2020/09/17 - 2020/09/17
1位(同エリア108件中)
かっちんさん
「加賀橋立(かがはしだて)」は、石川県南西部の日本海沿岸部に位置し、「北前船」の船主や船頭が多く居住した集落です。
「北前船」とは江戸時代後半から明治時代にかけて活躍した商船のことで、大阪から瀬戸内海、日本海を北上し北海道までを往復して、莫大な富を得ていました。
船主が荷主として各港で物を売り買いしながら航海していきます。
寛政8年(1796)には「加賀橋立」に船主34名と船頭8名が住んでおり、次第に船主や船頭、船乗りなど「北前船」にかかわる人々が居住する集落へと発展しました。
明治5年(1872)の大火により集落の大部分が焼失しますが、いち早く立ち直り、より豪壮な住宅を再建し復興を遂げました。
明治時代以降はその財を利用し、金融業や北洋漁業など新たな事業でも成功しています。
橋立の船主集落は重要伝統的建造物群保存地区に指定され、赤瓦の屋根、虫食い跡がある船板、笏谷(しゃくだに)石張りの石垣などが残されています。
見学が可能な「北前船屋敷 蔵六園(ぞうろくえん)」・「北前船の里資料館」では、豪勢な屋敷の内部と、当時の暮らしぶりを知ることができる調度品が見られます。
また、北前船船主によって栄えた橋立町とならび、日本一の富豪村と称されたこともある「瀬越村」には、北前船主と町の有志により寄贈された昭和5年の「瀬越小学校」があります。
現在は地域の交流スペース「竹の浦館」として開館し、見学ができます。
今日は、JR北陸本線加賀温泉駅より、加賀温泉周遊バス「キャンバス海まわり」を利用し、「月うさぎの里」、「竹の浦館」、「橋立の船主集落」を訪れます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・加賀周遊バス資料
・月うさぎの里HP
・竹の浦館HP、資料
・慶和製作所HP:手押しポンプ
・耐震リフォームの基礎知識「建物の外側に沿柱・控柱(バットレス)を設置・木造、鉄骨フレーム」
・蔵六園HP、資料
・石川県橋立漁港の遊漁船とい丸「幻の魚?ミズゴロク」
・北前船の里資料館HP、資料
・実高ふれ愛隊日記「加賀橋立・散策モデルコースをご紹介します!」
・海と日本PROJECT in いしかわ「海の学校 in 加賀橋立(1)北前船の歴史を学ぶ」
・海と日本PROJECT in いしかわ「北前船ゆかりの加賀市橋立が日本遺産に認定」
・加賀市観光交流機構「加賀橋立歴史さんぽ散策マップ」資料
・ウィキペディア「キャンバス」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 JR特急 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
JR加賀温泉駅バス停
乗降フリーの1日券1,100円を購入し、加賀温泉周遊バス「キャンバス海まわり」のバスを利用します。
海まわりコースは、月うさぎの里、竹の浦館、加賀橋立、片山津温泉などの海側を走ります。
「キャンバス」の名前には、「絵を描く」というキャンバスと「可能性がある」という意味の「CAN」が込められています。 -
海まわりの「キャンバス」
運行主体は加賀市などの出資する第三セクター「まちづくり加賀」で、加賀市に本社を置く「日本海観光バス」に運行を委託しています。
バスには乗務スタッフ(バスガイド)が同乗しており、観光案内や乗車券を販売してくれます。
では、9:20発のバスに乗ります。 -
最初のスポットは「月うさぎの里」
ここには「加賀の月うさぎ伝説」があり、傷付いた白いうさぎを助けたことから稲が全滅してしまうほどの異例の大雨続きが止み、夜空には煌々とお月さまが輝き、その年、大豊作に恵まれたとのこと。
それ以来、この辺りでは、「運(つき)」を招く月うさぎと永く親しまれています。
年中無休、入場無料です。 -
伸びんこするウサギ(月うさぎの里)
うさぎ広場では50匹以上のうさぎが遊んでいます。
無料貸し出しの手袋をはめて、うさぎと触れ合うことができます。 -
愛嬌のある たれ耳の「ホーランドロップ」(月うさぎの里)
-
イチオシ
全員集合!(月うさぎの里)
うさぎの餌は自動販売機で購入(200円)します。 -
サルスベリ(国道沿い)
うさぎに癒されたあと、次のスポット「竹の浦館」まで、1.6kmほど歩いて移動します。
国道305号を海に向かって歩いています。 -
耐火煉瓦の敷石(国道沿い)
煉瓦には「BIZEN-INBE」(備前伊部)、「三石」(備前三石)などの刻印。
岡山県備前市で造られた煉瓦です。
敷石なのか煉瓦アートなのかはわかりません。 -
大聖寺川を渡ります
国道から横道に入り、大聖寺川を渡ります。 -
ツユクサ(道端)
農道をのんびり歩いています。 -
秋に咲く「アキノノゲシ」(道端)
-
イチオシ
「竹の浦館」に到着
昭和5年、瀬越村(現 瀬越町)の北前船主と村の有志の方々により、地域の未来を担う子どもたちのために寄贈された「瀬越小学校」です。
昭和42年の廃校後は青年の家として活用し、現在は地域の交流スペース「竹の浦館」として開館しています。
ここは加賀市大聖寺瀬越町です。 -
今では珍しい「二宮尊徳」像(竹の浦館)
-
昭和の木造校舎(竹の浦館)
壁の外側には建物の横揺れを補強するため、三角形の控柱(ひかえばしら、バットレス)が支えています。 -
井戸用手押しポンプ(竹の浦館)
名古屋にある「慶和製作所製」の手押しポンプ。
TRADEMARKは、「ふたつの輪(和)の間にK」。 -
北前船の展示室(竹の浦館)
教室はいろんな目的で使われる交流の場になっています。 -
食の体験室(竹の浦館)
-
2階へ上がる階段(竹の浦館)
-
講堂(2階の窓から)
-
約40mある廊下(2階)
-
たけのうらホール(旧講堂)
遊具の肋木(ろくぼく)があるので、体育館としても使われていたのでしょう。 -
ステージ(旧講堂)
コンサートや発表会展示会などに利用されています、
旧講堂は広く高い天井は当時のつくりのまま。 -
「蔵六園」バス停
「竹の浦館」バス停からキャンバスに乗り、橋立集落の「蔵六園」で降ります。
バスのデザインには橋立に相応しい「勇壮な北前船」。 -
北前船の寄港地「橋立」
「北前船」は江戸時代後半から明治時代にかけて活躍した商船で、大阪から瀬戸内海、日本海を北上し北海道までを往復して、莫大な富を得ていました。
「橋立」は船主や船頭、船乗りなど北前船にかかわる人々が居住する集落へと発展しました。 -
橋立の集落
橋立の船主集落は重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、赤瓦の屋根、虫食い跡がある船板、笏谷(しゃくだに)石張りの石垣などが残されています。
日本海からの海風を凌ぐため、「北前船の里資料館」を中心に、丘陵地の谷間に集落が形成されています。
道路は谷筋を通るため、地形に沿って曲がりくねり、坂道が多くあります。 -
「蔵六園」(橋立)
「蔵六」とは亀のことで、手足と頭尾の六つを甲羅の内側にしまい込むことから来ています。
大聖寺藩14代藩主 前田利鬯(まえだとしか)が当家に寄せられた時、奥園のなつめ型手水鉢の下にある自然石をご覧になり、その石があまりにも亀に似ていることから「蔵六園」と命名されました。
蔵六園は、江戸下期の北前船船主屋敷が庭園ともどもそのままの姿で現在に残っているのは全国でも大変珍しく、当時、日本海を雄飛した北前船の隆盛な様子がうかがわれます。
入場料は400円。 -
「オエ」と呼ばれる座敷(蔵六園)
昔の生活道具が展示されています。 -
高い天井と太い梁(蔵六園)
-
座敷(蔵六園)
ここからお庭が観賞できます。 -
イチオシ
庭園(蔵六園)
庭園は江戸時代文久年間に造られ、当時の北前船で運ばれた全国の銘石が飾られています。 -
藩主御成りの部屋(蔵六園)
七五三の床(床幅七尺・わき幅五尺・奥行三尺)、一位の一枚板など、銘木ばかりで造られています。 -
調度品の展示(蔵六園)
-
蔵(蔵六園)
美術品、古文書が展示されています。
最後に奥様と話すことができ、蔵六園の建物や歴史、現在は骨董屋も兼ねて建物を維持されていることをお聞きしました。 -
石畳みの山崎通り(橋立)
蔵六園をあとにし、奥様から教えてもらった食事処「舟重」へ向かいます。
「北前船の里資料館」の隣にあります。 -
「舟重」のランチ(橋立)
地元のお魚料理(1,200円)が並びます。
カナガシラ(ホウボウに似た魚)のフライ、シマダイの刺身、ナスとホタルイカの小皿、ポテトサラダなど。
北前船の箸置きが素敵です。 -
イチオシ
「ミズゴロク」の吸い物(舟重)
ゼラチン状の膜で覆われたコラーゲンたっぷりの幻の魚です。
でも、エビ漁のときにこの魚も一緒に獲れてしまうので、幻ではないとか・・・ -
「北前船の里資料館」(橋立)
建物は明治9年、橋立町の旧北前船主、酒谷長兵衛が建てたものです。
酒谷家は江戸時代から明治時代にかけて、6隻の船を所有し巨額の富を築きました。 -
板壁に囲まれた玄関(資料館)
入館料は350円。 -
「オエ」と呼ばれる大広間(資料館)
30畳の大広間には柱に8寸角のケヤキ、梁には巨大な松、大戸には秋田杉の一枚板など、最高級の建材を使い、船主の豪勢な暮らしぶりがうかがえます。 -
豪勢な座敷と納戸(資料館)
-
北前船の模型(資料館)
船模型は船を新しく造る時に、船大工から船主に贈られるもので多くは実物の20分の1の大きさ。
展示している瀬越の北前船主広海家の広徳丸は、極めて精巧に作られており、明治20年頃の北前船の船形を忠実に現しています。 -
「船箪笥」(資料館)
船箪笥(ふなだんす)は船の中で大切な書類やお金、着物などを入れるもの。
海難に備えて海に投げ込んでも水が入らないようにきっちり作られています。
外側は頑丈なケヤキで、さらに鉄板で角を囲んでいます。中の引き出しは軽い桐が使われています。
前扉には鉄のすかし彫りが付けられています。 -
三国産の仏壇(資料館)
大小2つの仏壇が置かれていることが多い橋立の船主家の仏間。
大を冬仏壇、小を夏仏壇と称し、船主が在宅している冬季や法事などには冬仏壇、平素は夏仏壇を用いました。 -
「遠眼鏡」と「和磁石」(資料館)
「遠眼鏡(とおめがね)」は、海上で船頭が他の船や陸地を見るために、あるいは問屋の主人が港に入ってくる船を確認するために使いました。
もとはオランダから輸入したものですが、器用な日本人はこれを真似て作りました。
筒を紙の一閑張りとし、漆を塗った上に金で模様が描かれています。 -
天気予知の「奇石」(資料館)
船乗りは気象の変化を早く知り海難に備える工夫をしました。
この石は、雨風の強くなる前に、その表面が濡れてくるといわれ、天気予知の奇石(きせき)として尊崇されていました。 -
船の形をした「起舟飾り」(資料館)
橋立付近では2月初旬に行われる「起舟祭」は、漁業の繁栄や海上安全を祈願した祭りです。
この飾りは祭りの際、床の間に飾られ、縄で船の形を模しています。 -
船絵馬「宝栄丸」(資料館)
橋立の出水神社に奉納された「船絵馬」。
「船絵馬」は船主や乗組員が公開の安全を祈願し、寺社に奉納したものです。 -
「赤瓦」の屋根(資料館からの眺め)
橋立保存地区では、茅葺きや板葺き民家が主流であった江戸末期において、瓦葺き民家が多く確認できます。
このことから、橋立の船主は加賀南部の瓦葺民家の先駆的な役割を果たし、この地域の瓦の普及に大きく貢献したことがうかがえます。 -
イチオシ
北前船の「引札」(資料館)
「引札(ひきふだ)」とは現在の広告チラシにあたるもので、大阪から瀬戸内を経て、日本海の各港に寄港して北海道に至る北前船の特徴がよく表れています。
「引札」の発行された地域は、大阪、瀬戸内の諸港、山陰、北陸から東北までの日本海側の諸港、北海道のものがほとんど。
発行者は船問屋をはじめ、茶・薬製品・塩・紙などの商店などのもの。
この引札は、大阪北堀江瓶橋の砥石硯商のもので、「非常大勉強するよ~」と大声でお客を誘っています。 -
船荷卸商店の「引札」(資料館)
小松市安宅港の船荷卸商のもので、七福神がお札の宝船に乗っています。 -
土蔵(資料館)
-
船主屋敷(山崎通り)
資料館をあとにし、橋立の町を歩きます。
家屋の外観は、切妻造り妻入りの屋根をかけ、その周りに下屋を設けています。
外壁は潮風を防ぐため、船板を再利用した竪板で覆われています。 -
イチオシ
船主屋敷の屋敷構え(山崎通り)
船主屋敷は、通りに面して家屋が建ち並ぶ町家型ではなく、家屋が通りから後退して建てられる農家型を基本としています。
家屋の前面には土蔵や、塀が配置され、屋敷構えにあたかも武家屋敷のような風格を与えています。 -
武家屋敷のような町並み(山崎通り)
-
出水神社(いずみじんじゃ)
山崎通りの終点にある神社。
船絵馬がたくさん奉納されているのですが、扉に鍵がかかっていました。 -
イチオシ
ニヤッと笑う狛犬(出水神社)
明治5年建立された狛犬です。 -
木製の狛犬(出水神社)
-
「西出家の屋敷跡」(新町通り)
「北前船の里資料館」へ一旦戻り、丘陵地の別の谷間「新町(しんまち)通り」を歩きます。
名高い豪商「西出孫左衛門」の屋敷跡は建物がほとんど残っていませんが、その敷地面積の広さが西出家の財力を物語っています。
屋敷を囲む石積みは、福井県の足羽山一帯から切り出されて運ばれた「笏谷石(しゃくだにいし)」が使われています。 -
「笏谷石」の石垣(新町通り)
「増田又右衛門家」の船主屋敷跡地は、高低差があるため「笏谷石」を用いた石垣が築かれています。 -
船板で覆われる蔵(眺望の通り)
新町通りの途中から小高い丘陵に上がり、「眺望の通り」からの眺め。 -
くつろぐ猫たち(米木通り)
「眺望の通り」の先から坂道を下ると「米木通り」。 -
板塀と蔵(米木通り)
これらは船板が再利用されています。 -
船主集落の町並み(サマンダ通り)
帰り道は「眺望の通り」の下を通る「サマンダ通り」。 -
船主集落の町並み(サマンダ通り)
-
船主集落の町並み(橋立)
笏谷石の石垣と板塀に囲まれた船主屋敷。 -
船主集落の町並み(橋立)
板塀と蔵。 -
「タカ」のつがい(橋立)
-
「船溜り」に停泊する漁船(橋立)
日本海の荒波を遮る「船溜り」に、沢山の漁船が停泊しています。 -
美しい地層の「尼御前崎」(橋立)
橋立漁港を過ぎ、「尼御前崎(あまごぜんみさき)」を見学。
ここからキャンバスに乗り、加賀温泉駅へ帰りました。 -
日本遺産に認定された「北前船のストーリー」(ポスター)
「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」として文化庁の日本遺産に認定されました。
今回の日本遺産は「北前船のストーリー」として、加賀市をはじめ、函館市、深浦町・・・など7道県11市町が連携しています。
加賀橋立は北前船で繁栄した歴史を町並みから学ぶことができます。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
70