２０１６年夏、アイルランドからアイスランド一人旅　３．欧州文化都市コークとタイタニック寄港地コーヴ

2016/07/22 - 2016/07/23

アイルランドは北海道と同じぐらいの広さなので、比較的短時間で都市間の移動ができる。今回は夕方に移動して、翌日朝から観光するというパターンで多用した。ダブリンからアイルランド第二の都市コークへも３時間ほど。
７月２２日（金）夕方ダブリンからバスでコークへ。B＆Bにチェックインしてパブで夕食。
　　２３日（土）宿で朝食を済ませて、コーク市刑務所＆ラジオ博物館を見学し、フィッツジェラルド公園、聖フィンバー大聖堂を見学、イングリッシュ・マーケットを見学しながら昼食。聖アン教会、コーク・バター博物館を見学して、コーク・ケント駅に行って電車でコーヴへ。聖コルマン大聖堂、コーヴ・ヘリテージ・センターを見学し、電車でコークに戻って、キルケニーへ向かう。

エリア コーク(アイルランド)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

７月２２日（金）ダブリンのセントラルバスステーションを午後４時３０分発のゴーバスでコークに向かう。午後７時３０分にコーク・バスステーションに到着。アイルランド語で「湿地」を意味するコーク。バスステーションを出ると、写真のリー川の中州にあるコーク市街とセント・パトリック橋が見える。

コーク・バスステーションから北に少し行ってローワー・グランミア・ロードを東に歩いて１２分ほどでB＆Bナンバー４８に到着。すぐにチェックイン。コーク・ケント駅のすぐ近くにあるの鉄道利用には便利。

B＆Bナンバー４８から歩いて約１８分でル・シャトー・バーに到着。今夜は１７９３年創業の老舗パブで夕食。市内のランドマークであり、メインプロムナードにある唯一のパブ。

ル シャトー バー バー

ビールを注文するとアイリッシュ・ビールのホップ・ハウス１３ラガーが来た。

ル シャトー バー バー

アイリッシュ・シチューを注文。いろいろなパブでアイリッシュ・シチューを食べ比べしているが、店によって結構違っている。ダブリンのパブでは小さいニンジンが何本か丸ごと入っていたが、ここのはじゃがいもが大きいまま入っている。

ル シャトー バー バー

７月２３日（土）宿泊したB＆Bナンバー４８の食堂。結構可愛いらしい造りになっている。

アイリッシュ・ブレックファストはボリューム満点。目玉焼きにハム、ベーコン、ソーセージ、トマトなど盛りだくさんでパンや飲み物も十分。朝食後、宿に荷物を預けて市内散策に出かける。

宿を出てリー川に沿てサンディズ・ウェル・ロードを西に歩いて約２０分、坂を上って高台にあるコーク市刑務所＆ラジオ博物館に到着。１８２３年まで刑務所として使用されていた。グルジア・ゴシック建築の建物で外観は刑務所というよりはお城のように見える。

コーク市刑務所 & ラジオ博物館 建造物

トーマス・ディーンによって設計され、１８７０年代に西棟は両側に独房を配し、高いアーチ型の廊下とキャットウォークで独房にアクセスできるようになっている。本館の後ろには病院と債務者監獄があった。

コーク市刑務所 & ラジオ博物館 建造物

初期にはオーストラリアへ送られる囚人が多く収監されていた。独房には実際の囚人をモデルにした蝋人形が置かれている。写真は当時９歳だったエドワード・オブライエンがスリで有罪判決を受け週２回の鞭打ちで３週間の刑を受けている様子を再現している。他に囚人の生活ぶりなどが紹介されている。

コーク市刑務所 & ラジオ博物館 建造物

１９２３年に刑務所は閉鎖されたが、刑務所のもつ音響効果のために１９２７年にラジオ局のコーク６CKの本拠地として使われた。建物の２階と３階にラジオの歴史や当時のスタジオ、アンティークなラジオが展示され、１階は６CKラジオ放送スタジオが復元されている。

コーク市刑務所 & ラジオ博物館 建造物

写真のデイリーズ橋は１９２６年に完成し、翌年開通したコーク市で唯一の吊橋。長さ４９ mの錬鉄の橋を渡るとフィッツジェラルド公園に入ることができる。公園内にはコーク博物館があるが残念ながら開館していなかった。２００５年に欧州文化都市に選ばれ、中世の歴史を感じさせる美しい町並みが残されている。

フィッツジェラルド公園 広場・公園

リー川の北水路と南水路の間に広がるフィッツジェラルド公園。公園の中を歩いていると大学の運動場が見えてきた。手入れの行き届いた花壇や曲がりくねった小道には抽象的な彫刻や胸像の配置されている。写真はザ・パビリオン・オブ・ライト・バンドスタンドで夏には、公園では無料のコンサートや演劇など、さまざまな文化イベントが開催される。

フィッツジェラルド公園 広場・公園

１８４９年にヴィクトリア女王の命により創設された伝統あるアイルランド国立大学コーク校。アイルランドの国立大学の先駆的存在。学生数約２万人の名門校。

コーク大学 建造物

アイルランド国立大学コーク校から東に１０分ほど歩くと、聖フィンバー大聖堂が見えてくる。フランス・ゴシック様式の美しい尖塔アーチに建て直されたのは１８７８年で、ウイリアム・バークスの設計による。写真のように正面玄関には３つの入口がある。

聖フィンバー大聖堂 寺院・教会

大聖堂の正面玄関で一番大きな中央の入口だが、ドアの上の半円形のティンパヌムには最後の晩餐が描かれ、ドアの両側には１０人の処女のたとえ話からの左の５人は賢明な処女、右は愚かな処女が置かれている。左右の入口にも同様の彫刻が施されている。

聖フィンバー大聖堂 寺院・教会

写真は左の入口の左側にある彫刻で、左から十字架を持っている聖人フィリップ、ナイフを持っているバーソロミュー、のこぎりを持っているサイモン、洗礼者ヨハネが並んでいる。入口の右側にも４人の彫刻が置かれている。大聖堂には右側の入口から入ることができる。

聖フィンバー大聖堂 寺院・教会

聖域の屋根の上にはバージスの銅金箔「復活の天使」が置かれている。聖フィンバーが７世紀にこの場所に教会と神学校を建てたことがコークの起源になっている。この神学校は国内外から優れた聖職者を集め、アイルランドは「聖人と学者の島」と呼ばれた。

聖フィンバー大聖堂 寺院・教会

教会内部には美しい石の狭間で飾られ、聖域の天井には天使に囲まれたキリストの栄光の絵があり、ステンドグラスにはキリストの生涯が描かれている。

聖フィンバー大聖堂 寺院・教会

北翼廊のバラ窓の下にあるパイプオルガンは４,５００以上のパイプと４０のストップで構成されてたアイルランド最大のもの。

聖フィンバー大聖堂 寺院・教会

聖フィンバー大聖堂からワシントン・ストリートを東に８分ほど歩くと、写真のイングリッシュ・マーケットのグランド・パレード側の入口に出る。入口は中央に時計があり、その上にコークの紋章が配置されている。アイリッシュ・マーケットとして知られるセント・ピーターズ・マーケットが近くにあり、これと区別するためにイングリッシュ・マーケットと呼ばれた。

イングリッシュ マーケット 市場

市場はプリンセス・ストリート・マーケットとグランド・パレード・マーケットで構成されている。市場内にはあらゆる食材がひしめき合い、地元の野菜や魚など新鮮な食材並べられている。いろいろな種類のオリーブや地元産のハチミツ、焼きたてのソーセージ、スモークサーモンの名店もあり、サンドイッチや惣菜、手作りチョコレート、巻き寿司の専門店もある。

イングリッシュ マーケット 市場

１９８０年にガス爆発による大規模な火災でプリンセス・ストリート・マーケットはほぼ完全に破壊された。幸いなことに、美しいヴィクトリア朝の建物に修復され、２階のエリアは写真のようにアーチで装飾され、座席のあるカフェに変わった。１階には鋳鉄製の噴水がある。ここで軽く昼食。

イングリッシュ マーケット 市場

イングリッシュ・マーケットの修復は最も魅力的なオリジナルの特徴を消さずに、歴史的なレンガ造りの建物を近代化して修復した。写真はプリンセス・ストリート側の入口で、デザインの素晴らしさにヨーロッパ・ノストラ・ヘリテージ財団から金メダルが与えられた。１９８６年にも火災が発生したが、迅速に修復された。

イングリッシュ マーケット 市場

イングリッシュ・マーケットから聖アン教会まで歩いて１０分。北に向かってリー川を渡ってシャンドン地区の坂を上った高台にある。写真のようにグレーの塔に黒い時計の付いた聖アン教会。「胡椒瓶を頭に載せている」と例えられる３７ｍの鐘楼はコークのシンボル的存在。

聖アン教会 (シャンドン教会) 寺院・教会

聖アン教会の内部には、ヴィクトリア朝の木製のアーチ型天井という興味深い特徴がある。１６２９年の石の洗礼盤と窓には美しいステンドグラスが見られる。

聖アン教会 (シャンドン教会) 寺院・教会

１３２段の階段を登ると街の素晴らしい景色が一望できる。１６９０年のウイリアム３世の侵攻で、教会は隣にあったシャンドン城とともに破壊されたが、１７２２年に再建され、１７５０年に鐘楼も完成した。

聖アン教会 (シャンドン教会) 寺院・教会

聖アン教会から坂道を下って１分ほどでコーク・バター博物館に着く。かつてのバター取引所跡がある。取引所は１７７０年にオープンし、大西洋貿易で取引された都市としてコークは発展し、１８９２年には５０万樽もの輸出量を誇り、世界最大のバター市場となった。第一次世界大戦後、景気後退により１９２４年に取引所は閉鎖された。

バター取引所跡とコーク バター博物館 建造物

この取引所でバターが格付けされ、イギリスをはじめヨーロッパ諸国や西インド諸島まで輸出された。博物館ではアイルランドにおける牧畜、乳製品産業の変遷のほか、伝統的なバター製造設備の展示、バターを中心としたコークにおける貿易の歴史を紹介している。

バター取引所跡とコーク バター博物館 建造物

バター博物館から歩いて約１８分でコーク・ケント駅に到着する。鉄道駅であるコーク・ケント駅でデイ・リターン・チケットを買って午後２時発の電車でコーヴに向かう。

コーヴ駅には午後２時２４分に到着。英語でコーヴは「入江」を意味する言葉に由来している。今日はコーヴと呼ばれているが、以前はクイーンズ・タウンと呼ばれていた。

写真はコーヴ駅近くの波止場にあるアニー・ムーア記念碑。ジャンヌリン・ハートの彫刻で、２人の弟とともにクイーンズ・タウンからニューヨークに向かった様子を描いている。１８９２年１月１日、アニーはニューヨークのエリス島で移民検査を通過した最初の移民だった。アイルランド移民の希望と歴史を象徴している。

タイタニック・エクスペリエンス・コーヴに行ったが、見学はツアーに入らなければならないし、結構混んでいたので時間が無かったので見学は諦めた。コーヴは１９１２年に沈没したタイタニック号の最終寄港地。接岸できなかったので船は沖合に停泊して、連絡ボートで乗客を町に運んだ。

タイタニック エクスペリエンス コーヴ 博物館・美術館・ギャラリー

駅から少し歩くとルシタニア記念碑がある。１９１５年５月７日にコーク海岸沖でドイツの潜水艦U２０の魚雷で撃沈された。 台座の上に立つ平和の天使は剣を足で踏み、戦争の終結を訴えている。台座の前にはルシタニアの犠牲者を救助するために働いた２人の漁師を讃えている。

ルシタニア記念碑から５分ほど歩くと聖コルマン大聖堂に到着する。フランス・ゴシック様式の壮大な大聖堂で、１８６８年に着工して、完成までに半世紀を要している。尖塔の高さは８１ｍで、アイルランドでは４番目の高さになる。塔には、４９の鐘があり、ヨーロッパで最大のカリヨンの１つである。

聖コルマン大聖堂 寺院・教会

港を見下ろす高台に立つ聖コルマン大聖堂は１９世紀のアイルランドを代表する教会建築である。５６０年に教区を創設した聖コルマンに捧げられた。

聖コルマン大聖堂 寺院・教会

中に入ると、身廊の左側にゴシック様式の巨大な橋脚、膨らんだアーチが美しい。右側には説教壇がある。奥にある高祭壇はイタリア産大理石でできており、色とりどりの大理石の柱と浮彫の彫刻が施されている。中央の尖塔は１４．７ｍの高さがある。高祭壇の天井は降り注ぐような優雅な木製の美しいアーチが見られる。

聖コルマン大聖堂 寺院・教会

聖コルマン大聖堂からコーヴ駅に戻る途中に海岸に面した気持ちいいプロムナードがある。１９６３年にアメリカ合衆国の第３５代ケネディ大統領がアイルランドを訪問した後、ジョン・F・ケネディ記念公園に改名された。

コーヴ・ヘリテージ・センターの中心部にあるザ・クイーンズタウン・ストーリーはアイルランド移民の歴史を中心にしたコーヴの歴史史料を展示している。コーヴ港はかつてアイルランドで最も悲しい場所と言われていた。見学はセルフガイドツアーによる。

コーヴ ヘリテージ センター (クイーンズタウン ストーリー) 博物館・美術館・ギャラリー

１８世紀と１９世紀を通じて海を渡った大量の移民たちのアイルランドでの生活を展示している。センターは美しく修復されたビクトリア朝の鉄道駅内にあり、アイルランドのコーク州の南海岸にあるこの魅力的な小さな町とその港の歴史を魅力的に紹介しています。

コーヴ ヘリテージ センター (クイーンズタウン ストーリー) 博物館・美術館・ギャラリー

１８４８年から１９５０年にかけて、６００万人以上がアイルランドから移住した。そのうち２５０万人以上がコーヴからの移民となっている。写真は初期の「棺桶船」の恐ろしい状況が再現されている。コーヴから新しい生活を求めて出国した移民、オーストラリアへの囚人、植民地や西インド諸島への強制労働のため出国した移民などについて解説されている。

コーヴ ヘリテージ センター (クイーンズタウン ストーリー) 博物館・美術館・ギャラリー

「タイタニック号、最後の寄港地、１９１２年４月11日」というタイトルでクイーンズタウンでの出港までの様子を写真展示しているコーナーの入口。見学を終えて、午後３時３０分発の電車でコークに向かう。午後３時５４分にコーク到着。B&Bで預けた荷物を受け取ってコーク・ケント駅に行き電車でキラーニーに向かう。

コーヴ ヘリテージ センター (クイーンズタウン ストーリー) 博物館・美術館・ギャラリー