2020/11/09 - 2020/11/14
145位(同エリア162件中)
ちゃおさん
六十七番札所大興寺は案外賑やかなお寺だった。町に近く、県道からのアクセスも良く、簡単に来られるのかも知れない。この寺で「真綿の花」を見たのは収穫だった。初めての経験だ。米国での綿花栽培の写真、映像を見たことがあるが、黒人労働者が一つ一つその白い綿の花を摘み取る情景が思い出される。真綿は綿花とは違うが、同種だろう。暖かさは格段に違うが・・。しげしげ真綿の花を眺めていると団参の人達がやってきたので、この寺を後にする。
鬱蒼とした石段の横に自生している大きな木は、県指定天然記念物のカヤで、樹齢は1200年、木の高さは20mを超える。更に高いのは樹齢700年の大楠で、この2本の古木が並んで立っているので、この参道を一層薄暗いものにしている。楠は萱よりも成長が早く大木になるのか・・、大三島の神社の前の何本も重なった楠の大木を思い出す。カヤもクスも弘法大師お手植えと言われるが、クスの方は代替わりしたものか。この参道のどこか周辺に種田山頭火の句碑があるとのことだが、探すのも面倒で、そのまま山門の仁王像を見に行く。
伝運慶作仁王像。寺を守り、山門で睨みを利かせ悪人を寄せ付けない仁王像の形相は、正しくリアルだ。1200年前、700年前の信心深い人々がこの仁王を見れば恐れおののき、悪人は後ずさりしたに違いない。この像は鎌倉初期、正に運慶が各地の寺で活躍していた時代で、この大興寺も東大寺の末寺として建立され、この山門に運慶像があっても不思議ではない。運慶彫像との明確な証拠がないから「伝」となっては7いるが、工房を持っていた雲慶派の誰か高弟が朔像し、最後に運慶がお墨付きを与えたのかも知れない。全く具象的なリアルな彫像だ。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通手段
- レンタカー JALグループ
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