新羅の古都　晩秋の慶州へ

2019/11/26 - 2019/11/28

2020年夏にプラハを訪れる予定を組んだ。
欧州に行くときのチケットは、いつも韓国発券のBAのビジネスクラスにしている。
その往復チケットの最初の区間をクリアするために釜山に行かなければならない。
釜山の街もひととおり回っているので足を伸ばして慶州に行ってみよう。

エリア 慶州(韓国)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 観光バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

成田からJAL957で釜山にショートトリップ。
韓国ASEAN首脳会談が開かれている釜山は至る所警官ばかり。
文在寅大統領も今日は釜山に入っているようだ。
海雲台の海岸プロムナードには参加国の名標。

海雲台 散歩・街歩き

海岸通りから一歩入った海雲台の市場周辺を散歩。

海雲台市場 市場

突っ込みどころ満載の日本語看板。
ぱら肉になったり、三校肉になったり。

海雲台市場 市場

田鰻が泳いでいた。
ひれの退化した淡水魚。

海雲台市場 市場

田鰻を炒めたのがこれ。

海雲台市場 市場

夕食はタコ料理のケミチプ。
中国語表記は螞蟻家辣炒章魚らしい。

ケミチプ (海雲台店) 地元の料理

前回来た時は一人旅だったが、ひとりでは入れないと断られてしまった店だ。

ケミチプ (海雲台店) 地元の料理

釜山名物ナッチポックンはタコの甘辛鍋。
タコと海老と三枚肉の鍋に挑戦。

ケミチプ (海雲台店) 地元の料理

そろそろ煮えてきたかな。

ケミチプ (海雲台店) 地元の料理

ソウルの明洞でナッチポックンを食べたときには、あまりの辛さに悶絶した。
釜山のは食べやすい辛さで美味しい。

ケミチプ (海雲台店) 地元の料理

ご飯に乗せてビビンバ風に混ぜて食べよう。

ケミチプ (海雲台店) 地元の料理

とっぷり日が暮れた海雲台のメインストリート。

海雲台ビーチ ビーチ

イルミネーションがいたるところに。

海雲台ビーチ ビーチ

海雲台の海岸は光の海。

海雲台ビーチ ビーチ

11月末だがさほど寒く無くて助かった。

海雲台ビーチ ビーチ

ビーチ沿いを歩いてホテルに戻ろう。

海雲台ビーチ ビーチ

今回のホテルはフェアフィールド バイ マリオット プサン。
ここもやはりASEAN首脳会談の警備で警察が対応。
韓国中から警察官が動員されているらしい。

フェアフィールド バイ マリオット プサン ホテル

ベルトラで予約したツアーは「釜山発！慶州観光ツアー 2大世界遺産巡り 石窟庵と仏国寺＋最古の天文台・瞻星台（歴史遺跡地区） 新羅の歴史探訪 韓定食ランチ＜1日／日本語ガイド／ホテル送迎付＞」

石窟庵 寺院・教会

海雲台からマイクロバスで3時間半。
千年続く新羅の古都慶州へ。
参加者はわれわれ夫婦と堺のご近所の仲良しおばさんふたり。
ガイドは日本語堪能な朴景花さん。

石窟庵 寺院・教会

山の中腹に見えるのが石窟庵。
インド発祥の石窟寺院は石壁を掘削して作るが、韓国の山が花崗岩質の堅い石質のため、石を積み上げて作られている。

石窟庵 寺院・教会

日韓併合以降、日本は3度にわたり修復工事を実施。
解体した石積みの復元に失敗したり、補修材にセメントを使ったりしたことが裏目に出て、それまで自然に機能していた空調システムが不全に陥ってしまった。

石窟庵 寺院・教会

遺跡保存のため内部はガラスで守られ、撮影禁止となっている。
御本尊は釈迦如来坐像。

石窟庵 寺院・教会

石窟庵の見学を終えて山道を下る。

石窟庵 寺院・教会

石窟庵から少し下ったところにある壽光殿。
こちらの阿弥陀様は撮影可能だ。

石窟庵 寺院・教会

壽光殿からさらに下って振り返ると、奥に石窟庵、手前に壽光殿。

石窟庵 寺院・教会

趣のある売店。軒端に見えるのは松の樹皮かな。

石窟庵 寺院・教会

石窟庵入り口近くに鐘楼がある。

石窟庵 寺院・教会

日本の鐘と異なり、韓国の鐘は地面との間隔がせまく、しかも鐘の下の地面が掘り下げられている。
音の共鳴を誘う仕掛けなのだろう。
ここの鐘は100円払うと一回撞かせてくれる。

石窟庵 寺院・教会

石窟庵から仏国寺までの道は「モミジの道」と名付けられ、1ｋｍにわたってモミジの木350本が植えられている。
紅葉の季節を過ぎたため、なかなか色鮮やかな紅葉はみつからない。

仏国寺 寺院・教会

1971年3月卒業旅行で訪れて以来およそ半世紀ぶりの仏国寺。
紅葉はすでに名残の季節。
前回はゼミ仲間との二人旅で通りいっぺんの見学だったが、今回のガイドの朴さんは細部に至るまで丁寧に解説してくれるので大いに勉強になる。

仏国寺 寺院・教会

仏国寺に入って行くと2番目の門が天王門。
極彩色の四天王像が迎えてくれる。

天王門 史跡・遺跡

四天王がそれぞれ押さえつけているのが悪霊。

天王門 史跡・遺跡

仏様より悪霊の方が表情豊かで面白い。

仏国寺 寺院・教会

韓国に伝わっている寺のほとんどは禅宗。
李氏朝鮮時代は儒教が国教と定められ、仏教は徹底的に弾圧された。
それに耐えつつ妥協を重ねた禅宗がようやく生き延びられたとのこと。

仏国寺 寺院・教会

仏国寺も禅宗の一派である曹渓宗。
国家が認定している伝統的な寺院870ヶ所余りの90％以上が曹渓宗である。

紫霞門 史跡・遺跡

踊り場を挟んで二段に分かれた石段は、青雲橋と白雲橋と呼ばれ、紫霞門につながる。俗世と仏の世界を結ぶ象徴らしい。

紫霞門 史跡・遺跡

紫霞門に続く回廊には木魚が吊るされていた。

こちらの太鼓は亀が背負っている。

天王門 史跡・遺跡

その亀。

天王門 史跡・遺跡

大雄殿の前庭の複雑な造型の多宝塔は円と四角と八角を組み合わせて作られている。

仏国寺 寺院・教会

多宝塔と対になって置かれる釈迦塔。
多宝塔は過去を、釈迦塔は現在を表しているという。

仏国寺 寺院・教会

大雄殿に入ってみよう。

大雄殿 寺院・教会

本尊は釈迦牟尼仏。
両脇に文殊菩薩、普賢菩薩を従えている。

大雄殿 寺院・教会

仏国寺大雄殿にはさまざまな動物が彫られている。象やライオンは実物を知らぬまま想像だけで彫ったらしい。
これはライオン。

大雄殿 寺院・教会

これは象。
象の鼻があんなに長いとは想像もできなかったんだろうな。

大雄殿 寺院・教会

大雄殿の屋根の下には隅木飾と垂木飾が重層的に配置されている。

大雄殿 寺院・教会

この紅葉は少し色が残っている。

観音殿 史跡・遺跡

極楽殿には阿弥陀如来が祀られている。

極楽殿 史跡・遺跡

極楽殿前にいた金色のイノシシ像。
これを撫でると金運に恵まれるとか。

極楽殿 史跡・遺跡

ランチをとるのは古墳公園に面した店「校洞サンパッ」。

ビョルチェバン キョドンサムパプ 韓国料理

1,500年前の古墳を眺めながら豚焼肉のサンパッ韓定食。
おかずとご飯を野菜やコンブなどに巻いて食べる慶州の名物料理。

ビョルチェバン キョドンサムパプ 韓国料理

パンチャンと呼ぶおかずがたくさんついてくる。

ビョルチェバン キョドンサムパプ 韓国料理

新羅古墳群の集まる大陵苑。
最初に発掘された天馬塚からは壮麗な金製品とリアルに描かれた馬の絵の飾られた馬具が出土した。

大陵苑 (天馬塚) 広場・公園

新羅は騎馬民族の子孫なのだろうか。

大陵苑 (天馬塚) 広場・公園

古墳から1頭の真っ白な天馬が舞い上がる姿を描いた「天馬図」が発見されたため「天馬塚」と名付けられた。

大陵苑 (天馬塚) 広場・公園

他に金冠や腕輪など多くの遺物が出土した。

大陵苑 (天馬塚) 広場・公園

発見当時、被葬者が身に着けていた装飾品のレプリカがこれ。
古墳の主の頭部に被せられていた高さ32.5 cmの金冠の実物は国立慶州博物館に収められている。

大陵苑 (天馬塚) 広場・公園

被葬者の出土状況が復元されている。

大陵苑 (天馬塚) 広場・公園

校洞村。
築300年以上という朝鮮時代の両班の家。

校洞法酒 専門店

古い民家が立ち並び、
規模は小さいながらも歴史を感じさせてくれる場所になっている。

校洞法酒 専門店

国立慶州博物館にやってきた。
4つの展示館と屋外展示が公開されているが、背後に見えるのはメインに当たる新羅歴史観。

国立慶州博物館 博物館・美術館・ギャラリー

天馬塚から出土した金冠。
厚くて広い金板の上に3つの枝と２つの鹿角形状の飾りを付けて作られた典型的な新羅時代の金製王冠。天に向かって伸びる枝は天まで繋がるはしごで、神と人間との媒介である。また鹿の角は鳥とともに神と人間を繋いでくれる神霊なる使者として表現されている。

前面には数多くの小さい丸形や勾玉形の金の装飾が糸でぶら下げられており非常に華やかで精妙である。勾玉形の装飾がぶら下げられたデザインは樹木を崇拝する騎馬民族の間で広く流行ったもので、樹木の果実と考られた。これは生命の誕生と子孫の繁栄を意味する。
また冠を着用した際、両頬に当たる部分には丸い帯からコイルのように長くひねられたチェーン状の飾りがぶら下がっている。

国立慶州博物館 博物館・美術館・ギャラリー

国宝の金製冠帽。
4世紀に新羅を建国した麻立千とその一族にとって黄金は権威の象徴であった。

国立慶州博物館 博物館・美術館・ギャラリー

新羅が三国を統一した後、最初に建てられた護国寺院が四天王寺。その寺址から出土した四天王像。
左手に劔を持ち、シルクロードっぽいサンダルを履き怪獣に腰かけている。

国立慶州博物館 博物館・美術館・ギャラリー

釜山に戻ってきた。
たまたまホテルで見ていた「わぼいそ釜山」というYouTube番組で釜山一と激賞していた焼肉屋ハドンチプ。
繁華街からは離れている。

カンカンに熾った炭火を入れた七輪が各テーブルにセットされる。

光復路通り 専門店

サムギョプサルが8500ウォン
キムチチゲは6500ウォン。

サムギョプサルを2人前頼んだら3人前からだというので、3人前注文。
なんとペロリと平らげてしまった。
8500ウォン×3

キムチチゲは肉がゴロゴロ入って好きな味。

地元客でずいぶんにぎわっている。

少し歩くと南浦洞の盛り場に出た。

BIFF広場 露店・屋台

前回来た麺料理の店だ。

元山麺屋 韓国料理

雨傘をモチーフとしたイルミネーションの下を歩いて大通りに出て、
ロッテマートの前でタクシーを止めて、

BIFF広場 露店・屋台

釜山港大橋経由でホテルに戻る。

釜山港大橋 建造物

翌日。
朴正煕も通ってきたというふぐ料理店クムスポックク。

クムスボックッ (海雲台店) 韓国料理

24時間営業とのことで朝食をとりにきた。

ソルビン (金海空港店) スイーツ

ふぐちり1800円

クムスボックッ (海雲台店) 韓国料理

メウンタンも同じ1800円。

クムスボックッ (海雲台店) 韓国料理

西面で買い物を済ませてから、途中沙上乗り換えで空港へ。

ソルビン (金海空港店) スイーツ

最後は空港の制限区域にあるソルビンでかき氷。

ソルビン (金海空港店) スイーツ

ブルーベリーチーズ雪氷。

ソルビン (金海空港店) スイーツ

JAL958便のビジネスクラスで帰国。
冒頭に記したように、プラハ往復ビジネスクラスチケットの最初の区間だから、同じビジネスクラスとなる。

鰈の照焼き、サーモンの酢漬けと海老、デザートは抹茶のムース。

ちなみに245,390円で買ったプラハ往復チケットだが、
新型コロナウィルスの影響でプラハへの旅行そのものを中止した。
第一区間の釜山ー成田を使用済みのため、返金に時間がかかったが、232,710円戻ってきた。
その差、12,680円。
為替レートの関係もあるが、釜山ー成田のビジネスクラスが12,680円だったという計算。
大きな損害を被らずに良かった。