2021/06/25 - 2021/07/07
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ばねおさん
2021年6月、フランスから日本への一時帰国。
コロナウイルス規制下での一時帰国は、今回で3回目となるのだが、昨年12月から日本の入国規制が格段に強化され、これまでにない経験となった。
航空機の搭乗前72時間以内のPCR検査証明書に始まり、行動管理のための4つの指定アプリのインストール。
定められたルールを守る誓約書の提出。
日本入国時のPCR検査。陰性の結果であっても翌日から14日間の待機期間の内、3日間は指定先での「待機」。
「待機」という言葉が用いられているが、実質は収容であり部屋から一歩も出られない隔離状態であるといってよい。
予め分かっていたことではあるけれど、広くもないホテルの一室に閉じ込められ、支給される冷たい弁当を食べるだけの3日間の収容生活は、考えていた以上に辛い日々となった。
3日目に再びPCR検査。そして、ようやく帰宅を許されるが、陰性であっても公共交通機関の利用はできない。
帰宅後も外出は認められず、14日間の残り期間は日々位置情報と健康報告の連続で気が休まらない。現在位置確認も一日のうちに何度もやってくる。
連絡に気づかなかったり、回答が遅れるとすかさず警告だ。
しかもこちらからの返電不可の一方通行。
行動監視を受ける身としては、ニッポンの水際作戦に従うしかないのだが、欠陥としか思えないおかしなアプリに振り回され、管理のための管理に付き合うのは、いい加減うんざりする。
「フォートラベル旅行記は、旅の楽しさを綴ること」と掲げられているのだが、これはまったく楽しくない内容を綴ったもので、読む人がいたら辟易とすることだろう。
それでも、自身の記録という意味に加えて、いずれまた何かの一助になればと思い書き記してみた。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- レンタカー JALグループ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
航空機への搭乗前72時間以内のPCR検査という条件は、搭乗時刻から逆算するだけでなく検査証明書の取得ということも併せ考える必要がある。
例えば、火曜日パリ発のJAL便を希望しても、土日を挟むと証明書の発行に懸念があって踏み切れない。
今までフランスの医療機関にかかったことがないので、日時の約束がどこまで守られるかかが心配だ。
JALの案内にあったパリ市内の検査機関は、モンパルナスの住まいからいずれも徒歩あるいはバスで30分以内のところにあり便利なのだが、なぜか予約のためのWEBアクセスができず電話でも埒が明かない。
CDG空港では無料で検査を行ってもらえるとの情報にも接したが、文書作成が完全でないと困る。
証明書は日本語もしくは英語で記載としていた条件は撤廃され、仏語でもOKとはなったのだが、検査方式が細かく定められていて素人的には区別が容易でない。
検査方式が日本入国時の条件と適合しない例が、すでにいくつか出ているという。
そうなると、渡航しても入国できないという事態になってしまう。 -
結局、パリ市外にあるアメリカン・ホスピタルに行くことになった。
日本セクションがあり、海外旅行保険のキャッシュレス対応をしているこの病院に世話になった日本人は多いと思うが、どんなところなのか少々興味もあった。
題名は忘れたが、ある東欧の国で自分は難病だと思い込んだ男が、パリのアメリカン・ホスピタルでの受診を夢見て、苦労の末にたどり着くという映画があった。
6月25日検査当日、時間指定を受けて、モンパルナスから82番のバスを利用して終点のアメリカン・ホスピタルへ。
さぞかし、大きな医療施設だろうと想像していたのだが、実際に来てみると案外小さく、建物もやや時代遅れの感がある。
入り口にはリノベーションの計画図が掲げられていた。 -
検査結果は翌日になるだろうと言われたが、その日の夕方にはメールが届いて陰性証明書が添付されていた。
ところが、届いたのはEU圏内の往来のための証明書で、差出人もアメリカン・ホスピタルではなく保健省の機関のようであった。
今回は不要な書類だと思うのだが、あるいはEU内乗継便では必要になるのかもしれない。
それからしばらく時間をおいてから、本来の連絡があって日本の厚労省所定の証明書が得られることになった。
これで日本行きの飛行機に搭乗できる。
航空会社も入国できない乗客がいては困るので、搭乗前にPCR検査証明書をチェックするという。 -
6月27日、CDG空港の2Eターミナル。
JALの荷物預けカウンターでPCR検査証明書のチェックを終え、出国審査へ。
それなりに旅行客は多く審査ブースの前には長い行列ができていたが、幸い列を分断して別のブースに案内された。
自分が窓口の前に立つと、係官は「フランス語を話すか?」と聞いてきた。
だいたいフランス入出国時の審査というのは、日本人的に真面目に考えているとバカバカしい場合が多いが、この時もそうだった。
そのあと、「OGENNKI DESUKA」、「DAIJYOUBU DESUKA」と立て続けに言い、これが日本語であることに気づく前に「GENNKIDENE」とパスポートを返して寄越した。
しかもスタンプの二重押し。
どうやら覚えた日本語を使ってみたかったようだ。 -
出国エリアは以前のような明るさを取り戻していた。
-
どの店も平常営業をしているようだが客の姿はあまりない。
やはり買い物好きな観光客はまだまだ戻ってきていないということだろう。 -
搭乗時刻まで利用したAIR FRANCEのラウンジ。
居心地よさそうなソファー類はあらかた埋まっており、ここだけ人が集中しているような印象だ。
たしか、ラウンジは受付の左右にあったと思うのだが、どうやら稼働しているのは片側だけらしい。
昼食をとってからだいぶ経ち、機内のサービスまでは腹が持ちそうもなく、何か食事らしいものをと思うのだが、品揃えは貧弱だ。
せめてサンドウイッチ類でもあればといつも思ってしまう。
数年前にCDGのエア・カナダのラウンジを利用した時には、サーモンやらステーキのサンドウイッチやら豊富な品揃えで嬉しくなった覚えがある。
たしか2Cターミナルなので、2Eターミナルからは、やや遠すぎる。 -
出発時刻が近づき45Kの搭乗口へ
羽田行きと思われる乗客を目で拾ってみると、ざっと30名ほどだろうか。
子供連れの何組かもあった。
搭乗は開始からあっという間に終わり、驚くほど早くに扉が閉まり、機長のアナウンスにも迅速な搭乗のお礼の一言があったほどだ。
もっとも乗客が少ないだけの話で、わざわざお礼を言われることもないのだが
40分ほど日本到着が早まるとのこと。 -
途中は、めずらしいほどの揺れがかなり長く続いた。
窓外の雲の上に、自分の搭乗している飛行機が円形の虹に包まれるようにして映っていた。
この現象を何というのか、何か呼び名があったと思うのだが思い出せない。
しばらくの間、この投影が楽しめた。 -
機内では入国にあたっての質問票や誓約書などの書類が配られた。
質問票は陰性証明書を保持しているか、指定したアプリをインストールしているか、場合によっては有償でスマホを借りるか等々
誓約書は入国後に守らなければならない行動規範のようなものが書かれ、違反したら氏名公表やら懲役、罰金云々と警告が記されていた。 -
いわき市あたりだろうか
プカプカと多くの雲が浮かんでいる日本の空にやってきた。
梅雨に入ったのだろうが、幸い雨天ではなさそうだ。 -
羽田には、やはり予定よりだいぶ早く到着したが、しばらくは機内での待機となった。
アナウンスによると入国案内の準備中とのこと。
そしてようやく順次降り始めたのだが、ここからは個人の自由行動が許されない水も漏らさぬ態勢が待っていた。
水際作戦というが、漏水防止作戦とも言えそうだ。
フランスで作成されたPCR検査証明書の確認。質問票、誓約書の提出。
スマホへ4つの指定アプリがインストールされているかどうか、作動するかどうか、メールアドレスが正しいかどうかの確認と検証。
大部の説明資料を渡され、順次次のステップに誘導される。
そして入国時のPCR検査。
おなじみの梅干し、レモンの図を見ながら試験管に唾液を落とす。
不思議なのは、搭乗前のPCR検査は鼻腔方式でないとダメなのに、到着したら唾液方式なのだ。 -
入国審査に至るまで、通行手形の役割を果たすピンクの紙が交付される。
自分にとってはすでにお馴染みの存在だ。
これを行く先々で提示し、途中の通路でも要所要所の係官にひらひらと見せて通る。
今回からは、これに緑のプラスチックプレートが加わった。
プレートにゴム紐が通され、これを指定待機先に向かうバスの乗車まで腕にはめることになった。 -
ここもすでにおなじみの長い長い通路だ。
手順は変わったが、順路は同じ
そして検査結果をひたすら待つスペースへ。
ここまでくると、同じ便の乗客だけでなく米国や他の国からの乗客も入り混じっていて、時間が経過するにつれて検査結果待ちの人が増えてきた。
検査結果が陰性であれば、あとは出国審査となるわけだが、3日間の指定待機が設けられているので、まだまだコントロールは続く。
陰性結果を得ると、丸椅子が間隔を置いて並べられている一画に誘導され、一定の人数になるまでここで待たされる。15人づつグループ化されるようだ。
この時点から、グループ化された面々がゼッケンをつけたオネエサンに引率されて同一行動をとることになった。先頭に小旗がないだけで、まるでツアーの一団だ。
最後に駐在員らしき家族5人連れが入って移動開始となったが、この家族一行がグループの命運を分ける存在となった。
駐在員氏がゼッケンのオネエサンに言うには、とにかく大量の荷物があって税関の申告がある。関税を納めなくてはならないが1万円しか持ち合わせていないので、銀行のATMにも行かなければならない云々。
この時点で何となく嫌な予感がしたのだが、やがて予感は見事に的中。
税関に申告の間、ATMから現金を調達してくる間、わがグループは常に待機となった。立ったままひたすら待つことの繰り返し。
これも待機期間に入るのか。刑期であれば算入してほしい時間だ。
やむを得ないこととは思いつつ、到着してから4時間半以上もあれだこれだと引き回されてきた身には辛い。
手荷物を引き取り、その一家の戻りを待っていた時に、犬を連れた係官がやってきた。
おや、コロナ探知犬の登場か、と思ったところリュクを背負っている人は荷物を下ろせという。
下ろした荷物も犬が嗅ぎまわっている、
麻薬探知犬ではないか
何もこんなくたびれ切った一行に麻薬探知犬を差し向けることもあるまい、と内心腹が立った。
それとも、こういう機に乗じて、違法薬物を持ち込む輩がいるのだろうか。 -
さて、ようやく駐在員ご一家が戻ってきて、次のステップを踏むために前進開始。
出国ロビーを出たところで別の係員に引き継がれたが、ここでもまた、足止め。
どうやら再び駐在員ご一家の用事らしい。
わがグループの横を後発のグループが次々と通り過ぎてゆく。
しばらくして、専用バス乗車までの誘導が開始。
第3ターミナル横に待機者送迎専用バスが並んでいた。
バス会社を一目見て、あーこれは浅草行きだな、と観念した。
これまでに何人かの経験談を聞いたり読んだりしてきた中で、浅草のホテルで過ごしてきた例がなぜか多く、バス会社と浅草が頭の中で勝手にリンクしてしまったのだ。 -
バスの中でも再び待機。ようやく最後に乗ってきたのは例の駐在員一家。
さあ、いよいよ指定待機先のホテルへ出発だ。
ところが第3ターミナル前にある5パーキングをぐるりと回ってバスは停まった。
なんと、ここが指定待機先のホテルらしい。
車内待機25分、バス移動時間3分である。
優先下車は駐在員ご一家。
子供連れというのが理由のようだが、みな小学生以上で幼子がいるわけではない。
大量の荷物があるので、次の下車の声がかかるまで時間もかかる。
この一家の動きに振り回されてきた、他のグループメンバーはどういう思いなのだろうか。
むしろ高齢者などを優先してあげればと思うのだが、そうした配慮はどこにもない。
みなマニュアル通りに間違いなく動くことを本分として、臨機応変さというものはないのだ。 -
ホテルはまだオープンしたてのようで、どこもここも真新しく、内装の養生シールさえ残っているくらいだ。
そして、あちらこちらにホテル内撮影禁止の貼り紙が目立つ。
ここでも一人ひとり書類のチェックと説明。
同じ書類のチェックを何回やれば気が済むのだろう。
真剣さは伝わってくるが、それ以上に何かが欠けていることを痛切に感じる。
夕食の弁当を渡され、指定された部屋への移動を指示される。
エレベーターのボタンまで押してくれて、到着した階には新たな係員が待ち構えていた。
エレベーターホールを抜けて両側に部屋が並んでいる通路に出て驚いた。
その長いこと、100m以上は確実にある。
そして通路のところどころには係員が立っているのだが、ただ立っているだけで部屋を教えてくれるわけではない。
カートもないため、2つのスーツケースを転がしながら、部屋番号を追いながら奥まった自分の指定部屋にようやく辿り着いた。
機内で出された朝食を少しつまんだだけで、飲まず食わずで5時間以上。
疲労もあるが、空腹で冷め切った弁当もとても旨く感じられた。 -
翌朝、カーテンを開けてみたら、思いもかけない光景が眼前にあった。
昨夜は遮光カーテンが閉じられていて、何も眺望は期待していなかったのだが、どうやら多摩川の河口近くらしい。
こちらが羽田だから対岸は川崎市だ。
3日間だけとはいえ、景色が見えるか見えないかは気持ちの上でも随分と違う。 -
一日目の朝食。
このパンは何だろう?
見た目で不味かろうと思って口にしたら、案外おいしい。
ホテル内を撮影してはならないとあったが、部屋から見える景色と弁当を撮ってはならないとは書いてなかったので、以後、弁当を記録することにした。 -
朝食のあとにホテルから内線電話があった。
朝食前にチャット形式で体温測定と体調報告するのを忘れていた。
厚労省に毎日、同じ報告をすることも義務付けられているので頭が混乱してしまう。
説明書、案内書をあらためて並べてみた。
とにかく書類が多すぎる。しかも内容は重複ばかりだ。
正直にいえば読む気が起きない。
回りくどい言い方もうんざりするし、もっと簡潔明瞭にならないものか。
せめて一枚のフローチャートでもあればどんなによいだろう。 -
都心のビジネスホテルのように、見えるのは周囲の建物だけというのではなくて本当によかった。
この2月に一時帰国した赤木 曠児郎画伯が、14日間の待期期間を都内のビジネスホテルで過ごしたあと、故郷の岡山へ帰着後に亡くなられたことが頭を離れない。
2月10日に地方紙に寄稿した、14日間のホテル住まいの心境をオンラインで読んだときには衝撃を受けた。その疲労困憊ぶり、制作意欲の喪失、そして今後を託した言葉。都心のビジネスホテルに閉じ込められ、まるで死を覚悟した遺書のように思えた。
そして15日に岡山で力尽き果てて最後を迎えた報に接した時には思わず絶句した。少なくとも10日の時点で、なんらかの手立てを講じられなかったのかと思ってしまうのは自分だけだろうか。 -
一日目の昼食の弁当。
「おーいお茶」が必ずついてくるのだが、お茶も弁当も冷たく、温かいものが欲しい。
電気ポットとティーパックがあるので、これでしのいでいくしかない。 -
「待機」というが、実質的には「隔離」で部屋から一歩も出られない。
弁当は配布開始時にアナウンスがあり、配り終えるアナウンスがあるまでは絶対に扉を開けないようにと放送が流れる。
弁当はポリ袋に入れられて、廊下側のドアノブにかけられているので、「よし」の合図で扉を開けて取り込むことになる。
廊下にはおそらく24時間体制であろうが、ガードマンが立っているのが弁当取り込み時にちらりと見えた。
配布された弁当取り込み時とゴミ出し時に部屋のドアを20cmほど数秒間開けるのが、毎食時の習わしとなったが、他の待機者の動静はまったくうかがえない。
そんな状況なのに、インストールさせられたアプリで、現在地の確認ボタンを押すように求めてくる。
さらには、My SOSというアプリからのビデオ電話があり、現在の状況が見えるようにカメラを向けろという。
あのー、ホテル内は撮影禁止なのですが、と皮肉の一つもいいたくなる馬鹿馬鹿しさだ。
赤木画伯が書いていたように「ビジネスホテルでの閉じこもり生活、精神状態は大変に良くない」が、すでに一日目から始まりそうだ。
それでも外の景色を眺めて、気持ちを切り替える。
中央に見えているのはみなとみらいのランドマークタワーかな
その横に特徴のある形をした建物が、インターコンチネンタルホテルだろう。
その間の延長線上あたりに自分が帰るべき家があるはずだ。 -
一日目の夕食。なぜかお茶が2つ。
こうしたものがすべて税金で賄われていることを考えれば贅沢は言えないが、冷え切った弁当は味もよくわからない。
もっとも、自分のような海外居住者は、昨年のコロナ給付金10万円支給の恩恵には与らなかったのだから、このくらいは減殺といえようか。
今さら持ち出すつもりもないが、でもそれって、そもそも法の下の平等に反してません?
ある与党議員が海外居住者への支給を働きかけたようだが、結局は実現しなかった。
自分のように住民税以外はしっかりと日本国に納税している立場からすれば、何とも納得しがたい話だ。 -
2日目の朝食。
パン食でなくてがっかり。
コンビニ弁当に慣れた人はともかく、朝からこれはやりきれない。 -
気分転換は常に外の景色。
釣り糸を垂らしている人も見える。
ただ、二重窓なので外部の音は聞こえず、開閉はできない構造なので外気に触れることはできない。
エアコン生活に慣れていない身には、これが結構一番つらい。 -
2日目昼食
わーい、とんかつだ、と喜んだのだが、チキンソテーだった。
やたらとしょっぱい
肉の臭みも鼻について一切れで降参
ご飯も不味く、もったいないとは思いつつほとんど手を付けずに残してしまった。
口直しに、誰かにあげるつもりで持ってきていたマドレーヌを開封し、コーヒーを淹れて飲んだ。 -
今日も現在地確認のアプリが稼働して、今ここ!ボタンを押せという。
独房に入れられた囚人に、あなたは今どこに居ますか?と尋ねてくる間抜けな刑務所を想像してしまう。
首を伸ばして河口方面を眺めてみた。
遊歩道があって、休憩用の屋根付きベンチが置かれている。
あそこに座ったらどんなに気持ちがよかろうと思ってしまう。 -
2日目夕食。
昼食はほとんど手つかずで残してしまったが、こちらはほぼほぼ完食
冷え切った弁当でも、これは食べられた。
やはり暖かいスープか味噌汁が無性にほしい。
毎食ついてきている「おーいお茶」は不用なので断った。 -
3日目の朝。
7時半ころPCR検査
8時過ぎに検体回収。
いずれも、ドアノブを利用して置かれるだけで、ひととの接触は皆無。
朝食を配るアナウンス。「よし」の合図が来る前に回収してしまった。
ワンコでいえば、「待て」の状態で食べ始めたようなもので、褒められた話ではない。
お、クロワッサンではないか。
嬉しかったがほとんど食べられず。
こんなことなら、多少荷物になってもパリでパンを買い込んでくればよかった。
9時過ぎに内線電話。PCR検査に気をとられ、検温、体調報告を忘れていた。
10時、MY SOSから着信。
うとうとしていて気付くのが遅れ、出ようとしたら間に合わなかった。
すると、応答する義務があるとの警告メッセージ。
こちらから折り返しの電話はできない仕組みなのでお手上げ。
11時、厚労省から 健康状態を報告せよとのメールが届いていた。
14時までに回答がない場合には、誓約書に基づき氏名を公表する云々とのこと
同じ内容を、すでにホテルに回答済みなのに、まったくバラバラだ。 -
11:49昼食配給の予告アナウンス
次のアナウンスまで扉を開けてはならない、とお決まりの内容。
ドアノブに弁当がぶる下げられてから、「よし」のアナウンスがあるのはだいたい40分~60分だ。これほど時間を要するのは、それだけ収容待機者が多いということか。
3日目の昼食はこれ。
げんなりして箸をとる気もなくなってくる。 -
さて、PCR検査検査結果を待って本日中の退室か、明朝にするかの二択となった。
気持ち的には、一刻も早くここを出たいのだが、少々くたびれてしまった。
ということで、体調を整え、明朝にすることにした。
外はどうやら雨模様だが、そうと決まれば元気も出てくる。 -
3日目の夕食。
最後の夕食弁当だ。
扉を少し開け、弁当の入ったポリ袋を取るときに周囲の部屋の様子を見てみたら、各部屋のドアノブにかけられた弁当がかなり少なくなっていた。
すでに多くが退去した気配だった。
長居は無用というわけだ。
夜の8時に現在地を知らせるようにとの通知。
あのーまだここに居まーす。 -
退室日の朝食。
文句ばかりで申し訳ないが、もう当分目にしたくない弁当だ。
これから帰国する人は、3日間の食料を考えてこないと辛い。
インスタント味噌汁やカップ麺などがあれば、ずいぶんと違ったはずだ。 -
退室のための支度を終え、部屋の調度も整え直した頃に一階に降りるようにとの連絡があった。
9時45分専用バスが用意され出発。
4日前にバスに乗り込んだ地点まで戻ってきた。
退去時には専用バス利用でなくとも、ホテルから歩いてきたほうがずっと近いのだがこれも決まりということらしい。 -
羽田からはレンタカーを利用して帰宅することにして、空港受付カウンターへ。
その横には、オリンピック関係者用のブースが設けられていた。
これからオリンピック開会に向けて、羽田経由の入国も日を追って増えていくのだろうが、果たしてどうなることか。
特に大きな問題もなく無事に終わるか、ウイルスの国際交流が起きるのか、まるで丁半ばくちを打つようなものだ。
国内では開催反対の声が強いと聞いていたが、それも下火になって今では開催の在り様に論議が移ってきたという。
この辺りの変化は、やはり日本人の特性がよく出ているなと思わざるを得ない。
為政者もIOCも、そうした日本人の長いものに巻かれ、水に流すことが好きな性格というものをよく見抜いている。 -
皮肉なことに自分の一時帰国もオリンピックと無縁ではない。
以前、仕事上預かっていた歴史的資料の中に、昔のオリンピック関連のものが含まれていて、これが必要になったというのだ。
この機会に1936年のナチス下のベルリン大会、1940年の中止となった東京大会のことを、しっかりとした歴史認識でみてほしいと思う。
クーベルタン男爵の後を継いでIOC会長となったベルギーのバイエ・ラトゥール伯爵の存在を知っている人は少ないと思うが、幻となった1940年の東京大会のために来日し、各地を回って日本側の接待攻勢にすっかり日本びいきになった人物である。
最近、話題となったボッタクリ男爵以前からIOCのお接待大好き文化はあって、IOCの伝統として綿々と継承されているのだ。 -
入国に際し、インストールを求められたアプリのひとつ LOCATOR
羽田から横浜の自宅へ移動したら、「長距離の移動を検知しました」とのメッセージが届いた。
しっかりと監視しているんだねえ。 -
今ここ!をクリックすることで、現在地点が伝わる仕組みのようだが、一日に何度もこれが届く
おまけに、「長距離の移動を検知しました」メッセージも相変わらず来るのには閉口した。
狭い家と猫の額ほどの庭しか動いていないのに、どうやらAIには長距離移動の記憶が消えないようだ。 -
こちらも、インストールを求められたアプリのひとつ My SOS。
実は、これが一番厄介
3回くらい着信音がして出ると、すでに切れている。
直接電話もあったが、どこからかけているのかと思うほどのタイムラグがあって、まるで やりとりがスムーズにいかない。
指定待機先のホテルの部屋に閉じ込められていた時に、周囲の様子が分かるようにカメラを向けてくださいと言われたのはこれだ。
本当に個々を把握しているとは思えない画一的な対応だ。
My SOS というタイトルはブラックユーモアとしか思えない。 -
「今ここ!」と「My SOS 」のほかにも厚労省への健康状態の報告がある。
うっかり忘れていると「氏名公表等の対象となり得ます」との警告が来る。
文尾の「なり得ます」という言い方が気に入らない。
あくまで可能性に言及したつもりだろうが、「なります」と言い切らないところが、いかにも役人根性の姑息な表現だ。
さらにもう一つ、地元保健所からメールが毎日来るので、体温や健康状態を回答するようにとのことであったが、こちらはいまだに来ない。
とにかくこれらのアプリに振り回される日々が早く終わることが、目下の切なる願いだ。 -
7月7日、日本大使館からの通知が届いた。
それによると、7月9日からは日本入国時の3日間の待機と、3日目のPCR検査がなくなるという。
喜ぶべきなのか、何だか急に拍子抜けした気分になった。
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この旅行記へのコメント (10)
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- Cherryさん 2021/11/03 12:00:15
- 一時帰国
- はじめまして。
ただいま、カナダから日本に一時帰国しています。
帰国前に、どんな状況なのか知りたくてお邪魔しました、大変参考になりました。
いまは日本政府指定のホテル軟禁3日間がないので、だいぶ負担が減った気がします。
もうすぐ出国前のPCR検査もなくなりますし…
2週間の自主隔離中に、私もブログとして記録に残そうかと思っています。
- ばねおさん からの返信 2021/11/03 23:17:20
- Re: 一時帰国
- Cherryさん こんにちは
ご参考にしていただいて、ありがとうございます。
すでにご承知のように日本では3日間の強制隔離も無くなり、出入国時の規制も刻々と変化していますので、常に最新情報を得る必要がありますね。
国による取り扱いの差異も多くありますので、世界共通ではないことも厄介です。
私の場合は、日仏のケースですが、すでに情報としては古くなっている内容があります。
ただ、私も他人の経験談を読み聞きして、自身の参考にしてきましたのでCherryさんもぜひ新たな情報を提供して下さいね。
この時はこうだった、というだけでも大いに意味があると思います。
ばねお
- Cherryさん からの返信 2021/11/05 18:01:56
- RE: Re: 一時帰国
- ばねおさん
再びこんにちは。
早速のお返事と温かいコメントをありがとうございました。
誤って同じコメントを2回投稿したようです...削除もできず、すみません。
まだ隔離期間中ですが、拙い記録を公開しました。
初めての投稿なので、お時間あればご指導頂けると嬉しいです。
Cherry
> Cherryさん こんにちは
>
> ご参考にしていただいて、ありがとうございます。
> すでにご承知のように日本では3日間の強制隔離も無くなり、出入国時の規制も刻々と変化していますので、常に最新情報を得る必要がありますね。
> 国による取り扱いの差異も多くありますので、世界共通ではないことも厄介です。
> 私の場合は、日仏のケースですが、すでに情報としては古くなっている内容があります。
> ただ、私も他人の経験談を読み聞きして、自身の参考にしてきましたのでCherryさんもぜひ新たな情報を提供して下さいね。
> この時はこうだった、というだけでも大いに意味があると思います。
>
> ばねお
>
>
>
-
- Cherryさん 2021/11/03 11:59:20
- 一時帰国
- はじめまして。
ただいま、カナダから日本に一時帰国しています。
帰国前に、どんな状況なのか知りたくてお邪魔しました、大変参考になりました。
いまは日本政府指定のホテル軟禁日間がないので、だいぶ負担が減った気がします。
もうすぐ出国前のPCR検査もなくなりますし…
2週間の自主隔離中に、私もブログとして記録に残そうかと思っています。
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- ユーユさん 2021/07/17 16:03:31
- こんにちは♪
- ばねおさん、お帰りなさい。
日本入国時の3日間の待機、アプリのインストール・・・読んでいるこちらでさえ疲れるような(>_<) まるで刑務所みたいだなと思いました。入ったことはありませんが笑
以前テレビなどで見聞きした時、日本の水際対策は緩いって言ってたような。
だから今も、日本に着いてからの14日間の隔離は公共交通機関を使わなければ直ぐに家に帰れると思っていました。そして日々のお買い物位の外出はOKと聞いていたのですが。
批判の声があって、厳しくなったのでしょうか?
でも今は、フランスからの帰国者はPCR検査で異常が無ければ3日間の待機が無くなったのですね。ただ、また日々変わってくるかもしれませんね。
こんな厳しい状態はいつまで続くのでしょうか?
ワクチンパスポートも紙媒体の物が今月の末位から発行できるみたいですが、海外旅行でも恩恵を受けれるのか??まだまだ分からないことばかりです。
早く自由に旅行に行きたいです。
あ、ばねおさんはお仕事で帰られたんですよね。
ほんとに、お疲れさまでした。
ユーユ
- ばねおさん からの返信 2021/07/18 23:10:49
- Re: こんにちは♪
- ユーユさん こんばんは
コメントをお寄せいただきありがとうございます。
旅行記にも書きましたが、3日間の指定場所での「待機」というのは、実質的には「隔離」であり「収容」ともいえる内容でした。
すでに14日間の待期期間も明けましたが、祝日が移動していることに気が回らず、来週に予定している渡仏までの残された時間を目下のところ必死にやりくりしている日々です。
ワクチンパスポートもいよいよ登場しましたが、海外渡航の際には必須の条件になるかもしれませんね。
ワクチンパスポートのない人は、航空機搭乗前のPCR検査が求められるので出国前と帰国前の2回が必要となり、かなり負担です。
今のところ、日本ではワクチンパスポートを国内で適用することはないようですが、フランスでは先週に重大発表があって、一部の業種に従事する人の義務化と航空機だけでなく、長距離列車や大型商業施設、カフェやレストランの利用にも必要になるそうです。
パスポートのない人は、カフェに入るにも事前にPCR検査を受けなければならず、その検査も有料化するとのことですから、コーヒー代よりはるかに高い検査料を支払ってカフェに行くような羽目にもなりかねません。
だったらワクチンを打てばよい、ということかも知れませんが、フランスでは1月、2月にワクチン接種をした人には効果の持続が薄れてきているので、2度目の接種が勧められています。
そうなると、年に2度のワクチン(2回接種型だと計4回)ということで、何とも忙しいことになりますね。
現在、日本からフランスへの渡航はPCR検査の陰性証明書があればOKですが、美術館やデパートへの入場、カフェやレストランの利用、TGVでの移動など、あらゆるところでワクチンパスポートの提示を必要とされることになろうとは想像もしていませんでした。
国によって施策も方針もバラバラなので、自由に旅ができる日は、本当にいつになったら来るのか、実際のところまだまだ分かりませんね。
ばねお
-
- yunさん 2021/07/09 20:11:08
- 追伸 おかえりなさい
- 赤木 曠児郎さんが寄稿されていた「パリ通信」の最終稿を拝見しました。
2週間のホテル隔離中、ご自身の体調・気力についての心境。
用事あってこその帰国決断、パリへの帰路も整えての一時帰国でもあると記され…。
ご年齢を感じさせない文章は魅力的であり「もうこれは大変なことをしてしまったな」との一文には思わず頬が緩みましたが。その数日後に亡くなったとは。
こんなに意思健喜な方の命すら縮めてしまうコロナの影響。
心への悪影響が誰にも忍び寄っている。
今後の世界往来について、自分がもっと真剣にならないといけないと思い
追伸を添えさせていただきました。2度もお邪魔ごめんなさい。
どうも「行きたい」ばがりが先に立ち、冷静慎重でない自分がおりました。
yun
- ばねおさん からの返信 2021/07/09 22:57:20
- RE: 追伸 おかえりなさい
- 追伸ありがとうございます。
赤木画伯にお目にかかったのは一度きりですが、渡仏してからの生活、夫人を亡くされてからの心境、これからの取り組みなど、時にユーモアを交えてのお話を伺いました。
気取らず、快活で前向きなお人柄であっただけに、「パリ通信の」文章には心底衝撃を受けました。
日本ではあまり知られていない方かもしれませんが、有名無名にかかわらずコロナの影響というものはあらゆるところに及んでいますね。
ばねお
-
- yunさん 2021/07/09 14:53:12
- おかえりなさい
- ばねおさん いつもパリ景色ありがとうございます。
現在は14日間の自宅軟禁半ばでしょうか。
3日間のホテル監禁から、気持ちはだいぶ回復されましたか。
さて当旅行記は、まるでミステリ―映画を見ているような気持で、ドキドキと読み進みました。そして、最終頁で私も一緒に「ああっ~」と気が抜けました。
何たる七夕の朗報でしょうか? あまりのタイミングですね。
拝見し終えて、もう少しで行かれるのかな…なんて思っている私の気持ちが、ググっと「なめちゃいかんぜよ」と引き締まった気がしております。
帰国搭乗72時間前に現地で受けるべきPCR検査について、具体的に拝見。
私には難関だと判りつつも、心はまだうごめいております。
日本帰国後のシステムは横連携できていない???
「木を見るのは上手、でも森に育てられない」私たち日本人。
盆栽の森で良いから、育て上手になりたいな♪
ずーと雨模様、梅雨らしい日々。
しとしとぴっちゃんな毎日ですが、日本滞在期間が有益でありますように。
軟禁にめげず元気でお過ごしくださいね。
飛行機の姿が鮮明に映ったきれいな「ブロッケン現象」ですね!
これを目視すると良い事あるそうですよ♪
yun
- ばねおさん からの返信 2021/07/09 22:43:09
- RE: おかえりなさい
- yunさん こんばんは
やけっぱちな旅行記となりましたが、お気遣いありがとうございます。
とにかく私の場合、監禁生活というものに慣れていないものですから、不平不満文句のオンパレードとなりました。
今は外出以外は、自由を感じております。
> 飛行機の姿が鮮明に映ったきれいな「ブロッケン現象」ですね!
> これを目視すると良い事あるそうですよ♪
そうそう、そうでした。稀に山登りでもあるんでしたね。
でも、良い事あるとは知りませんでした。
おかげで、とたんに元気になりました。
> 帰国搭乗72時間前に現地で受けるべきPCR検査について、具体的に拝見。
> 私には難関だと判りつつも、心はまだうごめいております。
難関というほどのことはないと思いますが、仮に搭乗前72時間以内のPCR検査が今後も必要とすれば旅程の最後の1、2日を潰してCDG空港で検査を受けて証明書を作成してもらう方法が最も合理的でしょうね。
日本からフランスへ行く場合も、3日間の隔離こそありませんが、PCR検査の証明書が必要ですので、こちらも時間とお金がかかります。
旅行記に書き忘れましたが、アメリカンホスピタルでの料金は155ユーロでした。
日本でのPCR検査+証明書作成料は、2万円〜2.2万円と聞いていますので、ほぼ同額ですね。
合わせて約4万円、そして費やす時間。
やはり、よほどの必要性や余裕がないと、一般的にはまだ旅行には踏み切れないということになるでしょうか。
> 日本帰国後のシステムは横連携できていない???
ひとつ訂正があります。
昨日、位置情報アプリに関して、担当の方より電話がありました。
私が帰宅したのは承知しているが、「今ここ!」ボタンを押しても遠距離移動のメッセージが連日発せられるのは、チェックインボタンを押していないからだということでした。
自宅に帰ってチェックインとは、まるで考えが及びませんでした。
その担当者の方は、どうやら責任者の地位にあるようで、ついでにいろいろ説明をしてくれましたが、位置確認を行うオペレーターは数百人居て、アットランダムに連絡をしているそうです。
私の場合、毎日アットランダムの対象になっていたんですね、と言いたい気持ちもありましたが、とても人のよさそうな方なので、嫌味はやめにしました。
もういくつ寝たら...
ばねお
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