物をいただく。ストロベリーはもちろん山元町産。ゴロゴロ大きなストロベリーの酸味とミルクのハーモニーが絶妙。

山元町農水産物直売所「やまもと夢いちごの郷」フルーツ狩り・農業体験
さらには、隣接のフードコートにある「せん家」で、味噌ラーメンとネギチャーシュー丼と味噌だれギョーザまでいただく。味噌ラーメンはまあまあ。ネギチャーシュー丼と味噌だれギョーザがかなり美味かった。

山元町農水産物直売所「やまもと夢いちごの郷」フルーツ狩り・農業体験
本来なら11時32分坂元駅発仙台駅行き列車に乗車予定だったが、朝方の遅延の原因になった原ノ町駅～新地駅間の倒木による停電の影響で、まさかまさかの運休となり、次の12時39分発に乗ることに。
当初はストロベリーミルクだけをいただき、ランチは仙台駅で駅弁を購入して帰りのはやぶさ車内でいただく予定にしていたが、時間が思いきり余ったためにラーメンなんかまでいただくことにしたのだ。

坂元駅駅
せっかく12時31分仙台駅発のはやぶさのチケットを買っていたが、乗り継ぎ列車のまさかの運休というJR都合にもかかわらず、次のはやぶさにそのまま振り替えるなんてことはできず。

仙台駅 (JR) 駅
仙台駅からは、チンタラとやまびこの自由席に座って帰京することになりましたとさ。おしまい。ご覧いただき、ありがとうございました！

仙台駅 (JR) 駅